Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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エマニュエル・パユ
 昨年11月にインタビューしたフルートのエマニュエル・パユが、ベルリン・バロック・ゾリステンのソリストとして来日、26日にサントリーホールで名人芸をたっぷりと披露した。
 インタビューのときにも語っていたが、新しく手に入れたヘインズのフルートがすばらしく、とりわけバロック音楽に向いているのだという。
 今回のプログラムは、C.Ph.E.バッハ、テレマン、J.S.バッハ。パユはテレマンのフルート協奏曲やバッハのブランデンブルク協奏曲第5番、管弦楽組曲第2番などに参加し、ゾリステンをリードしながら馨しく凛々しい音色、超絶技巧をものともしないテクニックを存分に発揮、至福のときをもたらした。
 終演後、楽屋を訪れ、インタビューのお礼を述べると、「とってもいい思い出になったよ」とうれしいことばを聞かせてくれた。
 楽屋では、ビールをおいしそうに飲みほし、「いやあ、のどがカラカラだよ」と笑っていた。
 その後、CDのサイン会を行ったが、ざっと200人以上は並んでいたんじゃないかな。すごい人気だ。
 パユが吹くと、フルートという楽器が生き物のように生命力を帯びた歌をうたいあげる。まさに天才的な奏者で、ベルリン・バロック・ゾリステンのメンバーも拍手を送るほどだった。
 パユは以前、私の「アーティスト・レシピ」の本にサインしてくれるとき、さつま汁の説明を求めた。そして内容がわかると大笑い。大変なイケメンで、演奏もすごいのに、素顔はすっごく気さくで飾らない。このギャップに最初は驚かされたが、いまは樫本大進と大の仲良しというのが理解できる。大進も超がつく感じのいい人で、努力家で、明るく、リーダーシップに富む。ふたりは共通項が多いから気が合うのだろう。
 今日の写真は、楽屋でビールをおいしそうに飲みほした後のパユ。この直後、サイン会に飛んでいきましたよ。

| クラシックを愛す | 22:55 | - | -
事務所開き
 自宅のすぐそばに、事務所ができた。でも、私の場合は、仕事部屋とか資料室と呼んだほうがいいかもしれない。
 とにかく膨大な資料を整理することが、仕事をスムーズに進めることの必須事項であり、また、それができれば原稿にもっと早くとりかかれる。
 というわけで、これからゆっくりと時間をかけていろんな資料を整理していこうと思っている。
 まだ机やいすや書棚、CD棚、整理箱などはまったく入っていないため、ガランとしているが、打ち合わせをしたり、お茶を飲んだり、食事をしながらおしゃべりすることはできる。
 駅から4分ほどの距離なので、ぜひお時間のある人は寄ってくださいな。お待ちしていま〜す。
 だれにも遠慮せず、ゆっくり話ができますよ。
 これからカーテンを作り、家具を入れ、仕事に必要な物を徐々にそろえていかなくてはならないが、なにしろいまは月末入稿の真っただ中。原稿を優先し、その合間を縫って時間の許す限り、せっせと部屋作りに励む。
 まずは事務所ができた、というだけで仕事がはかどりそうだ。これって、形から入っている悪い例かな(笑)。
 さてと、だれが最初にきてくれるかなあ、楽しみだワ。
 
| 日々つづれ織り | 21:15 | - | -
おしゃべり会
 昨夜は、仲のいいレコード会社の女性Oさん、男性Kさんと私の3人が新宿に集まり、夜中まで飲んで食べておしゃべりを楽しんだ。
 彼らとは、もうずいぶん長いつきあいになる。
 いつも「すごく話したいことがたまっているから、近いうちに会おうよ」「ストレスだらけだから、発散したいんだけど」「飲み会しばらくしてないから、とにかく集まろうよ」という話になるのだが、3人のスケジュールがなかなか合わないのが現実。
 ようやく昨日集まることができ、一気に全員がしゃべりまくり。とにかく話したい、という感じで、われ先にとしゃべり出す。このすさまじいこと。なあんて、人のことはいえない。私も思いっきり、本音でトーク。
 夜も更けてきたため、解散するか、という話になったが、まだまだ話したりないということで、夜中まで開いているカフェに繰り出し、さらに続きを。
 腰が上がったのは、終電間近になったころ。「今度は定例会を」ということになり、駅までさらにワーワー、クチャクチャ、しゃべりっぱなし。
 3人とも「ああ〜、すっきりした」と、顔は晴れ晴れ。やっぱり、ツーといえばカーという、こういう友人同志の会は、心が晴れますなあ(笑)。
 あまりにもしゃべることに気をとられていたためか、お料理の写真を撮るのをすっかり忘れてしまった。和食のメニューで、いろいろ食べたんだけど、どれもおいしかった。
 さて、すっきりしたところで、またギアを入れますか。

 
| 親しき友との語らい | 16:38 | - | -
デニス・マツーエフ
 ソチ・オリンピックの閉会式は、ロシアの文化、芸術などが前面にフィーチャーされ、クラシックの音楽家も何人か出演していた。指揮者のワレリー・ゲルギエフ、ヴィオラのユーリ・バシュメット、そしてピアノのデニス・マツーエフ。
 マツーエフは、浅田真央がフリーで使用した、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の第1楽章を演奏した。
 そこで「インタビュー・アーカイヴ」の第54回として、マツーエフを取り上げたい。これまで何度かインタビューをしているが、彼はいつもとてつもなくテンションが高く、話題があちこちに飛んでいってしまい、本題に戻ってくるまで時間がかかる。インタビューは時間が限られているため、私はかなり焦るが、それを見て、彼はもっと雑談に拍車がかかっていく。
 悪気はないのだろうが、こういうときはインタビュアーの資質が問われることになる。というわけで、私はいつもの「マシンガントーク」を発揮、早口でガンガン攻め立てる。
 最近会ったのは、2012年3月。このときの様子はブログの3月23日に書いたので、よかったらのぞいてみてくださいな。今日はその前のインタビューをご紹介したい。

[intoxicate 2006年10月]

この録音はこれまで積み上げてきたものが集約されていると思うんだ

 ロシアが生んだ逸材と称されるデニス・マツーエフは、からだはがっしりと大きく、音楽もロシアの大地を思わせるような雄大さと底なしのエネルギーをもつ。そんな彼は1998年のチャイコフスキー国際コンクール優勝以来何度か来日し、そのつど個性的な演奏を披露してきたが、録音にはなかなか踏み出さなかった。
「チャイコフスキー・コンクールの優勝者は、とてつもなくプレッシャーかかるものなんだと思い知らされた。コンクール後は世界各地を飛び回って演奏をこなし、ここ数年間はまるで“飛行機のなかで生活している”感じだった(笑)。どこにいってもコンクール優勝者の名に恥じない完璧な演奏をしなければならない。精神的に非常にきつく、どんなに練習しても満足のいく演奏ができず、もっともっと上をと自分を追いつめていく形になってしまった。こんな状態ではとても録音で自分の演奏を残すということは考えられなかった」
 実は、優勝直後に話を聞いたときは自信たっぷりで、態度も悠然としていた。「コンクールのときはちょうどワールドカップと重なり、出番がないときはテレビでサッカーを見ていたんだよ」と笑い飛ばしていたのだが…。
「本音をいうと、コンクール直後はまだその重圧を実感していなかったんだよ。数年たってじわじわと押し寄せてきたんだ。まるでマラソン選手のような生活で、ゴールを目指してひた走り、常に緊張感を強いられる。そして必ず成功するという結果を求められる。ぼくは精神的に弱いほうじゃないと思ったけど、やはり常に100パーセントの演奏ができるわけじゃないし、録音だとそれが半永久的に残ってしまう。ようやくここにきて積み上げてきたものが集約できるという確信がもてたので、長年弾いてきた《ペトルーシュカ》からの3楽章と大好きな《四季》を組み合わせる選曲をしたんだ」
 マツーエフは10歳のときにモスクワでホロヴィッツのナマ演奏を聴き、大きなショックを受けた。
「いまのぼくがあるのは、あのときにホロヴィッツを聴いたから。ピアノからあんな魔法のような音が出るなんて信じられなかった。演奏に磁石のように引き付けられ、からだが金縛りにあったようだった。その日からぼくのピアノに対する意識が変わったんだ。腕白で飛び回って腕を骨折したりしていたぼくが、ピアノからいかにすばらしい音を出すかに神経を注ぐようになった。偉大なピアニストはみな特有の音をもっているけど、ホロヴィッツは格別。その才能に感謝と尊敬の念を抱いている。まだ日本ではリリースされていないけど、《ホロヴィッツに捧ぐ》は彼の生誕100年を記念して録音したもの。ぼくもいつの日か“ああ、これがマツーエフの音だ”と思ってもらえる演奏家になりたい」
 一見するとアスリートのように見えるマツーエフ。テニス選手のマラト・サフィンとは、大の親友だそうだ。

 今日の写真はその雑誌の一部。閉会式でも、192センチ、堂々とした体躯のマツーエフは大きな舞台で思いっきりラフマニノフを弾いていた。次にインタビューの機会があったら、このときの様子を聞いてみたい。きっとまた、すっごくテンションが高い話になるんだろうな(笑)。


 
| 終わりよければ…取材奮闘記 | 20:43 | - | -
ピアニストの原稿
 ここしばらく、来日した人、これから来日が予定されている人など、ピアニストの原稿が相次いでいる。
 3月にはマリア・ジョアン・ピリスが来日し、待望のリサイタルが16年ぶりに実現するわけだが、このプログラムの原稿を書いた。
 今回、彼女はシューベルトの「4つの即興曲」作品90とピアノ・ソナタ第21番を演奏し、その間にドビュッシーの「ピアノのために」をはさむという選曲。ピリスのシューベルトは多くのピアノ・ファンが、いまもっとも聴きたいと思っている作品ではないだろうか(3月7日サントリーホール、11日横浜みなとみらいホール)。
 3月には、ウラディーミル・アシュケナージが息子のヴォフカ・アシュケナージとのピアノ・デュオのために来日する。アシュケナージには以前インタビューをしたため、それを「レコード芸術」に書いた(3月6日東京文化会館、3月10日サントリーホール)。
 さらにもうひとり、3月に来日するヤン・リシエツキのリサイタル用のプログラム原稿も締め切りが迫っている。彼は今回オール・ショパン・プロで真価を発揮。ポーランドの血をひく彼がどんなショパンを2時間楽しませてくれるか、期待が募る。
 ちょっと先になるが、6月に行われるコンサートのチラシ原稿も書いた。ひとつは、5月末から6月にかけて各地で開催されるウィーン・カンマー・オーケストラの原稿である。指揮者はオーストリア出身のシュテファン・ヴラダー。私は彼が指揮を始める以前に何度か取材をしたことがあるため、いまや指揮者として活躍しているとは、驚きだった。ヴラダーは、ステージに登場する姿がとても美しい。ひざを曲げずにスッと歩みを進める。きっと指揮姿もカッコいいんだろうな。
 今回のソリストを務めるのが、牛田智大。得意とするショパンのピアノ協奏曲第2番を演奏する。牛田智大にとって、海外のオーケストラと共演するのは、これが初めてのことだ。ヴラダーはピアノを知り尽くしているから、密度濃いコミュニケーションが生まれるに違いない。
 もうひとつのチラシは、6月24日にすみだトリフォニーホールで行われる、アリス=紗良・オットとフランチェスコ・トリスターノのデュオ・リサイタルの原稿。このふたり、親友と呼ぶような仲のよさで、来日間近に新譜もリリースされる予定。プログラムはストラヴィンスキー、ラヴェルで、録音ではトリスターノの新作も収録されている。
 明日は、先日インタビューを行って大感激したエリソ・ヴィルサラーゼの締め切りもある。とまあ、こんな感じで、ピアニストの原稿が重なっている。
 今日の写真はウィーン・カンマー・オーケストラとアリス&フランチェスコのチラシ。明日からは月末入稿が控え、2月は短いからすぐに3月になってしまう。体力つけて、頑張らなくっちゃ。


 
| 情報・特急便 | 18:23 | - | -
からだのケア
 先日も書いたが、昨年あまりにもからだを酷使したため、血流が悪くなってしまい、マッサージに通っている。
 ウチの近くの整体院で、もう何度か受けているが、これがとても効く。終わると、からだがスッキリとし、軽くなる感じ。
 院長とスタッフ、男性ふたりで対応してくれる、人気のあるお店だ。
 マッサージはとてもていねいで、体調を考慮しながら進めてくれるため、話をしながらゆったりとした時間を過ごすことができる。
 やはりパソコンに向かっている時間が長いと、からだのあちこちが悪くなるようだ。
 自分でできる足のストレッチも教えてもらい、毎日それを実行している。
 長く仕事をしていくため、そしていい仕事をするためには、やはり健康でなくてはならない。そのために、今年はちゃんとからだのケアをしたいと考えている。
 食事は以前から3食きちんととっているから心配ないが、それでも内容を十分に考えるようにしている。お料理は面倒ではないため、これは大丈夫。
 あとは、少しでも早く寝ることと、ストレスをためないようにしなくっちゃ。
 仕事のストレスは、自分が思っている以上にからだにくる。この発散法も考えなくては…。一番いいのは、思う存分本音で語り合える人たちと飲んだり食べたりおしゃべりすることだ。これに勝るものはないな(笑)。
 今日の写真は、整体院のおふたり。院長の神野さん(右)とスタッフの中島さん(左)。肩こりや腰痛、血流の悪くなっている人、いませんか〜。私がこのおふたりに紹介しますよ。
 院長は愛媛県出身だそうで、お店のロゴや看板はオレンジ色。今日はその色の素である、実家から送られてきたといういよかんをいただいた。
 う〜ん、マッサージも効いたけど、ビタミンCもからだに沁み渡りました。ごちそうさま!!

 
 
 
| 日々つづれ織り | 21:50 | - | -
デヴィッド・ヘルフゴット
 昨夜の感動的な浅田真央のフリーの演技を見ていて、ふと思い出したことがある。彼女が用いた曲はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番だったが、私が思い出したのはラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を弾いて話題となった、オーストラリアのピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットのことである。
 映画「シャイン」のモデルとして一躍広く知られるようになったヘルフゴットは、1997年11月に来日公演を行うことになっていた。その半年前の4月、ニューヨークに出かけてコンサートを聴き、その後にインタビューを行ったのである。
 ただし、彼の場合、通常のインタビューはできない。ことばを選んでごく短い質問をし、断片的な答えが戻ってくるのを受け、さらに話を続ける。とても神経を遣うインタビューで、まわりも全員がハラハラドキドキしていた。
 しかしながら、実際に会って話をしてみると、ヘルフゴットはとても純粋な性格で、繊細な目をした人だった。
 インタビュー・アーカイヴ第54回は、そんなヘルフゴットの登場だ。

[FIGARO japon 1997年7月20日号]

どこまでも無垢な情熱を、子どものように抱きしめて。

「ピアノは私の情熱であり、創造のシンボルなんだよ。いま、またこうして演奏できるようになって、とても幸せ。幸せだよ」
 映画「シャイン」でジェフリー・ラッシュが演じたそのままの口調で、ヘルフゴットは語り始めた。ときは4月23日、場所はニューヨーク。この日は3月から続いていた北米ツアーの最終日にあたり、ヘルフゴットはリスト、ベートーヴェンなどを驚異的な集中力をもって演奏し、聴衆を総立ちへと導いた。
「リストが好きなんだ。もちろんラフマニノフも大好きだよ。ピアノ協奏曲第3番は子どものころから弾いているし、いまでも私の一番のお気に入りなんだ」

「涙してもらう演奏がしたい」 

 ヘルフゴットのピアノはけっして完璧な技巧に裏付けられたものではないし、安心して聴いていられるという種類の演奏でもない。どこか混沌として、ときに和音が4こぼれそうになり、いつ止まってしまうかわからないような危機感に満ちている。しかし、彼の音楽に対する一途な気持ちがそのピアノからストレートに伝わってきて、聴き進むうちに感動で胸がいっぱいになってしまう。
 演奏終了後のパーティでは、ピアノを見つけ、ガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」を楽しそうに弾き始めた。
 周囲の人が疲れているだろう、喉が渇いているだろうと気を遣って楽器から離そうとしても、聴いている人がいる限り離れようとしない。
「ふだんはいっぱい、いっぱい練習するよ。5時間も6時間も。庭を散歩したりプールに入ったり、そう、猫と遊んだりして過ごすんだ」
 彼は常にモノローグをいい、同じことばを繰り返し、ステージでもうなり声を発しながら演奏する。そして友好的な人を見つけると子どものようにしがみついてきて、キスの雨を降らせる。
 その目は伏目がちで声はか細く、からだを常にゆらゆらと動かしていて落ち着かない。
 だが、ピアノに向かうと表情が一変する。ピアノだったら自分の心を正直に表現できるとばかりに、雄弁に楽器を鳴らす。打鍵もかなり強い。
「聴衆に私と同じように音楽を感じてほしいんだ。同じように。聴衆に涙してもらうような演奏がしたい。涙さ」
 ヘルフゴットは金銭や名声などにいっさい興味がないという純粋な目をしている。だから聴き手も無垢な心をもたないと、彼の音楽の神髄が聴き取れない。

 今日の写真はその雑誌の一部。いまでも、ヘルフゴットのことを思い出すと、私の脳裏にはラフマニノフのピアノ協奏曲第3番が浮かんでくる。

| 終わりよければ…取材奮闘記 | 22:18 | - | -
古風な自然食品店
 昨秋引っ越しをして最初に探したのが、自然食品店。町の地図やお店の情報を片っぱしから集め、ネット検索もし、実際に歩き回って調べた。
 そして、家のすぐ近くに、60年ほど前に創業したという自然食品店を見つけた。ここは引き戸を開けて入っていく、いわゆる古民家風の作りで、2階はオーガニックの材料を使ったレストランになっている。
 そのレストランに上っていく階段も、時代がかっていて、ガタピシ音がする。でも、内部は古めかしいものの、とても落ち着く感じで、長居してしまいそう。
 もちろん、お料理は自然な味で、ひとつひとつとてもていねいに作られていて、からだによさそうな物ばかり。
 以後、私は何か足りなくなると、すぐにこのお店にいって一応ぐるりと店内を見て回り、なければ他のお店にいくという買い物スタイルになった。
 お店の基本は野菜だが、野菜ばかりではなく、調味料や乾物、お米にお餅、麺類、お豆腐、漬けもの、菓子類も置いている。
 なかでも私が気に入っているのが、無農薬のレモンやくだものを揃えていること。これはとても貴重で、入荷するとすぐに売り切れてしまう。
 というわけで、しょっちゅうチェックしていなければならない。でも、こういうのって、本当に楽しい。掘り出し物を見つけたときは、ワクワクしてしまう。
 先日、「イノシシが掘って食べてしまうくらいおいしいニンニク」というものが入荷した。説明書きを読んだだけで笑ってしまったが、そのニンニクは真っ白でふっくらしたいつものニンニクではなく、皮が茶色っぽくて、なんだかしなびて見える。
 でも、お店の人によると、味はピカイチだそうだ。早速買って、すぐにお料理に使ってみた。なるほど、甘みがあって、やわらかく、まろやかな味わい。これをイノシシが好むわけね。
 とまあ、こんなふうにいろいろと珍しい物が店頭に並ぶ。
 今日の写真は、その年季の入った自然食品店。左側に見えるのが、れいのおっかなびっくり上る階段。外観はツタがからまり、いかにも歴史を感じる。
 私のお気に入りの一軒である。 


 
| 美味なるダイアリー | 21:33 | - | -
豚しゃぶのゆず風味
 柑橘類の好きな私は、季節によってさまざまな柑橘類をお料理に使って楽しんでいる。
 いまは、なんといっても、ゆずがおいしい。
 今日は、しゃぶしゃぷ用の豚肉を使って、ゆず風味たっぷりのひと品に仕上げた。
 まず、豚肉200グラムは酒大さじ1と塩小さじ半分を入れた熱湯でさっと火を通す。
 豚肉を引き上げたあと、小ねぎ7〜8本の3センチ切りを入れてすぐに引き上げる。
 ゆず1個の皮は千切りにし、果汁はしぼっておく。ここにしょうゆとみりん各大さじ1を加え、つけ汁を作る。豚肉と小ねぎを熱いうちにつけ汁に入れ、ざっくり混ぜで出来上がり。
 これは冷めてもおいしいし、あつあつのごはんやお酒の友にもピッタリ。
 簡単なのに、手がこんでいるように見えるのもうれしい。ゆずのおいしい季節に、絶対作らにゃ損ですよ〜(笑)。
 今日の写真は、出来立ての「豚しゃぶのゆず風味」。これは牛肉ではなく、豚肉が合う。私は脂身が苦手なので、しゃぶしゃぶ用のお肉の脂身を丹念に除く。これが一番時間がかかるけど、あとは簡単。ヘルシーな一品ですゾ。

| 美味なるダイアリー | 21:14 | - | -
ニコライ・ホジャイノフ
 先日、大雪のために仕事に出かけられず、質問状を提出してニコライ・ホジャイノフにインタビューを行った。
 彼は先ごろ、「リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調、ショパン:舟歌、子守歌」と題するセカンド・アルバムをリリースした(ビクター)。
 これはラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」「夜のガスパール」から始まり、ショパン、リストと続くプログラム。
 それについて、ホジャイノフはもっとも大きな作品、メインの作品をプログラムの最後に置くことを考え、各々の作曲家の作品に適した音色を奏でるよう心がけたと語っている。
 ホジャイノフは、これらの選曲を見ても、それぞれの作曲家の深層心理に肉薄するような作品を選ぶのが好みだ。
「多くの作曲家は、悲劇的な人生を送っています。それが作品に全面的に投影され、悲劇性をもつ作品が数多く生まれています。ぼくはそうした作品に無性に惹かれ、弾かなくてはならない気持ちにさせられるのです」
 ホジャイノフは大変な読書家で、詩や小説のみならず、哲学書や偉人の回顧録などにも興味を示している。インタビューでは、いつもそうした文学から得た知識やことばの引用、比喩などが飛び出す。
「ある作品を勉強しているときに、その作曲家と同時代に生まれた書物を読むと、歴史や伝統や人々の考えを知ることができ、曲の理解に大いに役立つのです」
 この新譜でも、そうした想像力をもとにしたストーリー性が演奏に息づき、作品に新たな光を与えている。
 これまで多くの国際コンクールで好成績を残しているが、今春イスラエルで開催されるルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールに参加する予定だという。
「こういうレヴェルの高いコンクールには、才能のあるピアニストがたくさん参加する。そうした人たちとコミュニケーションをとるのも、大きな楽しみ」
 さて、結果はどうなるだろうか。
 このインタビューは、次号の「婦人公論」と、ヤマハのWEB「音楽ジャーナリスト&ライターの眼」に書く予定にしている。
 今日の写真は、ホジャイノフのセカンド・アルバムのジャケット。ここでも身につけているが、彼は蝶ネクタイと帽子が好きだそうで、たくさん集めているという。特に、帽子はイタリアのボルサリーノ製に魅了されているとか。
「ボルサリーノの帽子は、プッチーニも大好きだったんですよ。ぼくはエクアドルの麦わらを使用して作られた、夏用の帽子が一番気に入っているんです」
 今度は、ぜひその帽子をかぶった写真を撮らせてもらいたいな。

 
| アーティスト・クローズアップ | 15:17 | - | -
強いハーブ
 2度の大雪で、ルーフバルコニーに植えたハーブが危機にさらされている。
 でも、今日は晴れ間が見えたためハープの鉢を点検したところ、なんと、健気にも枯れずに頑張っているではないか。
 おおっ、エラーイ。きみたちは、強いねえ。
 雪の重みで、少し横倒しになったり、しおれてはいるものの、なんとかもとの姿を取り戻そうとしている。
 ただし、花々はすっかり元気をなくてしてしまった。この雪と寒さだもんねえ、仕方ないか。
 また、週の半ばには雪模様になるとか。
 私のレシピの、力強いお助けマンのハーブたち。もう少し暖かくなったら、もっといろいろな種類を植えたいと思っている。庭先から使う分だけハーブを取ってきて、すぐにお料理に入れる。これってすばらしいことだよね。
 そもそもカリスマ・シェフのジェイミー・オリバーのまねをして始めたことだけど、いまやすっかり私のハーブ畑ができあがっている。
 今日の写真は、雪の下で頑張っているパセリやミントやスープセロリやローリエ。彼らも思っていることだろうが、早く春にならないかなあ…。
 昔、スキーをやっていたころは雪の季節が大好きだったのに、どうもヤワになったもんだ(笑)。

| 美味なるダイアリー | 21:30 | - | -
アリサ・ワイラースタイン
 アメリカのチェリスト、アリサ・ワイラースタインの演奏は、エネルギッシュで情熱的。非常に説得力のある演奏で聴き手の心をつかむ。
 彼女は、昨年エルガーのチェロ協奏曲のCDでデッカからデビューを果たした。これはジャクリーン・デュプレの歴史的名演で有名なコンチェルト。これをデュプレの夫であったダニエル・バレンボイム指揮によるシュターツカペレ・ベルリンと録音(ユニバーサル)し、大きな話題となった。
 第2弾はドヴォルザークのチェロ協奏曲をメインに据えさらに「私にかまわないで」「森の静けさ」など、ドヴォルザークのさまざまな作品をピアノとともに演奏したもの。この新譜も、アリサの底力を示している。
 今日は、そのアリサ・ワイラースタインのインタビューのためにレコード会社に出向いた。このインタビューは「CDジャーナル」に掲載される予定だ。
 ジャケット写真などで見る彼女は、情熱的な眼差しを見る人にまっすぐに向けた、はげしさを内に秘めた表情をしているが、実際に会ってみるとものすごく陽気で気さく。どんな質問にも一生懸命ことばを尽くして答え、自身の感情を明確に示す。
 バレンボイムに認められて演奏を聴いてもらったときは、頭がボーッとして、気がついたらニューヨークのセントラルパークをゾンビのように歩いていたとか。
「私は、子どものころからデュプレが大好きだったの。彼女のエルガーのコンチェルトは何度聴いたかわからない。デュプレの壮絶な人生にも心をひどく痛めていたの。だからこそ、この曲は触れてはいけない感じがした。それをバレンボイムと演奏するなんて、考えられないことだったし、デビュー録音にこの曲をもってくること自体、震えがくるほどだった。でも、バレンボイムは私にチャンスを与えてくれ、さまざまなアドヴァイスをしてくれた。彼はこの曲を知り尽くしているから」
 こうしてアリサはCDデビューを果たし、次いでイルジー・ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィルとプラハのドヴォルザーク・ホールでドヴォルザークを録音した。
「本当に恵まれていると思います。チェコの指揮者、オーケストラとプラハでこのコンチェルトを録音できるなんて、すばらしい経験です。ジャケット写真はドヴォルザークの生家の近くのボヘミアの森で撮影したんだけど、その空気のなかでドヴォルザークをより間近に感じることができたわ」
 アリサは2008年11月、国際若年性糖尿病研究財団のセレブリティ・アドヴォケイトになったが、実は彼女自身がこの病気を抱えているのだという。
 病気にめげず、明るくひたむきに音楽家の人生を走り続け、前向きな姿勢を崩さないアリサ・ワイラースタイン。
 今回はリサイタルが中止となり、東京では演奏を聴くことができなかったが、来年2月にはNHK交響楽団のソリストとして来日することが決まっている。ぜひ、ナマ演奏を聴き、その真価に触れたい。
 今日の写真はインタビュー後のワンショット。「また、すぐに会いましょうね」と明るい声で再会を約束してくれた。新時代の期待すべきチェリストの誕生である。


 
| アーティスト・クローズアップ | 21:39 | - | -
フィギュアスケート
 ひとつの時代が終わった、と感じた。
 男子のフィギュアスケート界で「皇帝」と称された、ロシアのエフゲニー・プルシェンコがフリープログラムを棄権したあと、引退を表明したからだ。
 思えば、プルシェンコは怪我との戦いだった。何度もさまざまな個所を手術し、そのつど不死鳥のように蘇り、復帰を果たしてきた。
 ジャッジに審査のことで苦言を呈したり、ロシアのスケート協会に問題を投げかけたりと、ふつうの選手がやらないことに果敢に挑み、賛否両論の的となってきた。
 今回のソチへの出場も紆余曲折があり、いまはプルシェンコが出場権を得たことで、またもやいろんな意見が出ているという。
 そのプルシェンコが「きみは天才だ。おめでとう」と賛辞を送った羽生結弦が、ものすごいプレッシャーにさらされながらも金メダルを獲得した。
 私のまわりには、羽生結弦を応援している人が多く、去年、単行本「リトル・ピアニスト 牛田智大」を書くために何度も取材したピアニストの牛田智大も、彼の大ファンだ。
 それから、この単行本の編集者のOさんも羽生選手を応援し、「蒼い炎」(扶桑社)と題した羽生結弦の本を出版した。私もその本を読んだが、写真が盛りだくさんの、華やかで楽しい本である。
 フィギュアスケートでは、世界各国の選手がどんな音楽を選ぶか、ということにも興味を抱く。クラシックが使われることも多く、以前、荒川静香がトリノ・オリンピックで「トゥーランドット」を用いたことにより、この曲が一躍広く知られることになった。今回は、どんな曲が広まるだろうか。
 これから、いよいよ女子のショートとフリーが始まる。ノルディックスキー複合ノーマルヒルで銀メダルに輝いた渡部暁斗が、次なるラージヒルでは金メダルを狙っている。ぜひ、大きな声援を送りたい。
 
 
 
| 日々つづれ織り | 14:38 | - | -
イェフィム・ブロンフマン
 今日は、イェフィム・ブロンフマンのインタビューに出かけた。
 彼は、2015年2月に来日し、サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団とチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を演奏することになっている。そのときにすみだトリフォニーホール、武蔵野文化会館、トッパンホールでリサイタルも行い、プロコフィエフの「戦争ソナタ」第6番、第7番、第8番を予定している。
 今日のインタビューでは、その両方のコンサートの作品について聞き、またプロコフィエフの作品論や作曲家に対する思いなども聞いた。
 ブロンフマンは一見すると気難しそうで、コワモテで、話が弾まないように思われがちだが、実は非常に知的でユーモアもあり、どんな質問にも誠意をもって答えてくれる。
 来年はプロコフィエフのピアノ・ソナタ全曲を演奏する計画があるそうで、来日公演はその一環だそうだ。
「以前は、プロコフィエフを弾いてほしいというオファーはほとんどなかったのに、最近は時代の変化でしょうか。各地からプロコフィエフの要望が入るのです。作曲家が聞いたら、喜ぶでしょうね」
 こう話すブロンフマンは、子どものころからプロコフィエフに魅了されているという。作品のみならず、その人間性にも。
「プロコフィエフは変わった人で、あまり人に好かれず、それを本人も十分に意識していました。シニカルなユーモアを得意とし、作品が演奏されないにもかかわらず、自信に満ちていました」
 ブロンフマンは、ロストロポーヴィチからプロコフィエフのことをいろいろ聞いたという。作曲家と親しかったロストロポーヴィチの話から、プロコフィエフの素顔を聞き、それが全面的に音楽に現れていると感じたそうだ。
 かなり前のインタビューで、ブロンフマンは完壁主義者で理想主義者だといっていた。その話題に触れると、大真面目な顔でいった。
「もう、理想主義も完壁主義もやめました。あり得ないことですし、年齢を重ねると、その辺のことがはっきり見えてくるので…」
 こういって、笑っていた。それを聞いて、こちらも大笑い。
 でも、ひとつのシーズンごと、ひとりの作曲家にしぼって演奏し、その作曲家をしばらくは演奏せず、またときを経てその作曲家にしぼるという話を滔々と話しているのを聞くと、やはりかなりこだわりをもつ完璧主義者だという感を強くした。
 彼は日本のホールがすばらしい環境と音響ゆえ、大好きだという。こういうホールで演奏すると、納得のいく音楽が生まれると。来年また、そのすばらしい演奏が披露されることになる。
 今日の写真は、インタビュー後のワンショット。昔はすごくスリムだったけど、恰幅がよくなった。人なつこい笑顔がときおり現れるんだけど、写真を撮ると、やっぱり真面目な表情になってしまう。まあ、仕方ないか、完壁主義者だもんね(笑)。

| アーティスト・クローズアップ | 22:33 | - | -
スノーボード
 今日の明け方、ふと目を覚まし、テレビをつけたらちょうどスノーボード男子ハーフパイプの決勝をやっていた。
 うわあ、ラッキーと思い、ずっと観戦してしまったが、まさか平野歩夢と平岡卓の10代のふたりのメダリストが誕生するとは思わなかった。
 彼らはプレッシャーもなく、「楽しめた」という。すごいことだ。こういうときが一番力が発揮できるのかもしれない。
 私がハーフパイプの競技を知ったのは、かなり前のショーン・ホワイトの滑りを見たときだ。CSのスポーツチャンネルだったと思うが、その人間ワザを超えた芸術的な滑りと空を舞うような難易度の高い演技に衝撃を受けた。
 世の中にこんなスポーツがあるのかと、目を見張った。
 以後、ショーン・ホワイトの滑りに注目してきた。彼は赤毛の巻き毛のロングヘアから「空飛ぶトマト」といわれていた。今回は、髪が短くなっていたが。
 彼は、アメリカ男子史上初の3大会連続金メダルをねらっていた。大会初のスロープスタイルを棄権し、ハーフパイプの金メダルに備えていたのである。
 しかし、結果は第4位、失望の淵に沈んだ。
 でも、記者会見では、「これで自分のキャリアが終わるわけではない。もう次なる試合に向けて準備に入り、また次回のオリンピックに目を向けている」と気丈に語っている。
 そうそう、その意気。日本のふたりの若きスノーボーダーの目標でもあり、スノーボード界の牽引者なのだから、頑張ってもらわなくっちゃ。
 それにしても、今日は一日中若きメダリストたちのニュースで日本は大賑わい。これに続いて、もっともっといいニュースが届いてほしい。
 
| 日々つづれ織り | 21:36 | - | -
ニューヨーク・フィル
 今日は、サントリーホールでアラン・ギルバート指揮ニューヨーク・フィルのコンサートが行われた。
 これはソニー・ミュージック・ファンデーション30周年記念公演「10代のためのプレミアム・コンサート」の第1回で、会場は小学生から10代の若い聴衆とその保護者たちでにぎわっていた。
 プログラムはブリテン「青少年のための管弦楽入門〜ヘンリー・パーセルの主題による変奏曲とフーガ」に続き、福島とニューヨークの子どもによる「ペリー・ヤング・コンポーザーズ」作品の「ミュージック・フォー・フクシマ」の日本初演が行われた。
 福島の子どもたちが作曲した作品にニューヨークの子どもたちが応えるという形で曲作りが行われたもので、前半は小曽根真が司会を務め、ブリテンの作品の紹介はアラン・ギルバートが日本語でナレーションを行った。前半は若手指揮者、ジョシュア・ワイラースタインがタクトを振った。
 後半はアメリカのオーケストラらしいプログラムで、ニューヨーク・フィルゆかりのバーンスタイン「ウエスト・サイド・ストーリー」より「シンフォニック・ダンス」と、小曽根真をソリストに迎えたガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」。
 最後はジャズのアンコールも飛び出し、ニューヨーク・フィルが柔軟性のあるところを見せた。
 会場の子どもたちも、みな楽しそうに拍手喝采。バーンスタインがニューヨーク・フィルとともに若い聴衆に向けて行っていた「ヤング・ピープルズ・コンサート」をほうふつとさせ、その意志を着実にオーケストラが引き継いでいることを示した。
 今日のコンサートに関する記事は、「日経新聞」の今月最終木曜日の夕刊に書くことになっている。
 明日もニューヨーク・フィルのコンサートは行われ、その翌日にはソリストのひとりとして来日している、ピアニストのイェフィム・ブロンフマンのインタビューが予定されている。
 ブロンフマンに会うのは、本当に久しぶりだ。その準備をしっかりしていかなくちゃ。
 
| クラシックを愛す | 23:01 | - | -
わさびの葉茎のおひた
 先日、松本の友人からお土産にもらったわさびの葉。これはちゃんとレシピが付いていて、「わさびの葉茎のおひた」と書いてある。
 おひたしではなく、おひたというのが、なんともこだわりを感じさせるではないか…。
 それを早速作ってみた。

1 わさびの葉を洗って3センチに切り、ざるに入れ、塩で軽くもむ。
2 ざるに入れ、上から80℃のお湯をたっぷりかけて、水分を取る。
3 2をビニール袋に入れ、砂糖小さじ1をまぶし、袋の口をしっかり閉じ、水で急激に冷やす。
4 小鉢に入れ、しょうゆを好みの量かける。

 と、まあこんな感じで書いてあった通りに作り、ひと口食べたら、これがバカウマ。火を通していないため、しゃきしゃきしていい歯ざわり。ふんわりとわさびの香りがして、ちょっとピリッとする。
 産地は、安曇野市穂高。一面のわさび畑が目の前に浮かんでくるよう。
 疲れたからだにカツを入れてくれるような、癒してくれるような、また自然の力を与えてくれるような一品でした。
 今日の写真は、その「わさびの葉茎のおひた」。こういうの、東京では手に入らないんだよね。Tちゃん、貴重な味をありがとう。



| 美味なるダイアリー | 17:56 | - | -
アルペンスキー
 外は大雪、ソチ・オリンピックも始まり、「冬」真っただ中という感じだ。
 私はアルペンスキーが大好きで、よくあちこちで開催されている試合をテレビ観戦しているが、ソチでもいよいよ今日からアルペンが始まる。
 以前、ノルウェーのチェーティル・アンドレ・オーモット(1971年生まれ)を応援していた。1992年のアルベールビル・オリンピックのスーパー大回転で優勝し、1993年の世界選手権雫石大会では、大回転と回転で優勝し、複合で第2位となった選手である。
 彼はオリンピックと世界選手権と合わせて20個ものメダルを獲得し、「ミスター・メダル」と呼ばれた。
 どの種目でも果敢に挑んでいくスタイルだが、どこかにエレガントさがあり、性格もとてもナイーブでおだやかでユーモアがある。
 私にサッカーの扉を開いてくれたのは、イタリアのロベルト・バッジョだが、アルペンへの興味を抱かせてくれたのは、オーモットである。
 アルペンスキーはさまざまな種目があり、今回のソチでは、滑降(ダウンヒル)、スーパー大回転(スーパー・ジャイアント・スラローム)、大回転(ジャイアント・スラローム)、回転(スラローム)、スーパー複合(スーパー・コンバインド)がある。
 男子アルペンは、スピードと迫力とワザが集約し、見ていて心が高揚する。
 オーモットのような、応援したくなる選手を探すのも観戦の楽しみのひとつだ。
 
 
 
| 日々つづれ織り | 15:12 | - | -
末っ子トリオの会は延期
 いつも何でも話せる、おしゃべりして元気になれる、ストレス解消になるという理由で、しばしば行っている仲よし3人による「末っ子トリオの会」。
 久しぶりに明日、ウチの近くにあるなかなか予約の取れない、古民家を改造した和食のお店に集まることになっていた。
 ところが、天気予報によると明日は大雪。交通事情を考慮して「延期しよう」ということになった。
 彼女たちふたりとメールのやりとりをしていたら、実はふたりとも体調がすこぶる悪く、それも延期の大きな理由となった。
 そういう私も1週間ほど前から足のむくみがひどく、血流をよくするためにマッサージに通っている状態。
 整体の先生によると、相当からだに疲れが出ているそうで、「かなり無理をして仕事をしているでしょ」「昨年の疲れが出たんじゃないですか」「これはからだがサインを出しているのだから、じっくり疲労を取らないとダメですよ」「長年の座業の影響で筋肉が硬くなっている」と、あれこれ指摘された。
 よ〜くわかっています。パソコンに向かうと集中してしまい、何時間も休まずに原稿を書いてしまうため、それがいけないのはわかっている。
 というわけで、これからは少し無理をしてでも休みを入れていきたいと思っている。整体の先生がとてもいい人で、家で簡単にできるストレッチも教えてくれた。ちゃんとやらなくちゃ。
 友人ふたりも治療に専念し、元気になったらみんなで「快気祝い」をしようということになった。
 さて、明日の雪はどうなるのだろう。週末締め切りの原稿はひとまず終わったし、これからソチの開会式が始まるな。あっ、そんなこといっていないで、休んだほうがいいか(笑)。
| 日々つづれ織り | 21:56 | - | -
萩原麻未
 一昨日、雪のなかを銀座まで萩原麻未のインタビューに出かけた。
 彼女会うのは、久しぶり。これは彩の国さいたま芸術劇場音楽ホールのピアノ・リサイタル(6月22日)に先駆けて行われたもので、劇場の冊子にインタビュー記事として掲載される。
 今回のプログラムはフォーレの夜想曲第1番、第2番からスタート。ドビュッシーの「ベルガマスク組曲」と「喜びの島」へと続き、後半はラヴェルの「高雅で感傷的なワルツ」で開始、最後はラヴェルの「ラ・ヴァルス」で幕を閉じるという、フランス作品で構成されている。
 このプログラムについていろんなことを聞き、近況や今後のスケジュールなどとともに、いまもっとも興味を抱いていることなどにも触れた。
 今回のリサイタルは、この劇場の「ピアノ・エトワール・シリーズ」のひとつで、若手ピアニストのなかでもひときわ輝く新鋭ピアニストが登場するもの。萩原麻未も、それを考慮してじっくりとプログラムを選んだようだ。
 彼女に会うと、いつものんびりマイペースの話し方に私もつられそうになるが、口数がそう多いほうではないため、自然に私がどんどんことばをつないで質問の答えを促すようになってしまう。
 そのうちに彼女特有のユーモアが顔をのぞかせ、場が一気にのどかな空気に満たされる。
 萩原麻未は以前から室内楽が好きで、いまも内外の多くのアーティストと共演を重ねている。インタビューでも、ソロ作品の話をしているうちに、その作曲家の室内楽作品からインスパイアされたという話に移ってしまい、次第に合わせものの話に…。
「あっ、リサイタルの話でしたよね」
 そういって、ソロ作品の話題に戻り、また気がつくと室内楽の話に移行していく。
「ねえ、またリサイタルの話に戻っていい?」
 私がこう方向転換をして、そのつどふたりで笑ってしまう。
 その意味では、このリサイタルは、彼女のソロを聴く貴重な機会となる。
 今日の写真はインタビュー後の1枚。カメラマンが照明のセットをしていたところにちゃっかりおじゃまし、私も撮ってしまいました。やっぱり、プロのライティングは違いますなあ(笑)。美しく撮れているでしょう。


| クラシックを愛す | 21:47 | - | -
信州の香り
 先日、学生時代の友人夫婦が自宅に遊びにきて、7時間も食べたり飲んだりおしゃべりしたり、楽しい時間を過ごしたと書いたが、彼女がいま住んでいる松本に帰って、おいしい食材をいろいろ詰め合わせた物を送ってくれた。
 こだわりのお味噌におしょうゆ、わさびの葉にわさびの花、赤かぶ漬に凍り豆腐、自宅で干したというなつめまで入っている。
 箱を開けた途端、「ウワーっ」と喜びの声を上げてしまった。こういう食材をいただくと、私は狂喜乱舞。とってもうれしい。
 というわけで、早速ひとつずつ開け、じっくりながめながら料理法を考え、にんまりしながら楽しんでいく。
 それにしても、なんとひとつひとつの物が凝っていることか。彼女も大変なお料理好きで、話が合い、レシピを交換しているが、松本ならではのわさびは本当に貴重な物で、教えてもらった方法で食したいと思う。
 今日の写真は、届いたばかりの野菜や調味料たち。う〜ん、食べちゃうのがもったいないくらいのこだわりの逸品ばかりだわい(笑)。


 
| 美味なるダイアリー | 21:14 | - | -
エリソ・ヴィルサラーゼ
 ピアノは専門分野として、さまざまなアーティストのコンサートに足を運び、録音も必ずといっていいほど耳を傾け、これまで数多くの演奏を聴いてきた。
 そのなかで、何年に一度か、心が揺さぶられるような演奏に出会うことがある。
 終演後、あまりの感動に席が立てなくなり、胸が熱くなって涙がこぼれそうになり、だれとも話したくない状況に陥るのである。
 もちろん、ホールでみんながいるのに泣くわけにはいかない。だから、その場はひたすら感情を押し殺し、帰り道にひとり感動を反芻し、帰宅してからはもう目が冴え冴えとし、その夜は眠ってしまうのがもったいないと思うくらい幸せな気持ちに包まれる。
 この感銘は、以後、何日間も忘れることがない。
 昨日のエリソ・ヴィルサラーゼのリサイタルが、まさに何年に一度巡ってきた忘れがたき演奏だった。
 モーツァルトの「ドゥゼードの《ジュリ》の『リゾンは眠った』による9つの変奏曲」から始まり、やわらかくかろやかで、嬉々とした音楽が紡がれていく。先日、チャイコフスキーのコンチェルトで聴いた深く厚い響きとはまったく趣きを異とした、高雅で愛らしい響きに、同じピアニストが弾いているのかと驚愕するほど、その演奏は異なっていた。トリルや分散和音の奏法が実に自然で、美味なるオードブルを楽しんでいるよう。
 それが続くブラームスのピアノ・ソナタ第1番で、ガラリと変容を見せた。あのチャイコフスキーのときの深い打鍵と野太い音が蘇り、さらにブラームスのダイナミクスの広さと力強さが4楽章ともにあふれ、圧倒的な説得力ある音楽を披露したのである。
 まるで、19世紀か20世紀初頭のロシアの偉大なピアニストたちの演奏が目の前で展開されているような錯覚を覚えさせるもので、ヴィルサラーゼの恩師であるゲンリフ・ネイガウス、ヤコフ・ザーク、そしてレフ・オボーリンやスヴャトスラフ・リヒテルとの交流のなかから学んだロシア・ピアニズムが生きた形でそこに存在していた。
 なんと形容したらいいのだろうか。この夜のプログラムは、変奏曲がテーマとなっていたが、その主題から変奏へと移りゆくさまも実に自然で、すべての音が有機的に受け継がれていき、最後まで息を殺して聴きいってしまう。
 後半はハイドンの「アンダンテと変奏曲 ヘ短調」から始まり、まさに2度目のオードブルが提供された感じ。健康的で明るく、凛とした主題が幾重にも変貌を遂げ、これから始まるメイン料理への期待が高まる。
 そしていよいよ「シューマン弾き」と称されるヴィルサラーゼの真骨頂、シューマンの「交響的練習曲」の登場だ。私が待ちに待っていた作品であり、これを聴きにこの夜すみだトリフォニーホールに出かけてきた人は多いに違いない。
 冒頭のゆったりとした主題から、一気にシューマンの世界へといざなわれる。理性的で文学的で確固たる構築感に支えられた演奏だが、その奥に幻想的で夢想的で限りないポエジーが潜む。
 当時、シューマンは指を痛めてピアニストになることを断念し、クララ以外の女性とひそかに婚約したり、人生を模索しているときだった。 
 そんなシューマンによる、奥深い内容をもつ大胆で画期的な「交響的練習曲」を、ヴィルサラーゼはあるときは内省的に、シューマンの苦悩をあぶり出すように、またあるときは輝かしい響きで変奏をうたい上げ、創意と工夫に満ちた演奏を繰り広げた。
 この時点で、もうノックアウトされた感じだ。鳴りやまぬ拍手に応えて彼女はシューマンの「森の情景」より「予言の鳥」と「献呈(リスト編)」、ショパンの「2つのワルツより「告別」、「華麗なる大円舞曲」をアンコールで弾いたが、なかでも「献呈」にはまいった。
 私はこの曲を聴くと、ヘルマン・プライの晩年のアンコールが即座に脳裏に蘇り、涙が止まらなくなってしまうのである。
 終演後、先日のインタビューのお礼をひとこといおうと楽屋に顔を出すと、ヴィルサラーゼは「ああ」と叫んでハグしてくれた。
 私は「もう感動して涙が出ちゃって…」というと、彼女はより強く抱きしめてくれた。
 以前は、すごく怖い人だといわれていたけど、本当はすごく優しい人なのだと実感。本当にすべてが夢のようで、まだ今日もその演奏の余韻に浸っている。
 こういう演奏には滅多に出会えるものではない。
 会場はアンコールの終わった後、まさしく総立ちとなり、ヴィルサラーゼをたたえた。
 今日の写真は、終演後の彼女のほっとした表情。先日、握手が力強いと書いたが、ハグもがっしりした感じで、あったかい。こういう感覚は生涯忘れられないものとなる。

| アーティスト・クローズアップ | 22:57 | - | -
ヴィルサラーゼのリサイタル
 今日は、すみだトリフォニーホールで、エリソ・ヴィルサラーゼのリサイタルが行われた。
 あまりにもすばらしく、まだ感動の余韻に浸っているため、ことばにならない。
 それほど印象的なリサイタルだった。
 また、明日、じっくり感想を書きますね。
| クラシックを愛す | 23:54 | - | -
レッドテールキャット
 長年通っている美容院のオーナーであり、店長であるIさんは、熱帯魚の飼育に力を入れている。
 子どものころに金魚しか飼ったことのない私はよくわからないが、どうもどんどん珍しいお魚にはまっていくようだ。
 先日は、このお店に新たなお魚くんがやってきた。レッドテールキャットという種類で、熱帯産のナマズ系だとか。 
  なんでも、尻尾が赤く、顔か猫に似ているため、こう命名されたそうだ。
 名前は「ルーちゃん」。これはどんどん大きくなるようで、お店にいくごとに見違えるように大きく成長している。
 Iさんは、「いよいよ水槽を変えないといけないんですよ」と、なかば困り顔。なにしろ美容院だから、水族館のような大きな水槽は入らない。でも、ルーちゃんは、狭くなった水槽のなかで、なんとも窮屈そう。
 このお魚くん、よく見ると、じっと目を合わせてくるようで、ちょっと不気味。見透かされているような感じがするのである。
「あまり見えないようですよ」
 こういわれたけど、本当かなあ。
「振動音には敏感に反応しますよ」
 そうか、今度は打楽器系の音楽を聴かせて、反応を見てみようかな。
「あまり刺激するの、やめてくださいよ」
 こういわれそうだ。でも、興味津々(笑)。
 引っ越した先の町には、熱帯魚や淡水魚を売るお店が何軒かあり、それぞれ結構にぎわっている。マニアが多い世界なのかしら。
 今日の写真はそのルーちゃん。次にいったら、もっと大きくなっているんだろうな…。 


 
| 日々つづれ織り | 22:03 | - | -
エリソ・ヴィルサラーゼ
 先日、感動的なチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を演奏してくれたエリソ・ヴィルサラーゼに、インタビューすることができた。
 かなり前にも一度インタビューをしたことがあるが、そのときと同様、今回もとても有意義な時間を過ごすことができた。
 彼女のチャイコフスキーは、いままで聴いたどの演奏とも異なる新鮮さを放って聴き手の心に強いインパクトを与えたため、何かエディションが異なっているのかと思って版を聞いたら、「あら、まったく同じよ。だれでも使っている版で、カデンツァも変えていないわよ」とのこと。
 それであの強烈な印象を残す演奏とは…。
 ヴィルサラーゼは、これまで何人もの偉大な指揮者とこのコンチェルトを演奏してきたが、テミルカーノフとの共演がもっとも多いそうだ。
「マエストロ・テミルカーノフとサンクトペテルブルク・フィルとの共演では、自分がとても自由な気持ちで演奏することができるの」
 ヴィルサラーゼはとても知的で真面目。どんな質問に対しても真摯に、雄弁に、そして誠意をもった答えを戻してくれる。
 彼女は日本語も得意で、インタビューでは日本茶を飲んでいたが、途中で「すみません、お水いただけますか」と流暢な日本語で要求した。最後の撮影のときに、居合わせたマネージャーや雑誌の担当者たちと「男っぽいよね」「凛とした感じがすてき」「ハンサムウーマンっていう感じ」などと話していたら、ちらっとこちらを見て「日本語、わかるわよ」といわれてしまった。キャーっ、大変(笑)。
 このインタビューは、3月発売の「音楽の友」に掲載される予定だ。
 内容は、チャイコフスキーのことから得意のシューマンの話に移り、幼いころのピアノとのかかわり、ピアノの手ほどきを受けた祖母アナスターシャのこと、恩師のゲンリフ・ネイガウスとヤコフ・ザークのこと、さらにスヴァトスラフ・リヒテルのことまで、さまざまな方面に話が広がった。
 とりわけ印象深かったのは、私がチャイコフスキーのコンチェルトに感動した話をしたときのひとこと。
「私は常に新鮮な音楽を奏でるようにしているわ。どんなに弾き慣れた作品にも、新鮮な姿勢で立ち向かう。新鮮な演奏ができなければ、音楽をやっている意味がないから」
 彼女の話は、演奏とまったく同様の明快さとひたむきさと情熱が感じられるもの。そしてふだんはあまり笑わないが、最後に握手して「3日のリサイタルも楽しみにしています」といったときに見せた笑顔は、忘れがたい印象を残した。そして握手のガシッと力強いこと。やっぱり「ハンサムウーマン」だ。
 今日の写真は、インタビュー後の1枚。いつも黒を着ているけど、ホント、黒髪によく似合うよね。


 
 
| アーティスト・クローズアップ | 21:13 | - | -
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