Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ベートーヴェンの家
 昨秋、「家庭画報」の取材でウィーンを訪れた際、ウィーン楽友協会資料室長のオットー・ビーバ氏から、ベートーヴェンの残された家に関して新たな事実をいろいろ聞くことができた。
 というのは、現在ベートーヴェン・ハウスとして公開され、彼が住んだとされている家の多くが、事実とは異なっているというのである。
 ビーバ氏は長年に渡り、偉大な作曲家の足跡を研究し、ベートーヴェンについても当時の番地の表記や史実を分析し、残された手紙や楽譜、資料などから真実を探求し続けているそうだ。
 ただし、長年ベートーヴェンの家として公開され、ウィーンの名所として世界中から観光客が訪れているため、それを覆すのは至難の業で、明確な研究結果を発表することができない限り、否定はできないという。
 この話になった途端、ビーバ氏は一気に雄弁になり、自身の研究について雄弁に語り出した。
 私たち取材班が、「ガイドブックの情報しかもっていない」と嘆き、本当はそうではないといろんな史実を教えてくれた。
 そのひとつに、ビーバ氏が「ここは本当にベートーヴェンが住んだ家」と断言する家があった。まだ公表されていないため、住所は控えるが、その家を訪れると壁面にプレートが掲げられ、ベートーヴェンの住んだ年号が記されていた。
 ただし、現在は一般の人々の住居となっているため内覧はできなかった。こうした事実が明らかになれば、これまでの研究に大きな変化が現れるに違いない。
 ビーバ氏は、こうした事実を発表するための研究に、これからの人生のすべてを賭けると明言した。
 偉大なる作曲家にまつわる研究は世界中でいまなお続けられているが、こうした話を聞くことができ、ベートーヴェンの遺品についても多くのことを教えられ、ビーバ氏のインタビューは本当に実り多きものとなった。
 今日の写真は、そのベートーヴェンが実際に住んだとされているウィーン市内の家の外観。観光客はまったく訪れないひっそりとした通りに面した家で、ビーバ氏の話を思い出し、なんだか謎に包まれた、不思議な感覚にとらわれた。




 
 
| 麗しき旅の記憶 | 22:31 | - | -
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