Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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DUO 5 岡崎慶輔&伊藤恵
 CDのライナーノーツはひと月に何枚か原稿を書いているが、ライナーの依頼が入ると録りたてのほやほやの音源が送られてくるため、繰り返し何度もじっくりと演奏を聴くことになる。
 最近、担当したライナーのなかで、特に繰り返して聴いているのが、ヴァイオリニストの岡崎慶輔とピアニストの伊藤恵による「DUO 5」(フォンテック)である。
 2008年にスタートしたふたりのコンビによるこのシリーズ、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタを必ず1曲収録し、さまざまな作曲家の作品と組み合わせるというコンセプトのもとにプログラムが組まれている。
 第5作は、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第3番、サン=サーンスのヴァイオリン・ソナタ第1番、ドビュッシーのヴァイオリン・ソナタという組み合わせだ。
 岡崎慶輔は、2005年にミュンヘン国際音楽コンクールの優勝者となり、日本人では21年ぶりの快挙となった。ドイツ留学を経て、ソリストとして内外で活躍していたが、2010-2011年シーズンよりチューリヒ歌劇場管弦楽団のコンサートマスターを務めている。
 伊藤恵は、ザルツブルク、ハノーヴァーで研鑽を積み、1983年にミュンヘン国際音楽コンクールで優勝を果たした。以来、多くの著名な指揮者と共演を重ね、録音ではシューマン、シューベルトをレパートリーの根幹に据えている。
 ふたりはこれまで何度も共演を重ね、お互いの呼吸を呑み込んだデュオを聴かせているが、ここに聴く3曲も、情感豊かな歌と熱意と前向きな精神を映し出すもの。何度聴いても、また最初から聴きたくなる、引力の強さを備えている。
 ヴァイオリニストは、本当に自分とピタリと合うピアニストを見つけるのは至難の業で、世界中のヴァイオリニストが生涯この問題と戦っている。
 音楽性と人間性の両面で合う人を探すのは本当に難しく、インタビューでもそうした苦労話を何度も耳にしてきた。
 岡崎慶輔は、その意味で伊藤恵という最良のパートナーに巡り会えて、実に幸せである。
 彼らのデュオは作品との真っ向勝負であり、その気概がビシビシと伝わってきて、痛快ですらある。
 今日の写真は、新譜のジャケット写真。次なる第6弾も楽しみ…。



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