Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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マティアス・ゲルネ
 これが「音楽の力」だろうか。
 先週から仕事上のトラブルが山積みで、心労が重なり、ストレスだらけの辛い日々だったが、今日はリサイタルを聴き、その重く暗い気分が一気に洗い流された気がした。
 バリトン好き、ドイツ・リート好き、シューマン好きの私は、紀尾井ホールで行われた今夜のマティアス・ゲルネのオール・シューマン・プログラムをとても楽しみにしていた。
 前半が歌曲集「女の愛と生涯」と「詩人の恋」。これらを休みなく、一気に聴かせた。後半は「リーダークライス」。
 彼は2009年に初めて日本で「女の愛と生涯」をプログラムに入れた。ピアノはピエール=ロラン・エマールである。
 これは大阪で行われたものだったが、今回は東京で聴くことができた。
 ゲルネのシューマンはいずれの作品も変幻自在な歌唱力、解釈、表現力に富み、完璧なる歌詞の発音がその根底に横たわり、シューマンの美しく情感あふれる旋律に自然な形で詩を乗せていく。
 ひとつひとつの歌が物語を描き出し、シャミッソーとハイネの歌詞が聴き手の心の奥にゆったりと浸透してくるように紡がれる。
 ああ、なんと幸せな時間なのだろうか。
 そして最後にアンコールとして「献呈」がうたわれた。
 これはいつも書いているように、私は最晩年のヘルマン・プライの歌を思い出し、涙がこぼれそうになる曲なのである。
 今日もプライの姿が浮かんできて、つい目を閉じて思い出に浸ってしまった。
 終演後、以前の来日時にインタビューしたときのお礼を述べようと楽屋を訪れると、「やあ、来てくれたんだねえ。ありがとう」といわれ、ガシッとハグされてしまった。いやあ、堂々たる体躯でデ、デカイッ(笑)。
 今日の写真は名コンビのピアニスト、アレクサンダー・シュマルツ(左)と。このふたり、ステージに登場するだけで、まず体格で圧倒してしまう感じ…。演奏は、実に繊細で抒情的なのにね。


 
 
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