Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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反田恭平 ピアノ・リサイタル・ツアー2017
 最近は、ピアニストのリサイタルでも、特別仕様のプログラムが用意されているようだ。
 7月8日、反田恭平のピアノ・リサイタル・ツアー2017の初日を聴きにミューザ川崎シンフォニーホールに出かけたのだが、ここで受け取ったプログラムが、実にユニークで興味深いスタイルのものだった。
 小さな薄いボックス状の、一見ギフトボックスのような形状をしたもので、アーティストの名前が書いてあるところを開けると、なかにプログラムと反田恭平の作品に対するメッセージや解釈などが書かれた用紙が入っている。
 なんとお洒落な、印象深いプログラムだろうか。
 ツアーの間、ずっとこのプログラムがアーティストとともに各地を巡るわけだ。
 リサイタルは、スクリャービンの「幻想曲」からスタート。ロシアにいって、初めて取り組んだ作品だそうだ。弾き込んで、弾き込んで、自分の音楽にしたという自信に満ちていた。
 次いで、ドビュッシーの「喜びの島」。この作品は新譜にも収録されており、ライナーを書いた際、彼に話を聞いたとき、「実際に弾いてみるとすごく忙しい曲で、ちっとも喜べない」と笑っていたのが印象的だった。反田恭平は、このように、話がとてもおもしろい。微妙なニュアンスを大切にする奏法だった。
 ドビュッシーの「ベルガマスク組曲」より「月の光」は、弱音にこだわった演奏で、本人が録音したなかでも「一番自信がある」と語っていた作品。聴こえるか聴こえないかの弱音に、聴衆は耳をそばだてて聴き入った。
 シューマンの「ウィーンの謝肉祭の道化」の5曲は、それぞれ物語を描き出すように、視覚的な演奏を展開した。
 後半は、ショパンの「4つのマズルカ」作品17と、「12の練習曲」作品10というショパン・プロ。新譜には「別れの曲」が収録されているため、この作品について聞いたところ、「苦手意識があって長年弾かなかったけど、いまでは大好きな曲。12曲がひとつひとつの絵画のよう。ツアーでは全曲弾きたい」と語っていたが、やはり全曲演奏されると、ショパンの意図が明確につかめる。
 終演後、楽屋にあいさつにいこうと思ったが、廊下もロビーもごったがえしていて、サイン会の長蛇の列で身動きがとれない。
 反田恭平に会うのはあきらめ、人、人、人をくぐり抜け、ようやくホールの外に出た。
 本当にすごい人気である。また、ツアーの最終日、9月1日に東京オペラシティ コンサートホールに聴きにいこうと思っている。
 今日の写真は、こだわりの装丁が施されたプログラムと、その中身。これは、ファンにとって、いつまでもとっておきたい宝物になるのではないだろうか。




 
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