Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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イェフィム・ブロンフマン
 最近は同じ日に聴きにいきたいコンサートが重なり、調整が大変だ。
 昨日は、すみだトリフォニーホールにイェフィム・ブロンフマンのリサイタルを聴きにいった。
 彼には昨年インタビューし、今回のプログラムのことを聞いている。
 今日のプログラムはプロコフィエフの「戦争ソナタ全曲」。ピアノ・ソナタ第6番、第7番が前半で、後半にピアノ・ソナタ第8番が演奏された。
 ブロンフマンはプロコフィエフを昔から愛奏し、この作曲家の作品を広めることに尽力している。
 ロシア作品は、よく腰から弾くといわれるが、まさに堂々たる体躯のブロンフマンは、力を入れなくても深く重力のある音が出る。そのエネルギッシュな奏法で作品の奥に潜む作曲家の真意に肉薄。荒々しさ、強靭さ、生命力、ロマンティシズム、不安定、清冽、静謐、抒情、情熱など、さまざまな表情を幾重にも変化しうる音色で存分に聴かせた。
 プロコフィエフの「戦争ソナタ」は、いずれも重量級の作品ゆえ、聴き手も集中して聴いていると、前半だけで疲労困憊する。だが、ブロンフマンは余裕綽々。後半の第8番は特有の弱音も聴かせ、心に染み入るピアニズムを展開した。
 こうした大作を演奏した直後に、彼はアンコールでプロコフィエフとはまったく趣を異とするスカルラッティのソナタ ハ短調 K11とショパンの「12の練習曲」より第8番ヘ長調 作品10-8を天上の音楽のような弱音を駆使して披露。ヴィルトゥオーソ・ピアニストの底力を示した。
 こんなに素早く奏法も表現も内容もさらりと変えられる、その切り替えの速さに脱帽。ブロンフマンは本当にすごい人だと、しばし席を立つことができなかった。
| クラシックを愛す | 23:31 | - | -
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