Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ユップ・ベヴィン
 最近、ドイツ・グラモフォン(DG)は、作曲家と契約を結ぶことが多いようだ。
 2017年4月、DGよりデビューしたオランダのコンポーザー/ピアニスト、ユップ・ベヴィンもそのひとり。
 彼はストリーミング・アーティストとして知られており、ネットでも非常に大きな存在だという。
 これまでリリースしたアルバムも数多くのストリーミングを達成、ネットで「ジェントル・ジャイアント(フレンドリーな巨人)」と称されているそうだ。
 メジャーデビューアルバムとなった新譜は、「プリヘンション」と題され、世界各地のヒットチャートの上位を独占している。
 今日は、オランダ大使館でショーケースがあり、昨日来日したばかりのユップ・ベヴィンが、自作を数曲披露した。
 アップライトピアノのふたを全開し、マイクをセット、その前に2メートル7センチという長身の彼がすわる。その大きな体躯からは想像できないほど、音楽は繊細で瞑想的で抒情的。聴いているうちに、どこか異次元の世界へと運ばれていくような感覚に陥る。
 私は指の見える位置にすわっていたため、彼のピアノ奏法がよく理解できた。
 演奏後はオフィシャルなインタビューが行われ、終演後は「ジェントル・ジャイアント」を囲んで個々に話を聞くことができた。
 私は演奏中、彼が右手の小指をずっと使うことに興味があったため、その質問をぶつけてみた。
 すると、「そうなんです。私にとって、右手の小指は大切な役目を担っています。曲によっては、この指がずっと同じ音を連打し、左手がそれを装飾していくという方法をとっています」
 しかし、通常ピアニストは、薬指と小指は他の指にくらべて弱いと考え、指使いでもこの2本の指はそんなに多く使用しない。
 もちろん、弱い指を鍛え、5本の指が均等に力を発揮できるよう、訓練をするというピアニストも多い。
「私は、左手の小指には主題や大切な旋律をもってこないんですよ。右手の小指に限ります。そうですか、それに気づいてくれたんですね。これからも、この指は私の曲作りの上で、重要な役割を担うと思います」
 ユップ・ベヴィンの音楽は、不思議な世界へと足を踏み入れた感じを抱かせ、神秘的で幻想的で癒しの意味合いも含む。
 世界中の人々に愛されている彼の音楽は、現代という混沌とした世界にこそ必要なものかもしれない。
 私はこれまで会った人のなかでは、2メートル3センチのカナダ人がもっとも身長の高い人だったが、今日はそれを上回る人に会った。
 でも、話してみると、目がとても優しい光をたたえ、その音楽と同様に相手をやんわりと大きな懐に包み込む感じで、温かかった。
 今日の写真は、セットされたアップライトピアノと、異次元の世界から舞い降りたようなビッグなユップ。日本のホテルのベッド、足がはみ出てしまうだろうなあ(笑)。



| アーティスト・クローズアップ | 23:34 | - | -
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