Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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リッカルド・シャイー
 いま、リッカルド・シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が来日している。
 今日は昼下がりのひととき、マエストロ・シャイーを囲んで銀座のブルガリで「お茶会」が開かれた。
 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の初来日は1961年、今回は13回目にあたる。シャイーとの来日は2009年が最初で、2012年に続いて3回目だ。
 実は、今夜が日本ツアーの初日。メンデルスゾーンの序曲「ルイ・ブラス」、ネルソン・フレイレをソリストに迎えたベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」、ショスタコーヴィチの交響曲第5番というプログラムだ。
 もうひとつのプログラムはコンチェルトだけが変わり、五嶋みどりをソリストに、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲が組まれている。さらにマーラーの交響曲第7番「夜の歌」が演奏される日もある。
 この選曲に関し、シャイーはことばを尽くして熱く語った。
「今回のメンデルスゾーン、ベートーヴェン、マーラー、ショスタコーヴィチは、すべてこのオーケストラゆかりの作品なのです。メンデルスゾーンはよくご存じのように、ゲヴァントハウス管のカベルマイスターを務めていました。マーラーもニキシュの時代に2年間このオーケストラとのかかわりをもっていました。そしてベートーヴェンはこのオーケストラの重要なレパートリーのひとつです。さらにショスタコーヴィチはマーラーの影響を強く受けています」
 ベートーヴェンの「皇帝」はゲヴァントハウスで初演が行われた大切な作品であり、シャイー&ゲヴァントハウス管との相性がいいフレイレのソロとあって、今夜の演奏に期待が高まるぱかりだった。
 シャイーは2013年、同オーケストラとの契約を2020年まで延長したばかりだそうだが、初めてこのオーケストラを指揮したのは、1986年のことだったという。
「当時、カラヤンのアシスタント・コンダクターをしていたのですが、カラヤンが東ドイツに宝物のようなオーケストラがあるから、振ってみたらどうかと勧めてくれたのです。私はいまの年の半分くらいの年齢でしたので、イタリア人の指揮者がドイツの世界最古のオーケストラを振るなんて、ドキドキものでした。でも、ザルツブルク音楽祭でR.シュトラウスの交響詩《ドン・ファン》を振ったら、最初からとても自由にのびのびと指揮することができたのです。まさに相性のよさを感じました」
 すると、すぐにカラヤンから電話があり、1時間後に会いたいといわれた。
「もう叱られるのではないかと、ヒヤヒヤものでした。でも、ここはもう少しこうした方がいいとか、もっと向上できるなどと、ずはらしいアドヴァイスをしてくれたのです」
 そしてカラヤンの先見の明が、見事に的中した。2002年から2003年のシーズンの後、ブロムシュテットの後任のカベルマイスターを探していたゲヴァントハウス管から、シャイーに次期カベルマイスターの打診があったのである。
 これに関しては、同席していたオーケストラの総支配人、アンドレアス・シュルツが答えた。
「マエストロ・シャイーとの演奏を覚えていた楽員が多く、ぜひ彼を次期カベルマイスターにという声が上がったのです。実際、マエストロをお招きして、私たちはレパートリーも広がりましたし、チクルスも多く行うことができ、絆は深まる一方です。もっともすばらしいのは、“イタリアの炎“と呼ぶべき、マエストロの音楽に賭ける大きな情熱です。この情熱が私たちのオーケストラを引っ張っていってくれるのです」
 シャイーは、このオーケストラのもっとも大きな特質は、「特有の音」だという。伝統が培ってきた音。シャイーが就任してから40人の新しい楽員がオーディションによって選ばれたそうだが、彼らがゲヴァントハウス管の「音」とどう一体化できるか、じっくり見守っていきたいと語った。
 今夜のコンサートは、まさに伝統の「音」を存分に披露する形となった。特にショスタコーヴィチがオーケストラの底力を示した。もちろん、フレイレのピアノが大好きな私は、「皇帝」に深い感銘を受けた。
 この緩徐楽章は、ベートーヴェンの全作品のなかでもっとも好きな音楽。これまで涙がこぼれそうになった演奏は、ペライア、ブッフビンダー。そして今夜のフレイレである。
 ここでフレイレに関するビッグ・ニュースをひとつ。今秋のゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団のソリストとして再び来日し、ブラームスのピアノ協奏曲第2番を演奏する予定が決まったという。う〜ん、た・の・し・み!
 今日の写真は「お茶会」の後のマエストロ・シャイー。相変わらずダンディだけど、貫録ついたよねえ。地位が人を作るとは、こういうことなんだと納得。


 
 
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