Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ジャン・ロンドー
 2012年、弱冠21歳でブルージュ国際古楽コンクールのチェンバロ部門で優勝の栄冠に輝いたフランスの個性派チェンバリスト、ジャン・ロンドーが初来日を果たした。
 今日は、東京文化会館小ホールにリサイタルを聴きにいった。
 プログラムは、J.S.バッハ「ゴルトベルク変奏曲」。バッハの最高傑作のひとつと称されるこの作品は、アリアと30の変奏からなり、最後にまた最初のアリアが巡ってくる。
 よく、この作品を演奏するピアニストにインタビューすると、ほとんどの人が「最後のアリアは、これで終わりではなく、また最初に戻るような感覚を抱く。輪廻転生のような、新たな海原に漕ぎ出していくような感じ」と語る。
 今日のジャン・ロンドーの演奏も、最後はひそやかに締めくくられ、主題が静謐な空気をまとい、すべての音がスーッと天空に舞い上がっていくようだった。
 ジャンは、これまで見てきた写真の「いまどき」の個性的な風貌とは異なり、あごひげを長く伸ばし、髪型はお団子ヘアに変身。これはマンバンと呼ばれるヘアスタイルで、スウェーデン出身でプレミアリーグ、マンチェスターユナイテッドのセンターフォワードであるズラタン・イブラヒモビッチのトレードマークだ。
 ごくラフな白いシャツと黒のパンツでステージに登場したジャンは、チェンバロを自由自在に操り、自身のことばとなり、歌となり、心を吐露するような音楽を披露。ゆったりと始めたアリアも美しかったが、各々の変奏がチェンバロの機能を存分に使用した演奏で、実に味わい深かった。
 私は彼のチェンバロを聴くと、無性に「チェンバロを弾きたい」という気持ちが頭をもたげ、胸が痛いほどの渇望に駆られる。
 ジャンは、80分強の「ゴルトベルク」の後、F.クープランのクラヴサン曲集 第6組曲より「神秘的なバリケード」と、J-N-P.ロワイエの「スキタイ人の行進」をアンコールで演奏。まるで鍵盤と遊んでいるような自由でのびやかな響きを奏で、古楽ファンの心をとらえた。
 ジャンには、明後日にインタビューをすることになっている。おもしろそうだよねえ、どんな話が飛び出すか、興味津々である。
 今日の写真は、公演チラシのジャン・ロンドー。インタビューのときに写真を撮り、いまの彼の風貌をお見せします(笑)。



 もう1枚は、今日の使用楽器。これも彼にじっくり聞いてきますね。




 
 
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