Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ナクソス島のアリアドネ
 リヒャルト・シュトラウスの音楽は、なんと官能的で、情感豊かで、心が高揚するのだろうか。
 昨日は、ウィーン国立歌劇場日本公演2016のR.シュトラウス「ナクソス島のアリアドネ」を聴きに東京文化会館に出かけた。
 今回は「ナクソス島のアリアドネ」のウィーン初演から100年の記念公演にあたる。これは「プロローグ」と「オペラ」という構成で、序幕の部分は18世紀のウィーンの富豪の館が舞台となり、続くオペラの部分はナクソス島に舞台が移る。
 ウィーン国立歌劇場が得意とする演目だけに、今回も歌手陣が非常に充実。コロラトゥーラの第一人者、ダニエラ・ファリーがツェルビネッタを演じ、長大なアリア「偉大なる王女さま」で超絶技巧をたっぷりと披露した。作曲家はのびやかで声量のあるメゾ・ソプラノ、ステファニー・ハウツィールがうたい、アリアドネはR.シュトラウス作品を得意とするソプラノ、グン=プリット・バークミンが陰影に満ちた表情豊かな歌声を聴かせ、バッカスはこの役をうたい込んでいるテノール、ステファン・グールドが担当した。
 なんといっても、ウィーン国立歌劇場管弦楽団(ウィーン・フィル)の演奏がすばらしい。彼らは年間300回を越すオペラやバレエを演奏しているため、歌手の呼吸をよく心得ている。お互いに寄り添い、共鳴し合い、曲のすみずみまで比類なき美しさで表現していく。
 指揮はマレク・ヤノフスキ。ウィーン国立歌劇場では「サロメ」と「ばらの騎士」を演奏しているから、すでにR.シュトラウスの解釈、表現、奏法に関してはオーケストラとの息もピッタリだ。
「プロローグ」が約40分、「オペラ」の部分が約80分。その間に30分の休憩があったが、終演後は、R.シュトラウスの世界から容易に抜け出せない状況に陥った。
 この上なく官能的で、美的で、心の奥にしっとりと響いてくる音楽は、いわゆる大人の世界。日常から離脱し、異次元の世界へと運ばれたひとときとなった。
 この日は初日で、「ナクソス島のアリアドネ」は28日、30日と組まれ、その後はワーグナーの「ワルキューレ」が11月6、9、12日(アダムフィッシャー指揮、東京文化会館)、モーツァルトの「フィガロの結婚」が11月10、13、15日(リッカルド・ムーティ指揮、神奈川県民ホール)と続く。
 今日の写真は、「ナクソス島のアリアドネ」のさまざまなシーン。舞台美術はとてもスタイリッシュ、衣裳は役によって幻想的、キュート、深遠、メルヘンチック、威風堂々と分けられ、キャラクターをリアルに表現していた。
 実は、オーケストラピットに10月初頭ウィーンでインタビューしたばかりのコンサートマスター、フォルクハルト・シュトイデの姿があったが、オケピットまで距離があったため、インタビューのお礼をいうことができなかった。残念…。
「今回のウィーン・フィルの日本公演には参加できなかったけど、もうすぐ歌劇場の公演で日本に行くよ」といっていたのを思い出した。
「オーケストラの響き、すばらしかったですよ、シュトイデさん」

Photo: Kiyonori Hasegawa






 

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