Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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マレイ・ペライア
 今日は午後、TOKYO FMで番組の収録があり、2時間半ほどマイクに向かった。
 この内容は、アーティストの情報が解禁になってから、ゆっくり綴りたいと思う。
 それが終了してから、夜はサントリーホールでマレイ・ペライアのリサイタルを聴いた。
 ペライアは、私が長年こよなく愛しているピアニスト。いつも聴くたびに深い感動を覚える。
 プログラムは、前半がハイドンの「アンダンテと変奏曲 ヘ短調Hob.XV:6」からスタート。次いでモーツァルトのピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310へと進み、ブラームスの「6つの小品」より第3番バラードや「幻想曲集」より第1番幻想曲など5曲が演奏された。
 とりわけハイドンが印象深く、ペライアの現在の心身の充実が見てとれる内容。作品が内包する素朴さ、堅実さ、緻密さ、構造の豊かさが前面に押し出され、聴きごたえ十分なハイドンとなった。
 モーツァルトのこの有名なソナタも、実に味わい深く、特に第1楽章の全編を支配する主題の表現が印象に残った。
 私は今夜、ペライアのブラームスに期待していた。彼のしみじみとした滋味あふれるブラームスを聴きたかったからである。
 しかし、ペライアのブラームスは、枯淡の域を脱し、ほの暗さや北国特有の冷涼な空気を漂わせるブラームスではなく、抒情的でありながら情熱とロマンと明快さを感じさせる演奏だった。
 彼は指のケガが癒えたころから、タッチが強く鋭く重くなった。だからこそ、ブラームスは力強さを増したのかもしれない。このブラームスは、ペライアの新たな側面を表しているように思えて、新鮮な驚きを覚えた。
 もっとも今夜の白眉は、後半に演奏されたベートーヴェンのピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」Op.106である。
 このソナタを論じ始めると、時間がいくらあっても足りない。今日の公演評は次号の「モーストリー・クラシック」に書く予定にしている。そこでじっくり綴りたいと思っている。
 ペライアは、DGに移籍し、バッハの「フランス組曲」をリリースした。この録音は、もうレコードでいえば「擦り切れる」ほど聴いている。
 ニュアンス豊かな、歌心あふれる、ごく自然なバッハ。これぞ、ペライアという新録音である。
 実は、今日サントリーホールで友人のKさんにばったり出会い、ひさしぶりだったため、コンサート終了後に食事をご一緒し、しばらくおしゃべりに興じた。
 近況報告と情報交換を行い、家の近くまで一緒に帰り、すぐまた会おうということを約束して別れた。
 いろんな人に会い、いろんなことを行った日で、本当に長い一日となった。

| クラシックを愛す | 23:56 | - | -
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