Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ジャン=ギアン・ケラス&アレクサンドル・メルニコフ
 またまた月末入稿に追われる日々だが、各誌の新譜紹介の記事を書いていると、そのつどすばらしい録音に出合い、つい時間を忘れて聴きほれてしまう。
 今日は、フランスのチェリスト、ジャン=ギアン・ケラスとロシアのピアにスト、アレクサンドル・メルニコフがコンビを組んだ「ベートーヴェン:チェロとピアノのための作品全集」(キングインターナショナル)を聴き、2枚組のCDをずっと聴き込んでしまった。
 実は、明日はケラスの「バロックからモダンへ辿る道」と題したリサイタルを聴きに王子ホールに出かける予定である。
 その前に聴いたこのベートーヴェン、ケラスのチェロは朗々と旋律をうたい、おおらかで情熱的でえもいわれぬ情趣がただよっている。
 これにメルニコフの自由闊達で、疾風怒濤のごとく突っ走っていくピアノがからむと、丁々発止の音の対話が生まれ、なんともスリリングで刺激的だ。
 メルニコフは、近年ひと皮むけたような、非常に印象に残る濃密な演奏をするピアニストに変貌した。
 もう10年ほど前になるが、「プラハの春音楽祭」の取材にいったとき、ワディム・レービンとのデュオで音楽祭に参加していたメルニコフにインタビューをしたことがある。
 ものすごくシャイで、ほとんど相手の顔も見ないようなタイプで、話をしている間中ずっと下を向いてボソボソしゃべっている。
 こりゃ、困ったなあ。テープに声が入らないんじゃないかと心配したほどだ。
 しかし、いったんピアノに向かうと、一気にその音楽は雄弁になり、まるで彼の心の声のようだった。
 そんなメルニコフが、この録音ではケラスのチェロをリードするような潔さを見せ、ベートーヴェンのピアノ・パートをガンガン気持ちよく、快速のように飛ばしている。
 こういう録音を聴くと、すぐにナマの演奏が聴きたくなる。だれか、ふたりのリサイタルを組んでくれないかなあ。
 さて、明日はケラスの無伴奏チェロの夕べだ。どんな歌を聴かせてくれるだろうか。
 今日の写真はケラスとメルニコフのベートーヴェンのジャケット。ケラスはいつまでも変わらないけど、メルニコフは風貌もすごく変わった。彼にいまインタビューをしたら、きっと以前とはまったく異なり、自信に満ちた答えが戻ってくるんだろうな。



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