Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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いってきま〜す
 いよいよ出張に出かける時間となった。
 今回の往路は明日の1時半に羽田空港を出る便で、今日の23時半に空港にいくことになっている。
 これは31日の早朝にパリに着くため、ビジネスマンに人気があるのか、結構混んでいるそうだ。
 私たちはそれから3時間ほど待って、ナントへと向かう。ただし、ナントではまだホテルにチェックインできないため、ランチをとってからホテルに入り、それから14時にはもう音楽祭が始まる。
 さて、体力はもつのだろうか。
 翌日も8時半ころからNHKの人と打ち合わせが入っている。ああ、夜型の私はどうすればいいの(笑)。
 もうこのころになったら、夜型もなにも関係なく、時差も加わって、いったいいまは何時なのか判断できなくなっているかも。
 今日は、名刺もたくさん用意した。「LFJクラシックアンバサダー」の肩書きを入れたものを新しく作ったのである。
 そして美容院にいって、出張中になんとか形が整うようにカットしてもらい、「テレビがあって、困っているの」というと、親しくしている美容師さんはしっかりブローの仕方を教えてくれた。
 でも、旅先でそんなに朝早くからブローなんて無理だワ。日本にいてもいつもうまくできないのに…。
 さてと、もう小さなことは考えずに、いくっきゃない。
 いってきま〜す。
 ブログ用にもたくさんネタを仕入れ、写真もいっぱい撮ってきますよー。
 
| 日々つづれ織り | 20:46 | - | -
来日中止が相次ぐ
 つい先ごろ、胃腸炎のため、ラン・ランの来日コンサートが中止となったばかりだが、今日はブレハッチがインフルエンザにかかってしまったため、2月初旬の来日公演が中止と発表された。
 今年は各地でさまざまな病気が蔓延し、多くの人が大変な目に遭っているが、アーティストも例外ではない。
 彼らは世界各地を飛び歩いているため、病気になる率も高いのだろう。
 ブレハッチはいま懸命に治療し、後半の来日公演が可能になるよう努めているそうだが、高熱が続いているというから事態は予断を許さない。
 早く治ってくれるのをひたすら願うばかりだ。ラファウ、がんばって!!
 でも、私は出張のため、これら多くのコンサートを聴くことができず、アンスネスの前半の演奏会も聴き逃してしまう。ブレハッチもアンスネスも大好きなピアニストだから、本当はすごく聴きたい。
 もちろん、ナントでたくさんのコンサートを聴くことができるのだから、そちらを楽しむことに頭を切り替えなくちゃ。
 というわけで、今日は出張前のすべての原稿を入稿し、取材やインタビューなどの準備にかかっている。
 お天気を調べたら、ナントもパリもずっと雨模様のようだ。ホールは問題ないのだが、どうしても雨が続くと周辺取材の足がにぶる。
 私は「晴れ女」といわれ、ほとんど毎日雨が降るというノルウェーにいったときも、真っ青に晴れた。
 フィヨルドの奥にいったときは、ホテルのオーナーから「ずっといてくれ」と懇願されたほどだ(笑)。
 海外出張で雨に降られたことはほとんどないが、さて、ナントとパリはいかに…。
 それでも雨に備えた格好もプラスし、トランクの中身をもう一度検討し、資料を読み直している。
 明日は和食を目いっぱい食べようかな。そして深夜にはもう空港に向かわなくてはならない。体調管理に気をつけなくちゃ。
 
 
| 情報・特急便 | 22:32 | - | -
出張前の仕事
 いつも出張前はてんやわんやのすさまじい状態になる。
 留守にする間の原稿をすべて先に入稿していかなくてはならないからだ。
 今回も、月末から月始めとあって、雑誌や新聞の締め切りがもっとも重なる時期。それをメモに書き出し、仕事机の前に貼って、ひとつずつ済んだものを消していく。
 ようやくあと2本になった。
 でも、ここしばらくは、いろんなところから出張に関しての電話やメールが殺到し、そのつどあたふた。いや、まいりましたなあ。
 そして何も用意をしていないことに気づき、こりゃいかんと思い、とにかくトランクを引っ張り出して準備に取りかかった。
 私は旅支度はものすごく早いといわれるが、それでも今回はNHKの「エル・ムンド」の取材が入るため、洋服が結構増える。ほんのちょっとの出番だと思うが、やっぱりある程度はきちんとしていないと、テレビは怖い(笑)。
 れいのブーツで行こうと思ったが、もうひとつ靴も必要になる。それにジャケットも着たほうがいいかなあ、などと考え出したらきりがない。
 ええい、いいや、なんとでもなれと、最後はいつもの私の性格が顔を出し、あっさり決めてしまった。
 というわけで、今回のナントとパリの取材はいろんな雑誌、新聞、WEBに記事を書き分けるため、さまざまな方面での情報収集が必要となる。
 それぞれの担当者から「伊熊さんならではのグルメでおしゃれなテイストで書いてください」といわれ、ええーっ、私ってそう思われているの、とびっくり。
 ナントは以前訪れたときにも感じたが、とてもおだやかでリラックスできる町。食べ物ももちろんとてもおしいしい。特にそば粉のガレット(クレープ)が美味だったことを覚えている。
 実は、これ、アーティストレシピに登場してくる物。だからもう一度、本場の味を確かめてこようと思っている。
 さて、あと2本2本と。終わりは近いゾ。トランクもいっぱいになったし、今回は結構いい進み具合だ。
 でも、こういうときに限って、何か大切な物を忘れたりするんだよね。これが一番怖い。空港に着いて、真っ青みたいな…。仕事の必需品をもう一度確かめなくちゃ。エーイ、もうテレビの洋服はすっぱり頭から取り払おう(笑)。
| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 22:03 | - | -
ナントの「ラ・フォル・ジュルネ」
 出張前に、東京国際フォーラムの担当者からナントの「ラ・フォル・ジュルネ」の情報が続々と届いている。
 第19回を迎える今年のテーマは、1860年から現在までのフランスとスペインの音楽で、ビゼーからブーレーズまでさまざまな作曲家の作品が取り上げられる。
 とりわけ、1870年代から1940年までのフランス音楽史の「黄金期」にスポットライトがあてられていて、フランス・オペラの復活、フランクとその楽派、20世紀初頭の革新者―ドビュッシーとラヴェル、パリで活躍したスペインの作曲家たち、狂乱の年―サティと6人組、1930年以降の音楽というカテゴリーで多くの作曲家の作品が組まれている。
 これらの作品が東京と同様に朝から晩まで演奏されるわけだが、複雑なプログラムを隅から隅までながめ、時間と曲目、演奏者を考慮し、どれを聴くかを決めなければならない。
 さらに、取材やインタビューもいくつか実践したい。
 私が現地に着くのは1月31日のお昼過ぎ。当日は14時くらいからコンサートが組まれているから、そこからすぐに聴きにいくか、あるいは疲れていたらちょっとずらすかは自由、ということになっている。
 さて、こればかりは行ってみなければわからない。体調はどうか、時差ボケ、気温差には対応できるか、その場で判断することになる。
 海外出張というのは、「いいねえ」とか「楽しそうだねえ」などといわれることが多いが、実際はものすごくハードワーク。自分で自由に何でも判断できるわけではないため、どうしても無理に無理を重ねることになる。
 私は時差に強いほうではないため、いつも着いた当初は結構ツライ。前にも書いたが、乗り物も好きではなく、飛行機は特に苦手だ。
 でも、海に囲まれた土地に住んでいる以上、飛行機での移動は避けられない。嫌いだ嫌いだと思っていると、もっと辛くなるので、腹をくくるしかない。
 さて、前向きな気持ちに切り替えて、ナントでのプログラムを検討するとしましょうか。楽しい楽しい出張、と思わなくちゃね(笑)。
 
| 情報・特急便 | 23:12 | - | -
フィットネスを退会
 今日は、10か月通ったフィットネスの「セラフィット洗足」に退会届を出しに行った。
 昨日書いたように、仕事のスケジュールがとんでもない状況になったため、どうしてもフィットネスに通えなくなったからだ。
 思えば、腰痛がひどくて、ようやく見つけたすばらしいフィットネスのクラブだった。トレーナーも会員も、みんないい人ばかり。
 顔を出すたびに心がなごみ、からだもほぐされた。
 でも、どうやっても通えない。行きたい行きたい、行かなくちゃ、と思うことがストレスになる。これでは逆効果だ。
 十分に熟慮した結果、退会することにした。
 トレーナーのかたにお会いしたら、後ろ髪を引かれる思いがした。本当は1週間に1度でも、2週間に1度でもいいから運動したい。
 ああ、残念無念。あきらめるしかないな。
 仕事のために、さまざまなことが犠牲になるのはもう慣れっこだけど、今日はまったく元気が出なくなってしまった。
 それに加えて、ロジャー・フェデラーが5セットマッチの結果、アンディ・マレーに負けてしまった。ホント、今日は悲しい日だワ。
 明日からまた気を取り直して、出張前のたまっている原稿を片付けなくてはならない。
 もう出かけるまでに数日しかないのだから…。
 
 
| 日々つづれ織り | 22:24 | - | -
牛田智大
 いよいよ出版社からゴーサインが出たので、単行本の予定を発表しま〜す。
 いま大人気の13歳のピアニスト、牛田智大の本を書くことになったのである。タイトルは「リトル・ピアニスト 牛田智大」(仮題、扶桑社)。彼のいろんな場所でのさまざまな写真が満載の、楽しい本になる予定だ。
 彼にはデビューCDの録音時からインタビューや取材を続け、昨年出版社から単行本の依頼を受けてからは、定期的にインタビューを行ってきた。
 今日もレコード会社に出かけ、昨日コンサートが終わったぱかりの牛田くんにインタビューを行ったが、実はここで大変な事実が判明した。
 9月7日にコンサートがあると聞き、マネージャーも出版社の担当者も、もちろん私も、これに合わせて秋ころに第2弾の本格的なアルバムがリリースされると思っていた。出版社の考えとしては、新譜と単行本が同時に発売されることを理想としている。
 これを逆算して考えると、原稿締め切りはその2カ月前ということになり、まあ7月ころだろうな、と話していたのだが、急にレコード会社の状況が変わり、6月末に新譜のリリースとなった。
 これを聞き、録音が4月末となる牛田くんは「ヒエー」と声を上げ、私も締め切りが4月末になるとわかり、真っ青…。なにしろ5万字。
 そこに居合わせた全員の仕事が巻き巻きの状態になったわけだ。
 さて、困ったゾ。
 帰宅してから、「アーティストレシピ」の本文のことを考えたら、とてつもないスケジュールになるとわかり、頭を抱えた。
 しばらくは、茫然自失だ。どうやって原稿をこなしたらいいか。
 それをしばらく横に置いておき、いま、ようやく連載の原稿を2本入稿した。 これからじっくりと今後の単行本について考えなくちゃ。
 今日の写真はインタビュー時の牛田くん。去年撮った写真より、ずいぶん大人っぽくなったよね。私もなんとか頑張るから、牛田くんも録音のための練習、頑張ってねー。

| 親しき友との語らい | 22:35 | - | -
牛田智大リサイタル
 若いアーティストは、演奏を聴くたびに一気に上達し、階段を駆け上がっていくような勢いを感じさせる。
 今日のオペラシティ(アフタヌーン・コンサート・シリーズ)での牛田智大のリサイタルも、以前聴いた演奏とは異なり、大きな飛躍を感じさせた。
 プログラムは牛田くんの得意とする作品や録音した作品が選ばれていたが、何度か同じ作品を聴いている私は、テクニックと表現力が増したことに大きな感動を得た。
 とりわけすばらしかったのは、サン=サーンス/リストの「死の舞踏」と、リストの「ハンガリー狂詩曲第12番」。いずれも楽譜の読みが深く、細部まで神経が張り巡らされた演奏だった。
 この年齢でこうした作品の奥深さを表現するのは容易ではないと思うが、牛田くんはたゆみない努力と練習により、作品の内奥に迫るピアニズムを披露、大喝采を浴びた。
 彼はからだが少し大きくなったためか、ピアノの響きが断然深く大きくなり、打鍵の強さに変化が生じた。
 明日はインタビューをすることになっている。
 また近況をゆっくり聞こう。
| クラシックを愛す | 22:38 | - | -
クラシックはおいしい アーティストレシピ
 次の単行本「クラシックはおいしい アーティストレシピ」(仮題)の写真を全部撮り終え、レシピ(材料と作りかた)の原稿もひとまず完了し、すべてを出版社の担当者宛てに送った。
 いやー、結構時間がかかった。50人分となると、なかなか大変だ。
 でも、これでレシピのところはなんとか形になった。あとは、本文を50人分書かなくてはならない。もちろんアーティストの原稿がメーンだから、こっちのほうがもっと時間がかかる。
 それから各自の最新プロフィールを調べ、これも追加する。
 さて、これから出張までの間はふだんの連載やレギュラーの原稿と、来日アーティストのプログラム原稿がたまっている。これらを全部書き終えてからアーティストレシピの本文に入るわけだが、はて、いったいいつになることか。前途多難だなあ。
 そういいながら、いまはテニスの全豪オープンの真っただ中。ロジャー・フェデラーの試合だけは見逃せないため、この時間帯は自分で大目に見て、テレビ観戦をしている。
 本の担当者も、これくらいのリラックスタイムは許してくれるよね(笑)。
 さて、明日はナイトマッチでフェデラーの出番がある。その前に牛田智大のマチネーのコンサートに行かなくっちゃ。
 ああ、ようやくレシピのところだけ送ったためか、少し気が楽になったわい。今夜はゆっくり眠れるゾー。
 
 
| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 22:21 | - | -
SACDのリリース
 最近、古い録音の名盤がすばらしい音質に変貌し、新たなリリースが相次いで登場している。
 オリジナルのアナログ・マスターからハイブリッド盤SACDリリースのためにリマスタリングされたものがそれに該当し、各社からさまざまな名盤が数多く発売されている。
 たとえば、アレクシス・ワイセンベルクのピアノ、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮による1970年代の録音(EMI)が、見事な音質になって蘇った。 
 1枚は1970年にパリで録音されたチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番で、オーケストラはパリ管弦楽団。ワイセンベルクの鋭く切り込んでいく明快なタッチのピアノと、パリ管の抒情的な音色を生かしながら繊細さとスケールの大きさを併せ持つカラヤンの指揮が見事にマッチし、チャイコフスキーの美しい旋律美が浮き彫りになっている。
 もう1枚はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番で、ワイセンベルクとカラヤンのコンビは変わらず、オーケストラがベルリン・フィルハーモニー管弦楽団となっている。まさに黄金のトリオとも呼べる豪華な布陣だ。こちらは1972年にベルリンで録音されている。
 当時はワイセンベルクもカラヤンも絶頂期。すさまじいまでの熱気と迫力と躍動感あふれる演奏が輝かしく生命力あふれる響きとなって伝わり、古い録音だということを忘れさせる。
 チャイコフスキーはふつうのCDプレーヤーでも再生可能となっているが、ラフマニノフのほうはSACD対応のプレーヤー専用ディスクとなっている。
 オーディオ機器の発達はめざましいものがあり、新しいものを手に入れてもまたすぐに新たな機材が開発されるため、ついていけない感じだ。
 先日、単行本のプロモーションで新聞社のインタビューを受けたとき、ひとりの記者が「私、こんな古いテレコを使っているんですよ」といってDATを見せてくれた。
 そういえば、DATってあったっけ。なんだかとてもなつかしい気持ちがして、まじまじと見てしまった。
 本当に次は何が出てくるのだろうかと、気が気ではない。
 ようやくSACD対応のプレーヤーを手に入れたから、しばらくはこれでいい音質のものを聴くことができるものの、またいつのまにかこれも古くなるのだろうか。やっぱり、ついていけないな、お金もついていかないし(笑)。
 今日の写真はワイセンベルクとカラヤンのSACD。いまのうちにたくさん聴いておこうっと。

| 情報・特急便 | 22:54 | - | -
ラファウ・ブレハッチ
 私の大好きなピアニスト、ラファウ・ブレハッチが2月に来日する。
 これを記念し、来日記念盤としてビクターが2005年のショパン国際ピアノ・コンクールのライヴを2枚リリースしていたのをまとめ、2枚組として再発売することになった。
 そのライナーノーツのコンチェルトのほうは以前書いていたのだが、2枚組にまとめるにあたり、ソロ演奏の曲目解説を加筆することになり、昨年11月に書いて送った。
 それがいよいよ来日直前の1月30日にリリースされることになり、今日視聴盤「ショパン名演集」が届いた。
 すぐに聴いてみたところ、あの印象的なコンクールの臨場感が伝わり、感動を新たにした。いつ聴いても、ブレハッチの演奏は心に響く。
 先日の単行本のなかでもショパンの項で彼のコンクール時のことに触れたが、本当に2005年のショパン・コンクールは忘れがたい印象を残している。
 もう何度もこのコンクールのときのブレハッチの記事を書いたため、どうしても似た内容になってしまう。いかんなあ、読者に「またか」と思われてしまうから…。
 ブレハッチにはその後インタビューを続け、いろんな話を聞いているものの、もっと新しい話題を集めなくてはならない。
 さて、今回はインタビューの機会が訪れるだろうか。コンサートの最初のほうはナントに出かけているため聴くことができないし、後半に勝負してみようか。
 さて、またCDを聴き直そうかな。ホント、どうして飽きないんだろう、われながら不思議…。
 今日の写真は再発売になったCDのジャケット。このころと、風貌がまったく変わらないのもいいよね。


 
| 情報・特急便 | 22:02 | - | -
諏訪内晶子
 デビュー当初からインタビューを続けているヴァイオリニストの諏訪内晶子が、長年の夢を実現する「国際音楽祭NIPPON」を創設することになった。
 これは2月2日から16日まで横浜と仙台で開催されるもので、彼女は芸術監督を務め、コンチェルト、室内楽、マスタークラス、チャリティ・コンサートなど、さまざまなプログラムに参加する。
 そのプログラムの巻頭言の諏訪内晶子についてという原稿を書き、日経新聞(31日夕刊)にも同音楽祭を紹介する記事を書いた。
 彼女の記事はこれまで何本も書いてきたが、インタビュー・アーカイヴ第46回は、チャイコフスキー国際コンクール優勝から数年間研鑽を積み、ようやく録音やコンサートをスタートさせたころのインタビューを選んでみた。

[BS fan 1997年1月号]

「人々に知られていない作品を広く世に紹介していくことが演奏家の使命だと思っています」 

「リサイタルにはひとつのテーマをもって臨みたいんです。ひとりの作曲家にしぼるとか、ひとつの時代を取り上げるとか、そのさいプログラムのなかにはふだんあまり演奏されないような珍しい曲を必ず入れていきたいと思っています。人々に知られていない作品というものを広く世に紹介していくのは、演奏家としての使命だと思っていますから」
 1990年、モスクワで行われたチャイコフスキー国際コンクールのヴァイオリン部門で日本人として初の第1位を獲得し、しかも最年少優勝(当時18歳)を成し遂げた諏訪内晶子が、6年を経てCDデビューにこぎつけた。
 コンクール後、彼女はアメリカに留学し、ジュリアード音楽院とコロンビア大学で音楽はもちろんのこと、他の学科も広く学んでいる。
「コンクール直後に、このまますぐにプロとして活動していいものかずいぶん悩んだんです。まだ自分には学ばなくてはならないことがたくさんあるのではないかと。それで留学することを決意しました」
 アメリカでは語学から政治、歴史、音楽史まで幅広く勉強。一時はヴァイオリンが弾けなくなるのではないかと思うほど、机に向かっての勉強に時間を費やした。
 そして寮生活を経験し、さまざまな人との出会いのなかで人間としても大きく成長した。
「先日のリサイタルではさまざまな面を聴いていただこうと、いろんなプログラムを組みました。シューマンのソナタだけを弾いた日もあり、ロシアものとドイツものを組み合わせた日もあります。そして今回はぜひ武満徹さんの作品を演奏したかったんです。『悲歌(エレジー)』もそうですが、彼の作品は間を大切にする感じを受けます。音の最後、フレーズの最後の響きがとても印象的で、静の緊張感がただよっている。能に通じるような、また日本の庭を見ているような、そんな感覚。その静謐さを表したかったんです」
 彼女はアメリカで、いかなるときにも自己を前面に出すことを学んだ。自分がその音楽をどう感じ、どう弾きたいか。それを明確に表現する。
 デビューCDのブルッフのヴァイオリン協奏曲も、自分が感じたままを素直に表現している。ブルッフは旋律が美しく、親しみやすい。特に第2楽章はその美しさが十分に出ているから、ぜひ耳を傾けてほしいと語る。
「今後は現代作品を取り上げ、広めていきたい。そして私と同世代の若い人たちの目をもっとクラシックに向けたい。このふたつが夢なんです」

 諏訪内晶子のこの夢が、ついに実現した「国際音楽祭NIPPON」にも投影されている。同音楽祭は今後毎年開催される予定。ぜひ、彼女の強い信念に基づいたプログラムを体験してほしい。なお、今回は彼女と初共演となる指揮のエサ=ペッカ・サロネン(フィルハーモニア管弦楽団)、ピアノのレイフ・オヴェ・アンスネス、チェロのピーター・ウィスペルウェイ、ピアノの江口玲という国際舞台で活躍するトップアーティストが出演、多彩なプログラムを披露する。
 今日の写真は当時の雑誌の一部。長い黒髪と大きな目はまったく変わらない。

| インタビュー・アーカイヴ | 22:26 | - | -
ムール貝
 今日は友人のKさんと、彼女の行きつけの乃木坂にあるフレンチレストランの老舗、「シェ・ピエール」でランチをご一緒した。
 以前からこのお店ならではのおいしいムール貝を食べに行こうという話になっていたが、なかなかスケジュールが合わず、とうとうムール貝の最後の時期となって、ようやく味わうことができた。
 ムール貝だけでも感激だったが、海の幸サラダも、メーンのお肉もお魚も、そしてデザートも、ピエールさんの真摯で温かな人柄が映し出されたもので、ひとつひとつとてもていねいに作られていて美味。
 Kさんとは、いつも話し出したら止まらないという感じで、音楽の話、仕事の話、家族の話、旅の話など次々に話題が出てくる。
 結局、ランチなのに4時間以上も長居をしてしまった。サービスをしてくれるピエールさんのご家族の女性もとても感じがよくて、いいタイミングで紅茶のおかわりをもってきてくれるため、またまた腰を上げることができなくなってしまう。
 実は、Kさんは私の単行本を10冊も購入してくれ、それにサインをすることになった。友人にプレゼントしてくれるのだそうだ。
 なんという幸せ。こういうことをさりげなくしてくれる友人というのは、本当に涙がこぼれんばかりに感動してしまう。
 私の紅茶好きを知っている彼女は、またヨーロッパのおいしい紅茶をプレゼントしてくれた。それから先日、奈良で探したという吉野本葛もいただいた。
 これで「アーティストレシピの本を頑張って」、と背中を押された感じだ。
 はーい、本腰を入れて頑張りまーす。
 今日の写真は「こんなにおいしいムール貝はベルギー以来」、とふたりで感動しながらいただいたひと皿。もうひとつは、海の幸がふんだんに入ったサラダ。私はこの白いセロリの風味がするマリネ状の野菜に興味を惹かれ、ピエールさんに聞いたところ、セロリの根だそうだ。
 日本ではなかなか目にすることができないが、とてもさわやかで繊細な香りがあり、しゃきしゃきとした歯ざわりのおいしい逸品だった。
 仕事仕事で心身が疲弊した日々に、まさにひと吹きの新鮮な風を吹き込まれた一日となった。Kさん、ありがとう!!



 
| 美味なるダイアリー | 22:08 | - | -
雪かき
 昨日降った雪がたっぷりと積り、今日は玄関前と庭の雪かきをした。
 結構水っぽい雪で、少し雪かきをしただけで、うーん、腰痛が辛い。
 雪かきって、思った以上に体力がいるものなんだよね。南側の陽があたるところに雪を集め、通り道だけはきちんと空け、門の外まで進むうちに汗ばんできた。
 道路に雪を少しずつ投げ、クルマが通るところへ散らしていく。
 ああ、20分も行ったら、もうあきませんワ。腰にくるなんてもんじゃない。情けないですなあ。
 というわけで、大体きれいになったところでおしまい。あとは太陽にお任せしましょう。
 原稿書きの座業が多いため、運動不足解消になるかと思ったら、かえって腰痛が悪化した。ダメだ、こりゃ。
 今日の写真は雪かきの後、3階の西側の窓からながめた夕日。手前は隣家の屋根。いつもは遠くに富士山を臨むことができるが、今日は前面の雪景色のはるかかなたにぼんやりと見えるだけだった。
 明日はいいお天気になりますように。雪が解けますように…。


 
| 日々つづれ織り | 22:28 | - | -
アーティストレシピの原稿
 いま抱えているアーティストレシピのお料理の写真は、あと2つを残すのみとなったが、まだ進んでいない。
 今日は材料と作りかたの原稿に取りかかり、これまでのノートを見直しながら書き進める形となった。
 だが、いざ始めると、もっと詳しく書いたほうがいいのではないだろうか、調味料の分量はこれで正しかったのだろうかと、いろんな疑問が噴出。さて、困った、時間がないのにこんなことをしていてはまにあわない。
 とにかくざっとひと通り書き出して、あとでじっくりと再点検するほうが早そうだ。
 お料理、撮影、原稿とひとり3役をこなさなければならないため、とっても大変だ。
 でも、趣味が高じてこうした本までこぎつけたのだから、文句はいっちゃいかんいかん。
 選んだ50人のアーティストは、それぞれ個性豊かな人ばかり。これに私が考えたレシピをあてはめていく作業は、究極の楽しみのはず。とにかく、前進あるのみ。遅々とした歩みだが、完成を目指して頑張るゾー!!
| 美味なるダイアリー | 22:39 | - | -
春を呼ぶ菜の花
 まだまだ寒い日が続くが、八百屋さんの店頭にもう春を呼ぶ菜の花が並んでいる。
 以前は、2月から3月に顔を見せる野菜だったが、近年は出荷時期が早まり、この時期に登場するのは寒咲花菜と呼ぶ種類だそうだ。
 早速、この南房総特産の菜の花を買い、菜の花ごはんを作ってみた。
 まず、菜の花1束は洗って塩少々を入れた湯でさっと湯がく。これを水にとってアクをとり、よくしぼって2センチ長さに切っておく。
 米2合はといでふつうに炊くときの水の量をだし汁に変え、酒大さじ1、塩少々、薄口しょうゆ小さじ2を入れて炊く。
 炊きあがったら菜の花を入れてざっくり混ぜ、しばらく蒸らす。
 お茶碗にごはんを盛り、糸削りのかつおぶしをバラリとトッピングしてできあがり。
 うーん、なんともさわやかな、春の香りのする菜の花ごはんに癒される感じ。焼き海苔を巻いてもおいしいし、お漬物を添えてもいける。
 今日の写真はできたての菜の花ごはん。おいしく作るコツは、いいだし汁を使うこと。これに尽きます。上質のかつおぶしと昆布でとった1番だしがあればOK。
 春の訪れをシンプルなごはんでぜひ味わって…。


| 美味なるダイアリー | 22:03 | - | -
「読売新聞」のインタビューを受ける
 今日は単行本のプロモーション活動の一環で、「読売新聞」のインタビューを受けるため、新聞社に出かけた。
 担当の記者のかたはコンサートなどでよく会うため、お互いに顔見知りだが、じっくり話をするというのは今回が初めて。
 彼は本をじっくり読んでくださったようで、あらゆる角度の質問をしてくれ、特に私自身の音楽体験やこれまでの仕事の経緯に話が集中した。
 当初、インタビューの時間は1時間とのことだったが、話がはずみ、1時間半を優に超えるロング・インタビューとなった。
 本の内容に関してもこまかく質問され、半年前を思い出すことになった。
 そういえば、最初は2カ月ほど、どういう形で書いていくのがいいか、何に焦点を当てたらいいか、ずいぶん悩んだものだった。
 方向性が決まってからはその考えをもとに進めたが、それでも途中でやり直したり、多く書きすぎてしまって大幅に削ったり、試行錯誤を繰り返した。
 質問を受けているうちに、いろんなことが浮かんできた。
 本は出版されてしまえば、もうひとり歩きをするため、私の手元から完全に離れた感じがする。でも、こうして経緯を聞かれることにより、書いていたときのことを思い出す。
 これからの目標とか、夢とか、目指しているものなども聞かれ、クラシック界の将来性などにも話題が広がった。
 とても有意義な1時間半だった。
 次のアーティストレシピの本の話にもなり、「ナントに行くまでに全部入稿するのは物理的に無理じゃない」といわれ、ごもっともという感じ。
 困ったなあ。でも、最善を尽くすしかないよね。
 なお、記事の掲載時期に関しては、まだページが決まっていないため、これから検討するとのことだった。「著者来店」が有力候補だそうだ。
| 日々つづれ織り | 18:11 | - | -
たまっていた原稿がすべて完了
 今日は年末年始のたまっていた原稿の最後の1本を入稿し、ようやく肩の荷が下りた。
 その合間を縫って食材を買いにいき、アーティストレシピを2つ完成させ、写真を撮った。さあて、いよいよ残りは2つ。なんだかとっても時間のかかる面倒なものが残ってしまった。
 レシピを変えようかな、とも考えたが、ここはひとつ初心貫徹。面倒でも作るっきゃない。
 本を読んでくれた人に「これは面倒だから作りたくない」と思われると困るので、なんとか作りやすい方法を見つけ、すぐにトライしてみたいと思ってもらえるように考えなくちゃ。
 というわけで、いまや私のキッチンは食材だらけ。いろんな物がとっちらかって、すさまじい状態になっている。
 でも、あと2つ2つと自分にいいきかせ、整理をし、レシピのチェックをする。
 今週中にはすべてを作り終え、いよいよレシピをこまかく書き出す作業に入る。そしてそれが終わったら、いよいよ本文の原稿を50人分書かなくてはならない。
 ああ、ナントに出張するまでにまにあうのだろうか。
 あれこれ考え出すと頭が痛くなってくるから、いまは目先のことをひとつひとつこなしていくことだけを考え、いつもながらの「なんとかなるさ」という楽天的な性格で乗り切る。
 それにしても、よくここまできたなあ。あと2つなんて、よく頑張ったものだ。あっ、またお気楽な考えが顔をのぞかせてしまった(笑)。
 
| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 22:39 | - | -
プロモーション活動の開始
 昨年12月に出版した「伊熊よし子のおいしい音楽案内 パリに魅せられ、グラナダに酔う」(PHP新書)のプロモーション活動は、先月から始まっていたが、いよいよ本格的なスタートとなった。
 今日は午後から「しんぶん赤旗」と「聖教新聞社」のインタビューが組まれ、PR会社に出向いて取材を受けた。
 いつもはインタビューをする側なのだが、今回は質問を受ける側。今日お会いした記者のおふたりは、私の本に何本も付箋を貼ってあり、それをひとつずつ見ながらいろんなことを聞いてくださった。
 最初から話がやたらにはずんでしまい、時間がきても終わらず、どんどん時間が押していって、インタビューはかなり長時間になった。
 写真撮影もあり、結構大変だったが、有意義な時間を過ごすことができた。
 今日のおふたりとも、とても熱心にクラシックのことを聞いてくださり、「今後もおつきあいのほどを」といわれ、願ってもないことだった。
 本の読みかたというのは人それぞれだと思うのだが、今日は私が思ってもいない読みかたをしてくださったり、私の音楽のルーツに興味をもっていただいたりと、新たな発見がいくつもあった。
 これからもまだ取材が組まれている。また新たな質問が出るかもしれないと思うと、とても楽しみ。これで少しでもクラシックを聴く人が増えてくれれば本望だ。
| 日々つづれ織り | 21:10 | - | -
明日は仕事初め
 明日はほとんどの会社が仕事初めとなるのではないだろうか。
 年末年始の原稿は、担当者が新年の出社一日目に見たいということで、その多くが本日中に入稿となっている。
 そこでねじり鉢巻きで仕上げましたゾ。たまっていた9本のうち、7本が入稿済み。やったね(笑)。
 あとは9日までに2本仕上げればいいというところまでこぎつけた。
 ああ、私の休みはいつ訪れるのだろうか…。
 それでも、原稿の合間にニコタマに出かけ、食材などを購入。これだけは欠かせないもんね。
 ついでにナント出張のためのヒートテックのパンツとソックスを買い、寒さには万全の備えとなった。
 というわけで、本日の仕事はすべて終わった。
 寝不足を解消するために、少し早目に寝ようかな。それとも輸入ビールのおいしそうなのが冷蔵庫にあるから、グビッといっちゃおうかな。いやいや、明日は疲れた顔をして人に会えないから、パックでもしようかな。
 やっぱり7本終わると、気分が軽くなるなあ。
 最後の原稿はマリア・ジョアン・ピリスのシューベルトのピアノ・ソナタのライナーノーツ(ユニバーサル)だったため、ここしばらくはずっとピリスの録音を聴いていた。そのおかげで、からだは疲労していても、心はかろやかでなんだか浄化した気分。これが音楽の力なんでしょうね。
 あっ、やっぱり輸入ビールにしようっと。ピリスをもう一度聴きながら…。
| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 22:14 | - | -
ヴェルディ、ワーグナー、プーランク
 新年、明けましておめでとうございます。
 今年もいろんな話題をたくさん盛り込んでいきますので、ぜひブログに寄ってくださいね。
 さて、2013年はヴェルディとワーグナーの生誕200年のメモリアルイヤーである。昨年からすでにこの話題は世界中で大きく取り上げられ、オペラ界はさまざまな演目を予定し、日本でも今年は両巨匠の作品が数多く上演される。
 オペラ・ファンにとっては願ってもない年になりそうで、財布とにらめっこの日々が続くのではないだろうか。
 私も昨年からこの話題をヤマハのWEB「音楽ジャーナリスト&ライターの眼」に連載中である。
 ヴェルディとワーグナーといえば、各地でいくつかふたりのゆかりの地を訪れてきた。とりわけワーグナーに関した土地を多く巡った。
 ライプツィヒの生家跡と聖トマス教会、パリのオテル・デュ・ケ・ヴォルテール、ドレスデンの聖十字架教会と宮廷歌劇場、チューリヒのヴェーゼンドンク邸とホテル・シュヴァイツァーホフ、バイエルンのノイシュヴァンシュタイン城とバイエルン国立歌劇場、ルツェルンのトリープシェン、ヴェネツィアのヴェンドラミン館とカフェ・カルロ・ラヴェナなど。
 ただし、肝心のバイロイトだけはまだ訪れたことがない。バイロイト祝祭劇場とヴァーンフリート荘に詣でるのは夢のひとつである。
 そして今年はもうひとり、フランスの6人組のひとり、プーランクの没後50年の記念の年にもあたる。ヴェルディとワーグナーという巨人のような作曲家の影に隠れてしまいそうだが、プーランクについてもさまざまな記事を書いていきたいと思っている。
 今日の写真はヴェルディの銅像のお土産。イタリアで見つけたのではなく、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の近くで偶然出会ったもの。とてもいい表情をしているのですぐに気に入り、購入。ヴェルディは家族の死を次々に経験し、「自分には喜劇は書けない」といって悲劇的な結末のオペラを書き続けたが、この銅像はその表情をよくとらえている。
 今年はヴェルディゆかりの地にももっと行きたいな。

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