Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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仙台からの風
 仙台国際音楽コンクールのヴァイオリン部門が終わり、11日からピアノ部門が始まった。
 今年は単行本が重なっているため、両部門とも聴きにいくことができない。
 いつもこのコンクールを聴きにいっている友人のKさんが、仙台からかまぼこを送ってくれた。
 彼女が、「笹かまぼこはいろんなお店があるけど、ここが一番よ」と、太鼓判を押す白謙蒲鉾店の「石巻名産 白謙の笹かまぼこ 極上」である。
 仙台にはいけないが、Kさんのおかげで、仙台からの風が吹いてきたような感覚を抱いた。
 国際コンクールは、長丁場である。予選から本選までずっと聴くと、その演奏家の全貌が見え、何を得意とするかということも理解でき、コンクールならではの緊張感と集中力と、その日の体調までも手に取るようにわかるようになる。
 これがコンクールの醍醐味である。
 手に汗握る瞬間も生じ、審査発表ではみんな一喜一憂する。
 私は80年代後半から、世界各地の国際コンクールを取材してきた。コンクールはスタート台といわれるが、その当時の優勝者&入賞者がいまも第一線で頑張っている姿を見ると、感慨深いものがある。
 逆に、いつのまにか名前を聞かなくなってしまう人も多い。
 笹かまぼこをいただきながら、いろんなコンクールの取材を思い出してしまった。
 特に、いまでも胸が痛くなるのは、コンクール時にはすばらしい演奏をしたのに、その後、若くして亡くなってしまったふたりのピアニストのことを思い出すときだ。
 旧ソ連出身ウズベク人のアレクセイ・スルタノフの演奏を初めて聴いたのは、1995年のショパン国際ピアノ・コンクールでのこと。このときスルタノフは、圧倒的なテクニックを披露し、優勝の呼び声が高かったものの、第1位なしの第2位をフランスのフィリップ・ジュジアーノと分け合い、その結果に満足できず表彰式をボイコットした。
 その後、彼は闘病生活を続け、2005年にアメリカで亡くなっている。
 1987年のエリーザベト王妃国際音楽コンクールで優勝したアンドレイ・ニコルスキー(無国籍)は、これから世界に飛翔していこうとした矢先、自ら運転したクルマで事故を起こし、亡くなってしまった。
 コンクールは悲喜こもごも。その後の人生も、本当にさまざまである。
 そんないろんなことを、このかまぼこは思い出させてくれた。味覚とは、不思議なものである。
 今日の写真は、名品の笹かまぼこ。プリプリしていて、本当においしい。


 
| 美味なるダイアリー | 21:08 | - | -
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