Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ふくらはぎの運動
 座業が多いと、ふくらはぎがパンパンに張ってくる。
 できる限り歩くようにし、階段を使ったり、足のストレッチを行うようにしているが、もっとも大切なのは「ふくらはぎ」の運動のようだ。
 調べてみると、ふくらはぎは第2の心臓といわれ、重力の影響で約70パーセントの血液が下半身に集まり、その血液を上半身に戻すポンプの役割を担っているそうだ。
 それゆえ血行が悪くなると、冷えが生じ、肌にも影響し、からだのさまざまな箇所の不調につながるという。
 なるほど、ずっとすわって仕事をしていると、どんどん下半身が重くなってくるわけだ。
 そこで、ふくらはぎの運動が必要になる。
 まず、足首を伸ばし、つま先をからだの方に引き寄せ、足首をまわす。
 そして、ふくらはぎを下から上へと順にもみほぐしていく。 
 これだけでずいぶん血流がよくなる感じだが、究極は、以前マッサージに通っていたときに教えてもらった方法。
 片足をソファなどに乗せて伸ばし、つま先をからだの方に引き寄せ、その足と同じ側の手を足のつけ根に置き、ぐっと押しながらふくらはぎを伸ばし、15数える。もう一方の足も同じことをする。
 これは最初はとても痛いが、慣れてくると血流がよくなるのがわかる。
 ふくらはぎが張っている方、ぜひお試しあれ〜。
 
| 日々つづれ織り | 22:16 | - | -
ジャン=ギアン・ケラス&アレクサンドル・メルニコフ
 またまた月末入稿に追われる日々だが、各誌の新譜紹介の記事を書いていると、そのつどすばらしい録音に出合い、つい時間を忘れて聴きほれてしまう。
 今日は、フランスのチェリスト、ジャン=ギアン・ケラスとロシアのピアにスト、アレクサンドル・メルニコフがコンビを組んだ「ベートーヴェン:チェロとピアノのための作品全集」(キングインターナショナル)を聴き、2枚組のCDをずっと聴き込んでしまった。
 実は、明日はケラスの「バロックからモダンへ辿る道」と題したリサイタルを聴きに王子ホールに出かける予定である。
 その前に聴いたこのベートーヴェン、ケラスのチェロは朗々と旋律をうたい、おおらかで情熱的でえもいわれぬ情趣がただよっている。
 これにメルニコフの自由闊達で、疾風怒濤のごとく突っ走っていくピアノがからむと、丁々発止の音の対話が生まれ、なんともスリリングで刺激的だ。
 メルニコフは、近年ひと皮むけたような、非常に印象に残る濃密な演奏をするピアニストに変貌した。
 もう10年ほど前になるが、「プラハの春音楽祭」の取材にいったとき、ワディム・レービンとのデュオで音楽祭に参加していたメルニコフにインタビューをしたことがある。
 ものすごくシャイで、ほとんど相手の顔も見ないようなタイプで、話をしている間中ずっと下を向いてボソボソしゃべっている。
 こりゃ、困ったなあ。テープに声が入らないんじゃないかと心配したほどだ。
 しかし、いったんピアノに向かうと、一気にその音楽は雄弁になり、まるで彼の心の声のようだった。
 そんなメルニコフが、この録音ではケラスのチェロをリードするような潔さを見せ、ベートーヴェンのピアノ・パートをガンガン気持ちよく、快速のように飛ばしている。
 こういう録音を聴くと、すぐにナマの演奏が聴きたくなる。だれか、ふたりのリサイタルを組んでくれないかなあ。
 さて、明日はケラスの無伴奏チェロの夕べだ。どんな歌を聴かせてくれるだろうか。
 今日の写真はケラスとメルニコフのベートーヴェンのジャケット。ケラスはいつまでも変わらないけど、メルニコフは風貌もすごく変わった。彼にいまインタビューをしたら、きっと以前とはまったく異なり、自信に満ちた答えが戻ってくるんだろうな。



| クラシックを愛す | 23:53 | - | -
クリストファー・ホグウッド
 イギリスの指揮者、鍵盤楽器奏者であり、音楽学者でもあったクリストファー・ホグウッドが9月24日に亡くなった。享年73。
 ホグウッドは音楽もすばらしかったが、人間的にもとても魅力的な人だった。
 以前、インタビューをしたときの様子を「インタビュー・アーカイヴ」に綴っている。2011年7月23日の分である。
 ぜひ、読んでほしいと思う。
 もう一度会いたい、演奏を聴きたい、そんな思いでいっぱいだ。
| 情報・特急便 | 21:42 | - | -
Re:gendo
 ライナーノーツで7000字というのは、結構な分量である。
 ビクターの「ショパン:主要ピアノ曲全集」というCD12枚組は、ダン・タイ・ソン、エヴァ・ポブウォツカ、イリヤ・ラシュコフスキー、ディーナ・ヨッフェの4人による演奏で、再発売であるが、全曲デジタル録音のひとつにまとまったセット物で、その解説原稿である。
 各々の曲目解説はすでに再使用が決まっており、私の原稿は「ショパンのピアノ曲について」という、自由なエッセイ。
 さて、何から書いたらいいのか。
 長い間あれこれ考えた挙句、ショパンの人生とピアノ作品をからめ、そこからショパンのピアノ曲の魅力が浮き彫りになる形で綴っていくことにした。
 だが、書き出したら、書いても書いてもちっとも文字数が進まず、こんなに分量が多いの、という感じ。
 途中で何度も挫折し、方向転換しようかなと考えたり、ここまできたからには初心貫徹と思ったり、紆余曲折があった。
 ようやく終わったら、疲労困憊。こりゃ、栄養補給をしないとあかんな、と思って、Re:gendo(りげんどう)にいった。
 テーブルが5席ほどのこぢんまりとした空間で、フレンチ出身のシェフが自然で繊細でからだにやさしい和食を作る。駅の南側の徒歩5分ほどのところに位置し、火曜日が定休日。もちろん、ランチもある。
 夜はコースのみで、9月のメインは秋刀魚の梅煮。すべてに野菜がたっぷり使われ、味付けは薄味で、その巧みな技にほれぼれする。
 まずは、写真でコース全般を紹介したい。夜の食膳〈9月の献立〉 芭蕉(ばしょう)と書かれたメニューだ。
 ゴーヤとパイナップルのお浸し、胡瓜の佃煮、茄子の胡麻和え。



 秋野菜のサラダ仕立て。これが出てきた時点で、もう感動の極致。なんといっても10種類くらいのお料理が、少しずつ所狭しと並んでいる。これとごはんだけでいいかも、というくらい。




 旬野菜の炊き合わせ じゃがいものすり流し。



 トマトときのこ 生姜酢ジュレ掛け。




 本日の料理(これが秋刀魚)、胚芽米の御飯、神西湖の蜆の味噌汁、漬物盛り合わせ。



 これにデザートがつく。抹茶のレアチーズケーキ 蓮のアイス、メロンのあんみつ 焼バナナアイス、黄パプリカのブラマンジェ パイナップルのシャーベットのなかから選べる。
 以上、コース全部をいただいたら、もうおなかがはちきれんばかりで、ヘルシーで野菜が多いのにもかかわらず、ボリューム感たっぷり。オーガニックの赤ワインとともに食したが、いやあ人気店のディナーは最高でした! 
 
 
| 西荻はおいしい | 23:12 | - | -
ザ・フィルハーモニクス
 ウィーン・フィルのメンバーは超タフな人ばかり。昨夜のコンサート終了後、夜中までレセプションに加わり、今日は12時から中学・高校生を対象とした学校単位で参加する「青少年プログラム」で演奏。
 そして、午後1時過ぎから「ザ・フィルハーモニクス」の3人のメンバーは、新聞や雑誌のインタビューを受けた。その後、彼らは夜の本番が控えている。
 私のインタビューは午後2時から。
「ザ・フィルハーモニクス」については、2014年6月20日に東京芸術劇場で行われたコンサートのことをブログでも綴ったが、メチャクチャ楽しい音楽で、ウィーン・フィルのメンバーら7人による演奏は、世界の聴衆をみな笑顔にしている。
 今日は、そのメンバーのなかのティロ・フェヒナー(ヴィオラ)、エーデン・ラーツ(コントラバス)、ダニエル・オッテンザマー(クラリネット)がインタビューに応じてくれた。
 このアンサンブルは、クラシックをもとに各地の民謡、民俗音楽、ジャズ、ポップス、タンゴまで幅広くレパートリーに入れ、さまざまな編曲によって耳慣れた作品に新たな光を当てている。
 彼らは日本でしゃぶしゃぶを食べながら「何かおもしろいことができないだろうか」と話したのがきっかけで、メンバー結成となったという。
「すごく仲良く見えるって? そんなことはないよ。いつもは喧嘩しながら、いいたいことをいいあって、意見をバチバチだしあって、全員が本音で話すからすさまじいよ」
「でも、喧嘩する方がいいんだよ。みんなそれぞれいたいことをしっかりいうし、やるべきことはきっちりやる。プロだからね」
「どんなに意見が食い違ったときでも、いざ本番が始まってしまえば、ステージではどんどん音楽がよくなって、ステージで問題解決となるんだ」
 ひとつの質問をすると、3人が我先にとワーッという感じで話し出す。それが演奏を連想させ、まさに声のアンサンブル。
 マーラーの交響曲でシリアスな演奏をずっとしていて、さあ、ザ・フィルハーモニクスのリハーサルだとなると、全員が解放的で情熱的で自由な雰囲気になり、顔つきが一変するのだそうだ。
 7人は各々ものすごく個性が強い。その個性がぶつかりあい、切磋琢磨し、ひとつのアンサンブルとして超絶技巧をものともしない、嬉々とした音楽を生み出す。
 彼らは2015年10月から11月にかけて、再来日が予定されている。そのためのプログラムを練りに練っているそうで、その前には新譜がリリースされることも決まっているという。
「でも、まだ録音については詳しく話せないんだよ。本当はライヴ収録を希望しているんだけど、ちょっと難しくて、おそらくスタジオではなくコンサートホールでレコ―ディンクすることになりそう。来秋の日本公演のときには新譜を携えてきたいんだけどね」
 演奏もノリノリだけど、インタビューでの会話もノリノリ。すごく疲れているみたいだったけど、そこはプロ。ジョークばかりいっていて、それに合わせてまた次のジョークが飛び出す。ここだけの話、なあんていうのもつい口からポロリ。大丈夫かなあ、なんだか疲れすぎて、いっちゃってるみたい(笑)。
 日本公演の直後はポーランド公演が控えているそうで、ザルツブルク音楽祭からずっと休みなしで突っ走っているとか。ホント、タフな人たちだ。
「来年の演奏、楽しみにしててね。バクハツするからサ」
 いやあ、まいりました。すごいパワー…。
 今日の写真はインタビュー中のショットと、インタビュー後の1枚。写真を撮っている間も、他の人をつっついたり、ジョークで悪口をいったり、かまったり…。なんだか、大きな子どものようだ。きっと、7人が集まったらすごいことになるんだろうな。ちょっと怖いけど、次は7人一緒のインタビューをしてみたいと、無謀なことを考えた。 
 写真の左からダニエル・オッテンザマー、エーデン・ラーツ、ティロ・フェヒナー。






 
| 情報・特急便 | 23:14 | - | -
グスターボ・ドゥダメル指揮ウィーン・フィル
 今日はサントリーホールにグスターボ・ドゥダメル指揮ウィーン・フィルを聴きにいった。
 プログラムはモーツァルトの協奏交響曲変ホ長調K.364から始まり、ヴァイオリンをライナー・キュッヒル、ヴィオラをハインリヒ・コルというウィーン・フィルのメンバーが務めた。
 次いでこれもウィーン・フィルの第2ヴァイオリンのルネ・シュタールが作曲した「タイム・リサイクリング」の日本初演が行われた。
 後半はドヴォルザークの交響曲第8番で、ウィーン・フィルと完全に同化したドゥダメルのみずみずしく勢いのある指揮を聴くことができた。
 今日はウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン2014の東京初日公演ゆえ、終演後にブルーローズ(小ホール)で歓迎レセプションが開かれたが、終演が21時半を回っていたため、レセプションも遅い時間から始まった。
 私は今日、ライナーノーツの締め切りを抱えているため、途中でレセプションを抜け出し、帰宅したが、これから原稿の仕上げをしなくてはならない。
 というわけで、今日はコンサートについて書く時間がなくなってしまった。写真は、レセプション会場でのドゥダメル。才能があふれんばかりで、やはりオーラが感じられる。
 いま、もっとも目が離せない、一挙手一投足が気になる指揮者である。

| クラシックを愛す | 23:52 | - | -
アルゲリッチの映画のコメント
 この夏、大きな仕事のひとつとして、映画「アルゲリッチ 私こそ、音楽!」の字幕監修ほかを担当したのだが、配給会社からの依頼で、映画のチラシにコメントを寄せた。
 この推薦コメントは、各界の著名人27人が映画の見どころ、魅力などを短い文章で表現しているものだが、そのなかから8人のコメントが9月19日の朝日新聞の夕刊の広告欄に掲載された。
 私もそのなかに選ばれている。あとの人はみんなセレブばかり。ヒャーッという感じだ(笑)。いいのかなあ、なんか場違いな感じがするけど…。
 この映画に関しては、何度かブログでも書いたように、映画監督を務めた、アルゲリッチの末娘であるステファニーにインタビューをし、その記事は現在発売中の「フィガロ・ジャポン」に掲載されている。
 さらに「intoxicate」に映画紹介を書き、今月最終木曜日夕刊の「日経新聞」にも原稿を寄せている。
 さまざまな形で映画に関わってきたが、これでひと段落した感じだ。
 今日の写真は「朝日新聞」の広告とチラシのコメント。9月27日(土)からBunkamuraル・シネマでロードショーが始まり、順次各地での公開が続く。
 さて、映画を見た人は、どんな感想を抱くだろうか。いろんな人の反応が楽しみだ。




 
| 情報・特急便 | 22:11 | - | -
インタビューの下調べ
 9月からシーズンが始まり、これから年末まで来日ラッシュが続く。
 インタビューの仕事もかなり先まで入り、それぞれのアーティストの下調べをしっかりしなくてはならない。
 先日、仕事仲間と話しているとき、私のインタビューの仕方について話題となった。
 私は他の人のインタビューを聞くことはできないため、ほかのジャーナリストや評論家がどういうインタビューをしているのかは知ることができない。
 仕事仲間の人たちによると、彼らはインタビューに立ち会う立場の人たちなので、だれがどういうインタビューをするのかはよく知っている。
 私はいつもそのアーティストのプロフィールや仕事内容、これまでの経歴から録音、コンサートなど現在進めているプロジェクトまで、事前に頭に叩き込んでいき、対話をするときはメモをいっさい見ない。
 もちろん、固有名詞や年号などはまちがうといけないため、さっとメモすることがあるが、テレコを置くと、あとは基本的に相手の目を見てずっと話をすることをモットーとしている。
 だが、ほとんどの人はインタビュー項目をきちんと紙に書いてきて、それをひとつずつ読み上げて答えを記入していくのだそうだ。
「えーっ、そうなの」
 私は自分のやり方とあまりにも違うため、驚きの声を上げてしまった。
 そういえば、私はよくアーティストに質問される。
「きみ、メモとらないし、何の資料も見ないけど、大丈夫?」
 もちろん、「大丈夫です!」と明言する。「全部、暗記していますから」と。すると相手は、「おおっ」といって感嘆する。まあ、ちょっとおおげさにいってしまうんだけどね(笑)。
 日本の他のインタビュアーは熱心にメモをしているのに、私はやることをやっていないように見え、きっと心配でたまらないのだろう。
 以前、映画「ピアノ・レッスン」の音楽などで有名なマイケル・ナイマンにも、「きみは、ふつうの日本人と違うねえ」といわれた。
 そうなのかしら。本当に、そんなに日本人らしくないインタビューをしているのだろうか。
 でも、これが私のやり方である。
 インタビューというのは、時間に制限がある。特に海外の音楽家の場合、通訳の訳している時間、カメラマンの撮影時間などを除くと、話をする時間は本当に短い。そのなかで、少しでも多くのことを聞かなくてはならないわけで、私はずっと相手の気をそらさないよう、集中して話す。
 もっとも大切なのは、アーティストにとって、貴重な時間を「損した」「無駄にした」と思われないようにすることだ。
 さて、そのためにはしっかり下調べをして、その予習を本番に生かさなくてはならない。
 これからまた、いろんなアーティストに会う日が続く。こういう時期だからこそ、気を引き締めなくっちゃ。
| クラシックを愛す | 22:25 | - | -
にしおぎおぶち
 先日、いつも飲み会をしているレコード会社の友人ふたりに誘われて、また夜中までおしゃべりをしてしまった。
 異なるレコード会社のふたりだが、私たち3人はどんな話をしてもツー、カーという感じで、女ふたり、男ひとりのこの3人組はなかなかいい取り合わせだ。
 ふたりが選んでくれたお店が、西荻窪駅の南口から徒歩5分ほどの和食の「にしおぎおぶち」。
 私が帰りやすいことと、ふたりがタクシーで練馬方面の自宅まであまり遠くないことを考慮した上でのお店の選定。
 もう席に着くなり、お互いにしゃべりっぱなしゆえ、いちいちメニューを見て頼むのは面倒だからと、おまかせコースにした。
 おさしみや酢の物、豚肉の角煮、えびの香味焼き、鯛めし、お味噌汁などが出てきたが、なかでもびっくりするほどおいしかったのが、とうもろこしの天ぷら。
 どうやって作るのかしらと思うほどきれいに薄くとうもろこしが切ってあり、それがちょっと塩気のある衣でカラリと揚げてある。
 これが出てきたときばかりは、3人ともおしゃべりが一瞬止まり、「う〜ん、おいしい」としばし食べることに集中した。
 このお店は以前から知ってはいたが、入ったことはなかった。お得な10パーセント引きのクーポンもあり、それを使って支払いをしたら、とてもリーズナブルな値段だった。
 午後7時に集まり、気がついたら午前1時を回っていた。午前2時までやっているそうだ。ゆっくり飲み、食べ、話すのにはピッタリのお店ですよ。
 和食のお店といっても堅苦しくなく、気軽な感じ。
 ふたりとも、「西荻って、いろんなお店があって、本当にいいねえ」といっていた。
 今日の写真はとうもろこしの天ぷら。芯を残さず粒のところだけをきれいに切るのって、どうやるのだろうか。
 今度いったら、ぜひ板さんに聞いてみたい。私のレシピに絶対に加えたいと思うほど、おいしかったので…。でも、企業秘密で教えてくれないかな(笑)

| 西荻はおいしい | 21:55 | - | -
東儀秀樹
 東儀秀樹には先日「TFC55」のコンベンションで会ったばかりだが、今回はUCカードの会員誌「てんとう虫」の取材のために自宅に伺った。
 実は、このインタビューは、「てんとう虫」の編集者のHさんが私のヤマハのWEB「音楽ジャーナリスト&ライターの眼」の記事を読み、原稿依頼をしてくれたもの。先週の「TFC55」のMCを担当した後、彼に初めて会って打ち合わせをし、すぐにインタビュー日が決定したわけである。
 東儀秀樹には何度かいろんな媒体で話を聞いているが、最初から非常によく話してくれる。だが、何度か会ううちにより雄弁になり、今日も新譜の「hichiriki romance〜好きにならずにいられない」(ユニバーサル)から、2015年2月21日に行われる八ヶ岳高原サロンコンサートまで、一気に話が進んだ。
 インタビューというのは、ここからが勝負である。
 録音やコンサートの話題がひと区切りついたところで、私はいつもその人の舌をよりなめらかにする話題へと流れを進めていく。
 東儀秀樹の場合は、とにかく好奇心が強くて多趣味。その趣味たるやクルマやギターに凝ることから各地の民俗楽器を集めること、器用ゆえに多彩な創作物を生み出すことまで、まさに百花繚乱。
 私がちょっと興味を示すと、すぐに「そうそう、この間これ作ったんだけど」といいながら、次から次へと創作品をもってきてくれる。
 彼は自身もいうように「完璧主義者」。趣味の手仕事もハンパではない。ペットボトルで作ったクルマのミニチュアなど、まさに芸術品である。
 趣味の話が延々に続きそうだったため、ここで撮影に移り、その後ずっと続けている八ヶ岳でのリサイタルの話などを聞いて、終わりとなった。
 私も何度か八ヶ岳高原高原音楽堂にはいったことがあるが、自然に囲まれたところでゆったりと音楽を聴くと、至福の時間を過ごせる。話を聞いているうちに、心は高原の音楽堂へと飛んでしまった。
 インタビュー後、編集関係の人やカメラマンと一緒にお茶をしながらいろんな話をしたが、みんなクラシックのアーティストを取り上げることに大きな興味を示してくれた。
 カード誌は出版部数が多いから、いろんな人が読んでくれる。クラシックのアーティストを取り上げてほしいと思い、さまざまなアーティストのことを話した。
 今日の写真はインタビュー後の東儀秀樹。ダンボールで作ったギターを抱えてパチリ。このギターに色を塗ったのは、小学校2年生の息子さんだそうだ。何でも器用にこなしてしまう彼だが、「子どもの創造力の豊かさにはかなわない」と、このときばかりは脱帽という表情をしていた。


 
| 終わりよければ…取材奮闘記 | 23:29 | - | -
マエストロ!
 先日、映画「アルゲリッチ 私こそ、音楽!」の字幕監修ほかを担当し、映画の仕事に本格的にかかわる経験をしたばかりだが、今度は「マエストロ!」という映画に関して書くことになった。
 試写を見て、次号の「intoxicate」に原稿を寄せる仕事である。
 この映画は、さそうあきらの漫画アクション「マエストロ」原作、小林聖太郎監督、奥寺佐渡子脚本によるもので、不況で解散を余儀なくされた元名門オーケストラの楽員たちと、若手コンサートマスターの香坂、アマチュアフルート奏者のあまねたちが、謎の指揮者・天道に導かれて音楽性と人間性が次第に変わっていくというヒューマンドラマ。最後は感動的な演奏シーンが盛り込まれ、クラシックのすばらしさに改めて目覚めることになる。
 香坂には松坂桃李、天道には西田敏行が扮し、彼らはヴァイオリンと指揮を習得、見事な演奏シーンの演技を見せている。
 さらにアマチュアのフルート奏者としてシンガーソングライターのmiwaが登場、映画初出演を果たしている。
 ストーリーは、オーケストラ解散後、再就職もできず、「負け組」といわれるオーケストラの楽員たちが、謎の指揮者・天道の呼びかけで集まり、わけのわからないままコンサートに向けてリハーサルを続けていくというもの。オーケストラのメンバーひとりひとりの人間模様が描かれ、ときに衝突し、またあるときは支え合い、「自分には音楽しかない」という気持ちを固めていく様子がさまざまなエピソードを含めながら展開していく。
 天道には人にいえない秘密があり、それが最後に明かされる。
 演奏される作品は、ベートーヴェンの「運命」とシューベルトの「未完成」という2大交響曲。最初はまったく合わずにばらばらな演奏が、天道の破天荒な指揮により次第に融合していき、最後はコンサートシーンでクライマックスを築く。
「マエストロ!」は、2015年1月31日公開予定。演技派俳優たちが実際のオーケストラの楽員たちに混じって演奏シーンを盛り上げ、自然な奏法を見せる。さすが、役者である。
 指揮の指導などは佐渡裕が担当し、エンディングテーマは辻井伸行が演奏している。ひとりでも多くの人が、クラシックのすばらしさに目覚めてくれたらいいな、と映画を見ながら思った。
 今日の写真はそのチラシ。オーケストラはひとりひとりの個性あふれる人間の集まりなのだということを、改めて思い知らされる。

| 情報・特急便 | 22:48 | - | -
ベニーリーフ
 最近は、珍しい野菜や新しい野菜が店頭に並び、初めて食べるとそのおいしさに驚くことがある。
 ベニーリーフという紅花の若菜も、最近見つけた野菜である。
 血と気のめぐりをよくするのに有効な生薬「こうか」としても親しまれている紅花。
 ベニーリーフは、紅花のなかでも、特に強い抗酸化力をもつ原種「もがみ紅花」の若菜だそうだ。
 お店の人によると、ビタミンB2、ビタミンC、ナイアシン、カルシウム、食物繊維などが豊富に含まれ、アンチエイジング効果が期待できるという。
 料理法は、天ぷら、おひたし、和え物、漬け物などが適していて、シャキシャキとした食感と、ふんわりと香る菊の香り、ほろ苦い味など、クセになる人が多いのだそうだ。
「とにかく、一度食べてみてください。栄養豊富なスゴイ野菜ですから」
 こう薦められて、2把買ってみた。
 お店のおためしコーナーでは、さっとゆがいただけというおひたしが並んでいたが、なるほど、ほろ苦くてあっさりしていて、しかもこくがあり、とてもおいしい。
 あまり「スゴイ、スゴイ」といわれたため、暗示にかかったのか、ひと口食べただけでなんだかからだが浄化したような気になった。単純なワタシ(笑)。
 今日の写真は、買ってきたばかりのベニーリーフ。おひたしもいいげと、ここはぜひ、天ぷらにしてみたい。
 これから広く出回るのだろうか。近くの八百屋さんやスーパーで手に入るといいんだけど…。 



おいしい天ぷらに変身しました!!


 
| 美味なるダイアリー | 17:07 | - | -
フレディ・ケンプ
 久しぶりにあるアーティストの演奏を聴き、その成長ぶりに驚かされるとともに、非常にうれしい思いがこみ上げてくることがある。
 昨夜聴いたフレディ・ケンプの演奏が、まさにそうだった。
 ケンプは、1998年のチャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門で第3位入賞を果たし、聴衆賞も受賞した。
 スケールの大きな華やかさを備えた演奏と甘いマスクで大きな人気を得、一躍「コンクールのヒーロー」と絶賛された。
 ここからが彼の苦難の道となる。どこにいってもコンクール入賞者としての演奏を聴きにくる人ばかりで、「フレディ・ケンプ」その人の名前は二の次。
 当時から何度かインタビューを重ねたが、いつもそのことで悩んでいた。
「いつになったら、自分の名で勝負できるようになるのでしょうか」
 だが、日本の血を引くケンプは完全なるワーカホリックで、年間100回以上のコンサートをこなし、実力を磨いていった。
 いつも会うたびに非常に真面目で、音楽ひと筋。来日公演をとても大切に考え、同じ作品を弾くことを極力避け、新たな面を提示していた。
 そんなケンプに関して、今回プログラムの原稿を書くことになった。これまでのインタビューの内容や演奏を聴いてきたことを交えて綴ったが、久しぶりに演奏を聴くことを楽しみにしていた。
 今回は得意とするベートーヴェンのピアノ・ソナタから第30番作品109を選び、特有の情感あふれる美音でベートーヴェンのロマンを浮き彫りにした。
 シューマンも2曲組まれ、前半の終わりに「幻想小曲集」、後半の最初に「トッカータ」が演奏された。
 まさにシューマンはケンプのけっして鍵盤をたたかない、絶妙のペダリングを使用する美しい響きによく似合っていた。
 そして最後はムソルグスキーの「展覧会の絵」が演奏されたが、これまで聴いてきたこの曲とは一線を画し、美しい絵巻物を繰り広げるような表現だった。
 この公演評は、10月掲載の「公明新聞」に書く予定になっている。
 確かな成長と、大きな自信と安定感、さらに表現力の深さを増したフレディ・ケンプの演奏。次回の来日には、ぜひまた話を聞いてみたいと気持ちが湧いてきた。
 国際コンクール入賞後、自分の道を着実に歩み続け、中堅の実力派となるアーティストはけっして多くはない。フレディ・ケンプは、そうしたなかで苦難の時代を経て「自分の道」を見つけた。さらに聴き続けていきたいと思うピアニストである。
 もっとも印象に残ったのは、アンコールの最後に弾かれたベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番「悲愴」の第2楽章。この緩徐楽章は、アダージョ・カンタービレと表記されている。ケンプは内声部の美しさを際立たせながら、おだやかに息の長いフレーズをゆったりとうたわせ、豊かな詩情をたたえた旋律を静けさをもって弾き進めた。これを聴くことにより、彼の「いま」の充実ぶりがより深く理解できた。今後が楽しみだ。
| クラシックを愛す | 22:43 | - | -
印象、日の出
 クロード・モネの「印象、日の出」は、本当に日の出を描いた絵なのか、あるいは夕暮れではないのかと、研究家の間でさまざまな議論がなされてきた。
 そこに今回、テキサス州立大の天文学者、ドナルド・オルソン教授らが新しい研究成果を発表して話題になっている。
 教授たちは19世紀のフランス・ルアーブルの地図や写真から絵が描かれたホテルの部屋を特定し、絵のなかの太陽の位置から日の出の20分から30分後に描かれたと推定。船の位置や潮位なども調査して描かれた日時を割り出したのだという。
 それによると、この絵は1872年11月13日か1873年1月25日のいずれかに描かれたものだそうだ。
 モネは絵に「72」という数字を記していることから、こうした日時が特定されたようだ。
 こうした研究は「印象、日の出」を鑑賞するときに、大きな助けになる。
 私はこの絵が大好きで、2年前の夏、パリのマルモッタン美術館で再会した。いつ見ても新たな発見があるが、次に見るときには、今回の研究の成果により日時が特定されたため、より深い感慨が得られるに違いない。
 いつも美術館にいくとミュージアムショップに顔を出すのを楽しみにしているが、2年前はたまたま「印象、日の出」のスカーフを見つけ、これを購入した。
 今日の写真はそのスカーフ。首に巻いているため、ちょっとしわになってしまった。フランス製の100パーセント・シルクで、とてもやわらかい。でも、巻いているときは何の絵柄なのかわからないから、これは多分に自己満足ですね(笑)。



 ふんわりとまるめると、こんな感じ。淡い色彩で美しいでしょ。さすがモネ。

| 日々つづれ織り | 16:24 | - | -
ピアノ三昧
 今日は、若手ピアニストの演奏を堪能する日となった。
 まず、午後は原宿に出来た新しいスタジオで松田華音のコンベンションが開かれたため、そこで彼女の演奏を初めて聴くことができた。
 曲は、ショパンのバラード第1番、スクリャービンのワルツ作品38、ラフマニノフの「音の絵」より「赤ずきんちゃんと狼」、パッヘルベル理「カノン」という4曲で、新譜「松田華音デビュー!(仮)」(ユニバーサル)に収録されている作品である。
 最初のショパンから、まさにロシア・ピアニズムを身に付けていることが明確に伝わる演奏だった。
 先日も書いたが、彼女は6歳からロシアで勉強している。12年間に学んだ奏法は、力強く楽器を大きく鳴らし、旋律を豊かにうたわせるもので、説得力がある。
 新譜のライナーノーツを書く準備がこれで整った感じがした。書きたいことが次々に脳裏に浮かんできたからである。
 よく、アーティストは「ことばで音楽を伝えるよりも、演奏で伝える方がずっと楽に自然にできる」というが、まさに松田華音も先日インタビューで話していたときとは打って変わって、自分のいいたいことを音楽で伝えた。
 そして夜はオーチャードホールに「辻井伸行 ラヴェルを弾く」を聴きにいった。
 マルク・ミンコフスキ指揮オーケストラ・アンサンブル金沢との共演予定だったが、ミンコフスキが急病のためパスカル・ロフェに変更された。
 辻井伸行は「ソナチネ」「亡き王女のためのパヴァーヌ」「水の戯れ」を演奏し、ピアノ協奏曲ト長調でオーケストラと共演。ラヴェルのきらめくような美しい響きと特有の浮遊感をたっぷり堪能させてくれた。
 いつも辻井伸行の演奏を聴いた後に感じることだが、胸の奥が熱くなり、やがてほんのりとした温かさに変わり、それがずっと続く。不思議なピアニズムである。
 今日の写真は、コンベンションで演奏を終えたときの松田華音。華奢なのに、音の深さと強靭さは格別。インタビューのときにロシアの教育は最初にからだを作ることといっていたが、完全に脱力ができ、自然な奏法だった。

| クラシックを愛す | 22:50 | - | -
TFC55
 今日は、雅楽奏者の東儀秀樹、ヴァイオリニストの古澤巌、アコーディオニストのcobaの3人が結成したユニット「TFC55」の新譜発表のコンベンションがユニバーサルで開かれた。
 その記者会見のMCを担当し、「55歳のやんちゃな大人3人」のユニット結成のきっかけ、エピソード、新譜の話、ツアーのことなどを聞いた。
 全員が55歳というのは偶然で、それをユニット名に入れたそうだ。「ゴーゴー」と発音する。
 楽器の違いからくる個性の違いが明らかで、3人とも好奇心旺盛。その出会いは、東儀秀樹がそれぞれの人と共演したことから始まった。
 東儀秀樹と古澤巌はすでに10年以上のつきあいで、ここにcobaが加わり、さらに音楽がバージョンアップ。新譜の録音にこぎつけた。
 彼らはいまツアーの真っ最中だが、2014年は日本とスイスの国交樹立150年にあたるため、10月下旬にはジュネーブとベルンでもコンサートが行われる予定。とてもユニークな楽器の組み合わせに、スイスの人たちも驚きを隠せないのではないだろうか。
 3人ともスイス公演を非常に楽しみにしていて、日本から世界に向けて発信する「TFC55」の音楽に対し、絶対的な自信を見せていた。
 この3人、話を聞けば聞くほど個性が際立ち、各々の方向性の多様さに驚かされる。だが、その個性の違いが絶妙のハーモニーを生み、ナマの演奏を聴かせてもらったが、心が高揚するようなスリリングで熱いパッションを感じさせるものだった。
 東儀秀樹には何度かインタビューを行ったことがあり、古澤巌は昔からよく会っている。ただし、cobaには今回初めて会った。
 ところが、会った途端に意気投合。話が弾み、イタリアン・レストランをもっているという彼のお店も教えてもらい、お料理の話で盛り上がってしまった。
 彼ら3人は、まさにプロフェッショナル。演奏もさることながら、音楽に対する思いが生半可ではない。自信に満ち、自分の目指す方向がしっかり見えているという人たちだ。
 でも、MCが終わってから3人にインタビューをしたら、おもしろい話が出るわ出るわ、笑いが止まらなかった。このインタビューはヤマハのWEB「音楽ジャーナリスト&ライターの眼」に書こうと思っている。作曲や編曲にまつわる話、各人の役割、相手をリスペクトしている様子、3つの楽器が合うのではなく、3人だから合うという話まで、多彩なことを綴りたいと思っている。
 今日の写真は、記者会見の前のリハーサルの様子と、本番を終えた3人。服装もばらばらだけど、各人のこだわりがそこに感じられる。ホント、ユニークなユニットだよねえ。



| 情報・特急便 | 23:04 | - | -
松田華音
 6歳でロシアに渡り、グネーシン音楽学校で学んできた若きピアニスト、松田華音が11月5日にCDデビューを果たす(ユニバーサル)。
 今日は彼女に会うため、レコード会社に出かけた。
 まず、華音(かのん)という名の由来を聞き、ロシアでの勉強の内容に触れ、母親との二人三脚で慣れない土地で暮らす大変さを聞いた。
 だが、子どもだったからか語学の習得も早く、ロシア料理もおいしいといい、楽しく勉強してきたとあっさり。でも、聞き進むうちに、ロシアでの12年間は、ひとつのドラマがあると感じた。
 松田華音はとても礼儀正しく、美しい日本語を話し、音楽のことになると一気に口がなめらかになる。
「でも、日本語は幼稚園のレヴェルなんです」 
 こう謙遜するが、まったく問題はない。きっと母親の熱心な教育が功を奏したのだろう。そのお母さんも、とても自然体だ。
 現在18歳。今秋からモスクワ音楽院に日本人としては初のロシア政府特別奨学生として入学することになっている。
 実は、彼女のデビュー録音のライナーノーツを書くことになった。今日、話を聞いたことを含めつつ、綴りたいと思う。
 プログラムはベートーヴェンの「ワルトシュタイン」、ショパンのバラード第1番と「英雄ポロネーズ」、リスト/シューマンの「献呈」、ラフマニノフの「音の絵」より第6、5、9番。スクリャービンの練習曲とワルツ1曲ずつ、そして最後に名前に因んでパッヘルベルの「カノン」が収録される。
 いつも思うことだが、新たな若い才能に出会うのは本当に楽しみであり、その船出にあたるデビューCDのライナーノーツを書くことは無上の喜びである。
 これからじっくりと収録されたばかりの音源を聴き、いい文が書けるよう最大限の努力をしたいと思う。
 この録音は、つい先ごろ軽井沢の大賀ホールで録音されたという。私は先日このホールを訪れたばかりゆえ、そのホールの話で盛り上がった。
 今日の写真はインタビュー後の松田華音。本当はもっとリラックスして笑顔になると、とてもキュートなんだけど、ちょっと緊張しちゃったみたい(笑)。柔和な表情の持ち主だけど、目力が強い。これが人をひきつける大きな要因かも。
 2015年1月15日には、紀尾井ホールでリサイタルが予定され、今回収録した作品を中心にプログラムが組まれている。強いメッセージを備えた演奏は、ロシアでの研鑽の賜物。大きくはばたいてほしいと願う。

| 情報・特急便 | 21:34 | - | -
軽井沢逍遥
 休日返上で仕事ばかりしていると、次第に煮詰まってくるため、大好きな軽井沢へ出かけた。
 いつも軽井沢というと、大賀ホールにコンサートを聴きにいったりアーティストの取材をしたり。その後はすぐに帰るため、あまりゆっくりできない。
 そこで今回は、高原の空気を堪能しながら緑のなかを散策をしたり、信州の素材を生かしたお料理をいただいたり、思いっきりショッピングをしたり…。
 ここ10日間ほど曇天が続いていたそうだが、私が滞在した2日間はカラリと晴れ、初秋の気持ちいい天候に恵まれた。やっぱり、私は「晴れ女」なのかも(笑)。
 夏休みと秋の連休の狭間ゆえ、そんなに混んでいないと思ったのだが、旧軽もプリンス・ショッピングプラザも人でいっぱい。どこにいっても、人気スポットは行列状態だ。
 その間隙を縫って、自分がいきたいところだけを集中的に制覇。おいしい食事も買い物も、短時間ながら納得いく形でゲットすることができた。
 私が軽井沢でもっとも気に入っているのは、涼やかな高原の空気だ。人のあまりいない自然のなかをゆっくり散策するだけで、心身がリラックスできる。
 今日の写真は、初秋の緑豊かな散策の小路。
 秋の気配を感じさせる大賀ホール。
 天然水を使用したかき氷。宇治金時を頼んだら、ふつうのかき氷の5倍ほどあってびっくり。なかにもあずきがたっぷり入っている。
 お気に入りの和食屋さんの美味なるランチ。
 「そばパスタ」という、ユニークなものを見つけた。これはグッドアイディア。 
 軽井沢特産の調味料やジャムをいろいろ購入。これから少しずつ楽しむことができる。













| 日々つづれ織り | 16:27 | - | -
パウンドケーキ
 親しくしている友人のTさんが、おいしそうなパウンドケーキを送ってくださった。
「ハーティバウンド、マンゴー&バッション」と名付けられた、南国の香り豊かなパウンドケーキで、箱を開けた途端に南の地へと運ばれるような感じがした。
 早速、原稿書きの手を止め、ティータイムにすることにした。
 このお洒落なケーキには、最近手に入れたティーポットが似合うと思い立ち、いそいそと紅茶の準備。
 実は、かわいらしい2杯分のお茶が入るフッチェンロイターのマリア・テレジアと名付けられたティーポットがわが食卓に参加しているのである。
 フッチェンロイターは1814年、ドイツのホーエンブルグに絵付工房として設立されたもので、バイエルン州のシンボルであるライオン・マークを誇る。
 本当にこぢんまりとしたキュートなティーポットで、ふだん使いするのはもったいないかなと思ったが、しばし優雅な気分になれるため、ほとんど毎日使っている。
 今日はパウンドケーキに合わせてお取り寄せのダージリンの夏摘みの紅茶を入れ、ほんのひとときロイヤル気分にひたった(笑)。
 Tさん、本当にありがとう、ごちそうさま。南国気分になりました。
 さて、週末の締め切りはまだまだ片付かない。今日は、ロジャー・フェデラーが全米オープンで5セットの末、ガエル・モンフィスに逆転勝利を果たした。
 そんな瞬間も見逃せないし、原稿のためにいろいろと調べることも多く、あっというまに時間が過ぎていく。
 今日の写真はいただいたパウンドケーキ。真ん中にハート型のマンゴークリームが入っていてかわいい。愛用のティーポットも参加して…。


 
 
| ロジャー・フェデラー | 22:37 | - | -
公演評
 今日は、HAKUJU HALLにジョン・リルのリサイタルを聴きにいった。
 この公演評は、次号の「モーストリー・クラシック」に書くことになっている。
 プログラムはベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番「悲愴」、シューマンの「ウィーンの謝肉祭の道化」、プロコフィエフの「トッカータ」、ショパンの「バラード第4番」、ブラームスの「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」という構成。
 冒頭のベートーヴェンから、批評を書くのにとても難しい演奏だということが判明。ことばを駆使して演奏を表現しなければならないのだが、的確なことばが見つからないのである。
 演奏が進むにつれ、その思いは徐々に増幅していき、どういう文章を書いたらいいのだろう、と考え出したら、演奏を楽しめなくなってしまった。
 ここがもっとも難しいところである。公演評を書くということは、短い文章でその演奏を聴いていない人に率直に伝えなくてはならないわけで、音楽をことばで表現する難しさを常に感じる。
 語彙や表現能力、比喩の使い方など、あらゆる面で自分のもてる最高のものを発揮せねばならない。
 今日は、友人のKさんと一緒に聴いたのだが、彼女にも「どうやって書くの」と聞かれた。うーん、悩み多きだ。
 まあ、少し時間を置き、じっくり考えることにしよう。
 
| クラシックを愛す | 23:14 | - | -
新譜紹介
 毎月、月末から翌月の初旬にかけ、新譜の紹介記事を雑誌や新聞に書いている。
 新譜は各社から数多く送られてくるため、それを月ごと、ジャンルごと、アーティストごとに整理しなければならないのだが、私の整理能力ではなかなか追いつかない。
 それゆえ、いつも「あれっ、あの新譜どこだっけ」「さっきここに置いておいたのに、なんでなくなるの」「ああ、あのアーティストの録音、もう一度聴きたいのに、どっかにいっちゃった」と、パニック状態に陥る。
 これを何年も経験して、整理の大切さを実感しているはずなのに、送られてくる音源の数が私のキャパシティを完全に超えているため、いっこうに改善しない。
 先日、ネットでいいCDケースを見つけ、早速いくつか購入。ところが、届いたらその段ボール箱がやたらに大きく、今度はそれを置く場所がない。いまは原稿締め切りが重なっているため、整理する時間もない。
 というわけで、またもや私の整理術は暗礁に乗り上げ、段ボールに囲まれることになった。
 なんで、いつもこうなるのだろう。
 いまの時期を過ぎれば、きっと整理する時間が確保できる、と安易に自分を納得させ、段ボールには目をつぶることにした。
 さて、いつになったらきっちりCDが整頓されるのだろうか。きっと、ずっとこうやってブツブツいっているような気がする。お掃除ロボットのような整理ロボット、だれか開発してくれないかなあ(笑)。

 
| クラシックを愛す | 23:24 | - | -
寿屋
 おいしいお豆腐は、それだけでごちそうである。
 昨年の秋にも書いたが、今日は原稿の合間を縫って、私のお気に入りのお豆腐屋さんに出かけた。
 西荻北3丁目にあるため、家からは結構歩くが、そのかいがあるお店だ。
 今日はお店に着いたら、すだれが下りていて、紙に「ちょっと近くに出ています。すぐに戻ります」と書いてある。お客さんらしき女性がふたり待っている。私も待つことにした。
 しばらくすると、ご主人がマグカップを手に戻り、「あれえ、3人もいるの。いや、まいったなあ」といいつつ、接客。
 実は、最初に買いにきたとき、私はメールでチェックしていたため、お昼休みがあることを知っていた。11時30分から19時までの開店時間だが、13時から14時30分まではお店を閉める。これまで私が知っている町のお豆腐屋さんというと、お昼ころでも「こんにちは」と声をかけると、奥の方からお店の人が出てくる、という感じだった。
 そこで、つい「お昼に休み時間があるんですね」というと、この職人気質のご主人は、きびしい表情をしていった。
「お客さん、ウチはコンビニじゃねえんだ。昼飯くらい、ゆっくりと食わせてくれよ。みんなが寝ている明け方からひとりで働いて、豆から豆腐を作ってんだよ。昼休みくらい、あるさ」
 ヒエーッ、何も私はそんな非難めいたことをいった覚えはないんだけど…。本気で怒られ、縮み上がったが、それは次の話を聞いて納得。
 この「寿屋」豆腐店は、大正15年開業で、もう80年以上続けていて、彼が3代目だそうだ。代が変わると味が変わるのは当然だが、新しい物も作りたいと考えた。
 そのころ、関西の方のおいしい「ざる豆腐」を知り、それを買いに行って自分で研究し、ようやく納得のいく「ざる豆腐」ができた。それがいまの「寿屋」の人気商品というわけだ。
 このざる豆腐は、いわゆる昔のお豆腐の味がする。ボリュームもあり、濃厚で、かつお節やショウガの搾り汁を乗せ、おしょうゆをタラリとかけると、もうそれは美味。職人芸が伝わります。
 今日の写真は、陽を浴びてまぶしそうな顔をしているご主人とお店の外観。
「写真撮るなら、すだれを上げた方がいいかな」
 そういって商品が見えるようにしてくれた。いまでは、私ももう怒られなくなった(笑)。
 もう2枚の写真は、ざる豆腐と、生揚げと油揚げ。生揚げは外が香ばしい味わいで、なかはふんわり柔らか。ちょっと炙って薬味を乗せて食べるのが一番シンプルでおいしいけど、里芋やごぼうなどの根菜とお煮しめにしてもイケる。それから、何といってもやみつきになるのが、油揚げ。こういう手作りの中身のしっかりした油揚げには、なかなかお目にかかれない。
 他にはおぼろ豆腐やゆばもあり、ざる豆腐を揚げたざる生揚げというものもある。
 こういうお店はずっと続いてほしい。いつもちょっとこわごわ買いにいくんだけど、私は職人気質が大好きなので、いつもちょっとだけ話をしてしまう。






 
 
| 西荻はおいしい | 23:36 | - | -
ワレリー・ゲルギエフ
 いま、10月に来日するワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団のプログラム原稿を書いている。
 ソリストとして参加する、ピアニストのネルソン・フレイレの原稿である。フレイレは私の大好きなピアニスト。今回は録音も行っているブラームスのピアノ協奏曲第2番を演奏する予定だ。
 その原稿を入稿したら、以前ゲルギエフにインタビューしたことを思い出した。オペラの本番前の、超がつく時間のないインタビューで、冷や汗をかいたことを覚えている。
 インタビュー・アーカイヴ第59回は、そのゲルギエフの登場だ。

[ATES 2008年5月号]

世界にロシア魂を! 止まらないマエストロの夢。

「どんなリスクも、いい音楽を生み出すためだったら喜んで背負います。リスクのない人生など考えられないから。これまで数多くの困難に遭遇してきましたが、いつもはるか先にある自分の夢に向かって走り続け、困難を克服し、夢を実現に導いてきました」
 かつてのロシア帝国の首都、サンクトペテルブルクを代表するオペラとバレエの劇場、マリインスキー劇場の芸術監督ワレリー・ゲルギエフは、低音の迫力に満ちた声で語る。彼が劇場を任されたのは1988年、35歳のとき。ロシアがまだ経済的に大変な時期で、演目もロシア作品が中心。予算を必要とする他国の作品を演奏することすらできなかった。オーケストラも歌手もダンサーも、みな意気消沈。そんな彼らに向かい、ゲルギエフは胸の内を明かす。
「資金調達は任せてくれ。みんなは音楽に集中して、練習で成果を出してほしい。困難な時代だからこそ人々は芸術を求めている。必死でいいものを作り出せば、いまに世界がマリインスキー劇場を招いてくれるようになる。そのときにロシア魂を示そうじゃないか」
 ゲルギエフは政府に掛け合って予算を確保し、徐々に演目の幅を広げていく。やがてヨーロッパ各地、アメリカ、日本公演を実現。いまや世界各地のオペラハウス、コンサートホールのなかで、もっとも海外公演の多い劇場となった。
 そして昨年、新コンサートホールをオープンさせ、現在新たなオペラハウスも建設中だ。
「いま、世界的にクラシック離れが加速しています。それを止めるために、若者や子どもたちに年に1回は劇場に足を運んでもらえるような楽しいプログラムを考慮中です。常に時代に合った新しい試みをしていかなければ、伝統的なクラシック音楽は生き残れない。人類の偉大な財産を次世代に受け継ぐため、また新しいリスクを背負います」
 睡眠時間を削り、融資を求めて飛び回るマエストロの姿に、劇場に携わる全員が惜しみない拍手を送る。そして自らの芸術を磨く。サンクトペテルブルクを文化、芸術の発信地にしたいと願うゲルギエフの夢には、プーチン大統領も賛同。近いうちに、古都は大変貌を遂げるに違いない。

 以前、このときの様子をブログに綴ったが、とてつもなくタフなマエストロに、居合わせた全員が脱帽。まさにエネルギーの塊だった。
 今日の写真はその雑誌の一部。写真撮影にも非常に協力的だったが、なにしろ分刻みのスケジュール。すべて終わったときは、全員で床にへたりこみそうになった。いい思い出だけど(笑)。

| インタビュー・アーカイヴ | 23:36 | - | -
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