Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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辻井伸行&ミュンヘン・フィル
 いま、ワレリー・ゲルギエフ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団が日本ツアーを行っている。残すところはあと1日、明日のサントリーホールのみとなった。
 今日は、辻井伸行がソリストを務めるコンサートを聴きにサントリーホールに出かけた。
 プログラムは、前半がベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」で、辻井がソロを演奏する。後半はチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」である。
 辻井伸行には、プログラムの記事用に事前に話を聞いているが、彼は「皇帝」を本場ドイツのオーケストラとの共演で演奏できることを非常に幸せに思っていると語っていた。ミュンヘン・フィルとは今回初共演となるが、実は11月4日にミュンヘンで「皇帝」を演奏し、日本に先がけて共演が実現している。
 なにしろ、今回の指揮はゲルギエフだ。辻井は2012年、サンクトペテルブルクの「白夜の星」音楽祭でマエストロと共演し、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を演奏している。
 このときは、ゲルギエフがとても温かく迎えてくれ、オーケストラともいいコミュニケーションがとれ、ロシアの地でロシアの音楽家たちとロシア作品を演奏することに特別な思いを抱いたそうだ。
 今日の「皇帝」は、ひたむきさと熱意が伝わってくる演奏で、終演後ゲルギエフに促されて、アンコールを3曲も弾いた。「皇帝」の第2楽章をピアノ・ソロで、さらにショパンの「革命」エチュードとノクターン第20番である。
 後半になると、オーケストラは底力を発揮。ゲルギエフの熱血指揮に応えるべく、弦も管も打楽器ももてる最高のものを出し尽くす感じ。集中力と緊迫感がハンパではなく、深く熱く濃密な大音響に、ホールの空気がうねる感じだった。
 印象的なのは、第3楽章のスケルツォ。覚えやすい行進曲に続いて悪魔の踊りが登場。ゲルギエフの指揮は片足ずつドンドンと踏み鳴らす強烈なもので、まるでしこを踏んでいるよう。
 それが第4楽章のアダージョ・ラメントーソに入るやいなや、死の予感と深い哀しみと落胆、絶望、慟哭などが入り混じり、最後は消え入るように終焉を迎える。この対比こそ、ゲルギエフの真骨頂である。
「皇帝」と「悲愴」―とても内容の濃い演奏で、いつまでも余韻が残るコンサートとなった。
| クラシックを愛す | 23:35 | - | -
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