Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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津田裕也
 いま、津田裕也の新譜のライナーノーツを書いている。
 彼は2007年に仙台国際音楽コンクールで優勝の栄冠に輝き、その後ベルリン芸術大学に留学。つい先ごろ、日本に拠点を移したばかりだ。
 コンクール後、何枚かCDをリリースしているが、今回の新譜は事実上のソロ・アルバムとしてのデビュー作となり、オール・メンデルスゾーンというプログラムになっている(フォンテック)。
 まず、あまり演奏される機会に恵まれないピアノ・ソナタ第1番からスタート。次いで「幻想曲」作品28へと進み、メンデルスゾーンの代表作のひとつである「無言歌集」から9曲が選ばれ、最後は「厳格なる変奏曲」で幕を閉じるという趣向だ。
 最近、国際コンクールなどで鍵盤をエネルギッシュにガンガン叩き、ダイナミックな音量で勝負するピアニストが多いなか、津田裕也のピアノはその対極にある。彼の作り出す音楽は、おだやかで柔軟性に富み、抑制された感情が息づく静謐なピアニズムである。
 その特質が、今回のメンデルスゾーンでも全面開花し、やわらかくうたい、語りかけ、各曲の絵画的で詩的な響きがしっとりと胸に染み込んでくる。
 先日、久しぶりにインタビューで会い、いろいろ近況を聞いた。やはりドイツに留学してから、ドイツ作品の奥深いところに目覚めたとのことだった。
 津田裕也は、話し方も謙虚で誠実でおだやか。その性格はヨーロッパで暮らすことで少しずつ変化し、「自分を主張することができるようになり、音楽面でも自分のいいたいことを最初の音から出せるようになった」という。
 今日の写真は、インタビュー中の1枚。「眉毛が太くて、理髪店で細くしたらといわれますが、やめています」といって、笑っていた。そうそう、眉剃りなんか、しないでね(笑)。







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