Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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アンネ・ソフィー・フォン・オッター
 音楽は、一瞬にしてある曲を聴いたときにタイムスリップさせ、思い出をまざまざまと蘇らせる不思議な力を有している。
 今日は、東京オペラシティコンサートホールにアンネ・ソフィー・フォン・オッターのリサイタルを聴きにいった。
 フォン・オッターは9年ぶりの来日で、今回はスウェーデンのソプラノ、カミラ・ティリングとのデュオが多く組まれた。ピアノはジュリアス・ドレイク。
 このコンサートは19世紀に一世を風靡し、「スウェーデンのナイチンゲール」と讃えられたジェニー・リンド(1820〜1887)に捧げられている。
 プログラムはメンデルスゾーンからグリーグ、マイアベーア、シューベルト、R.シュトラウスまで多種多様な作品が組まれ、デュオとソロが次々に登場した。
 フォン・オッターの歌声を聴くと、私の脳裏にはすぐに1994年春にウィーン国立歌劇場で聴いたクライバー指揮によるR.シュトラウスの「ばらの騎士」が蘇ってくる。それほどあの舞台は印象が強烈だった。
 今日のフォン・オッターは、当時とくらべると表情が柔和になり、歌声も声量の豊かさやストレートな表現力で勝負するというよりも、ひとつひとつの歌詞を大切に、作品にひたすら寄り添うという姿勢が際立っていた。
 フォン・オッターの歌唱は、ひとり芝居を思わせる。
 ピアノの伴奏にかろやかな凛とした声を乗せ、その作品をあたかも芝居を演じているようにうたい込んでいく。その歌からは、季節の移り変わりや美しい自然、愛情や恋、夢や涙や歓びや哀しみが伝わり、心がさまざまな感情で湧き立つ。
 もっとも印象に残ったのは、フォン・オッターがうたったR.シュトラウスの「明日!」。これは、私が大好きな曲で、クリスタ・ルートヴィヒが日本での引退公演の最後にうたった曲である。このときはみんな涙に暮れたものだ。
 今日のアンコールは、オッフェンバックの「ホフマン物語」より「舟歌」、ブラームスの「姉妹」、フンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」より「夜には、私は眠りに行きたい」、ベニー・アンダーソン&ビョルン・ウルヴァースのミュージカル「クリスティーナ」より「The Wonders」という多彩な4曲。ソプラノとメゾ・ソプラノのデュオを思いっきり堪能した一夜となった。
| クラシックを愛す | 23:59 | - | -
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