Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

ブログ

家庭画報 新年号
 今日は、9月末から10月初旬にかけてウィーンとベルリンに出張した記事が掲載された「家庭画報」の2014年新年号が発売された。
 カラー27ページ特集の「ウィーン・フィル 祝いの旋律」である。
 こうして見ると、すさまじいスケジュールだった取材のひとつひとつが、はやなつかしく思い出される。
 いろんな人たちに取材をしているが、ページ数や文字数の関係で、詳しく書けないこともあった。取材やインタビューで得た情報は、これから随時ブログで紹介していこうと思う。
 なんはともあれ、ようやく形になった。
 付録のウィーン・フィルのCDも、すぐに組み立てた。これももっといろんな曲を入れたかったが、なにしろ収録時間は限られている。そのなかで最良の方法を取り、ウィーン・フィルの魅力があますところなく伝わるように関係者一同で努力をした。
 これもまた、ゆっくり耳を傾けたいと思う。
 今日の写真は「家庭画報」の新年号の表紙と付録のCD。ながめていると、なんとも感慨深いですなあ。



| 情報・特急便 | 23:17 | - | -
トリノ王立歌劇場 トスカ
 今日は2010年の初来日公演で大成功を博した、トリノ王立歌劇場の再来日公演を聴きに東京文化会館に出かけた。
 演目はプッチーニの「トスカ」。指揮は2007年に音楽監督に就任し、この歌劇場の実力を世界へと知らしめたジャナンドレア・ノセダ。彼は就任以来さまざまな改革を施し、いまやトリノ王立歌劇場はイタリアを代表する実力と人気を誇る歌劇場へと飛躍を遂げた。
 今日のキャストは豊かな声量と広い音域を誇るイタリアのソプラノ、ノルマ・ファンティーニ(トスカ)、世界中のオペラハウスから引っ張りだこのアルゼンチン出身のテノール、マルセロ・アルバレス(カヴァラドッシ)、眼光鋭く存在感のあるスカルピアでこの役の新たな魅力を披露するグルジア出身のバリトン、ラド・アタネリ(スカルピア)。
 主役の3人がそれぞれ底力を発揮し、ファンティーニはのびやかでみずみずしく情熱的なトスカを生み出し、アルバレスは以前より多少重くなった声と抜群の演技力で悲劇的なカヴァラドッシを熱演し、アタネリはスマートで自信に満ちた新たなスカルピア像を作り出した。
 もっとも印象的だったのは、オーケストラのすばらしさ。冒頭から歌手の伴奏ではなく、オーケストラの響きに耳を奪われる見事なまでのアンサンブルを聴かせ、最後まで集中力が途切れなかった。
 これはひとえにノセダの力量によるところが大きい。彼は才能のある楽員が定年を迎えると、再度オーディションを行って再雇用するという方式を取り入れたそうだ。これは若手楽員のやる気を喚起することにもつながり、功を奏しているという。
 その成果は存分に今日の演奏に現れていた。プッチーニの旋律美がオーケストラの充実した演奏で遺憾なく発揮されたからだ。
 さらにジャン・ルイ・グリンダの演出が際立っていた。古典的な手法のなかに映像を盛り込むという現代的なワザを駆使し、オープニングとエンディングにトスカが身投げする映像をスローモーションで流して映画的な感覚をもたらした。
 やはり、オペラは指揮者が大きなウエイトを占める。ノセダは歌手のオーディションも積極的に行い、合唱にも力を入れている。それらすべてが今日の「トスカ」の上質な演奏につながっている。
 実は、休憩時間にイタリアのテレビのインタビューを受けた。どんなところが印象に残ったか、歌手はだれがよかったか、全体の印象をなどという質問をされたのだが、思ったように答えられず、ごく短いコメントになってしまった。
 ああ、なんたること、残念無念。もっと英語の語彙を増やさなくっちゃ。でも、テレビカメラがごく近くに寄ってきて、イタリア人のアナウンサーにマイクを突き付けられると、焦っちゃうものなんだよね。
 次にこういう機会があったら、今度はもっと頑張って答えようっと(笑)。せっかくいいオペラを観て、いいたいことはたくさんあるのに、反省しきり…。
| クラシックを愛す | 00:01 | - | -
アーティスト・レシピの好み
 いろんな人から「クラシックはおいしい アーティスト・レシピ」の本の感想が届き、必ず自分の好きなレシピをひとつ挙げてくれる。
 これまではサロネンの「オイルサーディン」、キーシンの「ボルシチ」、内田光子の「れんこんとカリフラワーの揚げポン酢」の人気が高い。
 今回は50人にしぼったが、いまは次なる50人のリストアップをし、レシピを考案中だ。
 これが、なかなかおもしろい。こうして、ああでもない、こうでもないと考えているときが一番楽しいのかもしれない。
 そしていよいよ試作に入り、いろいろ試行錯誤を繰り返す。この時点になると、ちょっと真剣勝負になってくる。何度も失敗は許されないからだ。
 ひとつ作ってみて、またちょっと雰囲気が違うかなと思い、変更することもある。
 ようやくその人のレシピが完成すると、その素材と分量で何度か作ってみて、こまかいところを修正していく。
 このあたりになると、自分のなかでそのレシピが定着していく。
 今回の本を書いているときは、このお料理の撮影が一番大変だった。なにしろプロのカメラマンではないため、機材に限界がある。おいしそうに撮るためには、自然光に頼るしかない。というわけで、日光の良し悪しに左右される。
 50レシピの写真を撮り終わったときは、さすがに達成感というよりは疲労感でいっぱいでしたな(笑)。
 でも、また少しずつためていこうと思っている。まだまだ紹介したいアーティストはたくさんいるので。
 本当はひとつのレシピができたら、以前行っていたように仕事仲間や友人を自宅に呼んで試食会をしたいんだけど、なにしろ時間がねえ…。
 まあ、気長にひとつずつ考案していきますか。私の基本は、スローフードだから。

 
 
| 美味なるダイアリー | 22:47 | - | -
来日ラッシュと原稿ラッシュ
 いまは来日ラッシュの真っ最中。歴史を誇るオーケストラ、ベテラン・ピアニスト、名門オペラハウスが相次いで来日し、連日コンサートが重なっている。
 これに加え、月末入稿がたまってきて、どうにも動きがとれなくなってきた。
 こういうときは、何を優先させるかをじっくり考えないといけない。もちろん、目の前の原稿締め切りは最重要事項だ。
 そんなときに限って、腕時計が壊れた。電池交換をしたのに、止まってしまう。ここしばらく買い物にいけないため、時計のない生活だ。
 もっとも困るのが、インタビューのとき。私はおおよその時間でインタビューを終わらせるようにしているのだが、大幅にオーバーしてしまうとまずいので、関係者にそれとなく合図を送ってもらうようにしている。
 とはいえ、先日はしょっちゅうテレコの時間表示を見てしまった。それに、携帯も見て、時間をチェックしている。
 複数の腕時計があったはずなのに、引っ越しのゴタゴタでみんなどこかにいってしまった。まだまだ荷物の整理がまにあわない。
 腕時計のない生活って、こんなに不便なのね。早く買いにいかなくっちゃ。
 でも、今日も一日仕事机にへばりつき状態。これじゃ買い物は無理。週末はオペラとコンサートが目白押し。さて、どうしたものか…。
 
| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 23:18 | - | -
JUNKU 連続トークセッション
「クラシックはおいしい アーティスト・レシピ」(芸術新聞社)の刊行を記念して、ジュンク堂書店 池袋本店でトークショウ&サイン会を行うことになった。
 先日もその情報をお知らせしたが、パンフレットが送られてきたため、もう一度ご紹介したいと思う。
 以下はそのパンフレットの内容である。

「おいしいクラシックを聴くと、人生が豊かになります!!」

 伊熊よし子&椎根和 2013年12月17日(火)19:30〜

 世界の著名音楽家との長年の交流で、その音楽性と人間性に魅了されてきた著者が、アーティストのイメージに合わせて料理を創作しました。ヨーヨー・マといえば酢豚、アルゲリッチだったらビーフシチュー、マリア・カラスならムサカ…、総勢50名の巨匠音楽家がレシピになりました。
「これまでライヴや録音でさまざまな演奏を聴き、取材やインタビューでアーティストと料理が結びつくようになった。演奏から受けた印象、本人に会って話を聞いたときの感想などが混然一体となり、ひとつのレシピが浮かんできたのである」(本書より)と語るクラシック音楽のエバンジェリスト・伊熊よし子に、雑誌「popeye」「Hanako」「Oleve」「日刊ゲンダイ」など多くの媒体の編集を通じて、時代を切り裂き、時代に陰影をつけてきた伝説の編集者・椎根和が、迫ります。

当日はトークイベント終了後、4F喫茶イベント会場にてサイン会を行います。
サインご希望の方はイベントの時間までに1Fレジにて書籍をご購入頂き、ご持参ください。
イベントを行う4Fフロアでは書籍のご購入・お会計はできません。
サインは原則的にお1人様1冊までとさせて頂きます。
入場料1000円(ドリンクつき)
電話予約承ります。 ジュンク堂書店 池袋本店 TEL5956-6111 FAX5956-6100

 
 というわけで、椎根さんとトークを行うことになった。彼は私の本のなかの「カラヤン」のところが一番印象的だったとのことで、そのことを何度も話題にしてくれる。きっと、トークショウでもカラヤンのこどか話題になるに違いない。
 そして椎根さんはパヴァロッティがお好きなのだが、今回は本に登場してこないため、非常に残念そう。もしも、次の機会があったら、ぜひパヴァロッティを入れたいと思う。さて、そのときはどんなレシピになるだろうか…。
 それでは、年末の忙しい時期の夜の時間帯ですが、お時間が許す方はぜひいらしてくださいね。楽しい会になるよう、頑張ります!
| 情報・特急便 | 21:54 | - | -
若林顕
 いま発売中の「レコード芸術」12月号に、先日行った若林顕のインタビューが掲載されている。
 若林顕とは、1987年のエリザベート王妃国際コンクール以来のおつきあいで、そのときに優勝したロシア出身のアンドレイ・ニコルスキーの話に花が咲いた。彼がニコルスキーから大きな影響を受けたと語ったからだ。
 このインタビューは、若林顕が長年研究を重ね、ようやく録音にこぎつけたラフマニノフのピアノ・ソナタ第2番の原典版の話題が中心となった(オクタヴィア)。彼は最初は改訂版を弾いていたが、やがて原典版の演奏を行い、高い評価を得たため、以後この版の研究を進めてきたからだ。
 実は、若林顕は数年前に原因不明の病にかかり、右手が動かなくなってピアノがまったく弾けない状況に陥った。その間、壮絶な戦いがあり、ようやく完治してこの録音にこぎつけたわけだ。
 彼はけっして雄弁なタイプではないが、久しぶりに会った私と亡くなったニコルスキーの思い出話などをしていたためか、この故障に関しても率直に心情を語ってくれた。
 録音を聴く限り、ダイナミックでスケールの大きな自信に満ちあふれた演奏ゆえ、病気をしたとは信じられないほどだが、きっと感無量なのだろう。ラフマニノフに関して、ことばを尽くして話してくれた。
 2014年1月17日(金)には、サントリーホールでこの作品をプログラムのメインに据えたリサイタルを開く。きっと病を克服した人だけがもつ特別な感情が宿る演奏になるに違いない。ナマを聴くのが楽しみである。
 今日の写真はインタビューのときの1枚。晴れ晴れとした表情をしていて、なんだか私までうれしくなってしまった。

| 親しき友との語らい | 22:19 | - | -
イリヤ・ラシュコフスキーのリサイタル
 今日は14時からヤマハホールで行われた、イリヤ・ラシュコフスキーのリサイタルを聴きにいった。
 まず、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第23番「熱情」からスタート。このホールはすべての音が非常にクリアに聴こえてくるため、ラシュコフスキーのけっして鍵盤を叩かないやわらかな奏法でも、強音が胸に迫りくる感じだ。特に第3楽章における減7和音の強音の連打音が迫力十分、疾走するようなフィナーレを形成していた。
 次いでブラームスの「3つの間奏曲」が登場。「熱情」とはまったく趣を異とする雰囲気を生み出し、ブラームス特有の滋味あふれる世界へと聴き手をいざなった。こういう作品における透明感に満ちた響きは、ラシュコフスキーの大きな特質である。
 後半は、新譜にも収録したショパンの「エチュード作品10」の12曲が演奏され、弾き込んだ作品に対する自信をうかがわせた。
 そして先日インタビューでも語っていた、これから取り組んでいくというスクリャービンが3曲演奏された。「左手のための2つの小品より第1番」「8つの練習曲より第5番」「炎に向かって」。
 スクリャービンの音楽は、響きの美学とも呼ばれる音楽で、いずれの作品も特有の神秘的で瞑想的で法悦の世界を暗示するような作風が印象深い。ラシュコフスキーは、これからピアノ・ソナタ全曲をレパートリーにしたいと語っていたが、今日の演奏はその前哨戦とも受け取れる。
 構成も主題も演奏効果も作曲年代も異なる3曲を、スクリャービンの美質を前面に押し出しながら、作曲家の多面性を示唆した。
 終演後、CDのサイン会が行われ、それが終了してからラシュコフスキーを囲んで懇親会が行われた。
 今日は、第8回浜松国際ピアノコンクール優勝記念の日本ツアーの最終日。ラシュコフスキーのトークによれば、また来年も来日公演が予定されているそうだ。
 きっと、さらに大きくなって戻ってくるに違いない。
 今日の写真は懇親会でのイリヤ。彼はすごく人あたりがよく、にこやかで感じがいいナイスガイなんだけど、笑うとクシャッと表情が崩れる。そこがまた親しみやすくていいんだよね。


 
| クラシックを愛す | 22:32 | - | -
老舗のお豆腐屋さん
 古くから続いているお店が好きな私が、先日のお魚屋さんに次いでお豆腐屋さんを見つけた。
 引っ越してから、町のあちこちを散策するのがとても楽しみ。ここは大中小合わせて22もの商店街があるため、いろんなお店があって飽きない。
 そのお豆腐屋さんは、80年の歴史があり、いまは3代目が継いでいる。このお店の人が、それはもう誇り高く、仕事熱心で、いわゆる職人気質。
 私が引っ越してきたばかりで、おいしいお豆腐屋さんを探していたんですと話すと、お豆腐に関していろんなことを教えてくれた。
 お店の一番のお薦めは「ざる豆腐」で、これは自分の代から始めたもので、試行錯誤の末、ようやく納得いく味が完成したそうだ。
 というわけで、「ざる豆腐」を早速購入。どっしりと重い存在感のあるお豆腐である。それに生湯葉をプラス。
「ざる豆腐」は、かつおぶしとしょうが汁とユズの皮の千切りを乗せ、ゆずぽんでいただいた。
 おおっ、さすがの味でございます。大将、やってくれますなあ。くせになりますよ、これは。またすぐに買いにいきますからね。生湯葉も、これまたご立派。まいりました。
 次はまた違うものに挑戦してみようかな。
 こういう老舗の個人経営のお店は、なんといってもていねいで、心がこもった物作りが特徴。私はすぐにこういうお店のファンになってしまう。
 どなたか、「ざる豆腐」食べたい人いませんか。差し入れにもっていきますよ。挙手、願いま〜す(笑)。
 今日の写真はそのお店の外観。いい雰囲気なんだよね、これが。住宅街の小さな通りにひっそりとたたずんでいて、たまんないワ。

| 美味なるダイアリー | 22:32 | - | -
アーティスト・レシピの評判
 今日の午前中、「クラシックはおいしい アーティスト・レシピ」の本のプロデューサーを務めてくれたSさんから電話が入った。なんでも、彼の奥さまが本をとても気に入ってくれ、知人にプレゼントするため複数冊の本を購入してくれたそうだ。
 そのお礼をいったところ、こんな話を聞かせてくれた。
 S家にはたくさんの猫がいて、ふだんから隣家にいろんな面で迷惑をかけているという。その隣家からいつもクラック音楽が聴こえてくるため、奥さまが私の本をもって日ごろの迷惑を詫びながら、本をプレゼントしたそうだ。
 それが昨日の夕方の話。その隣家のご主人は、スペイン語を学校で教えている人だそうで、大変なクラシック好き。特にスペイン音楽に目がないらしい。
 本を渡されたその人は、夜から読み始め、一睡もせずに朝までかかって読んでしまったという。
「それで、いまウチの奥さんのところに興奮した面持ちでやってきて、本の感想をまくしたてたんだって。いままで長い間、料理から遠ざかっていたんだけど、本を読んでいたらむくむくと料理熱が湧き、スペイン関係の物からまた始めたいと思ったそうだよ」
 Sさんは広尾に事務所を構えている。そこに着いて仕事をしているときに奥さまから電話がかかり、それを伝えるために私に電話がかかってきたという次第だ。
 こういう話を聞くと、本当にうれしい。私はひとりでも多くの人にクラシックを聴いてほしいという願いからこうした本を書いているが、その思いが伝わり、元気がもらえる。
 私も大のスペイン好きだから、Sさんの隣家のご主人に会いたいくらいだ。きっとスペインという共通項から話がはずむに違いない。
 そのご主人は、夏になると1カ月というもの北海道の別荘にひとりこもり、音楽を聴いているのだそうだ。
 なんとぜいたくな生き方をしている人なのだろう。その別荘に、ぜひ私の本をお伴として連れていってほしいな(笑)。
 Sさんは、このようにいつも私を元気づけ、自信を与えてくれる。私は「メンター」だと勝手に思っているのだが、なにしろ名うてのコワモテだから、うっかりしたことはいえない。
 奥さまは「サロネンのオイルサーディン」を気に入ってくれたようで、来年の春から初夏にかけてひこいわしが魚屋さんに並んだら、すぐに作るといっているそうだ。
 いつも魚屋さんに山盛りのひこいわしが200円くらいで売られているのを見て、どうやって食べるのかと思っていたとか。
「そうか、オイルサーディンか、と思ったらしいよ。もう圧力鍋も用意して、伊熊さんのレシピをずっとながめているよ」
 Sさんは、ふだんあまり家庭の話はしないのだが、今日は奥さまの話がたくさん出て、さらに本の感想も山ほど聞かせてくれた。
 本当に、ありがとうございます。私はそのレシピができあがるまで、10回ほど失敗したけど、その通りに作ってもらえば大丈夫。きっとおいしいオイルサーディンができますよ〜。
 また、だれか本の感想を聞かせてくれないかなあ…。
  
  
| 親しき友との語らい | 22:54 | - | -
再びバーミンガム市交響楽団
 先日のアンドリス・ネルソンス指揮バーミンガム市交響楽団の演奏があまりにもすばらしかったため、今日もまた東京芸術劇場に聴きにいった。
 前回のソリスト、エレーヌ・グリモーのブラームスもまだ心に強烈な印象が残っているが、今日のソリスト、ヒラリー・ハーンのシベリウスのヴァイオリン協奏曲も作品の魂に寄り添う演奏で、彼女がいま心身ともに充実した時期を迎えていることが伝わってきた。
 ヒラリー・ハーンは以前インタビューをしたとき、「私はひとつのステージで、必ずバッハを弾かないと気がすまないくらいバッハが好きなの」と語っていたが、今日もアンコールにJ.S.バッハの「無伴奏パルティータ」第2番から「サラバンド」を演奏した。
 このバッハのなんと美しく敬虔で高雅だったことか。やはり本当に心から愛する作品を演奏すると、奏者の強い思いがまっすぐに聴き手に迫ってくる。
 今日のプログラムは、ワーグナーの歌劇「ローエングリン」から第1幕への前奏曲からスタート。そしてシベリウスへと続き、後半はチャイコフスキーの交響曲第5番だった。
 冒頭のワーグナーから、指揮者とオーケストラとの一体感が見事で、細部まで神経の行き届いた非常に精緻な音楽が紡ぎ出された。
 チャイコフスキーの第5番はこれまで何度もいろんなオーケストラで聴いてきたが、まったく新しい作品を聴くような新鮮さが全編に宿り、ネルソンスのひとつのドラマを描き出していくような表現力豊かな音作りが際立っていた。
 アンコールは日本語が話せる楽員が説明し、会場の笑いを誘った。エルガーの「朝のうた」が登場し、これもまた流麗で幻想的な演奏。
 こういう演奏に触れると、寒さも忘れ、疲れも吹き飛び、からだの奥からエネルギーがふつふつと湧いてくるのを感じる。なんという強いエネルギーなのだろうか。これが音楽のもつ力なのだろう。
 さて、ネルソンスはボストン交響楽団に移ることが決まったし、バーミンガム市交響楽団の次期音楽監督はだれになるのだろうか。このオーケストラは先見の明があるから、きっとまたみんなをあっといわせる指揮者の名を発表するに違いない。早く知りたいなあ(笑)。
| クラシックを愛す | 00:05 | - | -
ボリス・ベレゾフスキー
 ロシア出身のピアニスト、ポリス・ベレゾフスキーとの出会いは、1987年のリーズ国際ピアノ・コンクールまでさかのぼる。
 当時、彼は18歳。旧ソ蓮が世界に送り出す新鋭といわれ、国内コンクールでの華々しい成果を国際コンクールで披露すべく、難度の高いコンクールにやってきた。
 ところが、ベレゾフスキーは大変なアガリ症だった。このときも本選でそれが露呈し、結果は第4位。深く落ち込んだ彼は数年かけてこれを克服し、徹底的にテクニックと表現力を磨きあげ、1990年のチャイコフスキー国際コンクールでみごと優勝の栄冠に輝いたのである。
 リーズ・コンクールのときに取材にいって彼に初めて会った私は、その後ベレゾフスキーの大きなスケールをもつ堂々としたピアニズムに、いつも感慨を新たにする。当時を知っている私に会うと、彼はいつも恥ずかしそうにしたり、やけになってジョークを飛ばしたり、話をはぐらかしたりする。
 昨日もまたインタビューで会い、いろんな話を聞いた。このインタビューは「intoxicate」に書く予定である。
 今回の新譜はチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番と、12の小品作品40よりと、チェリストのアンリ・ドマルケットと共演した「アンダンテ・カンタービレ」など(キングインターナショナル)。あまり演奏される機会に恵まれないコンチェルトの第2番に関し、その作品のすばらしさを熱く語ってくれた。
 このコンチェルトは、車を運転しているときにラジオから流れてきて、一気に眠気が吹き飛んだそうだ。それから練習を始め、録音までこぎつけたという。
 ベレゾフスキーは今回の来日公演ではラフマニノフの前奏曲作品32とピアノ・ソナタ第2番を取り上げている。このソナタに関しては、1931年改訂版のほうを用いて演奏しているが、それは前奏曲をたくさん弾きたかったため、時間のバランスを考慮した結果だという。
 ベレゾフスキーは昔からラフマニノフが大好きである。彼はいつもリヒテルのことばをたとえに出し、「ラフマニノフはぼくたちロシア人の音楽である」という。
 こういうシリアスな話のあとで、オフレコになると必ずおかしな話が飛び出す。以前、おでんが大好きで、「食べるだけではなく、おでん屋を開きたい」といって、私の笑いを誘ったが、今回は「もっと夢が大きくなったんだ」と前置きし、「ロシアで温泉宿を経営したい」といい出した。
「えーっ、なに。温泉宿ってどういうこと?}
 私が目を真ん丸にしたら、「ビジネスだよ、ビジネス」といって、滔々と話し出した。なんでも、お台場の大江戸温泉物語にいったらハマったらしく、これをロシアで開きたいと思ったのだそうだ。
「そのためには膨大な資金が必要だから、これから1日2回コンサートをして、それを丸々2年行って、そのうちに90万ユーロ貯めれば大丈夫だと思うんだ」
 真顔でこういわれると、う〜ん、何と答えたらいいものやら…。こういうときは笑い飛ばすしかないよね。
 昔はすごくシャイで、すぐに顔を赤らめるような性格だったのに、こんなことを考えているとはね。まあ、演奏がシリアスだから、いいんだけど(笑)。
「じゃ、次に会ったときにはもっと大きな夢を語ってね〜」といって、別れた。
 ベレゾフスキーは毎年「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」で来日しているから、すっかり日本のファンにおなじみ。のっしのっしとステージに現れ、楽器を大きく豊かに鳴らし、その演奏は自信に満ちている。昔はシャイでアガリ症だったなんて、信じられないでしょ。でも、本当なんですよ。
 今回も私がその話をすると、「じゃ、ここからは昔の自分に戻ろうか」などと冗談めかしていっていた。演奏も性格も、余裕が出たのね。
 今日の写真は、「90万ユーロ貯めるには…」と計算しているところ。ホント、笑っちゃいますよ。


 
| 親しき友との語らい | 23:03 | - | -
バーミンガム市交響楽団
 一気に天空に駆け上がっていくような、勢いに満ちたアーティストの演奏を聴くと、心が高揚し、からだもカッカと熱くなってくる。
 今日はアンドリス・ネルソンス指揮バーミンガム市交響楽団の演奏を聴きに東京オペラシティコンサートホールに出かけた。
 プログラムはベートーヴェンのバレエ「プロメテウスの創造物」序曲からスタート。もう冒頭から、ネルソンスの流れるような音楽作りが全開。大きなからだをふたつに折るようにしてオーケストラを指揮する姿もなつかしかった。
 実は、ネルソンスは2010年にウィーン・フィルとともに来日し、得意とするドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」を指揮した。
 この「新世界」は、これまで聴いたどの演奏とも異なる新たな世界を作り出していて、ひとつひとつの音かクリアでしかも流麗でエレガント。全編に豊かな「歌」があふれ、ドヴォルザークが作品に託したさまざまな感情が生き生きと写しだされていた。
 この演奏を聴き、ネルソンスの真の実力、大きな可能性、オーケストラから自然な「歌」を導き出す手腕に感嘆したものだ。
 そんなネルソンスが、今日はブラームスで底力を示した。
 前半のメインはエレーヌ・グリモーをソリストに迎えてのブラームスのピアノ協奏曲第1番。彼女はつい先ごろブラームスのピアノ協奏曲第1番と第2番の新譜をリリースしたばかり(ユニバーサル)。その指揮者がネルソンスで、録音での第1番はバイエルン放送交響楽団との共演である。
 グリモーは昔から大のブラームス好き。学生のころ、ブラームスばかり弾いていて、先生に注意されたほどだという。
 CDでもグリモーとネルソンスの呼吸は気持ちのいいほど合っていたが、実際に聴く演奏はまさにブラームスと一体化。深く熱く情感豊かで深遠で、一瞬たりとも耳が離せない緊迫感と集中力に富んだ演奏だった。
 ネルソンスは1978年ラトヴィアのリガ生まれ。2008年にバーミンガム市響の音楽監督に就任し、短期間ですばらしい成果を上げ、いまや世界でもっとも注目される若手指揮者のひとりとなった。
 私が彼の名を初めて耳にしたのは、ピアニストのラファウ・ブレハッチがオランダで彼のタクトでコンチェルトを演奏すると聞いたとき。もうずいぶん前のことで、そのころは「ネルソンス」という名はほとんど知られていなかった。でも、ブレハッチは「すごい指揮者だよ」といっていた。
 そのネルソンスは2014/15年シーズンよりボストン交響楽団の音楽監督に就任することが決まった。
 破竹の勢いでスター指揮者の街道をまっしぐらに進んでいる若きマエストロは、アメリカでも才能を遺憾なく発揮するに違いない。
 今日の後半のプログラムは、ブラームスの交響曲第4番。ロマン主義的な趣向と古典的な形式が見事に融合したこの交響曲を、ネルソンスは精緻な響きと、タペストリーのようなこまやかな音の織物のように構築。オーケストラからもてる最高のものを引き出し、聴き手に幸せをもたらした。
 グリモーも長年聴き続けているが、今夜のブラームスは作品への共感がすばらしかったし、ネルソンスの真摯に音楽と対峙している姿勢もひしひしと伝わり、帰路に着くときもからだがほかほかと温かかった。
 彼らの日本ツアーは始まったばかり。これから24日までコンサートは続く。ぜひ、足を運んでくださいな。聴き慣れた作品が新たな光を放ち、至福のときを過ごすことができますから。
 
| アーティスト・クローズアップ | 23:54 | - | -
エマニュエル・パユ
 フルーティストのエマニュエル・パユには何度かインタビューをしているが、いつもひとつの質問に対して真摯に、一生懸命ことばを尽くして話してくれる。
 今日は「家庭画報」のカルチャーページのインタビューで、宿泊先のホテルに出向いた。
 つい先ごろ、彼は「アラウンド・ザ・ワールド」(ワーナー)と題するアルバムをリリースした。これはパリ音楽院時代からの長いつきあいのギタリスト、クリスティアン・リヴェとの共演で、パユがこれまでの人生のなかでさまざまな土地に暮らし、そこで出合った曲や触発された曲、なつかしい思い出がある曲などが収録されている。
 パユは、いまようやくこうした作品の数々を録音する時期が到来したと感じたそうだ。
「ものすごくたくさんの候補曲があったんだけど、絞りに絞って約80分の1枚のCDに詰め込んだ。ここで吹いているひとつひとつの曲が自分にとって大切な人生の思い出であり、イマジネーションを歓喜されるものであり、宝物のような存在なんだ」
 ここではバルトークからラヴィ・シャンカール、ヘンデル、細川俊夫、ピアソラまで幅広い作品を網羅。聴き手もともに旅をしているような感覚を抱く。
 パユは、ベルリン・フィルでの演奏とソロ、室内楽、コンチェルトと多彩な活動をしていて、「ジャンルを超えてあらゆる音楽を演奏したい。ただし、いい音楽だけを選んでね。枠を決めたくないんだよ」と語った。
 これからのスケジュールを聞くと、コンチェルトの初演が複数あり、さまざまな仲間との室内楽がびっしり組まれ、その間にレコーディングも何枚か入っている。
「本当に時間に追われているよ。予定表を見るのが恐怖なんだ。そうそう、その合間にベルリン・フィルでも演奏しているしね(笑)」
 こうジョークを飛ばす。
 来年早々再び来日し、2014年2月25日から28日まで、「ベルリン・バロック・ゾリステンwithエマニュエル・パユ」のコンサートを行う。ここではテレマン、J.S.バッハ、C.Ph.E.バッハなどの作品がプログラムに組まれている。
「いま使っている新しいフルートがエレガントですばらしい響きなので、バロック音楽にとても合うんだ。ベルリン・バロック・ゾリステンは最近メンバーがかなり変わり、若いメンバーが増えた。また新たな方向性をもつ音楽を聴いてもらえると思うよ」
 パユは天才的なフルーティストとして知られるが、インタビュー後の写真撮影のときに、楽器をカメラマンに向けてバーンと撃つような仕草をした。
 そのときにインタビューに立ち会った人たちと私が「ウワーッ、007みたい!」と話していたら、急に007のテーマ曲をいくつか吹き出した。
 何でもすぐに吹けてしまうのはわかっていたが、私たちの雑談に耳を傾け、すぐそれに反応する才能にはホント、脱帽…。
 今日の写真はインタビュー後の1枚と、パユの黄金のフルート。
「昔からワーカホリックでさあ、休みがないんだよね」
 そりゃそうでしょう、スケジュールを聞いて唖然としたもの。でも、年末年始には家族全員(大人数)でスキーに出かけるそうだ。少しは休めるみたいね、うん、安心しました(笑)。
 さて、また新譜の「アラウンド・ザ・ワールド」を聴いて、心の旅をしようかな。




 
| 情報・特急便 | 22:09 | - | -
海老彰子
 今日は午前中、海老彰子にインタビューするため横浜みなとみらい大ホールに出かけた。ところが、朝早く三鷹駅で人身事故があり、電車が不通になってしまった。
 あせってあれこれ調べ、早めに家を出て、ようやく待ち合わせの時間にまにあうことができた。
 海老さんは横浜市招待国際ピアノ演奏会の企画委員長を務めているため、11月16日、17日のコンサートを前に大忙し。その前にインタビューをすることになった次第だ。
 以前からよく存じ上げているため、いろんな話題が出て楽しくお話をすることができたが、特にサンソン・フランソワ夫人、アルゲリッチのお母さんからは、若手演奏家を支援する精神を学んだという。
 それが浜松国際ピアノコンクールの審査委員長や、この横浜での企画委員長という重責を担うことにつながっているのだろう。
 もっとも興味深かったのは、ヴァイオリニストの佐藤陽子が声楽家としても活動していたときにマリア・カラスのレッスンを受けにいき、そのピアノ伴奏を担当して一緒にカラスのレッスンを受けたときの話。
 彼女はもうフランス在住39年になるという。その間のさまざまな人との交流の話は、いくら聞いても尽きることがない。時間が許せば、もっともっといろんなことを聞きたいと思った。
 今日の記事はヤマハのWEB「ピアニスト・ラウンジ」に書くことになっている。
 実は昨年、浜松国際ピアノコンクールのオブザーバー就任を依頼されたのだが、単行本の校正の時期と重なってしまい、直前にキャンセルした苦い思い出がある。最初にそれを詫び、先日イリヤ・ラシュコフスキーのインタビューをしたことを話し、彼のピアノに関しても話を聞いた。
 海老さんは、ラシュコフスキーの才能を非常に高く評価していて、その後もできる限りコンサートで聴くようにしているそうだ。
 コンクール後もずっと聴き続けてくれ、応援してくれる。これがラシュコフスキーにとっては、非常にうれしいことであり、励ましになると本人が語っていたが、海老さんのこの姿勢に私もとても感銘を受けた。
 海老さんの精神が伝わるようないい記事が書けるよう、最大限の努力をしたいと思う。
 今日の写真は、インタビュー後、紅葉をバックに撮った1枚。海老さんの温かなまなざしが感じられるでしょ、私もあったかな気分になりました(笑)。
 でも、帰りもまだ電車の遅延があり、ふだんの倍くらいの時間を要して、ようやく家に着いた。以前の家は横浜方面に近かったけど、いまは、いやあ、遠くなりましたなあ。電車に何時間乗っていたんだろう…。


 
| クラシックを愛す | 23:15 | - | -
インフルエンザの予防接種
 毎年、この時期になると、インフルエンザの予防接種に近くの病院にいく。今年は引っ越したばかりなので、どこのお医者さんにいったらいいかわからなかったが、ごく近くの内科&小児科にいった。
 ところが、このお医者さんがものすごく混んでいて、次々に患者さんが入ってきて、待合室はいっぱい。
 ようやく自分の番になったら、とてもやさしそうな目をしたドクターが予防接種の注意事項やどんな種類の注射なのかをていねいに説明してくれ、さすが小児科の先生だと納得してしまった。
 この先生の診療室には、たくさんの動物のぬいぐるみがあり、あったかい雰囲気。ドクターはひとりで何でもしてしまう人で、看護婦さんの助けをまったく借りず、予防接種の用意から消毒から注射まで、全部自分でこなす。
 以前は、消毒やセーターの腕をまくりあげたりするのは、看護婦さんがしてくれたものだ。
「今日はお風呂に入ってもいいし、ふつうに生活してかまいませんよ。赤くなったり、ちょっと腫れても大丈夫ですからね」
 こういわれて、診療室を出た。
 近くにこんないいお医者さんがいるとわかり、ひと安心だ。風邪をひいたら、すぐに駆け付けよう(笑)。
 これからピアニストのCDのライナーノーツの原稿が複数あり、調べ物にも時間がかかるし、風邪などひいてはいられないから。
 さて、予防接種も無事に済み、仕事に集中しなくてはならない。
 そうだ、風邪予防の私の特効薬である「きんかんのハチミツ漬け」を作らなくっちゃ。以前、ブログで紹介したら、いろんな人から「あれ、作っています」「すごく風邪に効くんだってね」と声をかけられた。
 そうです、薬を飲むよりも、自然な食べ物のほうが安心ですからね。ぜひ、きんかんを見つけたら、半分に切って種を取り除き、びんを用意してハチミツ漬けを作ってみてくださいな。美容にもいいしね。
 というわけで、週末締め切りに突入。早く、きんかん出来上がらないかなあ…。
| 日々つづれ織り | 22:18 | - | -
ルドルフ・ブッフビンダー&ウィーン・フィル
 ルドルフ・ブッフビンダーとウィーン・フィル。この組み合わせでベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」を聴く。
 こんなぜいたくな一夜があるだろうか。
 今夜は、ブッフビンダーがウィーン・フィルを弾き振りし、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番と第5番をサントリーホールで披露した。
 かろやかで明るい第1番が始まった途端、ウィーン・フィルのえもいわれぬまろやかな弦の音色と独特の管楽器の響きが胸に迫ってきて、この上ない幸せな気分に満たされた。
 ブッフビンダーのピアノは、若きベートーヴェンのみずみずしい曲想を存分に伝え、第2楽章のクラリネットとの音の対話はとても濃密だった。
 もちろん「皇帝」はブッフビンダーの美質が全開。特に、私の大好きな第2楽章「アダージョ」では、おだやかな旋律を木管と弦とピアノが見事な融合を見せながら静けさをもって美しく奏で、至福のときを与えてくれた。
 ブッフビンダーとウィーン・フィルは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲録音を行っている(ソニー)。これらは2011年5月にウィーンのムジークフェラインで行われたライヴ。それゆえ、両者の息はぴったり。今夜の演奏も、格調高く優雅で、しかも作品の内奥にひたすら迫っていく熱い演奏。
 弾き振りをしているブッフビンダーが、ときおり椅子からからだを浮かし、エネルギッシュに指揮する姿が印象的だった。
 終演後も熱き演奏の余韻がずっと心に残り、いまなおベートーヴェンが頭のなかで鳴っている。
 きっと、明日も、またその次の日も、感動の泉は枯れることがないだろう。現在のところ、私の「今年のコンサート・ベストテン」の一番上にランクイン。それほどすばらしいベートーヴェンだった。
 今日の写真は、その全曲録音のCDジャケット。私が何度も繰り返し聴いている愛聴盤だ。

| クラシックを愛す | 23:39 | - | -
与儀巧
 今日は沖縄出身のテノール、与儀巧にインタビューするため、紀尾井ホールに出かけた。
 初めて会う人にインタビューする場合、最初はその人の活動を聞いたり、コンサートや録音の作品にまつわることを話題にしたり、プロフィール的な話から始め、徐々に内面に触れていくようにしている。
 しかし、今日は最初から話が非常にスムーズに進み、話のテンポがよく、いろんな質問に対して明るく自然体で気持ちよく答えてくれるため、話題は「これ、オフレコね」というところまで進んでしまった。
 今日のインタビューはヤマハのWEB「音楽ジャーナリスト&ライターの眼」に書く予定にしている。
 今回は紀尾井ホールの「明日への扉」というシリーズのコンサート(12月2日(月)19時開演)に関して話を聞くことがメインだった。
 沖縄出身の作曲家、宮良長包の歌曲が5曲オープニングに登場する。この作曲家の歌曲は彼が幼いころから親しんできたものも含まれ、作曲家を敬愛している身としては、ぜひともこのコンサートでうたいたかったのだという。
 宮良長包は山田耕作の弟子で、その恩師の曲が前半の最後に組まれている。
 後半はボローニャ留学時代に学んだり、日本でも勉強していたイタリア歌曲、ペルシコの作品と、イタリア・オペラ・アリアが予定されている。
 今回はピアノが声楽家との共演が多く、歌手に絶大なる信頼を置かれている瀧田亮子が担当。私は以前、彼女の演奏に触れているため、このピアニストの大切さも話題となった。
 与儀巧の声は、のびやかで青空にスコーンと抜けていくような爽快感と、からだの奥から湧き出てくるような熱い情熱と、聴き手を元気にさせてくれるような活力に満ちている。
 ただし、本人は「暗い歌が好きなんですよ」という。どうにもならない愛や失恋、実らぬ恋に涙するような歌がたまらなく好きなのだそうだ。
 でも、そういう曲ばかりプログラムに組むと、聴衆が寝てしまったり、雰囲気が暗くなるため、さまざまな工夫を凝らしたのだという。
 これから「第九」で忙しく、NHKのお正月番組にも出演が決まり、多忙な日々が待っているようだ。
 あまりにも話が合い、インタビューが終わってからも電車のなかでずっと話を続け、本当に楽しい時間を過ごすことができた。なんだか、初対面とは思えないほどで、ずっと前から知り合いのよう…。
 12月2日のコンサート、ぜひ成功させてほしい!!
与儀さん、頑張ってくださいね、エールを送っていますから。
 今日の写真はインタビュー後のリラックスした表情。暗い曲が好みというけど、性格はこの笑顔のようにめっちゃ明るいよねえ。歌手はステージに出てくるだけでその性格がわかるような人がいるけど、与儀巧はどんな感じかな。すごく楽しみだ。
 11月28日にはWEBの記事がアップされる予定だから、ぜひ寄ってくださいね。作品に関しても、たくさん書きま〜す。



| 情報・特急便 | 23:13 | - | -
イリヤ・ラシュコフスキー
 今日は、2012年の第8回浜松国際ピアノコンクールの優勝者、ロシア出身のイリヤ・ラシュコフスキーのインタビューのため、レコード会社に出向いた。
 ラシュコフスキーは1984年イルクーツク生まれ。ノボシビルスク特別音楽学校でM.レベンセンに、ハノーファー音楽大学でV.クライネフに、エコール・ノルマル音楽院でM.リビツキに師事している。
 その演奏はのびやかな旋律のうたいまわしと、情感豊かな表現力、鍛え抜かれたテクニックに支えられたもので、ロシアの若手ピアニスト特有のエネルギー全開のピアニズムとは一線を画している。
 つい先ごろ、新譜をリリース。ショパンの「練習曲集(全曲)」(ビクター)で、作品10、作品25、そして「3つの新練習曲 遺作」の全27曲を収録している。
 今日はコンクールのときの様子、ショパンに関して、「練習曲」について、恩師からの教え、今後のレパートリーなど多岐にわたる質問を行ったが、ラシュコフスキーは率直に、ときおり笑顔を交えながら、気持ちよく答えてくれた。
 今回の新譜は、ラシュコフスキーの音の美質をよく表している。彼は終始一貫して美しい音を追求し、各々の練習曲にあるストーリー性をもたせ、短いなかにひとつのドラマを描き出しているからである。
 とりわけ音の強弱とテンポが柔軟性に富み、とてもおだやかで耳に心地よい。これは「日経新聞」の11月28日(木)の夕刊に書く予定にしている。
 ラシュコフスキーは親日家で知られ、夫人も日本人。現在はパリに暮らし、今後は室内楽も積極的に演奏していきたいという。さらに、現代作品にも興味を示している。
 次なる大きなプロジェクトは、スクリャービンとプロコフィエフだそうで、ピアノ・ソナタを全曲演奏する予定だという。折しも、2015年はスクリャービン没後100年にあたるメモリアルイヤー。ここに焦点をあてているようだ。
 ラシュコフスキーのコンサートは、いま各地で開催されている。私は24日のヤマハホールの演奏を聴きにいくことにしている。
 彼は演奏と同様、とても人あたりのいい温かな性格で、優しい目をした人。今日の写真はインタビュー後のワンショット。ねっ、このたたずまい、抒情的な演奏に通じるでしょ。


| アーティスト・クローズアップ | 22:01 | - | -
爆弾おにぎり
 大きな仕事がひと段落したので、週末はからだと心を休めようと、高原の仕事部屋に出かけた。
 もう気温は10度以下でとても肌寒かったが、空気がピーンと張り詰めた感じで、秋の紅葉も美しく、深呼吸するとまさに森の香りがした。
 ここにくると、いつも海の幸と山の幸の豊かな恵みに感嘆し、あれこれおいしいものを目いっぱいいただいてしまう。
 今回も食事を作るのはやめにして、あちこち食べにいった。
 和食、イタリアン、欧風料理、こだわりラーメン、温泉コーヒー、絶品スイーツ、A級グルメのおせんべいとおかき。なんだか休養にきたというよりは、食べまくりにきた感じだ。
 そしていつも帰りに買って帰るのは、「爆弾おにぎり」。1合のごはんを大きな海苔で巻いて、なかに希望の具を入れ、その場であつあつのごはんで作ってくれるおにぎりなのだが、これがもうたまらないおいしさ。
 私の仕事部屋にきてくれたいろんな人にこれを勧めたが、全員が一度でハマった。私のお気に入りは「鮭」。この塩加減がすばらしく、今回のお米は新米。
 ひとつで約2人前。ひとりでこれを食べるツワモノもいるようだが、やっぱりちょっとキツイ。
 もちろん、お店でにぎりたてを食べることもできる。でも、私は東京に戻ってからも楽しみたいので、お土産にして持ち帰る。
 ああ、ほんのひとときだったけど、いい空気を吸ってのんびりし、地元でとれた食材をていねいに調理したお料理をいただいたためか、心身が癒された。
 今日の写真はその「鮭の爆弾おにぎり」。ホント、やみつきになるおいしさなんですよ。

| 美味なるダイアリー | 21:33 | - | -
肩の荷が下りた
 ようやく、秋のウィーン&ベルリン出張の取材記事が全部終わり、校正を今日すべて戻し、私の手を離れた。
 大きな仕事がひとつ終わると、肩の荷が下りた感じがし、さて、しばしリラックスしてからだを休めようと考える。
 そしてむくむくと料理熱が頭をもたげ、今日はバルコニーで栽培しているさまざまなハーブをオープンサンドイッチに乗せてみた。
 こんなことをしていると、本当に心が休まる。
 先日、エアコンの不具合の調整をしてくれた親しい電気屋さんが、「おや、ハープを植えているんですね。立派に育っているじゃないですか」といって、私の植えたばかりのハーブをながめていってくれた。
 いまはまだ5種類ほどだが、もっと増やしたい。
 実はこれ、テレビのジェイミー・オリバーのクッキング番組で、彼がちょいちよいとベランダの鉢植えのハーブをちぎってお料理に使っているのを見て、まねしたもの。
 いろんなハーブを少しずつ植えていると、すぐに役に立つ。ジェイミーのように、いろんなお料理にさっとハーブが使えると、とても便利。
 私もこれからいろんなハーブの栽培に挑戦したいと思う。
 ちなみに今日は、イタリアンパセリとスープセロリとローズマリーを使った。
 ところで、ひとつ大きな失敗をした。というのは、家の近くのお花屋さんにすごくいいブルーベリーの木があり、オーナーと話していたら、もう長い間この木は看板役を担ってくれたので、安く売りたいのだという。
 とはいえ、ちょっと私には高く思えたので躊躇していたら、今日その木は売れてしまったらしく、店頭から消えていた。
 あ〜あ、ケチな私。売れてしまうと、無性にほしくなる。残念無念。実がたくさんついていて、目にいいといわれていたのに…。
 というわけで、ご近所を散策し、いろんなお花屋さんをのぞいている。また、掘り出し物を見つけたら、今度こそはケチ根性を出さずにゲットしようっと、後悔しないようにね(笑)。
 
| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 22:02 | - | -
内田光子のリサイタル
 今日は、久しぶりにコンサートに出かけた。サントリーホールで行われた内田光子のリサイタルである。
 J.S.バッハの「平均律クラヴィーア曲集第2巻」より第1番と第14番で幕開け。クリアで明確な意志をもったバッハが紡ぎ出され、3声のフーガが織りなす複雑な響きがホール全体にゆきわたっていく。
 今回のプログラムはバッハ、シューマン、そしてシェーンベルクということで、バッハのあとにはシェーンベルクの「6つの小さなピアノ曲」が奏され、マーラーへの弔辞の意味合いが含まれる作品が“響きの美学“とでもいうような音の粒で綴られた。
 次いでシューマンの「森の情景」が登場。ここから後半はすべてシューマン。ピアノ・ソナタ第2番、「暁の歌」というプログラムで、今年5月から6月にかけて録音された曲目である。
 内田光子は近年シューマンの探求に時間を費やしていて、今日のプログラムはその真意を表現する形となった。
 とりわけ最後に演奏された「暁の歌」が印象深かった。シューマンの晩年の作品特有の暗闇のなかに光を見出そうとする孤独感と、憧憬と、狂気と、平穏さなどが混然一体となった曲想が、静けさのなかで淡々と奏でられていくさまは、まさにプログラムの最後をしめくくるにふさわしいものだった。
 内田光子は数年後からベートーヴェン・チクルスを予定しているそうで、今日はアンコールにベートーヴェンの「月光」の第1楽章が演奏された。予告の意味合いがあるのだろうか。
 静謐でおだやかで美しい響きが最後を飾り、本当に久しぶりにコンサートを聴いて心身が癒され、満ち足りた気分を味わった。
 さて、明日は女性誌の特集ページの校正をすべて送らなければならない。朝からまた気合いを入れなくっちゃ(笑)。
| クラシックを愛す | 23:08 | - | -
大きな山を越えた
 この連休は、ずっとれいの女性誌の新年号のカラー特集の原稿にかかりっきりだった。
 なにしろ20数ページの大特集。1ページごとにテーマが異なり、取材内容も異なったため、取材のテープ起こしをしてから資料を集めて調べものをし、いざ原稿にまとめていくとなると、かなりの時間を要する。
 記事の文字数はけっして多くはないのだが、レイアウト先行ゆえ、文字数をきちんとレイアウトに合わせなくてはならない。これが一番時間がかかることだ。
 でも、根気強くやるしかない。
 寝食を忘れてやる、というのはこういうことなのだろう。とにかく時間との勝負だった。
 それがようやく昨日の午後に終わり、もう疲労困憊。今日はなんだか抜け殻のようになってしまい、先送りにしていた他の原稿を書かなくてはいけないのに、まったく集中力がない。
 それでも、先日見つけたすごくおいしいお肉を売っているお店に出かけてひき肉を買い(なんだ、大騒ぎしている割にひき肉とはね…)、麻婆豆腐を作った。
 私は長ねぎとしょうがとにんにくをたっぷり入れ、味付けはシンプルに。もちろん豆板醤は上質なものを使うけどね。
 というわけで、元気の出る麻婆豆腐のおかげで、少しだけ原稿を仕上げることができた。
 いつもはもっと馬力をかけて夜中まで仕事をするんだけど、やっぱり今日はこれ以上ダメだ。少し休んで、英気を養うことにしようっと。

 
| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 22:32 | - | -
レイ・チェン
 レイ・チェンには来日ごとに会い、話を聞いている。先日も、次号の「intoxicate」のためにインタビューを行った。
 以前もブログで紹介したが、いつ会っても彼はエネルギー全開。気持ちいいほどよく話し、にこやかに笑い、元気いっぱいだ。
 今回は、2013年7月にレコーディングが行なわれたモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番、第4番、ヴァイオリン・ソナタK305の録音に関して話をしてもらったが、これら3曲にはそれぞれいろんな思い出とエピソードがあり、それを雄弁に語ってくれた。
 これらはクリストフ・エッシェンバッハ指揮シュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭管弦楽団との共演で、しかもヴァイオリン・ソナタのほうはエッシェンバッハがピアノを担当している(2014年1月22日発売 ソニー)。 
 このソナタは、エッシェンバッハの両親がこよなく愛していた作品だそうで、その意味で深い思い出が込められているそうだ。
 レイ・チェンにとっても非常に記憶に残る大切なレコーディングとなったという。
 さらにシュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭管弦楽団は平均年齢が19歳という若さで、みんなが前向きでやる気満々、とてもポジティブな録音だったそうだ。
 そのことば通り、このアルバムは大きく成長したレイ・チェンの音楽を堪能することができる。彼の音はのびやかで明るく、自然体。聴き込むほどに、こちらも幸せになってくる。カデンツァも自身で書き、それを収録しているが、ひとつのカデンツァを書くのに膨大な時間を要したそうで、モーツァルトと一体化するまで大変な労力を費やしたという。
 レイ・チェンは、昨年12月のノーベル賞の授賞式の記念コンサートに招かれ、エッシェンバッハとともに演奏している。この会場で医学生理学賞受賞の山中伸弥さんにお会いしたそうで、11月5日浜離宮朝日ホールでのコンサートにもきてくれるとうれしそうに語った。
「でも、専門の話をされたら、まったくわからないから困るよ」
 そういって、また陽気な笑い声をたてた。
 今日の写真はインタビュー後の2枚。いつもと違った表情がほしいな、といったら、途端にこのふたつのポーズが登場。これ、本邦初公開。ファンだったら、すごく喜んでくれるんじゃないかな。本人も、「ヒャーッ」といって大笑いしていた。 



| 親しき友との語らい | 21:48 | - | -
河村尚子
 河村尚子には、たびたびインタビューで話を聞いているが、そのつど大きな自信が感じられる。
 今日は、次号の「intoxicate」のインタビューで、新譜「ショパン:バラード リスト:ピアノ・トランスクリブションズ」(ソニー)の話を聞きにレコード会社に出かけた。
 実は、この録音前に、一度バラードについては話を聞いている。それゆえ今回は、実際にレコーディングを行ったときの様子と、バラードについて、また、ショパン、シューベルト、ワーグナーの歌曲のリスト編曲版について、いろいろと話してもらった。
 彼女は、デビュー当時から一貫して自分というものをしっかりもっている。それが実に自然体で、凛としていて、いわゆるぶれない。
 その地にしっかり足を着けた姿勢が音楽にリアルに現れ、いまやチェコ・フィルへのデビューで、指揮者のイルジー・ピエロフラーヴェクに絶賛される力量をもつピアニストとなった。
 この10月に行われたチェコ・フィルのデビュー公演は、ゲネプロと本番3回というスケジュールだったそうで、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番が演奏された。
 プラハのルドルフィヌム(旧芸術家の家)で行われ、耳の肥えた聴衆から大喝采を受け、スタンディング・オヴェイションとなった。
 このライヴは2014年にリリースされる予定だという。
 この11月3日には、ミューザ川崎シンフォニーホールで、来日しているチェコ・フィルのソリストとして同作品を演奏する。
「伊熊さん、聴きにきてくれますか」 
 こう聞かれたが、即座に「ごめんなさい。いまはいかれないの」と断腸の思いでお断りした。
 なにしろ、ウィーンとベルリンの出張の記事が目の前に山となっている。これに集中しないとならないからだ。
 というわけで、帰宅してから必死になって原稿と取り組み、なんとか4ページ分だけ入稿した。
 ああ、なんと時間がかかることか。
 でも、ひとつひとつこなしていくしかないのだから、集中して取り組まなければ…。
 今日の写真は、インタビュー後の河村尚子。おだやかで自然体で、どこかどっしりした感じがするのは、毎日ジョギングをしているということが影響しているのだろうか。
「ゆっくりめで40分ほど走ります。筋力がつきましたよ」
 そうか、私も運動したいな。引っ越してから、近くのスポーツジムにきれいなプールがあることを発見。そこに通いたいけど、まだまだ時間に余裕がない。
 もう今日から11月、ホント、早いものだ。毎日が疾風怒濤のように過ぎていく。さて、もうひとふんばりして、テープ起こしをしようかな。


 
 
| アーティスト・クローズアップ | 22:03 | - | -
CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2013 >>
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE