Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ラルス・フォークト
 私は、ネクラな人を乗せるのが得意なようだ。
 今日はラルス・フォークトのインタビューがあったが、彼は本人いわく「ネクラ」だそうで、昔は目立つことや人前に出ることが苦手だったという。
 しかし、ピアニストになり、最近は指揮活動も行っているため、性格が徐々に変化してきたようで、いまは感情を外に出すようにしているそうだ。
「昔から指揮には興味があったんですよ」
 最初は弾き振りを行っていたが、やがて本格的な指揮を行うようになり、2015/16シーズンからノーザン・シンフォニアの音楽監督に就任し、指揮活動の時間が多くなっている。
 室内楽奏者としても知られるフォークトは、1998年6月にケルン近郊のハイムバッハで室内楽音楽祭「シュパヌンゲン音楽祭」を創設し、その活動も多忙を極める。さらに教育プログラムも設立し、教えることにも時間を割いている。
「もう、時間が足りなくて足りなくて。本当にどうやったらすべての活動に力を注げるのか、そればかり考えている」
 もちろんピアニストとしてのソロ活動がもっとも重要だが、その時間のやりくりや指揮に関しては、友人であるラトル、ハーディング、P.ヤルヴィらがアドヴァイスをしてくれるという。
 フォークトはひとつの質問に対して、ことばを尽くして一生懸命答えてくれたが、その目力の強いこと。このインタビューは、次号の「intoxicate」に掲載される予定である。
 いろんな話に話題が広がったが、7月3日にサントリーホールで新日本フィルとの共演で演奏するブラームスのピアノ協奏曲第2番に関し、私が「もうこのコンチェルトは、自分の曲といってもいいくらい弾き込んでいるでしょう」といったところ、目を大きく見開いて「とんでもない!」と大声を上げた。
「このコンチェルトを弾くときは、いつも生か死か、というくらいの切羽詰まった気持ちで対峙しているんだよ」
 これを受けて私が「シェイクスピアのようですね」といったところ、急に芝居がかった調子で「生きるべきか死ぬべきか」と台詞のように語り、すぐに「へへへっ」と照れくさそうに笑った。こういうところが「ネクラ」なのかもね。ネアカな私が乗せてしまったのかしら(笑)。
 このインタビューでは、著名な指揮者たちとの交流、子どものころにモーツァルトに魅せられたこと、ノーザン・シンフォニアは家族だと思っていること、ようやくショパンを録音したこと、リーズ国際コンクールの思い出、サッカー少年だったときのことといま応援しているチームについてなど、多岐に渡ることを話してくれた。
 今日の写真は、その目力の強いラルス・フォークトの一瞬の表情。顔も大きくて立派、からだもがっしりしている。サッカーの話のときに「いまは走っていないの」と聞いたら、急に立ち上がって走り出すまねをし、「う〜ん、無理」といってすわりこんだ。結構、お茶目かも。これも私が乗せたせい?


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