Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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浜松国際ピアノコンクールの入賞者披露演奏会
 昨夜は、第9回浜松国際ピアノコンクールの入賞者披露演奏会東京公演が東京文化会館小ホールで行われた。
 入賞者6人がソロを演奏したが、私はアレクセイ・メリニコフのシューベルトの「即興曲」作品90の3とスクリャービンの「24の前奏曲」より5曲の演奏がもっとも心に響いた。
 彼は、浜松で聴いたコンチェルトでも感じたが、非常に繊細で情感に富むピアニズムの持ち主である。もう少し自分を前面に押し出す強い気持ち、堂々としたステージマナー、自信あふれる演奏を行うと、より説得力が増すと思う。
「コンクールはスタート台」といわれる。この6人の入賞者たちが、今後いかなる道を歩んでいくのか、興味は尽きない。
 国際コンクールの取材は、「ショパン」の編集に携わっていた80年代半ばから行うようになり、すでに世界各国の国際コンクールを多数取材してきた。
 華々しい優勝を遂げた人でも数年で姿を消してしまう人、コンクールでは苦渋をなめたが、のちに発奮して国際舞台で活躍するようになる人など、本当にさまざまである。
 そして審査発表が行われたときの、各人の複雑な表情もいつまでも脳裏に焼き付いている。
 何度挑戦しても、どうしても自分が納得のいく結果が得られず、精神的に追い詰められてしまった人、優勝の呼び声が高かったのに審査発表で優勝を逃したと知り、崩れ落ちてしまった人、自分の結果に満足できず、審査員が食事をしている場所に飛び込み、抗議をして追い出された人、優勝の栄冠に輝いた直後に交通事故で亡くなってしまった人など、コンクールの取材のひとつひとつが鮮明に思い出される。
 やはり、優勝者の喜びの表情よりも、入賞を逃した人の苦難の表情の方が印象に残る。
 インタビューでも、そうした人がいかに立ち直っていくか話を聞くことがあるが、本当に悲喜こもごも。だが、困難から這い上がって、国際舞台で活躍するようになった人の話は、非常に説得力があり、人生論としても興味深い。
 コンクールには、短期間ながら強烈なドラマがある。さて、浜松の入賞者たちの今後はどうなるだろうか。長い目で見守りたいと思う。
 今日の写真は、コンクールのフリーペーパーに掲載されたもの。授賞式後に入賞者と審査員が勢ぞろいした写真である。

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