Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ピエール・アモイヤル
 インタビューでは時折、「もっと話をしたい」という表情が顔に出る人がいる。
 昨日会って話を聞いた、ヴァイオリニストのピエール・アモイヤルもそのひとりである。
 彼は幼いころからピアノを習っていたが、ヤッシャ・ハイフェッツの演奏を聴いてヴァイオリンに目覚め、以来ヴァイオリンに楽器を変え、アメリカに渡って17歳から23歳までハイフェッツのもとで学ぶ。
 そのころ、チェロのグレゴール・ピアティゴルスキーにも出会い、両巨匠の性格の違いをまざまざと見せつけられたという。
 インタビューは、時間に限りがある。
 今回は「intoxicate」(次号)のインタビューで、新譜について聞かなくてはならない。アモイヤルは名教師としても知られ、ローザンヌ音楽院の教え子たちから成るカメラータ・ド・ローザンヌを創設。これは国際色豊かな精鋭13人の弦楽器奏者による室内合奏団である。
 彼らは2002年から活動を開始したが、このたびデビューアルバムを作り上げた。モーツァルトの協奏交響曲K364&コンチェルトーネK190と、チャイコフスキーの弦楽セレナード&フィレンツェの想い出の2枚同時発売である(ワーナー)。
 このライナーノーツも依頼を受けているため、とにかく新譜についてさまざまな角度から聞かなくてはならなかったのだが、アモイヤルは私がハイフェッツの話に興味をもったためか、その時代の知られざる逸話などを雄弁に語り出した。
 まるでハイフェッツがすぐそばにいる存在のように思える語り口で、非常に興味深いのだが、この話題でどんどん時間が過ぎてしまう。
 私は内心焦り、彼の話がひと段落するとすぐに次の質問に切り替えたのだが、話の途中からまたハイフェッツの話に戻ってしまった。
 アモイヤルはピアノのアレクシス・ワイセンベルクとも親しく、ふたりはローザンヌ夏期音楽アカデミーの芸術監督を務めた。
 ワイセンベルクの話もまた、ダーッと広がってしまった。
 いやはや、どうしよう。新譜の話、新譜の話だよ〜。
 そうこうするうちに時間になってしまい、最後はなんとか帳尻を合わせたものの、まだ話し足りないという表情のアモイヤルにお礼をいい、ブログ用の写真を写し、インタビュー室を辞した。
 部屋を出た直後、ワーナーの担当者のOさんと、「このハイフェッツの話、クラシック・ファンだったらみんな読みたいよねえ。もう一度、時間をとってもらって思いッきり話してもらった方がいいんじゃない。なんか、ドラマを感じるし…」という話になった。
 ピエール・アモイヤルとカメラータ・ド・ローザンヌは、7月に初来日公演が予定されている。その前に、録音は3月23日にリリースされる。
 いやあ、原稿だ原稿。どうやってこの短い新譜の話をライナーにまとめるんじゃ〜、困ったわい。
 今日の写真は、愛器ストラディヴァリウス「コハンスキ」(1717年製)を携えたアモイヤル。「話し足りない」というのが顔に出ているでしょ(笑)。

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