Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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アンティ・シーララ
 先日、7年ぶりにインタビューしたアンティ・シーララは、ひとつずつの質問にていねいに答える姿勢と、ことばを尽くして自身の考えをじっくり伝える様子がまったく変わることがなく、演奏と同様の清新な雰囲気を醸し出した。
 音楽一家に生まれたシーララは、幼いころからピアノを始めたが、確固たる信念をもった子どもだったようで、自分の考えを貫き通す面があった。
「頑固な面があるんです。いい出したらきかないといった子どもでしたね。両親はピアノの練習を強いることなく自由にさせてくれましたし、幼いころの先生もぼくの性格を受け入れて根気よく指導してくれましたが、やがてマスタークラスを受ける年代になると、自分の考えとは違う解釈や奏法を押し付けられると、よく反発したものです」
 いまでは笑いながら語るが、子どものころからすべて自分で決めることが好きだったという。国際コンクールを受ける年代になると、先生の意見には一応耳を傾けるものの、参加するコンクールはすべて自分で決めた。
 17歳でウィーン・ベートーヴェン国際コンクールで優勝してからというもの、ロンドン、ダブリン、リーズとすべての国際コンクールにおいて優勝を果たしているのだから、自身の選択はまちがっていないことになる。
「ベートーヴェン・コンクールは絶対に受けたかったのです。子どものころからベートーヴェンが大好きでしたので。ここで賞をいただいて、大きな自信になりました」
 いまやベートーヴェンのピアノ・ソナタはシーララのメインを成すレパートリーとなり、世界中で高い評価を受けている。
 このインタビューは、HPのリニューアル後のインタビュー・ページに掲載する予定である。
 シーララは、ピアニストとの夫人の間にふたりの子どもがいるため、「いまは趣味に費やす時間もなく、子どもの世話をするのが精いっぱい」と幸せそうな笑顔を見せた。
 ずっとヘルシンキに住んでいたわけだが、2013年よりゲルハルト・オピッツの後任としてミュンヘン音楽大学の教授に就任したため、現在はミュンヘン在住。「この町は清潔で美しく秩序もあり、大都会で何でもあるし、とても住みやすい」と気に入っている様子だ。
「ミュンヘン音大は、とてもレヴェルの高い生徒が多く、自分の勉強にもなる。ぼくはベートーヴェンのソナタや高度な作品を子どものころから弾きたいといっては先生に早すぎるといわれてきたけど、生徒たちには難しい作品でもどんどん自由に弾かせているよ」と太っ腹なところを見せていた。
 風貌は以前とあまり変わっていなかったが、すっかり教授職が板に着いた感じで、生徒の話をするときはやわらかな表情になった。きっといい先生なのね。
 今日の写真はインタビュー後の1枚。おだやかな笑顔でしょ。

 
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