Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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アレクサンダー・ロマノフスキー
 今日は、ウクライナ出身のアレクサンダー・ロマノフスキーのリサイタルを聴きに紀尾井ホールに出かけた。
 ロマノフスキーは1984年生まれ。17歳のときにイタリアのブゾーニ・コンクールで優勝し、その名が広く知られるようになった。
 現在は欧米各地で活発な演奏活動を展開し、2013年にはモスクワの「若い音楽家のためのクライネフ国際ピアノ・コンクール」の芸術監督に就任した。
 今日のプログラムは、前半がベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番「月光」と、第30番。後半がオール・ショパンで、バラード第2番、第4番とピアノ・ソナタ第2番「葬送」。
 ロマノフスキーの演奏は、いずれも端正な音色で確固たる構成を備え、真摯でまっすぐな音楽である。
 ピアノはその人のありのままを映し出すが、おそらく真面目で一途な人柄なのだろう。それがそのまま演奏に現れていた。この公演評は、次号の「モーストリー・クラシック」に書く予定だ。
 今年はショパン国際ピアノ・コンクールの開催年であり、多くのピアニストがショパンをプログラムに入れている。それゆえ、ありとあらゆるショパンを聴くことができる。
 ロマノフスキーのショパンは、音のダイナミズムが広く、繊細かつエネルギッシュ。ルバートもやりすぎず、足りなすぎず、節度ある演奏に徹していた。
 彼はラフマニノフを得意としている。新譜もラフマニノフのピアノ・ソナタ第1番と第2番を演奏したものであり(ユニバーサル)、ジャナンドレア・ノセダ指揮によるNHK交響楽団との共演では、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」を演奏した。
 今日の写真はリサイタルのチラシ。この人、横顔が彫刻を思わせる。こういう容貌の持ち主は、けっして羽目を外すことはないんだろうな。舞台に登場したときから貴公子のようで、演奏も実直。
 今日の演奏では、アンコールに演奏されたスクリャービンの「12のエチュード」より第8番がもっとも印象に残った。若くみずみずしい感性が横溢するスクリャービンのピアニスティックで複雑なリズムを多用した作品が、ロマノフスキーの奏法にピタリとマッチしていたからだ。この作品では、ひとつの殻を破り、素顔がのぞいていた。
 こういう演奏が聴きたかったんだよねえ、もっとスクリャービン、弾いてほしかったな。最後に、人間ロマノフスキーが顔を出し、ほっと安堵した思い(笑)。


 
 
| クラシックを愛す | 22:49 | - | -
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