Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ヴィットリオ・グリゴーロ
 イタリアのテノール、ヴィットリオ・グリゴーロが待望の初来日を果たした。今日はインタビューに行き、短時間ながら集中的にいろんな話を聞くことができた。
 昨日の午後、成田に着き、すぐにインタビューをこなし、今日も複数のインタビューに応じるというタフな彼。時差ボケで大変だったようだが、ナマあくびをこらえて、一生懸命ことばを尽くして質問に答えてくれた。
 ヴィットリオ・グリゴーロは「ルチアーノ・パヴァロッティの再来」「ロランド・ヴィラゾンの後継者」といわれる逸材。現在37歳で、もっとも脂の乗っている時期だ。
 トスカーナのアレッツォに生まれ、ローマで育った。幼いころから音楽に才能を示し、美しい高音をもつ声を見出されて11歳から14歳までバチカンのシスティーナ礼拝堂聖歌隊に入隊。オーディションでボーイ・コントラルトに入れられたという。
 ボーイ・コントラルトの方が、ボーイ・ソプラノより変声期後にテノールになるチャンスが多いからだそうだ。
 ソリストを務めたヴィットリオは、変声期後しばらく声を休ませ、17歳からダニロ・リゴーサのもとでレッスンを開始。それまでの歌い方をすべて忘れろといわれ、一から勉強し直したという。
 23歳で史上最年少テナー歌手としてミラノ・スカラ座の舞台に立ち、大成功を収めた。そして2010年、大きな成功が未来への道を拓くことになる。
 コヴェントガーデンのロイヤル・オペラ・ハウスで「マノン」のデ・グリュー役をうたい、「いままでロイヤル・オペラ・ハウスで聴いたもっともすばらしいデビュー」と絶賛されたのである。
 その後は各地の歌劇場から引っ張りだことなり、レコーディングも開始。「イタリア・オペラ界の至宝」と称されるようになった。
 待望の初来日公演は、4月5日と4月10日に東京オペラシティコンサートホールで行われる。息の合ったピアニスト、ヴィンチェンツォ・スカレーラとの共演だ。
 ベッリーニ、ロッシーニ、ドニゼッティ、ヴェルディ、トスティ、レオンカヴァッロ、ダンニバーレの作品がプログラムに組まれている。
 来日記念盤として、美しい宗教曲のアリアを収録した「アヴェ・マリア」、もっとも自分の声が作品に適していると語るフランス・オペラのアリアを集めた「ロマンティック・ヒーロー」(ソニー)がリリースされており、今日のインタビューではその作品についてもいろいろ聞くことができた。



 このインタビューは「日経新聞」とヤマハのWEB「音楽ジャーナリスト&ライターの眼」に書く予定である。
 実は、「ロマンティック・ヒーロー」のCDにはメイキング映像のDVDが付いていて(初回生産限定盤)、そのなかで聖歌隊時代のヴィットリオ少年がソロをうたっている。これがすこぶる自然で清涼で美しい歌声。私は一度でこの声にはまってしまった。
 彼に子ども時代の映像もっとないの、ぜひまとめて発表してほしいんだけど、といったところ、「おっ、気に入ってくれたんだ。じゃ、ソニーに交渉してみるよ」と笑っていた。
 今後はコヴェントガーデンでアントニオ・パッパーノ指揮により、マスネの「ウェルテル」をうたう予定だそうだ。その後はプッチーニの「トスカ」も控えているという。
 情感豊かで繊細で、情熱的でありながらせつなさも表現できる歌声は、まさにフランス・オペラにピッタリ。6歳からフランス語を学んだそうだが、これは父親の薦めだったという。その父親が今回の来日に同行していた。
 お父さんは人とのコミュニケーションの手段として、言語の習得が大切だと息子に教えたようだ。そのおかげで、ヴィットリオは現在6カ国を話せる。
 今日の写真は、ヴィットリオがセルフィー(自撮り)で写したもの。私がインタビューが終わって「ブログ用に写真撮っていい?」と聞いたら、「そのスマホ、ちょっと貸して」といって私とのツーショットをセルフィーで撮ったため「そうじゃないの。アーティストだけなのよ」といったら、自分でピアノの前にすわり、撮影した。
 アーティストがセルフィーで撮ったのは初めて。ちょっとピンが甘いけど、公開しちゃいます。
 さて、4月5日はコンサート初日。どんな歌声が披露されるだろうか。待ち遠しい限りだ。彼はカリスマ性もあり、カッコいい。きっと舞台姿も美しいに違いない。

| アーティスト・クローズアップ | 20:24 | - | -
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