Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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辻井伸行
 辻井伸行は演奏のたびにレパートリーが増え、しかもそれらを完全に自分の音楽とし、聴衆のため息を誘う。
 今日は「プレミアム・リサイタル」と題され、各地の極上の音響空間で聴くシリーズの一環として、紀尾井ホールでリサイタルが行われた。
 プログラムは、彼が愛してやまないショパンとリスト。前半がショパンの「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」とピアノ・ソナタ第2番「葬送」。後半がリストの「ハンガリー狂詩曲」第6番とピアノ・ソナタ ロ短調。前回と同様、今回もプログラムの曲目解説の原稿を担当した。
 ふたりの作曲家の作品はデビュー当初から弾き続けているが、今日のプログラムでは、大きなピアノ・ソナタが2曲組まれ、辻井伸行は研鑽の結果を存分に発揮、聴きごたえのあるソナタを披露した。
 彼はこれらの作品に関し、プログラムにこう綴っている。
「ショパンのピアノ・ソナタ第2番は、第3楽章の《葬送行進曲》が有名ですが、作品全体を通して強く心を揺さぶられます。リストの唯一のピアノ・ソナタは、緻密な音楽のドラマが30分間途切れることなく続きます」
 すべてのプログラムが終了した段階で、辻井伸行は大きな声で客席に向かって「楽しんでいだたけましたか」と話かけ、嵐のような喝采を受けた。すると「たくさんの拍手をいただきましたので、アンコールを演奏します」と語り、会場は大爆笑。リストの「愛の夢」、ショパンの「革命」エチュード、ノクターン嬰ハ短調(遺作)などを演奏し、最後は静かに幕を閉じた。
 終演後、楽屋に顔を出すと、辻井伸行は大作を弾き終えて晴れ晴れとした表情をしていた。
 今日の写真は、そんな彼のワンショット。今回のツアーは、7月1日に旭川から始まり、7月26日につくば市でフィナーレを迎える。11公演すべてが完売という快挙で、辻井伸行の底力を示している。


 
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