Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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寿屋
 おいしいお豆腐は、それだけでごちそうである。
 昨年の秋にも書いたが、今日は原稿の合間を縫って、私のお気に入りのお豆腐屋さんに出かけた。
 西荻北3丁目にあるため、家からは結構歩くが、そのかいがあるお店だ。
 今日はお店に着いたら、すだれが下りていて、紙に「ちょっと近くに出ています。すぐに戻ります」と書いてある。お客さんらしき女性がふたり待っている。私も待つことにした。
 しばらくすると、ご主人がマグカップを手に戻り、「あれえ、3人もいるの。いや、まいったなあ」といいつつ、接客。
 実は、最初に買いにきたとき、私はメールでチェックしていたため、お昼休みがあることを知っていた。11時30分から19時までの開店時間だが、13時から14時30分まではお店を閉める。これまで私が知っている町のお豆腐屋さんというと、お昼ころでも「こんにちは」と声をかけると、奥の方からお店の人が出てくる、という感じだった。
 そこで、つい「お昼に休み時間があるんですね」というと、この職人気質のご主人は、きびしい表情をしていった。
「お客さん、ウチはコンビニじゃねえんだ。昼飯くらい、ゆっくりと食わせてくれよ。みんなが寝ている明け方からひとりで働いて、豆から豆腐を作ってんだよ。昼休みくらい、あるさ」
 ヒエーッ、何も私はそんな非難めいたことをいった覚えはないんだけど…。本気で怒られ、縮み上がったが、それは次の話を聞いて納得。
 この「寿屋」豆腐店は、大正15年開業で、もう80年以上続けていて、彼が3代目だそうだ。代が変わると味が変わるのは当然だが、新しい物も作りたいと考えた。
 そのころ、関西の方のおいしい「ざる豆腐」を知り、それを買いに行って自分で研究し、ようやく納得のいく「ざる豆腐」ができた。それがいまの「寿屋」の人気商品というわけだ。
 このざる豆腐は、いわゆる昔のお豆腐の味がする。ボリュームもあり、濃厚で、かつお節やショウガの搾り汁を乗せ、おしょうゆをタラリとかけると、もうそれは美味。職人芸が伝わります。
 今日の写真は、陽を浴びてまぶしそうな顔をしているご主人とお店の外観。
「写真撮るなら、すだれを上げた方がいいかな」
 そういって商品が見えるようにしてくれた。いまでは、私ももう怒られなくなった(笑)。
 もう2枚の写真は、ざる豆腐と、生揚げと油揚げ。生揚げは外が香ばしい味わいで、なかはふんわり柔らか。ちょっと炙って薬味を乗せて食べるのが一番シンプルでおいしいけど、里芋やごぼうなどの根菜とお煮しめにしてもイケる。それから、何といってもやみつきになるのが、油揚げ。こういう手作りの中身のしっかりした油揚げには、なかなかお目にかかれない。
 他にはおぼろ豆腐やゆばもあり、ざる豆腐を揚げたざる生揚げというものもある。
 こういうお店はずっと続いてほしい。いつもちょっとこわごわ買いにいくんだけど、私は職人気質が大好きなので、いつもちょっとだけ話をしてしまう。






 
 
| 西荻はおいしい | 23:36 | - | -
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