Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

ブログ

<< ニューピオーネ | main | 紫白菜 >>
モディリアーニ弦楽四重奏団+アダム・ラルーム
 新たな才能に出会う喜びは、何ものにも代えがたい。
 今日は、王子ホールにモディリアーニ弦楽四重奏団の「シューマン・プロジェクト1842」のコンサートを聴きに行った。
 昨年、モディリアーニ弦楽四重奏団が来日した折に、第2ヴァイオリンのロイック・リョーに今回のプログラムについてインタビューしたことはブログにも綴ったが、実は今回第1ヴァイオリンのフィリップ・ベルナールが肩のコンディション不良で来日できず、代わって元イザイ弦楽四重奏団の第1ヴァイオリニストを長年務めたギョーム・シュートルが参加した。
 今回のオール・シューマン・プログラムは、9月22日と23日の2日間に渡り、今日は弦楽四重奏曲第3番とピアノ五重奏曲が組まれていた。
 モディリアーニ弦楽四重奏団は、もう10年間に渡って東京やナントで聴き続けているため、彼らの奏法、解釈、表現は十分に知っているわけだが、いつものみずみずしく前向きな音楽にプラスして、今日のシューマンに関しては、とても成熟した味わいを醸し出していることに気づいた。
 これは、ベテランのギョーム・シュートルが加わったことも関係あるかもしれない。
 ただし、昨年はチェロのフランソワ・キエフェルが怪我のために来日できず、今回もまたフルメンバーでの演奏を聴くことはできなかった。とても残念である。
 しかし、ひとつ大きな発見があった。それが、冒頭に記した、新たな才能に出会う喜びである。ピアノ五重奏曲でピアノを担当した若きフランスのピアニスト、アダム・ラルームの演奏は、非常に情感豊かで響きが温かく、カルテットとの合わせに心血を注いでおり、明快なタッチと柔軟性に富む表現に心が引き付けられた。
 彼は2009年のクララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールの覇者。現在は各地の音楽祭から引っ張りだこのようだ。
 クララ・ハスキル・コンクールの歴代の優勝者を見てみると、クリストフ・エッシェンバッハ、リチャード・グード、ミシェル・ダルベルト、ティル・フェルナー、河村尚子、マーティン・ヘルムヘンら、みなテクニック優先ではなく、非常に表現力に満ちた美しい演奏をするピアニストばかりである。
 アダム・ラルームも、今日はシューマンを聴いたわけだが、詩的で抒情的で美しいタッチを備えたピアニストだった。
 こういう人はぜひソロを聴いてみたい。どこかで招聘してくれないだろうか。
 終演後、モディリアーニのメンバーと再会を喜び、フィリップの肩の調子を聞いてみたが、まだ治療中のようだった。
 フランソワの怪我はもう問題ないようで、「その後、怪我は大丈夫?」と尋ねたら、「パーフェクトだよ」と明るい答えが戻ってきた。
 今日の写真は、ギョームにも加わってもらい、いつもの仲のよさそうなメンバーのワンショット。左からギョーム、ロイック、フランソワ、アダム、ローラン。
 次回は、ぜひ4人とも体調を整えて万全の態勢で来日してほしい。
 実は、コンサートに出かける前は時差と疲れでのどをやられ、咳が止まらなくて困ったなあと思っていたのだが、すばらしく集中力と推進力に富んだ、深い思考に根差したシューマンを全身に浴び、一気に体調がよくなった。
 これが「音楽の力」というものだろうか。眠気でもやもやしていた頭がクリアになり、からだも元気になった。
 彼らのおかげである。5人に感謝、感謝。そしてシューマンにも、「ありがとう!」


| 親しき友との語らい | 22:40 | - | -
CALENDAR
S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< August 2017 >>
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE