Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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エリソ・ヴィルサラーゼ
 ジョージア(グルジア)出身の名ピアニスト、エリソ・ヴィルサラーゼは、来日のたびにピアノ好きの心をとらえる演奏を披露し、深い感動を与える。
 私も毎回ソロやコンチェルトを聴くたびに、虚飾を排し、徹底的に作品を磨き抜いた自然かつ静かな情熱を秘めた演奏に、心をわしづかみにされるような強い衝撃を受ける。
 彼女は、インタビューなどで会うごとに、「あらあ、久しぶり。元気にしてる?」と素朴な笑顔を見せてくれ、再会を喜んでくれる。
 今日は、母校の東京音楽大学のレッスン室で会うことができた。ここでマスタークラスを行っているようで、その合間を縫ってのインタビューとなった。
 2017年は、ヴィルサラーゼの多面的な活動が日本で展開される。
 ひとつは、「ショスタコーヴィチ・マラソン」と題し、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲全15曲を1日で演奏するという驚異的なプログラムを敢行し、話題となっているサンクト・ペテルブルク出身で、現在はベルリンを拠点に世界各地で活躍しているアトリウム弦楽四重奏団との共演(11月28日 紀尾井ホール)。
 プログラムは、モーツァルト、ショスタコーヴィチ、シューベルト、シューマンが組まれている。
 もうひとつは、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパンのコンチェルトをアレクサンダー・ルーディン指揮新日本フィルとの共演により、一夜で演奏するというプログラム(11月23日 すみだトリフォニーホール)。
 今日のインタビューは、これらのコンサートについて聞きながら、彼女の音楽論や教育論、恩師たちの思い出、各々の作品との出合いやエピソードなど多角的な話を聞いた。
 ヴィルサラーゼは、一本芯の通った凛とした人である。あまり笑わないが、目はとても優しくおだやかな光を放ち、真摯な語り口が人を惹きつける。
 私は会うたびに、演奏を聴くたびに、この自然体で思慮深く、人生をまっすぐに歩んでいる精神性の高さに触れ、「ああ、同時代に生きていてよかった」という気持ちにさせられる。
 ヴィルサラーゼは、恩師のゲンリフ・ネイガウスやヤコフ・ザークの偉功を受け継ぎ、それを体現し、さらに次世代へと受け渡す役割を担っているからである。そうしたピアニストのナマの演奏に触れることができるのは、本当に幸せである。
 今日のインタビューは、「ぶらあぼ」に書くとともに、各ホールのHPや刊行物にも綴ることになっている。
 写真は、1999年にリサイタルを行ったときの紀尾井ホールのプログラムをなつかしそうに見るヴィルサラーゼ。ちなみに、アトリウム弦楽四重奏団とは初共演ゆえ、とても楽しみにしているとのこと。それから、一夜に3曲のコンチェルトを弾くのはけっして大変なことではないが、それぞれの作品の曲想や解釈、表現を弾き分けるのはとても大変だと笑っていた。


 
 
 
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