Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

ブログ

<< 京都1周年 | main | エル・プエンテ >>
ナタリー・シュトゥッツマン
 男声によってうたわれるシューベルトの「美しき水車小屋の娘」「冬の旅」「白鳥の歌」は、これまでテノールやバリトンの演奏を数多く聴いてきた。
 このシューベルトの三大歌曲に、アルト(コントラルト)のナタリー・シュトゥッツマンが挑戦し、上質で知的な録音を完成させた。
 シュトゥッツマンの歌唱は各々の歌曲の歌詞を大切にし、シューベルトのこまやかで抒情的な表現に寄り添い、聴き慣れた曲に新たな風を吹き込んだもの。彼女はこれらの作品を長年研究し、いまようやく録音にこぎつけたという。ピアノは盟友のピアニスト、インゲル・ゼーデルグレンが担当。息の合った、デュオを披露している。
「美しき水車小屋の娘」は、さすらいの旅に出ていく若者の愛と悩みを綴ったミュラーの詩に、シューベルトはみずみずしくロマン豊かな旋律を与えているが、シュトゥッツマンは特有のしっとりとした情感に富む美声でゆったりとうたい上げていく。
「冬の旅」もミュラーの詩だが、全編に心の痛みや苦悩、現実の世界のきびしさが描き出されている。ここでは、シュトゥッツマンはひとつの戯曲のように歌曲の世界を表現し、聴き慣れた「冬の旅」に深みを盛り込み、革新性すら感じさせる。
「白鳥の歌」では、レルシュタープ、ハイネ、ザイドルの詩とシューベルトの絶妙のコラボレーションを、シュトゥッツマンは寂寥感と孤独感をにじませながらうたい上げていく。この歌曲集では、「鳩の使い」が大好きなのだが、シュトゥッマンの「鳩の使い」も、また味わい深い。
 ナタリー・シュトゥッツマンは、5月17日と19日にトッパンホールで「シューベルトを歌う」と題したコンサートを行う。
 ただし、この時期、私はシドニーに出張しなければならないため、聴くことができない。ああ、残念…。
 今日の写真は、シューベルト:三大歌曲集のジャケット写真(ワーナー)。





| アーティスト・クローズアップ | 23:44 | - | -
CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< July 2017 >>
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE