Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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インタビューの下調べ
 9月からシーズンが始まり、これから年末まで来日ラッシュが続く。
 インタビューの仕事もかなり先まで入り、それぞれのアーティストの下調べをしっかりしなくてはならない。
 先日、仕事仲間と話しているとき、私のインタビューの仕方について話題となった。
 私は他の人のインタビューを聞くことはできないため、ほかのジャーナリストや評論家がどういうインタビューをしているのかは知ることができない。
 仕事仲間の人たちによると、彼らはインタビューに立ち会う立場の人たちなので、だれがどういうインタビューをするのかはよく知っている。
 私はいつもそのアーティストのプロフィールや仕事内容、これまでの経歴から録音、コンサートなど現在進めているプロジェクトまで、事前に頭に叩き込んでいき、対話をするときはメモをいっさい見ない。
 もちろん、固有名詞や年号などはまちがうといけないため、さっとメモすることがあるが、テレコを置くと、あとは基本的に相手の目を見てずっと話をすることをモットーとしている。
 だが、ほとんどの人はインタビュー項目をきちんと紙に書いてきて、それをひとつずつ読み上げて答えを記入していくのだそうだ。
「えーっ、そうなの」
 私は自分のやり方とあまりにも違うため、驚きの声を上げてしまった。
 そういえば、私はよくアーティストに質問される。
「きみ、メモとらないし、何の資料も見ないけど、大丈夫?」
 もちろん、「大丈夫です!」と明言する。「全部、暗記していますから」と。すると相手は、「おおっ」といって感嘆する。まあ、ちょっとおおげさにいってしまうんだけどね(笑)。
 日本の他のインタビュアーは熱心にメモをしているのに、私はやることをやっていないように見え、きっと心配でたまらないのだろう。
 以前、映画「ピアノ・レッスン」の音楽などで有名なマイケル・ナイマンにも、「きみは、ふつうの日本人と違うねえ」といわれた。
 そうなのかしら。本当に、そんなに日本人らしくないインタビューをしているのだろうか。
 でも、これが私のやり方である。
 インタビューというのは、時間に制限がある。特に海外の音楽家の場合、通訳の訳している時間、カメラマンの撮影時間などを除くと、話をする時間は本当に短い。そのなかで、少しでも多くのことを聞かなくてはならないわけで、私はずっと相手の気をそらさないよう、集中して話す。
 もっとも大切なのは、アーティストにとって、貴重な時間を「損した」「無駄にした」と思われないようにすることだ。
 さて、そのためにはしっかり下調べをして、その予習を本番に生かさなくてはならない。
 これからまた、いろんなアーティストに会う日が続く。こういう時期だからこそ、気を引き締めなくっちゃ。
| クラシックを愛す | 22:25 | - | -
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