Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ヴァシリー・ペトレンコ
 出張前は、留守中の原稿を先に入稿していかなくてはならないため、いつもドタバタ状態になる。
 特に、今回は月末ゆえ、いつもよりなお一層あわただしい。
 でも、今日はインタビューとコンサートがあり、その時間を空けるために朝から飛ばしに飛ばして、夕方サントリーホールに駆け付けた。
 今日はヴァシリー・ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートで、ソリストとして辻井伸行が参加する。
 プログラムはストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番、ストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」で、そのリハーサルと本番の合間にペトレンコがインタビューに応じてくれた。
 彼は1976年サンクトペテルブルク生まれ。いまや若手世代の注目株のひとりで、その指揮はしなやかで躍動感に富む。ロシア作品を得意とし、欧米の主要オーケストラや歌劇場にも招かれているが、現在はこのロイヤル・リヴァプール・フィルとオスロ・フィルの首席指揮者を務め、さらに他のポストもいくつか務めている多忙な身。
 来日記念盤としてラフマニノフの交響曲全曲録音がリリースされたため(ワーナー)、その話題にも触れた。ペトレンコはロシア作品をもっと世に紹介したいといい、特にあまり知られていない作品に光を当てたいと熱く語った。ラフマニノフも、ピアノ作品の方が有名だが、ペトレンコは交響曲のすばらしさを広めたいのだそうだ。
 彼は辻井伸行の才能を高く評価し、もっともっとロシアのピアノ協奏曲を演奏してほしいといっていた。
 190センチはあろうかという長身だが、笑顔が親しみやすく、性格がとてもいい。オーケストラのメンバーに好かれそうな、温かで真摯でまっすぐな性格が話の端々にのぞく。
 このインタビューは、「日経新聞」とヤマハのWEB「音楽ジャーナリスト&ライターの眼」に書く予定である。
 子どものころの話、師事した偉大な指揮者のこと、指揮者としての仕事に関して、各地のオーケストラのこと、今後の方向性まで多岐にわたることを話してくれ、短時間ながら有意義なインタビューとなった。
 私がラフマニノフの交響曲第1番の新譜の解説書をテレコの横に置いて話を聞いていたら、最後に自分からサインをしてくれた。
 これまで多くの指揮者に話を聞いてきたが、頼んでいるわけではないのに、ペンをもってサインをしてくれた人は初めてである。本当にいい人なのね(笑)。
 その後、コンサートを聴き、生き生きとしたみずみずしいストラヴィンスキーに、オーケストラとの絆を深さを感じた。彼はこのオーケストラとの「結婚」はうまくいっているといっていたが、まさにそれが音楽に生命を与えていた。
 さらに、プロコフィエフを演奏した辻井伸行の一途なピアニズムは、いつもながら私を元気にしてくれた。今日は疲れていたが、このコンサートのおかげで、明日からの仕事に対するエネルギーが湧いたような気がする。
 今日の写真は、インタビュー中のマエストロ・ペトレンコ。ロイヤル・リヴァプール・フィルのポストに就いたとき、「英国のオーケストラのトップを目指そう。そうあるべきだ」と、みんなにゲキを飛ばしたそうだ。上昇志向の強さは、気持ちいいほど。指揮者として、ぐんぐん高みを目指して進んでいくに違いない。

| アーティスト・クローズアップ | 22:39 | - | -
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