Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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今年最後の原稿
 ようやく今年最後の原稿を入稿し、すべての仕事が終わった。
 これは2015年3月13日から4月12日まで上野で開催される「東京・春・音楽祭」の公式プログラムの原稿で、毎年さまざまなテーマに沿った原稿を書いているが、今回はショパンの「24の前奏曲」の原稿だった。
 ピアニストはロシアのアレクサンドル・メルニコフで、4月1日に東京文化会館小ホールで演奏される。
「24の前奏曲」に関してはシリーズとなっており、3月29日に東京文化会館小ホールで同じくメルニコフによるショスタコーヴィチが演奏され、4月1日のショパンの日は、後半にスクリャービンが組まれている。
 さらに、4月9日には同ホールで野平一郎によるスクリャービンも演奏される。
 そして上野学園石橋メモリアルホールでは、3月31日にメルニコフがドビュッシーの前奏曲集第1巻と第2巻を1910年製のプレイエルで演奏することになっている。
 毎年「東京・春・音楽祭」では、さまざまなシリーズが企画され、桜の季節に上野の森がにぎわいを見せる。
 まだまだ先の音楽祭だと思っていても、意外に早くその日はやってくる。
 何はともあれ、2014年の仕事収めの日となった。本当にいろんなことのあった1年だったが、終わってみればただ早かったなあと思うばかり。
 いまは肩の荷が下り、ちょっと放心状態だワ(笑)。
 
| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 21:49 | - | -
ホテルの朝食
 旅に出ると、ホテルの朝食がいつも同じようなメニューゆえ、長逗留の場合は飽きてくることが多い。
 私はパリやニューヨークでは、ホテルで朝食をとらず、町のカフェやデリに出かけていって現地の人に交じって食べるのが好きだ。
 その町の様子がわかるし、人々の生活を垣間見ることもでき、何より好きな物が安く食べられる。
 旅先での朝食の時間というのは、独特の空気と匂いに包まれている。パリでは清掃車が回ってきて道路を掃除し、ウィーンでは馬車がひづめの音を立てて出勤していく。マドリードでは陽光がまぶしくなり、商店の開店準備がそろそろ始まる。ミュンヘンではビジネスマンが足早に通り過ぎ、ハンブルクはまだ真っ暗だ。
 そんなあわただしい時間に、外をながめながらゆっくりいただく朝食は、何ものにも代えがたい。ランチやディナーも、もちろん記憶に残るものが多いが、旅先での朝食は、ある種のノスタルジックな感情を呼び覚ます。
 あとになって思い出してみると、そのときの空気と匂いが町の記憶とともに蘇ってくるのである。
 私が初めてヨーロッパに旅をした20代のころ、ローマの家族経営のホテルの朝食は、古めかしい地下のダイニングでとることになっていた。そこは昔の映画に出てくるようなアンティークな家具と調度品に囲まれた部屋で、ティーカップやお皿も実に味わい深く、使い込まれたものだった。
 数日間滞在していたため、ホテルの人たちとても親しくなり、朝食のときはいつもあれこれおしゃべりしたものだ。
 そのホテルの前をずっとのちになって通ったら、そのときの朝食の様子が鮮やかな絵のように目の前に蘇ってきた。
 こうして旅の記憶は刻まれていく。
 今日の写真は、先日のウィーン出張のときのホテルの朝食。いろんなものがたくさん用意されていたため、毎日飽きることがなかった。この日はクロワッサンをいただいたが、もちろん大好きなツェンメルも美味だった。
 ああ、パンの香りがただよってきたゾ(笑)。
 

 
 
| 美味なるダイアリー | 22:18 | - | -
ベートーヴェン・フリーズ
 10月、ウィーンに出張した際、分離派教会セセッシオンでグスタフ・クリムトが制作した壁画の大作「ベートーヴェン・フリーズ」を見た。
 もちろん、「家庭画報」の新年号では大きく取り上げられている。
 分離派とは、19世紀末、従来の保守的で閉鎖的な芸術協会から離れ、また、皇帝や貴族の庇護を受けずに自由な作品発表の場を求めた芸術家たちの運動を意味し、彼らが築いた建物がこの分離派教会である。
 ウィーンではクリムトを会長として、1897年に発足された。
 セセッシオンは、地下鉄のカールスプラッツ駅の近くに位置し、月桂樹の葉をモチーフにした透かし彫りの屋根が特徴で、これは「黄金のキャベツ」と呼ばれて親しまれている。




 クリムトの壁画は地下に展示されており、部屋の左側の壁から右側に進んでいくスタイルで、ベートーヴェンの「第九」の第4楽章をモチーフとしている。
 この壁画は1902年の分離派展のときに描かれた大作で、展覧会後に撤去されたが、何人かの収集家の手に渡り、戦火を逃れ、1985年のウィーン市による世紀末展を機に再びセセッシオンに設置されることになった。
 実際に見ると、クリムトの特徴である黄金色が随所に用いられ、官能的で幻想的で、かつ不気味な面も見受けられる。この部分は人間の苦悩や欲望、不摂生を描いているそうで、最後は芸術による理想の領域へと到達する。
 ところどころ空白が見られるが、これは休符を意味するという。
 今日の写真は、その壁画。クリムトの類まれなる天才性に触れ、しばらく絵のそばから離れられなかった。
 今年、一番感動した絵である。








 
| 麗しき旅の記憶 | 23:01 | - | -
年末入稿の峠に向かって
 いよいよ今年もカウントダウンとなり、新聞や雑誌の記事の年末入稿がピークを迎えている。
 あといくつ、あと何本かとメモを見ながらチェックを入れ、最終入稿まで秒読み状態だ。
 その間にクリスマスがあったが、どうも全面的に楽しむ余裕はない。
 原稿がすべて終われば、きっと気分が晴れ晴れとし、一気にリラックスムードとなるのだが、まだ少し先のことになりそう。
 それでも、いま入稿した原稿で峠は見えてきた感じ。もう一歩である。
 こんなときにも食欲だけはあり、珍しいクリスマスのプリンを見つけ、束の間のクリスマス気分を楽しんだ。
 西荻窪といえばこけし屋、こけし屋といえば西荻窪というほど、このフランス料理&ケーキ屋さんは昔から有名だ。
 ここに、サンタプリンなるものがお目見えした。かわいいサンタクロースの入れ物に入っているプリンである。味はふだんのプリンと同じだが、こういうキュートな容器に入っていると、なんだか気分がウキウキする。因みに、この容器は陶製なので、食べ終わってからも利用できる。朝食のヨーグルトでも入れようかしら。毎日サンタに会えるし(笑)。
 まあ、仕事に疲れたからだには、このくらいの栄養は与えないとね。
 今日の写真は、サンタプリン。でも、食卓に出すには、ちょっと子どもっぽいかなあ…。


 
 
 
| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 21:25 | - | -
つくりたての生菓子
 昔から日本橋が大好きなのだが、最近の再生計画によって、より魅力的な町に生まれ変わっている。
 もっとも興味深いのは、COREDO室町。ここには伝統的な和食の材料を販売するお店が多く入っていて、一度足を運ぶと、あちこちのお店を巡ってしまう。
 なかでも、私が大好きなのがCOREDO室町3の1階にある和菓子の鶴屋𠮷信。京都に行くと、いつも本店に出向いて2階の「菓游茶屋」で、できたての和菓子をいただくのだが、この「菓游茶屋」が日本橋店にもできたのである。
 これはカウンター越しに、職人の菓子づくりの実演が楽しめる場所で、いくつかの季節の生菓子のなかから食べたいものを選ぶと、目の前でつくってくれる。その鮮やかな手つきを見ていると、なまつばゴックン(笑)。
 和菓子のつくりたてをお抹茶とともにいただくなんて、なんとぜいたくなことなのだろう。京都の味とスタイルが、そのまま東京にお目見えした感じだ。
 京都のお店でも、「菓游茶屋」は行列を覚悟しなくてはならないが、日本橋でもカウンターに椅子が6席ほどしかないため、待つ必要がある。
 でも、待つだけの価値は十分にあり、老舗ならではのシンプルでやさしい甘さの生菓子は、クセになるほど美味だ。
 こういうところに海外のアーティストを案内したら、きっと大喜びしてくれるだろうな。いつかチャンスがあったら、だれかを招待したい。
 今日の写真は、つくりたての生菓子2品とお抹茶。クリスマス・イヴに和菓子の話題もオツなもんでしょ。


 
 
| 美味なるダイアリー | 17:49 | - | -
voces8
 今日は、オペラシティコンサートホールにvoces8(ヴォーチェス・エイト)のクリスマス・コンサートを聴きにいった。
 彼らの日本ツアーの最終公演で、楽しいクリスマス・ソングから静かなキャロル、ミュージカルナンバー、ジャズ、ポップスまで、実に多彩なプログラム。
 1曲ごとに8人の配置が微妙に変わり、ソロもデュオも合唱もありという、自在な編成。全員が真のエンターテイナーで、鍛え抜かれた声はもちろん、楽器の音を模したり、パーカッションのリズムを声で表現したり。
 クリスマス・ソングでは、そりを走らせている様子を全員で演技するなど、見せ場が多く、会場はなごやかな空気に包まれた。
 先日インタビューしたポール・スミスが司会役を担い、日本語を交えて曲の説明を行うなど、聴衆とのコミュニケーションもバッチリ。
 彼らの歌声は、いずれの曲も高度なレヴェルで、プロフェッショナルに徹した演奏にまさに感動。
 こういう合唱は、ナマで聴くと、心が洗われるよう。
 私はモーツァルトの作品では「アヴェ・ヴェルム・コルプス」がもっとも好きなのだが、前半の最後の方にこれが登場。魂が浄化する思いにとらわれた。
 終演後、楽屋で全員の写真を撮ることに成功。「もっと近くに寄って」「だれか前にきて」「リラックスしてね」と注文を出しながらパチリ。
 みんな、すっごくいい表情をしているでしょう。今日の写真は、自慢できるな(笑)。音楽の楽しさが伝わってくる感じに撮れたから。
 写真の前列左から、テノールのオリヴァー・ヴィンセント、右はカウンターテノールのバーナビー・スミス。
 後列の左からカウンターテノールのクリス・ワードル、ソプラノのエミリー・ディケンズ、ソプラノのアンドレア・ヘインズ、バスのディングル・ヤンデル、バリトンのポール・スミス、テノールのサム・ドレッセル。
 合唱はすばらしい。人間の声の偉大さに改めて目覚める感じだ。
「声は、神が人間に与えた最高の楽器」ということばが脳裏に浮かび、まさに真実だと納得。
 それにしても、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」は、なんという清らかで敬虔で美しい曲なのだろう。これを聴いている数分は、まさしく天上の世界にいるような至福の時間だった。





 
| クラシックを愛す | 22:33 | - | -
アリーナ・イブラギモヴァ
 昨日は、王子ホールに先日インタビューをしたアリーナ・イブラギモヴァのリサイタルを聴きに行った。
 今回のプログラムは、J.S.バッハの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&バルティータ」全曲。14時からと17時からの2回公演で、全6曲を演奏するという構成である。
 アリーナのバッハは以前にも聴いているが、とてもエネルギッシュで、みずみずしい音が全編を貫く。
 彼女はアダージョやアンダンテの曲は非常にゆったりと大きく弦をうたわせ、バッハの意図したオルガン的な響きや神秘性、荘厳さ、敬虔さなどを醸し出していくが、ブレストやアレグロの曲になると、一転して疾走するような推進力に満ちた音楽に変容する。
 テンポの速い曲になると、即興性を帯び、音色にも大きな変化が生まれ、若々しく生命力を帯びた音楽と化す。
 現在の楽器は、ゲオルク・フォン・オペルから貸与されたアンセルモ・ベローシィオ(1775年製)で、ヴィオラのような深々とした低音が印象的だ。
 先日のブログにも書いたが、2015年と2016年にセドリック・ティベルギアンと組んで、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ・チクルスを行う。バッハとは、また趣の異なる演奏が堪能できるに違いない。
| クラシックを愛す | 22:23 | - | -
チェコとハンガリーの料理本
 友人のTさんが、チェコとハンガリーに旅をし、いろんなお土産を買ってきてくれた。なかでも、料理本(英語版)が興味深い。
 チェコもハンガリーも肉料理が多く、煮込みも種類がたくさんある。
 こういう本は見ているだけで旅心が刺激され、じっくり見ていると、その国の文化が伝わってくる。
 伝統的なお料理、新たな時代を感じさせるレシピ、パンやデザートまで多種多彩。Tさんは、こういうお料理を現地でたくさんいただいたのだろうか。ぜひ、お土産話を聞いてみたい。
 東欧は、チェコとポーランドに何度も足を運んでいるが、なぜかハンガリーには行く機会がない。北欧も、ノルウェーとスウェーデンは行ったことがあるが、フィンランドは一度も訪れたことがない。このハンガリーとフィンランドは、ぜひ旅してみたい国だ。
 ハンガリーはピアニストの金子三勇士に、フィンランドは舘野泉に、「えーっ、一度も行ったことがないなんて、絶対行かなきゃダメですよ」と、いわれたっけ。
 今日の写真は、その2冊の料理本。Tさん、ありがとう。料理の腕が上がるように、これを見て頑張りま〜す。


 
 
| 美味なるダイアリー | 23:44 | - | -
ヴォーチェス8
 イギリスは、合唱の盛んな国である。
 教会の聖歌隊をはじめ、大学の仲間が集まって合唱団を結成したり、ア・カペラのグループも多い。
 そんなイギリスの8人の若手歌手によって結成されたヴォーチェス8(VOCES8)は、いまもっとも話題を集めているア・カペラ・グループ。古典的な宗教作品からポップス、ジャズまで幅広いレパートリーをもち、国際的な活動を展開している。
 2003年にウェストミンスター寺院聖歌隊出身者たちで結成され、その後少しずつメンバーが変わったものの、当初の合唱を楽しむ気持ち、聴き手とその楽しさを分かち合う気持ちに変わりはない。
 今日は、来日中のヴォーチェス8のメンバーふたりにインタビューを行った。
 話を聞いたのは、ポール・スミス(バリトン)と、バーナビー・スミス(カウンター・テノール)の兄弟。2歳上の兄ポールがグルーブのリーダー的存在で、さまざまな交渉や実務をこなし、弟のバーナビーが芸術監督として音楽面での責任を担っている。
 結成時からのメンバーは4人で、あとのメンバーはシビアなオーディションによって選抜されたそうだ。
 このインタビューは、ヤマハのWEB「音楽ジャーナリスト&ライターの眼」に書くことにしている。
 ふたりともとても人なつこい性格で、どんな質問にもことばを尽くして丁寧に答えてくれる。それも常に笑顔を絶やさず、相手の目をまっすぐに見て話す。
 彼らの新譜は「夕べの祈り〜奇蹟のア・カペラ」(ユニバーサル)と題したアルバムで、さまざまな時代の曲が収録されている。
 メンバーは、ソプラノふたり、カウンターテノールふたり、テノールふたり、バリトンとバスがひとりずつという構成。
 来週の23日には、14時から東京オペラシティコンサートホールでクリスマス・コンサートが開かれる。ここでは、クリスマスに因んだ幅広い曲がプログラムに組まれている。
 彼らは、2005年にイタリアのゴリツィア国際合唱コンクールで優勝した実力派。いまやコンサート活動と教育活動の2本を柱に、大活躍。イギリスの最前線をいくア・カペラ・グルーブに成長した。
 CDを聴くと日常の煩雑なことから解き放たれ、一気に別世界へと運ばれる感じを抱くが、きっとナマを聴いたらもっと強烈な印象で、魂が浄化するような気分になりそうだ。いまからすっごく楽しみ…。
 今日の写真は、インタビュー後のふたり。左が兄のポール、右が弟のバーナビー。顔はあまり似ていないけど、声の質感は同じものがある。よく電話で兄弟をまちがえるという話があるけど、そんな感じ。
 コンサートの日は、ぜひメンバー全員の写真を撮りたいな。


 
  
| 情報・特急便 | 22:03 | - | -
アリーナ・イブラギモヴァ
 ロシア出身で、10歳でイギリスに移ったヴァイオリニストのアリーナ・イブラギモヴァは、2005年に初来日以来、何度も日本で演奏し、人気の高いアーティストである。
 これまで、J.S.バッハの「無伴奏ヴァイオリン・バルティータ全曲リサイタル」、ピアニストのセドリック・ティベルギアンとのベートーヴェンの「ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会」、イザイの「無伴奏ヴァイオリン全曲リサイタル」など、意欲的なプログラムを披露してきた。
 その彼女が、盟友のセドリック・ティベルギアンと組んで、モーツァルトの「ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会」を開くことになった。
 すでにロンドンのウィグモア・ホールでは第1回が行われたが、東京・王子ホールでは、2015年10月1日、2日、3日にプログラム1〜3を、2016年3月24日、25日にプログラム4、5を演奏する予定だ。
 今日はその話を聞きに、宿泊先のホテルに出向いた。
 もっとも大変だったのは、ソナタ全曲の配分だったそうで、いずれの回もほぼ同じ時間内で収めるようにしなければならず、しかも曲の内容や調性、全体の流れを考慮しなければならない。丸2日間ずっと考え、パズルのように作品をあてはめ、5回の選曲を決めたそうだ。
 アリーナは、キアロスクーロ・カルテットという弦楽四重奏団でも第1ヴァイオリンを務め、このカルテットもまた高い評価を得ている。マネージャーのMさんによると、このカルテットも2016年に来日が予定されているという。
 今日のインタビューは、「日経新聞」とヤマハのWEB「音楽ジャーナリスト&ライターの眼」に書くことにしている。
 モーツァルトのヴァイオリン・ソナタについはもちろんのこと、セドリックとの相性のよさ、メニューインの教え、両親のこと、使用楽器のこと、カルテットでのガット弦での演奏、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタについてなど、幅広い話を聞くことができた。
 趣味を聞いたら、お料理が好きで、インド料理が得意とのこと。スパイシーな味が好みなのだそうだ。
 アリーナの演奏は情熱的で推進力に満ちているが、柔軟性に富み、聴き手を温かく包み込むヒューマンな味わいも備えている。
 来年から始まるモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏、「自分にとって大切な新たな試み」と語っていたが、本当に楽しみである。
 今日の写真はインタビューを終えて、チャーミングな笑顔を見せるアリーナ。ほとんどノーメイクでラフな普段着なのにこの愛らしさ、男性ファンが多いのも、わかるよねえ(笑)。


 
 
| 情報・特急便 | 22:01 | - | -
イタリアの大道芸
 ヨーロッパでは、よく珍しい大道芸を目にする。
 以前、夏のイタリアの音楽祭に行ったとき、非常にユニークな路上パフォーマンスを見た。
 男性が女性を肩にかつぎ、その女性がお人形を上に掲げているものなのだが、どの方向から見ても、仕組みがよくわからない。
 みんな、いろんな角度から眺め、不思議な表情をしてしばらく見ているのだが、やがて首を振りながら立ち去る。
 私も最初はどうなっているのだろうと、前から横から眺めたが、結局よくどうなっているのか、わからずじまいだった。
 ところが、音楽祭の取材をして再びその通りを歩いていったら、彼らは全部崩して、その場で食事をしていた。
 う〜ん、崩された物を見ても、まだよくわからない。
 これが大道芸のおもしろさなのだろうな。
 今日の写真は、そのパフォーマンス。何がどうなっているのか、わかりますか?


| 麗しき旅の記憶 | 21:43 | - | -
小菅優
 ピアニストの小菅優が、2010年10月から東京・紀尾井ホールと大阪・いずみホールで開催してきたベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会シリーズ全8回が、ついに2015年3月19日(大阪)、3月21日(東京)に最終回を迎える。
 今日はその話を聞きに音楽事務所に出かけ、小菅優にじっくりとインタビューを行った。
 彼女にはもう数えきれないほどインタビューをし、ナントの「ラ・フォル・ジュルネ」の演奏なども聴いているが、いつも大きな感動を得る。
 このシリーズの始まりのころも抱負を聞いたが、あれからもう4年も経つとは、本当にときが経つのは早いものだと思う。
 小菅優は、最終回にピアノ・ソナタ第30番、第31番、第32番を予定している。今日はその後期の3曲について、思いっきり胸の内を明かしてくれるよう、インタビューを進めていった。
 もちろん前回の「ハンマークラヴィア・ソナタ」について、なぜこの作品が「エベレストのような高い頂」なのか。さらに大好きだという作品10の3(第7番)の第2楽章の奥深さなどに関しても、雄弁に語ってくれた。
 このインタビューは来月発売の「音楽の友」に掲載されることになっている。この号には以前インタビューしたピョートル・アンデルシェフスキのインタビュー記事も予定されている。
 小菅優は、会うたびに、演奏を聴くたびに、話を聞くたびに、大きな成長を遂げていくことがひしひしと伝わる。その飛翔はゆるやかではなく、一気に力強く上昇していく感じで、たのもしい限りだ。
 ベートーヴェンのピアノ・ソナタは、演奏家に雄弁な語りを促す作品のようだ。これまでもこの作品に関しては、さまざまなピアニストに話を聞いてきたが、みんな滝から水が一気に流れ落ちるように、話し出す。
 小菅優は、このシリーズを行うことで、ベートーヴェンの感情、思考、人間性、人生などにより近づき、作品の内奥に迫ることができたそうだ。
 これは同時に録音も行われていて、2015年3月11日には第4巻「超越」がリリースされ、その後、最終の第5巻の録音が行われる(ソニー)。
 なお、小菅優はこのシリーズにより、平成25年度(第64回)芸術選奨音楽部門・文部科学大臣新人賞を受賞している。
 今後は、ベートーヴェンの生誕250年(2020年)に向け、ベートーヴェンの室内楽、歌曲をなどピアノ曲全曲演奏に挑戦したいと意欲を示した。
 聴き手に深い思考を促す小菅優のベートーヴェン、来春の演奏が楽しみだ。
 今日の写真は、インタビュー時の彼女と、2015年3月21日の公演チラシ。




 
| 親しき友との語らい | 22:39 | - | -
「第九」の映画
 今年は、映画の監修をする年のようだ。
 夏に「アルゲリッチ 私こそ、音楽!」の監修の仕事をしたのだが、今度はサラエボで行われたベートーヴェンの「第九」のドキュメンタリー映画の監修をすることになった。
 まだ詳細は発表できないが、かなり内容の濃いものになりそうだ。
 今日は、その打ち合わせで、NHKに出かけた。NHKのラジオの仕事をしている知人のMさんが、映画のナレーションを担当することになっており、彼からこの仕事の紹介があったためである。
 映画のプロデューサーのGさんは初対面だったが、初めからさまざまな話に花が咲き、映画のこと、ロケ先でのこと、コンサートの様子、演奏者たちの裏話など、多くの話を聞くことができた。
 私の仕事は1月に入ってから始まるようで、その前に出来上がった映像を見せてもらえるようだ。
 今年は、ベートーヴェンに関する仕事が多い。何か、連鎖を感じる。
 NHKのMさんとも、先日ある記者会見で偶然会い、いろんな話をしているなかで、「家庭画報」の話が出た。彼は去年も「家庭画報」のウィーン・フィル特集を購入してくれた。
 今年も雑誌を読んでくれ、映画のプロデューサーのGさんにも薦めてくれたそうだ。そしてこの映画監修の仕事につながった。
「何か、偶然が重なっているよねえ」
 Mさんもそういっていたが、私も偶然が重なったことに正直いって驚いている。実は、サラエボのコンサートの指揮者(日本人)に、私がインタビューをしていることも偶然だった。
 なんとも不思議な縁である。
 また、近々、映画の内容が決まったら、詳細を発表します。
  
| 情報・特急便 | 22:23 | - | -
アルター・フリードホフ
 10月のボン出張の際、アルター・フリードホフ(旧墓地)を訪ねた。
 ボン中央駅の北方500メートルほどに位置するこの墓地は、深い森に囲まれた美しいところ。著名な芸術家や学者のお墓が多くみられ、現在ではガイドツアーもあるという。
 私がまず探したのはベートーヴェンの母親、マリア・マグダレーナのお墓。ベートーヴェンは16歳だった1787年7月17日、最愛の母を失った。そのお墓は、とても質素でひっそりとした風情でたたずんでいた。
 写真は、マリア・マグタレーナ・ベートーヴェンのお墓。



 この墓地でひときわ目立つのは、ロベルト&クララ・シューマンのお墓。彫刻も華やかで、世界中から訪れる人があとを絶たず、献花も多いようだ。
 写真は、シューマン夫妻のお墓。



 このすぐそばに、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」の原詩で知られる詩人、フリードリヒ・フォン・シラーの夫人、シャルロッテのお墓もあった。こちらはシラーの息子が建てたそうだ。
 写真は、シラー夫人のお墓。



 シューマンのお墓に詣でたとき、お墓の前の花壇といおうか、植え込みのところに名前を書いたプレートが置かれているのに気付いた。
 これは、このお墓をいつもきれいに掃除をし、手入れをしているという人の名前だという。いわゆる管理責任者ということなのだろう。
 ヨーロッパの墓地は、緑豊かでとても美しく、市民の憩いの場となっているようだが、アルター・フリードホフも静けさあふれる心休まる場所だった。
 
| 麗しき旅の記憶 | 21:56 | - | -
貴重なトリュフ
 私はトリュフに目がない。
 以前、ある男性と銀座の結構高級なレストランに行ったとき、私に渡されたメニューの方には値段が書いてなかった。
 そこで「トリュフのサラダ」という物を見つけ、前菜にそれを頼んだ。
 相手はとても素朴な前菜を頼んでいた。そのときに気が付けばよかったのだが、私はトリュフがたっぷり盛られたサラダを前にし、うれしさのあまり値段にまで頭がまわらなかったのである。
 それからかなり時間を経たころ、「実はね、あのサラダだけで全部の食事代くらいの値段だったんだよ」と聞かされ、ということは食事代を2倍払ったわけで、私は口がきけなかった。
 でも、相手はケラケラ笑っていたから、なかとか私もその場をとりつくろうことができた。
 かように、トリュフは高価な物なのである。
 先日、仕事で知り合ったTさんは、イタリアやフランスなどから食材を輸入している仕事をしているという。料理大好き人間の私は、彼と食材の話で盛り上がり、「いいお仕事ですねえ」などといってしまった。
 そしたら、なんと、トリュフが届いてしまった。Tさんが、イタリアの「黒トリュフ入りエクストラバージンオリーブオイル」と、フランスの「黒トリュフ入りマスタード」、イタリアの「黒トリュフ入りゲランド塩(ただし、ゲランド塩はフランス)」を送ってくれたのである。
 ウワーッ、どうしよう。こんなにすばらしいプレゼントが目の前に、ワナワナワナ…。
 これはながめているだけで幸せな気分になり、すぐには開けられない。しばらくはながめながら、いろんなレシピを想像し、じっくりと構想を練らなくっちゃ、なんたって黒トリュフさまなのだから(笑)。
 今週は、結構仕事がきつく、いろんなことがあったため、心身が疲弊してしまった。こういうときは、トリュフをながめて、心をニュートラルにしなくては。
 Tさん、本当にありがとう。感謝しています。私にとっては、まだ食べていないけど、癒しの食材です。ゆっくりいただきます。
 今日の写真は、その黒トリュフ・トリオ。素敵でしょう。へへへっ、どんなレシピに使おうかな。舌なめずりしそう…。


| 美味なるダイアリー | 22:56 | - | -
ルノー・カプソン
 今日は、夕方からフジテレビに出向き、来年2月20日から3月2日まで全国8箇所で行われる「東芝グランドコンサート2015」のソリストにひとり、ヴァイオリンのルノー・カプソンに電話インタビューを行った。
 これはプログラムと「モーストリー・クラシック」のためのインタビューで、演奏旅行でドイツに滞在しているルノーに、フランス語の通訳Fさんを介して行われた。
 ルノー・カプソンはカピュソンとも表記される。1976年フランス生まれの実力派で、私はその官能的で幻想的な美音にほれ込んでいる。
 これまでナントや東京で何度かインタビューをしているが、いつもゆったりとことばを選んで話し、いつも夢見るような表情をしている。
 ところが、今日は電話インタビューということで、お互いの顔が見えないため、彼は私のいつもながらの早口の質問と通訳のFさんのテンポのいい訳に押されたのか、いつもとは打って変わって雄弁でどんどんしゃべる。
 ときおり咳をしたり、鼻をブーッとかむ音などが聞こえてきたが、しゃべっているときは元気な声だ。
 今回の日本公演のサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番について、共演者のトゥガン・ソヒエフ指揮トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団について、使用している楽器について、これまで共演した指揮者について、これからの予定など、さまざまなことを話してくれた。
 ついさきごろリリースされた「フランク、グリーグ、ドヴォルザーク ヴァイオリンとピアノのための作品集」(ワーナー)のライナーを書いたため、その共演者であるピアノのカティア・ブニアティシヴィリについても話を聞いた。もう1枚、いま抱えているライナーノーツのマルタ・アルゲリッチ、ミッシャ・マイスキーとの共演による2002年、2003年のルガーノ音楽祭のライヴ(ワーナー、再発売)の話も聞くことができた。
 今日は、その場に居合わせた全員が納得するような密度濃い内容のインタビューとなり、ルノーの演奏に対する期待が高まった。
 この記事は、今月中に入稿し、担当者みんなが晴れやかな気持ちでお正月を迎えられるようにしなければならない。というわけで、私が急がなくっちゃね(笑)。
 インタビューが終わって、ルノーは「インタビューしてくれてありがとう」などといっていたが、きっと早口でガンガンいろんなことをしゃべらされて、さぞ疲れたに違いない。だって、いつもはホント、ゆったりペースだもんね。
 来日したら、こちらこそ、「インタビュー、ありがとう」といわなくては。
 サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番は、彼にとってとても大切な意味をもつコンチェルトだということがわかった。それを来春、日本公演でたっぷりと披露する。
 特有の美音に包まれた、熟成した演奏が待ち遠しい。
 
 
 
| 情報・特急便 | 22:24 | - | -
練木繁夫&海老彰子
 昨年インタビューしたピアニストの練木繁夫と海老彰子の記事が、ヤマハのWEB「ピアニスト・ラウンジ」にアップされた。
 おふたりとも、とてもいい雰囲気でインタビューさせていただくことができ、かなり長い記事を書くことができた。
 練木繁夫はアメリカ、海老彰子はフランスでの生活が長い。それぞれ多くの音楽家との交流を通して、音楽家として成長してきたという。
 その話を綴り、貴重な思い出話にも触れている。
 ぜひ、一度サイトに寄ってみてくださいな。
 
| 情報・特急便 | 17:16 | - | -
ミロシュのリサイタル
 モンテネグロ出身で、現在はロンドン在住のギタリスト、ミロシュの演奏は、いつ聴いても心が癒される。
 今日は浜離宮朝日ホールでリサイタルがあった。
 ソル、グラナドス、ファリャ、ロドリーゴというスペイン作品が次々に演奏され、そのなかにJ.S.バッハの無伴奏バルティータ第2番から「シャコンヌ」が挟み込まれていた。
 これはギターの巨匠、アンドレス・セゴビアが1935年にギター用に編曲したもので、いまではギタリストにとって大切なレパートリーとなっている。
 ミロシュの演奏は静謐で平穏で自然な響きが大きな特徴だが、テクニックは完璧で、自身が納得いくレヴェルまで練習を重ねる努力家。ステージでは、努力の痕跡は微塵も見せず、ひたむきに弦と対峙する。
 長くしなやかな指先から紡ぎ出される音楽は、滔々と流れる清流のようで、心身が浄化していくような思いにとらわれる。
 スペイン好きの私は、今日のプログラムを存分に堪能したが、後半にセルジオ・アサド編曲による「ベサメ・ムーチョ」と「マシュケ・ナダ」が演奏され、ホールの空気がガラリと変わった。
 そして最後に、ドメニコーニの「コユンババ」で幻想絵巻のような世界を繰り広げ、特有の静けさに包まれたリサイタルを締めくくった。
 楽屋に顔を出すと、「一緒に写真を撮ろう」といわれ、「ダメダメ、ブログはアーティストだけなの」といっても聞かず、ツーショットに。
 というわけで、今日の写真はミロシュのところだけ切り抜いたため、ちょっと顔が欠けてしまった。ご了承のほど(笑)。

| クラシックを愛す | 23:12 | - | -
松本の老舗の味
 今回、松本では古くから続いているお店を中心にまわった。
 昔からの伝統をいまに伝える老舗の味は、いつ訪れても変わることなく、ホッと安心すると同時に、いつまでもこのまま続けてほしいと願う。
「桜家」といううなぎやさんは、「うなぎ笹むし」が名物で、うなぎのかば焼きをもち米で包み、アツアツに蒸してある。これはひとつだけでもおなかがいっぱいになり、ほんわか幸せになるあったかい味わい。ここは大正9年の創業だそうだ。
 コーヒーは、女鳥羽川沿いにある「まるも」が有名。ここは松本民芸家具の創立者、池田三四郎氏が設計し、内部はその家具で統一されている。しっとりと落ち着いた雰囲気で、昭和31年から続いていて、「やど」も併設されている。
 昭和32年に菓子店「翁堂」から独立し、喫茶部として営業を開始したのが「おきな堂」というレストラン。樹齢200年という柱を用いた木造3階建ての建物はいまだ健在で、なんとも風情がある。メニューにはハヤシ、カレーなどが並び、「時代遅れの洋食屋」と書いてあり、そのユーモア精神に感服…。
 そのほか、おそば屋さんが多い松本にあって、長年のれんを守っているそば屋「こばやし」や、作り立ての物をグラムで図って売ってくれるわさび漬けの「八百源漬物店」、銘菓の「老松」が大人気の「開運堂」、栗おこわがたまらなくおいしい「竹風堂」など、いずれも職人芸に脱帽する思いを抱く。
 今日の写真は、上から桜家の笹むしうなぎ、その外観。まるもの内部とその外観。帰ってきたばかりだけど、またすぐにでも行きたくなっちゃった(笑)。










 
 
| 美味なるダイアリー | 21:57 | - | -
松本への旅
 週末、用事があって松本に旅をした。
 ここには学生時代の親友が結婚後に移り住んでいるため、彼女とそのご主人に会うことも楽しみのひとつである。
 土曜日はいろんな用事を済ませ、夕方から彼女たちがお薦めするレストランに出かけた。そして夜中までバーで語り尽くし、夜は温泉に入った。
 今日の日曜日は、町巡り。彼女たちが教えてくれた名店や老舗なども地図で探して訪ね、夕方まで食べまくり、お土産を買いまくり。
 でも、今日はサッカーの松本山雅FCがJ1昇格をしたという祝賀会が松本城の広場であり、大変な人出。
 昨日、お城に行っておいてよかった、と胸をなでおろした。今日はサポーターがものすごい数で、とても歩いてなどいられない状況。
 そこで、お城の近くから抜け出して重要文化財の旧開智学校を訪れたが、ここにも人が大勢見学にきていた。
 2日間だったが、非常に有意義な時間を過ごすことができた。
 仕事に追われている時期に、少しだけこういう日常から離れた時間をもつことができると、気持ちが切り替えられてリラックスできる。
 親しい友人とじっくり話すことができたのも、その大きな理由だ。
 今日の写真は、国宝の松本城と重要文化財の旧開智学校。
 前日まで雪が降っていたため、うっすら雪化粧して、とても美しい。でも、夜はマイナスまで気温が下がり、脳の奥までピリピリする寒さだった。




 
 
| 麗しき旅の記憶 | 23:35 | - | -
順番待ちの番号カード
 旅に出るとさまざまな珍しい物に出合い、日本との違いに驚かされたり、すばらしいデザインに感心したり、その便利さに触発されたり…。
 今回、ボンの駅で出合ったのが、電車の切符を購入する順番待ちの番号カードの機械。
 デザインが斬新で、切符売り場に入ってパッとわかり、しかもおしゃれだ。
 う〜ん、日本の駅や郵便局、銀行、役所などにある物とはかなり違うなあ。
 ボンは古い町だが、こういう新しいデザインをすぐに取り入れるところは、進取の気性に富んでいる。
 かなりゆったりとしたスペースにデンとこの機械が置かれていたため、非常に目立ち、しばし見とれてしまった。
 ドイツは、電車移動が便利だ。今回の出張は、ウィーンからボンまで電車を利用した。結構すいていて、大きなトランクなども自分のそばに置くことができ、安心できる。
 そして、ソーセージとザワークラウトをはさんだパン、ポテトフライ、コーヒーなどを売っていて、これがまたとてもおいしい。旅の移動中に食べるからだろうが、このソーセージを食べただけで、オーストリアからドイツに入ったという感を強くした。
 旅は五感を刺激する。
 これからも少しずつ、珍しい物を紹介していきます
 今日の写真は、番号カードの機械。これ、ホントに目立つよねえ。


 
 
| 麗しき旅の記憶 | 16:34 | - | -
締め切りが重なる
 いまはシーズン真っただ中で、来日アーティストも目白押しだ。
 明日は、王子ホールにマーク・パドモア(テノール)とポール・ルイス(ピアノ)のコンビによるシューベルトの歌曲集「美しき水車小屋の娘」を聴きに行く予定にしていたが、原稿がたまっていて行かれなくなってしまった。
 5日も、紀尾井ホールに萩原麻未&ヴォーチェ弦楽四重奏団の演奏を聴きに行くことにしていて、非常に楽しみだったのに、これも行かれそうもない。このドヴォルザークとフランクのピアノ五重奏曲に関しては、プログラム原稿も担当したため、何があっても行きたいと思っていたのだが、目の前の締め切りを考えると、絶体絶命だ。ああ、残念無念…。
 いま、いつものように週末までに仕上げなくてはならない原稿をメモに列記し、仕事机の前に貼り出してある。11本あったが、ようやくあと8本になった。いやあ、まだ8本残っているか…。
 今夜、まだこれから2本は仕上げたいな。
 どれから手をつけようか、思案のしどころである。長いものから書いていくか、短い原稿で書きやすいものから進めるか。
 こうして時間に追われているうちに、どんどん聴きたいコンサートを逃していくことを考えると、原稿を引き受けるときにもっと考えなくてはならない。
 なあんて、ウダウダ考えていても始まらないから、仕事に戻ろうっと。やる気、やる気、やる気を出さなくっちゃね(笑)。
  
| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 22:18 | - | -
田中彩子
 コロラトゥーラという声域は、鳥の鳴き声や天使の歌声などを連想させ、人間業とは思えないその高音に、聴き惚れてしまう。
 22歳でベルン州立歌劇場の「フィガロの結婚」でソリスト・デビューを飾り、以来ヨーロッパを中心にオペラとコンサートの両面で活躍している田中彩子は、そんなコロラトゥーラのなかでも特に高い声を得意とするハイコロラトゥーラだ。
 そんな彼女が、「華麗なるコロラトゥーラ」(エイベックス)と題したデビュー・アルバムをリリースした。
 ここにはモーツァルトの「魔笛」より「夜の女王」、ドリーブの「ラクメ」より「鐘の歌」、オッフェンバックの「ホフマン物語」より「生垣に小鳥たちが」をはじめとする超高音を要するアリアがずらりと勢ぞろい。
 ただし、彼女の歌声はすこぶる自然で聴きやすく、作品の内奥へとすんなりといざなわれていく。気負いも気取りもまったくなく、天性の高音が朗々と響きわたる感じだ。
 そのアルバムに関してインタビューを行った。
 実際に話してみると、ヨーロッパのオペラ界で生きていく大変さを背負い、日々さまざまなものと戦っている芯の強さを感じさせる人だった。
 これまでウィーンを中心に活動をしてきたが、オペラの世界で日本人が活動していくのは容易なことではない。彼女自身「私は王道を歩いてきたわけではなく、雑草のような存在ですから」と、こともなげにいう。
 そのたくましさ、根性の強さが、なんとも小気味よい。からだが大きく、声量もすごい人たちのなかにあって、自分の個性、役割、立場、居場所というものをきちんとわきまえている。
 いろんな話を聞くうちに、自然に応援したくなってきた。このインタビューは、「CDジャーナル」に書くことになっている。
 彼女はデビューCDを記念し、3月18日に紀尾井ホールでリサイタルを開く。
「日本の方たちの前でうたう方が緊張するんですよね」
 海外生活の長い田中彩子は、もう外国の聴衆の前でうたうことに慣れていて、そのシビアでストレートな反応にも対処できる。だが、まだ日本の聴衆の前でうたうのは、「怖い」そうだ。
 でも、きっと大丈夫。彼女だったら、歌声そのもので聴き手を即座に魅了してしまうに違いない。なにしろ、みんなが驚嘆するほどの超高音を楽々と自然に出し、役になりきってしまうのだから…。
 私がさらにびっくりしたのは、その食事。2013年の南米公演で絶賛されたのだが、そのときにお肉のおいしさにハマり、以前からお肉大好き人間だったのに拍車がかかり、いまや肉類がないとダメだそうだ。
「牛肉です。塩コショーだけでさっと焼いて、もりもり食べる。これを食べないと、声が出ませんね」
 おおっ、すばらしい。こういう日本人がいたか。彼女の快進撃は、肉食にあったのね(笑)。 
 実は、このインタビューの間、8歳上のお兄さんが付き添っていて、実は彼がマネージャーを引き受けているのだそうだ。彼はほかにも仕事をもっているのだが、ほかならぬ妹のこと、ひと肌脱いだようだ。
 今日の写真は、最初の1枚がインタビュー後の田中彩子。その後、オフレコでいろいろ話しているときに、お兄さんが「私の写真は?」とジョークでいったのを聞き、「それじゃ、一緒に写しちゃいましょう」といってパチリ。これまでマネージャーが私のブログに登場したことはないため、第1号となった。
 田中家は、上のお兄さんも留学し、みんな海外で教育を受けているため、裕福な家系だと思われがちだが、けっしてそうではなく、両親は「大学4年間だけ」という約束で送金。卒業したら、ピタリと送金は止まったそうだ。
「ですから、それから必死で自立するためにうたうところを探しました」
 いやあ、実にいい話を聞きました。これで田中彩子は、強く生きる力が身についたのだろうと納得。ますますたくましくなってね〜。





 
| 情報・特急便 | 22:58 | - | -
「家庭画報」新年号
 今日は「家庭画報」の2015年1月号の発売日である。
 雑誌が出来上がってみると、あの出張の日々やタイトなスケジュールの入稿、その後の校正などが嘘のようで、もうずいぶん前のことのような気がする。
 原稿というのは不思議なもので、それに集中しているときは、他のことは何も考えられない。
 特に、こういう大きな特集を抱えていると、その間、他のことはまったくできないから、ほとんどトランス状態になる。
 でも、校了になって手が離れると、スーッと頭のなかから消えていき、他の原稿へと目が向いていく。要は、ストンと切り替えられるのである。
 そして、いよいよその雑誌が出来上がって目の前に現れると、またあの大変だった日々が鮮やかに蘇ってくる。
 雑誌がひとりでも多くの人の目に触れることができればいいな、クラシックに興味をもつ人が少しでも多くいるといいな、と願うばかりだ。
 これまでいろんな特集を書いてきた。だが、今回のベートーヴェンは、特別な思いが胸の奥に宿る。ベートーヴェンは私が幼いころから、もっとも愛する作曲家だから。その足跡をたどり、改めて作品のすばらしさ、人生の過酷さ、意志の強さを感じさせられた。
 これからは、ベートーヴェンの記事を書くたびに、この取材で訪れたときのことを思い出すに違いない。そして、ベートーヴェンに対する愛がより深くなった自分に気づく。
 今日の写真は「家庭画報」新年号の表紙。ベートーヴェンのCD付きです。


 
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