Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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カフェ・ラントマン
 ウィーンにはカフェ文化というものがある。
 ウィーンでカフェが誕生したのは1685年のことで、以来カフェはコーヒーを飲むだけではなく、人と待ち合わせをしたり打ち合わせや会合をしたり、備え付けの新聞をゆっくり読んだり、手紙を書いたり本を読んだりと、さまざまな用途に応じて利用する場所となった。
 人々はカフェで芸術論を戦わせ、文化を論じ、政治を語り、カフェは大切な交流の場という大切な役割を担ってきた。
 ここでは、1杯のコーヒーで長居をしても嫌な顔はされず、現在は自宅の延長として利用する人も多い。
 私がウィーンの数あるカフェでもっとも愛するのは、ブルク劇場の近くに位置するラントマン。1873年10月創業の優美で大人っぽい雰囲気を備えたところで、広い店内にはゆったりとしたソファが置かれている。創設者はフランツ・ラントマン。「ウィーンでもっともエレガントなカフェ」を目指した。
 ここはマーラー、クリムト、フロイトらが訪れたことで知られ、朝7時半から24時まで開いているため、とても便利。歴史と伝統を感じさせ、何度も訪れているためか、自分のカフェのような感じがして(勝手にそう思っているだけだが)、非常に居心地がいい。
 今回の出張でもスタッフ全員で訪れ、おいしいケーキとお茶をいただき、しばしリラックスした時間を過ごすことができた。
 このラントマン、実は海外第1号店が青山にある。青山通りに面し、地下鉄の表参道駅からすぐのところで、内装もメニューもウィーン本店と同様のスタイルを保持している。
 ここも、私が大好きなお店で、ゆったりくつろぐことができる。



 この写真は晴れた日にみんなが利用したがるテラス席。いまはちょっと寒いが、春から秋にかけては室内の席より人気だ。
 代表的なメニューは、ウィーン風のパンとスープ、ベーコンとキャベツのスパゲッティ、ヴィナーシュニッツェル。もちろんグラーシュもあるし、じゃがいものスープもある。
 このなかで、もっとも美味なのは、ベーコンとキャベツのスパゲッティ。キャベツがナマではなく、ザワークラウトを使っていて、その深みのある味わいが絶品。トッピングされたサワークリームとの見事なマッチングにより、すぐにまねしたくなるおいしさ。







 そしてデザートは、ザッハトルテとラントマントルテがお薦め。



 ウィーンの香りが堪能できるお店、ぜひ足を運んでみてくださいな。
 
 
| 美味なるダイアリー | 21:42 | - | -
ダン・タイ・ソン
 先日、ジャン=フィリップ・コラールの演奏するショパンのノクターン作品9-2を聴いて目からウロコという思いを抱いたばかりだが、昨夜もまた同様の思いに駆られた。
 紀尾井ホールで行われたダン・タイ・ソンのリサイタルは、プロコフィエフの「束の間の幻影」、シューマンの「ダヴィッド同盟舞曲集」が前半、後半はオール・ラヴェル・プロで、「高雅で感傷的なワルツ」「ソナチネ」「亡き王女のためのパヴァーヌ」「水の戯れ」、そして最後に「ラ・ヴァルス」という構成。
 このリサイタルに関しては、チラシとプログラムの原稿を書いたため、今回の選曲はだいぶ前から知っていて、意欲的な構成に胸が高鳴ったものだ。
 予期通り、最初から鍛え抜かれたダン・タイ・ソンのテクニック、深々とした表現、作品の奥に潜む作曲家の意図に肉薄していく姿勢にぐんぐん引き込まれた。
 ダン・タイ・ソンはプロコフィエフのさまざまな作品を愛し、1989年にニューヨークでデビューしたときもプロコフィエフを演奏し、同時に演奏したショパンよりも批評家がプロコフィエフの方を高く評価したため、それを非常に喜んでいた。
 今回の来日公演のプログラムは、幻想的で夢見るような曲想と個性的な舞曲のリズムに彩られる一方、各作曲家が新機軸を打ち立てた作品という共通項が存在する。
 ダン・タイ・ソンも、まさにこの夜、新機軸を示した。エレガントで柔軟性に富み、語りかけるようにピアノをしっとりとうたわせる術にさらに磨きがかかり、巨匠へと歩みを進めている感を強くした。
 胸に迫りくる演奏は、最後に頂点に達した。
 鳴り止まぬ拍手に応えてそっと弾き出したのは、みんなのお待ちかねであるショパン。ノクターンの作品37-1である。
 ピアノが打楽器的要素をもつ楽器だということを完全に忘れさせてくれるダン・タイ・ソンのやわらかくしなやかで情感あふれる響きは、このノクターンの神髄を表し、ショパンその人が弾いているよう。私はこの主題が頭から離れなくなってしまった。
 終演後、ダン・タイ・ソンに楽屋で会い、ラヴェルが素敵だったというと、「ラヴェルは完全にからだの一部」という答えが戻ってきた。
 そのことば通り、ダン・タイ・ソンのラヴェルはリズムも旋律のうたわせ方も実にナチュラルで、作品の世界へと一気にいざなわれていく魔力に富んでいた。
 ラヴェルが大好きな私としては、後半すべてがラヴェルで構成され、大胆な和声、緻密な構成、前衛と古典が融合した曲想などにたっぷり浸ることができ、至福の時間を過ごした。
 それにしても、ダン・タイ・ソンの響きは特有だ。透明感に満ち、クリアでデリケート。その奥に自由な精神が宿り、開放感が感じられる。
 長年演奏を聴き続けているが、年々彼のピアノは開放感に満ちていく。以前はひたすら内面に向かっていた音楽が、いまは外に向かい、ときに天に飛翔していくように感じられる。
 きっと現在は心身が充実しているのだろう。
 ああ、またノクターンの旋律が蘇ってきた。すぐに録音を聴きたくなる。こりゃ、多分に中毒症状を起こしているな。何度も繰り返して聴きたくなるから(笑)。
 今日の写真は演奏を終えたばかりのダン・タイ・ソン。楽屋のライトでおでこが光ってしまった、ソンさん、ごめんね。



| 親しき友との語らい | 14:14 | - | -
バイエルン放送交響楽団
「奇跡の共演!!」
 マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団、ソリストにピアノのクリスチャン・ツィメルマンを迎えた2014年11月の来日公演は、チラシにこう記されていた。
 昨夜はそのコンサートがサントリーホールで行われ、前半にブラームスのピアノ協奏曲第1番が演奏された。
 冒頭からツィメルマンの鍛え抜かれ、熟考されたピアニズムが全開。第1楽章のオーケストラのシンフォニックな響きとピアノの輝かしい技巧が見事な融合をなし、ドラマティックで壮大な空気がホール全体を満たしていく。
 第2楽章は深々とした情感豊かな楽章。こうした曲想はツィメルマンの独壇場である。彼はときに祈りの音楽のように瞑想的な表情を見せたかと思うと、一転しておだやかな旋律美を浮き彫りにする。この楽章は、宗教的な美しさをたたえた楽章で、中間部の木管楽器の美しさが際立つ。
 第3楽章は重厚でエネルギーあふれる楽章。ピアノがはなやかに主題をうたい上げ、オーケストラが情熱的に音楽を盛り上げる。最後は長大なコーダとなるが、ツィメルマンは椅子から立ち上がるようにして打鍵し、熱演に幕を下ろした。
 当日は男性の聴衆が多く、「ブラヴォー」の嵐。拍手喝采はいつまでも鳴りやまなかった。
 後半はR.シュトラウスが2曲。交響詩「ドン・ファン」と歌劇「ばらの騎士」組曲というこのオーケストラならではの選曲。
「ドン・ファン」は、シュトラウスの管弦楽法が遺憾なく発揮された作品だが、ヤンソンスは濃厚なロマンを全面に押し出し、各々のエピソードを色鮮やかに描き出していった。
 なんといってもこのオーケストラの底力が発揮されたのは、「ばらの騎士」組曲。官能的で幻想的で夢の世界へといざなわれる楽想を、バイエルン放響は各セクションがあくまでも優美に、生き生きと、そして豊かにうたう響きで奏で、オペラをほうふつとさせる美しい世界を描き出した。
 これを聴き、私の脳裏には1994年3月にウィーン国立歌劇場で聴いたクライバー指揮ウィーン・フィルによる「ばらの騎士」の舞台が鮮やかに蘇ってきた。オッター、ロット、ボニー、モルという当時考えられる最高の歌手たちによって繰り広げられた夢の舞台。それが鮮やかな絵巻物のように現れたのである。
 終演後は、いつまでも夢見心地で、いまなお「ばらの騎士」の旋律があたまのなかをぐるぐる駆け回っている。
 これが「音楽の力」なのだろう。ヤンソンスという名匠が引き出すオーケストラ本来の力。それが名演を生み、感動の泉を満たしてくれた。この公演評は、次号の「公明新聞」に書く予定である。

 
| クラシックを愛す | 22:13 | - | -
ナタリー・シュトゥッツマン
 最近は、シューベルトの歌曲集「冬の旅」を女性歌手がうたうことがある。以前は考えられなかったことだが、作品のすばらしさを考えれば、当然うたいたくなる人は多い。
 フランスのコントラルト(アルト)の第一人者であるナタリー・シュトゥッツマンも、長年「冬の旅」を研究し、ステージにかけている。
 昨日はトッパンホールで、長年のパートナーであるピアノのインゲル・ゼーデルグレンとともに「冬の旅」を披露した。
 シュトゥッツマンの歌声は艶やかでなめらかなベルベットのようで、光沢があり、多彩な色彩感に富み、それが幾重にも変容していく。
「冬の旅」はひとりの男性の彷徨の物語だが、24曲のなかにはさまざまな苦悩や孤独、痛みや悲しみ、幻影やモノローグ的な表現、内面との葛藤、死の影や苦い覚醒、心理的な崩壊や分裂などが入り混じり、そうしたミュラーの連作詩に曲をつけたシューベルトの深層心理が浮き彫りになる。
 シュトゥッツマンはそれぞれの曲とじっくり対峙し、ひとり芝居のように演技をしながらゆったりとうたい込んでいく。
 冒頭の「おやすみ」から沈鬱な空気が支配し、それが最後の「辻音楽師」まで集中力が途切れることはなく、作品全体を俯瞰した視野の広い「冬の旅」を聴かせた。
 もっとも印象的だったのは、やはり終曲の「辻音楽師」。絶望的な表情を浮かべながら、約80分におよぶ歌曲の世界を、余韻を残しながら静かに締めくくった。
 非常に印象深い歌曲の夕べで、シュトゥッツマンの心身の充実ぶりを感じ取ることができた。
 今日の写真は終演後のサイン会でのシュトゥッツマン。
 明日の26日には、「フランス歌曲の夜」と題したリサイタルがトッパンホールで開かれることになっている。彼女は2013年に同ホールでマーラー、シューマン、ヴォルフなどの歌曲を披露して大絶賛されたが、きっとフランス歌曲のプログラムでも、聴衆を魅了するに違いない。


  
 
| クラシックを愛す | 23:55 | - | -
ジャン=フィリップ・コラール 
 アーティストに会うと、意外な素顔がわかることがあって新鮮な驚きを抱く。
 ジャン=フィリップ・コラールも、そのひとり。
 インタビューでは新録音のショパンの「24の前奏曲、ピアノ・ソナタ第2番」(キングインターナショナル)に関して雄弁に話してくれたが、なぜこんなにも長くショパンを録音しなかったかについて、ことばを尽くして語った。
 そのなかで、コラールの性格が垣間見えたのである。
 彼はパリ音楽院時代、だれもがショパンを弾くことに対し、ある種の反発感を抱いたのだという。友人たちが弾くショパンも、自分の考えとは異なるものだった。当時は、音楽院の課題としてショパンが取り上げられたが、どうしても好きになれなかったのだそうだ。
 この話を聞いて、若さゆえの反抗心なのかなと思ったら、それはいまでも続いている自分本来の性格なのだという。納得のいかないことはできない。自分が本当に弾きたいと思わなければ演奏しないという。
 だが、最近になってこれまでショパンの音楽の一面しか見ていなかったことに気づき、楽譜と真摯に向き合うようになった。そしてショパンの性格があまりにも自分に似ていることに驚いたのだという。
「私はとても内向的で、何でもすぐには行動に移せず、考え込んでしまうタイプ。外に出ているよりも、家にいることを好み、社交的ではない。だれとでもすぐに打ち解けることはできず、限られた人との交流だけで満足する。楽譜から読み取るショパンの性格は、とても私が共感できるもの。それがわかったとき、ショパンの作品に親近感が湧き、より深く読み込もうと思ったのです」
 コラールは、演奏中も派手な動きをしたり、余分なことはいっさいしない。ただ、ひたすらピアノと対峙し、作品のよさを伝えようとする。
 このインタビューは、次号の「intoxicate」に掲載予定である。ショパンの話題のみならず、さまざまな作品とのかかわり、音楽に対する自身の思考、演奏家であることの意義、室内楽の喜び、自分の性格との付き合い方、ルバートの在り方など、多くのことを記事に盛り込みたいと思う。
 アーティストは旅から旅の生活である。それが一時期苦痛になったこともあるそうだ。「なにしろ、家にいるのが好きなので」。こういって笑うコラールは、家庭を大切にするタイプのようだ。
 彼はがっしりとした体躯で、手も大きく、指も長い。先日のブログでショパンを弾くときに男性的で凛とした演奏をすると書いたが、ステージに登場する姿も実にカッコいい。シックでおしゃれで風格がある。
 フランスには、こうした洒脱なピアニストが多い。年齢を重ねるごとに、よりいい味を醸し出すようになる。要は、大人の熟成した雰囲気を漂わせるようになるのである。
 またすぐにでも来日してほしいピアニストだ。
 今日の写真は、インタビュー後のワンショット。目がおだやかな笑みをたたえている。




 
 
| 情報・特急便 | 22:14 | - | -
デビスカップ スイス優勝
 テニスの国別対抗戦、デビスカップ2014のワールドグループ決勝で、スイスが初優勝の栄冠に輝いた。
 11月21日から23日までフランスのリールで開催された大会は、スイスとフランスという組み合わせ。
 第1日目はシングルス2試合、次の日はダブルス1試合、今日の3日目はシングルス2試合が組まれていた。しかし、昨日までにスイスが2勝を上げていたため、今日の第1試合でロジャー・フェデラーがリシャール・ガスケに勝てば3勝となり、最終戦を待たずに優勝が決まることになっていた。
 先日、ATPファイナルの決勝を背中の痛みにより棄権せざるをえなかったフェデラーは、デビスカップ参戦も危ぶまれていたが、なんとか治療をして出場することが決まった。
 ただし、初戦のガエル・モンフィス戦は敗退。やはりまだ本調子ではないと思われたが、昨日のダブルスで弟分のスタン・バブリンカと組んですばらしい試合を行い、体調が戻ったことを示した。
 そして今日、フェデラーはリシャール・ガスケをストレートで下し、自身の勝利で優勝を決めた。
 またいつものように、フェデラーは初優勝が決まった途端、涙ぐみ、チームメートと喜びを分かち合うときも目がウルウル。
 いいよねえ、こういう涙は…。
 ロジャー、おめでとう!!
 ファイナルの決勝を棄権した口惜しさを、これで一気に払拭した。
 でも、優勝カップを掲げながら喜びを爆発させるスイスチームは、なんだかとまどっているようで、態度が素朴でかわいらしい。派手なパフォーマンスをしないし、みんな静かに喜びをかみしめている感じ。ロジャーも特に目立ったことはしない。
 リールの会場は2万7000人収容の大規模なコートだったが、その1割の2700席をスイスの応援団に明け渡したそうだ。フランスの応援はすさまじいものがあり、スイスチームは完全にアウェーのなかで戦った。
 この優勝で、ロジャー・フェデラーはほぼすべてのタイトルを手にしたことになる。
 すばらしい試合だった。スイスチーム、おめでとう!!
| 日々つづれ織り | 23:53 | - | -
末っ子トリオの会
 昨夜は、6月以来行っていなかった「末っ子トリオの会」で青山のイタリアンに出かけた。いつもの仲良しトリオの集まりだ。
 3人のスケジュールがなかなか合わずのびのびになっていたもので、私の出張もあったため、こんなに長く空いてしまった。
 お互いの近況を報告し合い、ワインを飲み、おいしい食事をいただきながらおしゃべりをしていると、これまでの疲れがスーッと消えていくような感じがする。
 いつも話題は、仕事のみならずプライヴェートの話までおよび、尽きることがない。
 やはり楽しい話よりも、人間関係の難しさや仕事のストレスなど、「ここだけの話」が多くなる。
 でも、本音で話せる友人がいるというのは、本当に幸せなことだ。みんな他言をしないとわかっているため、腹を割って話せる。
 その後、深夜まで開いている小さなカフェバーに移り、結局1時40分まで話し込み、時間に気づいてあわててタクシーに飛び乗った。これも毎度のことだ(笑)。
 こうして友人と話していると、本当にいろんな人生があり、いろんな悩みがあるものだと思う。それを聞いて相手を励まし、また励まされ、再び日常に戻っていく。
 私はようやく大きな仕事がひと段落したため、これからは延期していた友人とのおしゃべり会を徐々に行っていきたいと思う。
 でも、いまはシーズン真っただ中ゆえ、夜はコンサートが目白押し。その合間を縫って行う飲み会は何より心が和む。
 さて、次はだれに会おうかな。
| 親しき友との語らい | 22:30 | - | -
ショパン 主要ピアノ曲全集
 毎月、レコード会社からいくつかCDのライナーノーツの依頼が入る。
 9月下旬締め切りの分で、ビクターから「ショパン 主要ピアノ曲全集」のライナーの仕事が入った。これまでリリースされたビクターの音源をひとつのボックスにまとめた形で、ダン・タイ・ソン、エヴァ・ポブウォツカ、ディーナ・ヨッフェというショパン国際ピアノ・コンクールの優勝者&入賞者と、浜松国際ピアノコンクールの覇者イリヤ・ラシュコフスキーの演奏が組み込まれている。
 そのライナーに関し、担当者のFさんから、「全体で7000字まで入ります。ショパンの人生、作品、人間性など、自由にエッセイとして書いてください」といわれた。
 ヒエーッ、7000字。今回は曲目解説は付かないという。
 私はいったい何を書けばいいのかしら…。7000字ねえ。
 もうあちこちでショパンの人生は紹介されているし、作品紹介を書いても堅くなってしまうし、エッセイといわれてもねえ。
 さんざん悩んだ挙句、ショパンの39年の生涯をたどりながら、そこに折々の作品をからめ、エピソードやアーティストのことばなども交えながら綴ることにした。
 そのCDが出来上がり(11月19日発売)、全12枚組という立派なセットが送られてきた。187曲、200トラック収録、全曲デジタル録音という重量級のアルバムである。
 私は編集者だったためか、長い原稿になると、つい小見出しをつけたくなる。このライナーも、「参考までに」と伝え、タイトルを1本、小見出しを10本ほどつけておいた。それがそのまま掲載されている。
 来年は、5年に一度のショパン国際ピアノ・コンクールの開催年にあたる。実は、もう来年の講演がいくつか予定されていて、地方のホールの音楽講座の講師を務めることになっている。そこでは、ショパン国際ピアノ・コンクールの講義をしようかなと思っているため、この全集はそこで大きな役割を担いそうだ。
 ほとんどの講義が90分ほど。ずっと話していると、参加者も飽きてくるだろうし、集中力が続かないだろうから、私は音楽をかけることにしている。できることなら、DVDなどの映像も使いたい。
 来年はきっと、このショパン・ボックスが私と一緒にあちこち旅をすることになるに違いない。
 今日の写真はCDボックスのジャケット。なんといっても187曲ですからねえ、聴きごたえがありそうだ。 


 
| クラシックを愛す | 22:23 | - | -
上原彩子
 上原彩子がチャイコフスキー国際コンクールで優勝の栄冠に輝いてから、はや12年が経った。この間、彼女の人生は大きく変わり、ソリストとして活躍する一方、プライヴェートでは結婚、出産を経験。いまや3人の女の子の母親である。
 デビュー当初から取材を続けてきた私は、彼女に会うたびに、演奏を聴くたびに、ぐんぐんたくましくなっていく姿に驚かされる。
 そんな上原彩子が、7年ぶりに新譜を録音した。チャイコフスキーの「くるみ割り人形」で、プレトニョフ編と上原彩子の編曲も加えた意欲作となっている(キングレコード)。
 先日、久しぶりにインタビューを行い、録音のことから現在の心境まで、幅広い話を聞くことができた。
 以前は子育てに忙しく、ピアノの練習時間を確保するのが非常に困難だといっていたが、現在は子どもが小学校や保育園にいっている間に集中的に練習しているそうだ。
 このインタビューは、次号の「intoxicate」に書く予定である。
 デビューアルバムにチャイコフスキーを選んだ彼女は、レコード会社が変わり、新たな気持ちをもって録音に臨んだようだが、やはり大好きなチャイコフスキーを選んでいる。
 今回、上原彩子のことばでもっとも印象に残ったのが、「ある時期ものすごく練習をしたため、それがいまの自分を支えていると思う」と語ったこと。ピアニストは過酷な練習を自身に課すが、彼女もコンクール前からずっと練習に明け暮れていた。それがいま財産になっているのだろう。
 このアルバムは12月24日に発売され、2015年は年明け早々から各地でリサイタルが続く。これからはモーツァルトに目を向けているという話も飛び出し、ソロのみならずモーツァルトのヴァイオリン・ソナタも演奏したいと熱く語った。
 上原彩子というとソリストというイメージが強く、室内楽はあまり演奏しないと思われがちだが、ご本人はアンサンブルに意欲満々。
「だれか、一緒に合わせ物をしてくれないかしら」
 ぜひ、どなたか、立候補してくださいな。
 今日の写真はインタビュー前の1枚。レコード会社の屋上でパチリ。充実した表情をしているでしょう。

| 親しき友との語らい | 21:35 | - | -
ジャン=フィリップ・コラール
 フランスのベテラン・ピアニスト、ジャン=フィリップ・コラールが来日中である。
 今日は銀座のヤマハホールでリサイタルがあった。
 プログラムは、前半がショパンのノクターン第13番と第6番からスタート、ショパンのピアノ・ソナタ第2番「葬送」へとつなげた。
 後半はフォーレのノクターン第4番と「舟歌」、ノクターン第6番と続き、ラヴェルのソナティナ、そして最後はラヴェルの「鏡」より「悲しい鳥たち」「道化師の朝の歌」で締めくくられた。
 このプログラムはとても流れが自然で、コラールのクリアで凛とした響きによく合っていた。
 もちろん、いずれの作品も鍛え抜かれたテクニックと長年弾き込まれた熟成した音楽性に彩られたものだったが、実は今夜、私がもっとも感銘を受けたのは、アンコールに演奏されたショパンのノクターン作品9の2だった。
 ノクターンのなかでもっとも人気のある有名なこの作品を、コラールは粋で洒脱でクールかつ男性的な奏法で聴かせたのである。そのノクターンはけっして甘くなく、ある種の客観性をもって奏でられたため、作品の新たな面を発見することができた。
 コラールには、21日にインタビューをする予定である。今日の演奏を聴いて、いろんな質問が頭に湧いてきた。楽しみである。
 今日の会場には、ジャン=マルク・ルイサダの姿があった。久しぶりだったのであいさつにいくと、いつもながらのやわらかい笑顔が戻ってきた。
 なんでも、今日はお忍びで聴きにきたそうで、一番うしろの席にすわっていたが、演奏が終わると「ブラヴォー!」と叫んでいて、結局は目立っていた(笑)。
 

 
| クラシックを愛す | 23:35 | - | -
紀尾井ホール開館20周年
 1995年に開館した紀尾井ホールが20周年を迎え、記者会見が行われた。
 まず、ふだん私たちクラシック音楽の関係者があまり出入りすることのない、5階にある邦楽専用ホールを見学し、250席のホール内部と檜造りのステージ、和室の楽屋などを案内していただいた。
 次いで新日鉄住金副社長の佐久間総一郎氏と同文化財団常務理事の町田龍一氏が、企業メセナ活動としてこれまで20年間のホールの運営、活動内容を報告。さらに新日鉄住金コンサート、新日鉄住金音楽賞、紀尾井シンフォニエッタ東京(レジデント・オーケストラ)、邦楽主催公演などについて現在までの流れと今後の予定が発表された。
 紀尾井ホールには何度も出演し、すっかりおなじみとなったアーティストが何人かいるが、2006年東北地方公演の同行も含み18回出演のチェリスト、マリオ・ブルネロと、2005年ドレスデン音楽祭後、特別企画で12回出演のピアニスト、ペーター・レーゼルによる、お祝いのビデオメッセージも紹介された。
 引き続きレセプションが行われ、ここで邦楽とクラシックのミニコンサートが開かれた。
 最初は邦楽の演奏で、松崎晟山(尺八)と新福かな(箏)による宮城道雄の「春の海」。続いてクラシックでは、紀尾井シンフォニエッタの若きふたり、森岡聡(ヴァイオリン)と伊藤慧(ヴィオラ)によるモーツァルトの「ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏ト長調K.423」より第1楽章が演奏された。
 紀尾井ホールは、800席という中規模の客席数ゆえ、ピアノや室内楽などに適している。音響もすばらしく、いずれの席でも聴きやすい。
 2015年もライナー・ホーネック、マキシミリアン・ホルヌング、トレヴァー・ピノック、セミョーン・ビシュコフ、アナ・チュマチェンコ、ラルス・フォークト、クリスティアン・テツラフ、ジャニーヌ・ヤンセン、ジャンルカ・カシオーリら若き世代からベテランまで国際舞台で活躍するさまざまなアーティストのコンサートが組まれている。
 こうした来年のスケジュールをながめていると、本当に今年も残り少なくなったのだなあと感じ、なんだか気ばかり焦ってしまう。
 今年もあと1カ月半しかない。なんとか有意義に過ごさなくちゃ、と追い立てられる気持ちになるのは、私だけでしょうか…。
 今日の写真はレセプションでの演奏風景。とても近い距離で聴くことができたため、各々の楽器の音色がじかに伝わってきた。




 
| 情報・特急便 | 22:10 | - | -
産直マルシェ
 ウチの近くで、日曜日に開かれている「産直マルシェ」。
 15時から18時までの間の販売で、前日収穫された有機野菜や無農薬&低農薬の野菜が主として千葉山武、九十九里地域より直送されてくる。
 今日は、長ねぎ、かぶ、ほうれんそう、キャベツ、娃々菜(わわさい ベビーはくさい)、ごぼう、みかん、手作りのこんにゃくと干しいもを購入した。
 こういう新鮮な野菜は、ながめているとみんな買いたくなって困ってしまう(笑)。
 でも、たくさん買いすぎて冷蔵庫に入りきらないため、早速いろんな野菜を使ってお料理をした。
 具だくさんの野菜スープ、おでん、きんぴらごぼう、はくさいの炒め物。でも、まだい〜っぱい残っている。
 来週からまたいろんなところに出かけなくてはならないし、原稿もあるから、作り置きしてある物がいくつかあると、安心する。
 今日の写真は、欲張ってたくさん買い込んでしまった野菜たち。しばらくこれらを前に、どんなレシピにするかじっくり考え、できる限り新鮮なうちに調理していかなくてはならない。
 でも、こういうのを考えるときって、本当に幸せ。
 また、来週も産直マルシェ、いっちゃおうかな。


 
 
| 西荻はおいしい | 22:29 | - | -
マレイ・ペライア
 11月13日、サントリーホールでマレイ・ペライア&アカデミー室内管弦楽団(アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ)のコンサートを聴いた。
 プログラムは、まずメンデルスゾーンの「弦楽のための交響曲第7番」で始まり、これは指揮者なしのオーケストラのみの演奏。冒頭から美しく鍛え抜かれたアンサンブルが響きわたり、メンデルスゾーンが13歳のときに作曲したというみずみずしく優雅な楽想がホールを幸せ色で包み込んでいく。
 次いでモーツァルトのピアノ協奏曲第21番がペライアの弾き振りで演奏され、この作品を得意とするペライアの抒情的で濃淡に満ちた美しいピアノの音色がたっぷりと披露された。
 彼の弾き振りはごく自然で、気負いもなければ気取りもない。アカデミー室内管の首席客演指揮者を務めているため、気心の知れた友人だちと音楽を心から楽しんでいるという様子が伝わってくる。
 とりわけ第2楽章の天国的な美しさを放つアンダンテが印象深く、ペライアのえもいわれぬポエティックで穏やかな響きが心にまっすぐに響いてきた。
 それは後半のJ.S.バッハのピアノ協奏曲第7番も同様で、ヴァイオリン協奏曲第1番を編曲したという作品らしく、鍵盤のソロは流麗な旋律を奏でる。
 だが、一方では通奏低音のような役割も果たし、それらをペライアは絶妙に弾き分け、バッハの対位法の扱いも緻密に表現。
 ペライアは指の故障でピアノが弾けない状況のときに、バッハの作品を徹底的に研究したと以前語ってくれたが、まさにここではバッハの作品の内奥に迫り、チェンバロ奏法も研究したというすべての要素が遺憾なく発揮された。
 最後は、ハイドンの交響曲第94番「驚愕」。これはペライアが指揮を行ったものだが、彼のピアノを弾くときとはうって変った激しくドラマティックな表現と解釈に驚かされた。まさに「驚愕」である。
 ハイドンのこの作品はときおり大音響のパーカッションなどが飛び出して驚かされるが、ペライアの指揮もその箇所は各楽器に明快な指示を与えて強奏が飛び出した。
 ペライアは、いまもっとも充実したときを迎えているようだ。彼の演奏は長年聴き続けているが、こんなにも肩の力が抜けた自然体の演奏と表情を見たのは久しぶりだった。
 私の大好きなピアニストのひとりとして、いつもペライアは上位にランク。巨匠への階段を上り続けているが、けっして派手ではなく、むしろ奥ゆかしくひっそりとして、音楽に対して常にひたむきで真面目。そこがたまらなく好きなんだよね。いつまでも温かいものが胸に残る、そんなコンサートだった。
| クラシックを愛す | 22:20 | - | -
三舩優子
 ピアニストの三舩優子がデビュー25周年を迎えた。
 それを記念し、2015年1月31日(土)に14時からHAKUJU HALLでリサイタルを開く。題して《組美曲(くみきょく)》。
 その話を聞くため、昨日インタビューを行った。
「いま、バッハの音楽が弾きたくてたまらないんですよ」
 今回のプログラムは、バッハ/ペトリ「羊は安らかに草を食み」から始まり、前半はバッハのパルティータ第1番、第6番でバッハをじっくりと聴かせる。後半はバッハ/ブゾーニ「シャコンヌ」で華やかに開始、次いでショスタコーヴィチの前奏曲とフーガ第5番が登場、最後はスクリャービンのピアノ・ソナタ第3番で締めくくるという趣向だ。
 彼女の口からJ.S.バッハの名前が出たのは初めてである。これまでいろんな機会に話を聞いてきたが、バッハの話題は出たことがない。
 三舩優子といえば、私の脳裏にはすぐにガーシュウィンやバーバーなどの作品が思い浮かぶ。だが、幼いころからバッハが大好きで、いまデビュー25周年を迎え、肩の力が抜け、バッハに回帰する時期だと思ったそうだ。
 このインタビューは次号の「音楽の友」に掲載される予定である。
 今回のインタビューでは、これまでの活動、いまの心境、これから取り組んでいきたいことなど多岐にわたって話がはずみ、そのなかでもっとも熱く語ってくれたのが、「ブラームスのヴァイオリン・ソナタ」をはじめとする室内楽を演奏したいという希望だった。
 ピアニストはソリストに徹するタイプ、アンサンブルを多く行うタイプなど、いろんな人がいるが、三舩優子はこれまでソロ活動が多かった。それゆえ、合わせ物はあまり行わないと思われてしまったようだ。
 しかし、ご本人はいま他の楽器と合わせることに大いなる興味を抱いている。
 12月12日(金)には、恵比寿のアートカフェフレンズで、山下洋輔との共演で知られるドラムの堀越彰と組み、バッハからヒナステラ、ピアソラまで幅広い選曲によるジャンルを超えたデュオを行う。
 三舩優子は、カメラ目線の写真が苦手だというので、今日の写真はちょっと視線をはずしてパチリ。
 それにしても、以前から取材している人に「デビュー25周年なんです」といわれると、本当に年月の経つのは早いとつくづく感じてしまう。


 

| 親しき友との語らい | 21:56 | - | -
締め切りと校正と
「家庭画報」の色校が最終的な段階に入り、担当の編集者Sさんとのこまかいやりとりが続いている。
 夜になってひと区切りつき、「日経新聞」の原稿に集中して取りかかる。
 それも終え、この時間になってようやくひと息つけるようになった。
 今日はそんな合間を縫って、インフルエンザの予防接種にいき、ひと安心。早くいかなくちゃ、いかなくちゃと思いながら、この時期になってしまった。
 またその合間を見て、焼き野菜を作った。
 秋はいろんな野菜が店頭に並ぶから、見ていて飽きない。今日はかぼちゃ、れんこん、かぶの実と葉、それに柿を用意した。
 まず、たっぷりのエクストラバージンオリーブオイルでそれぞれの野菜をじっくりと焼いていく。1種類ずつ焼いていくのがコツだ。焼き時間が微妙に異なるため…。
 焼きあがったら、上質な塩をバラリ。
 すべて焼いたらお皿に盛り付け、こだわって探しまくった黒酢をさっとまわしかける。
 これだけで、とってもおいしい焼き野菜ができる。なんといっても、究極の素材は柿である。いまは柿が旬。これを惜しげもなく焼く。美味ですゾー。
 ほかには、ズッキーニ、なす、小たまねぎ、キャベツ、エシャロット、ピーマンなどもよく合う。
 締め切り疲れのからだには、おいしい野菜が欠かせない。これはどんなにたくさん作っても、すぐになくなってしまうおいしさ。ワイン片手にこれさえあれば、明日も頑張れる(笑)。
 今日の写真は美味なる焼き野菜。以前はオーブンで焼いていたけど、フライパンで十分イケル。要は、新鮮な野菜があればいいわけですな。


| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 23:04 | - | -
テレビ収録
 今日は、ピアニストの辻井伸行の番組で、彼の音楽的なこと、演奏に関して話すため、テレビ収録にでかけた。
 2015年1月1日のBS朝日の番組で、以前からシリーズで放映されている「奇跡のピアニスト」である。放映時間は夜の9時から11時。
 辻井伸行が最近演奏に取り組んでいるショパンのバラード第4番、ラヴェルの「夜のガスパール」、そして今後さまざまなオーケストラと共演予定のラフマニノフのピアノ協奏曲第3番に関して、プロデューサーからの質問に対してひとつずつ答えていくというスタイルだった。
 辻井伸行が演奏しているこれらの作品は、いずれも難曲といわれ、各々の作曲家の最高傑作のひとつとされる。
 それらを彼は完璧に自分の音楽として奏でている。それについても、私自身の意見を聞かれた。
 テレビは、いつもかなり多くのことを話しても、放映されるとほんの2〜3分ということが多い。今回はどうかな(笑)。
 今日の写真は、番組のスタッフの方たち。プロデューサーのHさん(右)は、辻井伸行を10歳のころからずっと追っているそうだ。そういう長いスタンスで番組を制作している人というのは、強い信念がある。
 私もひとりのアーティストをデビュー当初からずっと取材し続ける場合が多いが、今日はHさんの姿勢を学ばなくては、と改めて思った。
 お正月番組なので、家でゆっくりしている人はぜひ見てくださいね。きっと辻井さんの難曲に挑む果敢な姿勢が見られると思いますから。


 
| 情報・特急便 | 18:11 | - | -
「第九」の家
 ウィーン郊外のバーデンは、緑豊かなしっとりとした雰囲気のある、落ち着いた町である。
 ウィーンの森のばすれに位置する保養地で、周囲はぶどう畑が連なる。
 ベートーヴェンは1807年以来この地をたびたび訪れ、1823年には交響曲第9番「合唱付き」を作曲している。
 ベートーヴェンが滞在した家は町の中心に現存し、見学可能だが、今回訪れたときはちょうど改装工事に入っていて、内部を見ることはできなかった。
 以前バーデンを訪れてからすでに長い年月が過ぎているため、町も公園も著しく変貌。ベートーヴェンの住んだ家もかなり現代風に改装され、入口の位置も変えられていた。
 以前は真冬に訪れたため、人も少なく、町は静けさに包まれてひっそりとしていたが、今回はかなりにぎやかになっていて、観光客のバスも止まっていた。
 バーデンはウィーン南駅から電車で約45分、または国立歌劇場前から路面電車に乗ると約60分ほどでいくことができる。タクシーの場合は30分ほどだ。
 町の中心に大きな公園があり、J.シュトラウスとランナーの像が立っているが、この公園も以前はただ木々と草原が広がっているだけだったが、いまは遊園地のようになり、市民の憩いの場として、また観光客のためのカフェやホテルやカジノまで作られていた。大きな変貌にびっくり…。
 今日の写真は、ベートーヴェンが「第九」や「ミサ・ソレムニス」を書いたラートハウスガッセ10番地の家と、ベートーヴェンが住んだことを示すプレート。残念ながら、工事中の幕が張られているが…。ベートーヴェンは、この2階で作曲していたと伝えられている。
 もう1枚は公園のJ.シュトラウスとランナーの像。






 
 
| 麗しき旅の記憶 | 21:19 | - | -
ポークシュニッツェル
 昨年も今年も、ウィーン出張では定番のウィンナーシュニッツェルを食べた。
 私は昔からこのお料理が大好きで、家でもよく作るが、今日は近くのお肉屋さんにおいしそうな豚ヒレ肉が並んでいたため、それを使ってみた。
 豚ヒレ肉は余分な脂がないため、シュニッツェルにはピッタリだ。それに牛肉ほど高くないから、たくさん食べられるし(笑)。
 まず、ヒレ肉を2センチ厚さに切り、肉たたきで薄く伸ばしていく。
 この両面に塩、コショー少々を振り、小麦粉をまぶす。余分な小麦粉をはらい、溶き卵につけ、パン粉をまぶしたら下準備はオーケー。
 フライパンにエクストラバージンオリーブオイルを多めに入れ、ヒレ肉を焼く。最後にバター適宜を入れて香りをつけ、出来上がり。
 今日は、以前ブログで紹介したら、会う人ごとに「あれ、作りましたよ」といわれた大人気の塩レモンをきざみ、レモンの絞り汁のなかに入れたものを添えた。
 ポークシュニッツェルは、ぜひヒレ肉をたたいて作ってみてくださいな。
 あっさりしているし、上質な味わいになるし、塩レモンとの相性もバッチリ。いくらでもパクパク食べられちゃいます。渋めの赤ワインとともに召し上がれ。
 今日の写真はできたてのポークシュニッツェル。お皿からはみ出ている、わらじのような大きなウィーンのシュニッツェルとくらべると、とてもキュートで食べやすい。日本人好みかな…。


 
 
| 美味なるダイアリー | 21:26 | - | -
ベートーヴェンの散歩道で出会った犬たち
 ベートーヴェンが聴覚の異常を感じ、その孤独感と苦悩を癒すためによく訪れたとされるハイリゲンシュタットの「ベートーヴェンの散歩道」。
 現在は近隣の市民の憩いの場として、ワンちゃんたちの散歩コースとして愛されている。
 今回、取材をしているなかで、何人もの犬を連れた人たちに出会った。ワンちゃんもそれぞれとてものんびりと自由に散歩をしている様子だったが、飼い主たちも実にいい表情をしていた。
 やはりこの散歩道は、いつの時代も人の心をなごませてくれるところらしい。
 以前訪れたときよりも舗装が進み、柵なども増えて人工的になったとはいえ、やはりここに一歩足を踏み入れると空気がガラリと変わる。小川のせせらぎが聴こえ、森の匂いがし、湿ったひんやりとした空気がただよい、深呼吸したくなる気分にさせてくれるからだ。
 今回、ウィーンにいる間は晴天に恵まれ、それほど寒くなかった。ハイリゲンシュタットにいったときもいいお天気で、緑が濃く、涼風が気持ちよいほどだった。
 今日の写真は、ワンちゃんを連れた人たち。ねっ、みんないい表情をしているでしょ。






 
| 麗しき旅の記憶 | 22:21 | - | -
ベートーヴェンの彫刻
 今回、ウィーンとボン旅して、さまざまな場所でベートーヴェンのいろんな顔をした彫刻に出会った。
 とてもおもしろかったのが、ボンのベートーヴェン・ハレの広い庭に置かれていたコンクリートの彫刻。1819年にカール・ヨーゼフ・シュティーラーによって描かれた有名な肖像画がもとになっている。
 これは、1986年に彫刻家のクラウス・カンメリッシュが制作したもので、彼はベートーヴェン・ハレの庭に置いてほしいと要望したそうだが、当初はホール側に断られたという。
 そこに日本人が購入申し込みをしたため、ホール側はあわてて最初の3倍の価格を提示して無事に手に入れることができたそうだ。
 この話はホールの責任者が聞かせてくれたものだが、日本人が買おうとしたというのは本当かなあ。でも、それによって彫刻は当初の希望通りここに置かれることになったのだから、めでたしめでたしだよね(笑)。
 このベートーヴェン、コンクリートをいくつもの柱のなかに流し込んで制作した形で、見る角度によって微妙に表情が異なる。近くで見るよりも、ちょっと離れたところで見る方がよくわかる感じ。
 今日の写真は、ホールの前庭の道路側を向いている顔と、裏側のホールよりの方を向いている顔。私はこの裏側の方が芸術的だと思った。表側は肖像画そのものという顔に作られているからだ。
 さて、あなたはどちらのベートーヴェンがお好き?




 
| 麗しき旅の記憶 | 17:24 | - | -
じゃこと白菜の和風パスタゆず胡椒風味
 白菜のおいしい季節がやってきた。
 煮物、鍋物、炒め物と幅広い用途がある白菜。でも、今日はちょっと変化球で、じゃこと白菜のパスタを作ってみた。
 瀬戸内海で水揚げされた新鮮なしらすをていねいに乾燥させたというちりめんじゃこが手に入ったので、白菜と一緒にしてみたのである。
 まず、たっぷりのエクストラバージンオリーブオイルでじゃこを揚げるような感じで炒め、そこに白菜の細切りを加える。じゃこが塩分を含んでいるため、塩は加えない。ここにゆず胡椒を適宜入れ、味を見る。
 バスタをゆで、じゃこと白菜とざっくりあえたら出来上がり。仕上がりにおしょうゆをたらり。
 簡単、シンプル、健康にもいい、とってもおいしい和風パスタの誕生だ。いつもは、牛ひき肉と数種のキノコを入れ、ゆず胡椒であえるパスタを作っているのだが、今日の組み合わせもなかなかオツ。
 今日の写真は出来上がったばかりのパスタ。ゆずの千切りをトッピングしても美しいし、味わいが増す。
 ようやく「モーストリー・クラシック」の原稿が全部終わり、明日は「家庭画報」の全ページの校正が出てくることになった。
 まだまだ私には休みがこない。もう体力、気力ともに限界である。
 でも、このパスタでちょっと元気になった。


 
| 美味なるダイアリー | 23:36 | - | -
ユリアンナ・アヴデーエワ
 今日は、ユリアンナ・アヴデーエワにインタビューをするために、スタインウェイ・ジャパンに出かけた。
 アヴデーエワの演奏はショパン・コンクールのときから聴いており、その後何度かインタビューを行っているため、今日も話がいろいろと盛り上がり、内容の濃いインタビューとなった。
 これは2015年2月20日から3月2日まで全国で行われる「東芝グランドコンサート2015」のプログラムのためのインタビューで、今回はトゥガン・ソヒエフ指揮トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団の来日が決まっている。
 アヴデーエワはそのツアーのソリストのひとりで、得意とするショパンのピアノ協奏曲第1番を演奏する。
 インタビューでは、このコンチェルトとの出合いから内容、解釈などへと広がり、リヒテル、フー・ツォン、バシュキーロフまでさまざまなアーティストの話が飛び出し、これからJ.S.バッハを弾いていきたいという夢まで語ってくれた。
 なんでも、フォルテピアノのアンドレアス・シュタイアーの演奏に魅了されているそうだ。
 今回のもうひとりのソリストは、私の大好きなヴァイオリニスト、ルノー・カピュソン。彼のインタビューは来日がないため、電話インタビューになりそうだ。曲目はサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲。これこそ、ルノーの美音が存分に堪能できることになりそうだ。
 今日の写真は、インタビュー中のアヴデーエワ。写真撮影のためにヘアメイクが入っていたため、とても美しかった。もともと目鼻立ちのはっきりした人だから、メイクも映える。でも彼女、声はすごく低くて、はっきりしゃべるし、いつもパンツスーツ。ハンサムウーマンっていうところかな…。
 ショパン・コンクールでもすべての作品でナショナル・エディションを使用していたけど、今回のコンチェルトでも当然のことながらナショナル・エディションで演奏するそうだ。


 
 
| 情報・特急便 | 21:45 | - | -
ベートーヴェン特集の入稿
  ああ、ようやく「家庭画報」のベートーヴェン特集のすべての原稿を入稿した。
 達成感よりも、疲労困憊ゆえ、脱力感の方が勝っている。
 ここ数日間の私はトランス状態で、生活の基本的なことはしていたつもりだが、何も覚えていないありさま。
 とにかく、頭のなかはベートーヴェンの原稿がぐるぐる渦巻いていて、深く眠れないし、眼精疲労がひどく、肩から背中、腰までボロボロ。
 あかんなあ、こういう生活をしていては…。
 またマッサージの先生に怒られるだろうし、フィットネスのクラスでは、トレーナーに完全に忘れ去られているかもしれない。
 まあ、とにかく終わったのだから、ちょっとはゆっくりしようっと。
 といっても、最終的な校正が完了するまで、まだ気は抜けない。
 去年もそうだったが、11月のこの連休は、私にとってまったく世の中の休みとは関係なし。
 あら、なんだかのども痛くなってきた。ワインでも飲んで、ここはひとつ潤いを与ましょうか(笑)。
 
| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 23:10 | - | -
おいしいイクラ
 毎日、仕事部屋にこもりっきりでベートーヴェン特集の原稿を書いていると、日にちの観念や曜日の感覚がなくなってしまう。
 気がついたら、いつのまにか11月になっていた、ビックリ(笑)。
 今日は、私のことを「生涯3人の親友のひとり」といってくれる友人のKさんから、おいしそうな北海道のイクラが送られてきた。
 時間がないときに、簡単に食べられるからという配慮だ。本当にうれしい。
 早速、今夜はイクラと鮭の親子丼を作った。
 すし飯を作り、その上にイクラと鮭と千切りの海苔を乗せるという簡単丼。
 でも、イクラが新鮮でおいしいからか、とても心身が癒される味わいになった。Kさん、ありがとう。感謝しています。これを食べて、また頑張って原稿を書きます。
 というわけで、今日の写真はイクラと、その後の変身した姿。ああ、あまりにもおいしくて、疲れているからか、もう一杯食べたくなるほどだった。




| 美味なるダイアリー | 20:29 | - | -
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