Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ヴァシリー・ペトレンコ
 最近、実力と人気を兼ね備えた若手指揮者の台頭が目立つ。
 現在、オスロ・フィルが来日ツアーを行っているが、その首席指揮者ヴァシリー・ペトレンコもそのひとり。今日はその演奏を聴きに、ミューザ川崎シンフォニーホールに出かけた。
 モーツァルトの「フィガロの結婚」序曲から始まったこのコンサート、冒頭から、ペトレンコの切れ味鋭い躍動感に満ちた音楽作りが全開。
 ペトレンコは1976年サンクトペテルブルク生まれ。名指揮者たちの薫陶を受け、国際コンクールでも好成績を残し、若いうちからめきめきと頭角を現してきた。
 彼の名前が広く知られるようになったのは、2005年に英国ロイヤル・リヴァプール・フィルの首席指揮者に就任してから。今回、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲でソリストを務めた諏訪内晶子に、この公演のプログラム用のインタビューをしたとき、「共演は初めてですが、ヴァシリー・ペトレンコという名前は英国で特に有名で、その演奏のすばらしさは伝わってきています」と語っていた。
 今日の彼女はインタビューで語っていた「このコンチェルトは、燃えたぎるようなものを内包している」ということば通り、はげしく情熱的でスケールの大きな演奏を披露した。
 後半は、マーラーの交響曲第1番「巨人」。ペトレンコはかなりの長身で、ステージ衣裳もスタイリッシュ。指揮はアグレッシヴでキレがあり、以前からオペラとシンフォニーの両方をレパートリーにしているためか、マーラーの旋律のうたわせ方も実にオペラティック。
 もっとも印象的だったのは、その左手の使い方。第2楽章の出だしの諧謔的なスケルツォを、ほとんどタクトをもっている右手を使わず、左手だけで指揮し、木管楽器とホルンを美しい自然を描き出すように響かせた。
 ペトレンコの指揮を見ているうちに、私の脳裏には、最近活躍している若手指揮者を何人かまとめて紹介する記事を書きたいと思う気持ちがふつふつと湧いてきた。
 第4楽章のホルン、トランペット、トロンボーンの咆哮するような響きはすさまじく、深く傷ついた絶望の叫びがら勝ち誇ったような熱狂的な歓喜まで、オーケストラ全体が揺れ動くようなはげしさを見せ、圧巻のフィナーレを築いた。
 ペトレンコは若さあふれる指揮で、スター性も備え、これから日本でも人気が出そうだ。
 明日は、ペトレンコの新譜をゆっくり聴いて、それを紹介したいと思う。
 さて、若手指揮者の記事、ゆっくり考えようっと。こういう若い才能がどんどん出てくると、クラシック界が活気づくからいいよね。
| アーティスト・クローズアップ | 23:10 | - | -
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