Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ロラン・ドガレイユ
 インタビューをしたヴァイオリニストから、使用している楽器を見せてもらうことがあるが、昨日インタビューをしたフランスのロラン・ドガレイユのヴァイオリンは、歴史を感じるすばらしい楽器だった。
 ドガレイユは幼いころから天才と称され、歴史に名を残す名手たちに師事し、数多くの国際コンクールで優勝を果たしている。
 22歳のときにパリ国立歌劇場管弦楽団のコンサートマスターに就任し、世界の著名な指揮者のもとで演奏を重ねる。
 現在は、パリ管弦楽団のコンサートマスターを務め、パリ国立高等音楽院の教授として後進の指導も行い、国際コンクールの審査員も務めている。
 そんなドガレイユのヴァイオリンは、「星の王子さま」で知られる作家、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリが所有していた1708年製ストラディヴァリウス「Txinka」。これは、いまでも当初のオリジナルのニスが使用されているそうだ。
 インタビューでは、2018年初春にリリース予定の「フレンチ・ヴァイオリン・ソナタ集(仮)」(ワーナー)について聞いた。共演はフランス・ピアノ界の重鎮、ジャック・ルヴィエである。
 今回のアルバムは、フランクの「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ イ長調」、ラヴェルの「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第2番 ト長調」、同「ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調(遺作)」、ドビュッシーの「ヴァイオリン・ソナタ ト短調」というフランスの王道をいく作品集。
 インタビューでは、ドガレイユの使用楽譜について、録音時の様子、ルヴィエとの共演について、これまでの音楽家としての人生、子ども時代のこと、すばらしい恩師たちとの出会い、各々の作品の聴きどころ、そして使用楽器についてなど、非常に多岐に渡る興味深い話を聞くことができた。
 ドガレイユは、日本でも多くのマスタークラスなどを行い、若手ヴァイオリニストの指導を行っている。そのときに注意するのは、ヴィブラート。そのやり方を実際に指を使って示してくれたが、とてもやわらかく弦を押える繊細なヴィブラートで、余分な力がどこにも入っていなかった。



「ですから、私の指の腹はまったく縦線もついていないし、何の形もついていないでしょう」
 こういって指の腹を見せてくれたが、まさしく何の傷もなく、きれいな指の腹だった。
 ドガレイユはバスク生まれだそうで、ラヴェルと一緒。ラヴェルの生家のごく近くに住んでいたという。その話題になったら話が止まらなくなり、ラヴェルのことからバスク人の特徴まで、ことこまかに話してくれた。
 このインタビューは、「CDジャーナル」に書く予定になっている。
 ロラン・ドガレイユとジャック・ルヴィエのフランス作品の録音。これはきっと後世に語り継がれる名演になるに違いない。まだ音源は仕上がっていないため、音を聴くことはできないが、いまはその音が届くのをひたすら待っているところである。
 今日の写真は、「Txinka」を抱えたドガレイユ。彼はちょっとだけ、私の手をとって、ヴァイオリンのネックのところを触らせてくれた。「キャーッ、サン=テグジュペリの楽器に触っちゃった」と、胸がドキドキ。
 いやあ、すばらしい体験でした。いまでもその感触が残っているワ(笑)。

| アーティスト・クローズアップ | 21:55 | - | -
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