Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ルノー・カピュソン
 昨日に引き続き、今日はルノー・カピュソンのリサイタルを聴きにトッパンホールに行った。
 プログラムはモーツァルトのピアノとヴァイオリンのためのソナタ 変ロ長調からスタート。トッパンホールの親密的な空間に、美しく流麗なルノー節が朗々と響いていく。序奏の重音から、こまやかな神経が細部まで張り巡らされた繊細で緻密なモーツァルトが展開されていく。とりわけ第3楽章のガヴォット風のロンドがエレガントな美を放っていた。
 次いで、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第7番が登場。ここではピアノのダヴィッド・カドゥシュとともに丁々発止の音の対話が繰り返される。
 ベートーヴェンのこのソナタは、ピアノが非常に大切な役目を果たし、主題が幾重にも変容され、美しいカンタービレや緊迫感あふれる劇的な音楽が形作られていく。
 ヴァイオリンがそれを鮮やかに装飾し、「運命の調」と呼ばれるハ短調で書かれた音楽ならではの緊張感とエネルギーと推進力を生み出していく。
 後半は、シューベルトの幻想曲ハ長調。こういう作品こそ、カピュソンの類まれなる美音が生きる。かろやかさ、ヴィルトゥオーゾ性、スラヴ色豊かな民族性、豊かなファンタジー、あふれるロマン、変奏主題の妙などをカピュソンは自由闊達にのびやかに奏で、フィナーレではピアノとともに高い頂に一気に登り詰めるような高揚感を示した。
 昨日のインタビューでも語っていたが、かつてアイザック・スターンが使っていた楽器、1737年製グァルネリ・デル・ジェス「パネット」を弾き出してから10年、ようやく自分の思うような音が出せるようになったという。
 まさしく、「自分の音」となった楽器で、輝かしいルノー節をたつぷりと聴かせてくれた。
 
 
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