Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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鈴木秀美&小倉貴久子
 今日は、チェロの鈴木秀美とフォルテピアノの小倉貴久子のデュオ・リサイタルを聴きに、銀座のヤマハホールに出かけた。
 プログラムは前半が、ベートーヴェンの「チェロとクラヴィーアのためのソナタ第1番」と同「ヘンデルのオラトリオ“マカベウスのユダ”のテーマによるチェロとクラヴィーアのための12の変奏曲」。後半はメンデルスゾーンの「チェロとクラヴィーアのためのソナタ第2番」とシューマンの「チェロとクラヴィーアのための民謡風の5つの小品」というこだわりの選曲。
 ベートーヴェンがデュオ・ソナタという新ジャンルを作り出したソナタ第1番からスタート。1795年の復元楽器アントン・ヴァルターのフォルテピアノが滋味豊かな音色を奏で、ガット弦のチェロが見事な融合をなす。
 今日はベートーヴェンはヴァルターが用いられ、後半は1845年製のヨハン・バプティスト・シュトライヒャーのフォルテピアノが奏された。
 私は以前チェンバロを弾いていたことから、こうした古雅で馥郁たる響きを備えた時代の楽器を聴くと、自然に心が平穏を取り戻し、作品が作られた時代へ運ばれていく感じにとらわれる。
 このコンサートレビューは、次回のヤマハのWEB「音楽ジャーナリスト&ライターの眼」に書くことになっている。
 アンコールの最後に演奏されたメンデルスゾーンの「アルバムブラット」ロ短調というごく小さな作品がおだやかさと優雅さと絵画的な色合いを放ち、余韻を残しながら至福の時間を締めくくった。
 
 
| クラシックを愛す | 23:03 | - | -
チョン・キョンファ
 昨夜遅く、ソウル出張から戻った。
 チョン・キョンファはこれまで演奏は聴いたことがあるが、取材などを行う機会はなく、今回は初めてのインタビューとなった。
 演奏から抱いたイメージとはまったく異なり、初めて会ったのにとても親密的な感じで接してくれた。話も子ども時代のことから母親のこと、兄弟姉妹のこと、恩師たちのこととその教え、指の故障で演奏できなかったときのこと、教えることについて、いまチャリティに意義を見出していること、ソウルとニューヨークでの生活、若いヴァイオリニストについてなど、実に多岐にわたる話を聞くことができた。
 彼女はひとつの質問に対し、思いっきり自身の考えを熱く語る。その口調は、全体的には物静かで思慮深く、ことばを選びながらじっくりと話しているのだが、ある人がこんなことをいったというようなときは、急にテンションが上がって声高になったり、一気に口調が変わったりする。
 まるでヴァイオリンの演奏のようにその声は変幻自在で、役者のよう。笑顔になったり、真剣な表情になったり、またあるときは怒ったり、心を吐露したり、長時間におよぶインタビューの間、すべてをさらけ出すような話ぶりだった。
 このインタビューは、ソウルのGANA ART CENTERという現代アートを展示している美術館の一室で行われたのだが、インタビュー後にみんなでチョン・キョンファを囲んでランチをいただいた。
 そのときも、いまの韓国の文化的な状況、教えている学生たちの様子などを雄弁に語り、日本の若い音楽家の状況にも興味津々の様子だった。
 彼女はいま、「演奏することがもっとも大切で、他のことは二の次」と明言していた。指の故障が癒え、ステージに立つことがたまらなく楽しいのだという。スケジュールはびっしりで、超多忙とのこと。
 このインタビューは、今回の日本ツアーの公演ホールの冊子、プログラム、新聞、雑誌、WEBなどに書き分けることになっている。
 日本公演は4月15日から26日の間に全国6カ所で行われ、東京文化会館、愛知県芸術劇場、ザ・シンフォニーホール、アクロス福岡、相模原市民会館、サントリーホールで開催される。
 プログラムは2種類が用意され、Aプロはベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番「春」、同第7番、ウェーベルンの4つの小品、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」。Bプロはフォーレのヴァイオリン・ソナタ第1番、グリーグのヴァイオリン・ソナタ第3番、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ「クロイツェル」が予定されている。
 これらの曲目に関してもいろんなことを聞き、そのつど思い出話も盛り込まれた。なお、共演するピアニストは、前回2013年、15年ぶりに来日したときと同様ケヴィン・ケナーである。
 私はケナーがショパン国際ピアノ・コンクールを受けたときから聴いているため、彼の話でも盛り上がった。
 これからいろんな媒体に記事を書いていくことになるが、本当に実り多きインタビューだった。韓国料理もおいしかったし、食材もたくさん買ってしまった(笑)。順次、紹介していきます。
 今日の写真は、インタビュー中のチョン・キョンファ。この部屋にはリンゴの絵があって、それがお気に入りのようだった。彼女が座っているのも、実はアートのひとつ。「すわっちゃって、いいのかしら」といいながら、ちゃっかり腰かけてポーズ。お茶目なひとこまも。





 
 
| 情報・特急便 | 23:09 | - | -
ヴァシリー・ペトレンコ
 出張前は、留守中の原稿を先に入稿していかなくてはならないため、いつもドタバタ状態になる。
 特に、今回は月末ゆえ、いつもよりなお一層あわただしい。
 でも、今日はインタビューとコンサートがあり、その時間を空けるために朝から飛ばしに飛ばして、夕方サントリーホールに駆け付けた。
 今日はヴァシリー・ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートで、ソリストとして辻井伸行が参加する。
 プログラムはストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番、ストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」で、そのリハーサルと本番の合間にペトレンコがインタビューに応じてくれた。
 彼は1976年サンクトペテルブルク生まれ。いまや若手世代の注目株のひとりで、その指揮はしなやかで躍動感に富む。ロシア作品を得意とし、欧米の主要オーケストラや歌劇場にも招かれているが、現在はこのロイヤル・リヴァプール・フィルとオスロ・フィルの首席指揮者を務め、さらに他のポストもいくつか務めている多忙な身。
 来日記念盤としてラフマニノフの交響曲全曲録音がリリースされたため(ワーナー)、その話題にも触れた。ペトレンコはロシア作品をもっと世に紹介したいといい、特にあまり知られていない作品に光を当てたいと熱く語った。ラフマニノフも、ピアノ作品の方が有名だが、ペトレンコは交響曲のすばらしさを広めたいのだそうだ。
 彼は辻井伸行の才能を高く評価し、もっともっとロシアのピアノ協奏曲を演奏してほしいといっていた。
 190センチはあろうかという長身だが、笑顔が親しみやすく、性格がとてもいい。オーケストラのメンバーに好かれそうな、温かで真摯でまっすぐな性格が話の端々にのぞく。
 このインタビューは、「日経新聞」とヤマハのWEB「音楽ジャーナリスト&ライターの眼」に書く予定である。
 子どものころの話、師事した偉大な指揮者のこと、指揮者としての仕事に関して、各地のオーケストラのこと、今後の方向性まで多岐にわたることを話してくれ、短時間ながら有意義なインタビューとなった。
 私がラフマニノフの交響曲第1番の新譜の解説書をテレコの横に置いて話を聞いていたら、最後に自分からサインをしてくれた。
 これまで多くの指揮者に話を聞いてきたが、頼んでいるわけではないのに、ペンをもってサインをしてくれた人は初めてである。本当にいい人なのね(笑)。
 その後、コンサートを聴き、生き生きとしたみずみずしいストラヴィンスキーに、オーケストラとの絆を深さを感じた。彼はこのオーケストラとの「結婚」はうまくいっているといっていたが、まさにそれが音楽に生命を与えていた。
 さらに、プロコフィエフを演奏した辻井伸行の一途なピアニズムは、いつもながら私を元気にしてくれた。今日は疲れていたが、このコンサートのおかげで、明日からの仕事に対するエネルギーが湧いたような気がする。
 今日の写真は、インタビュー中のマエストロ・ペトレンコ。ロイヤル・リヴァプール・フィルのポストに就いたとき、「英国のオーケストラのトップを目指そう。そうあるべきだ」と、みんなにゲキを飛ばしたそうだ。上昇志向の強さは、気持ちいいほど。指揮者として、ぐんぐん高みを目指して進んでいくに違いない。

| アーティスト・クローズアップ | 22:39 | - | -
寺下真理子
 ヴァイオリニストの寺下真理子は、自分のあるべき姿、やるべきこと、方向性などを確固たる思いで見つめ、邁進している人である。
 先日、インタビューで会った彼女は、いまのクラシック界でひとりの若手ヴァイオリニストがいかにしたらみんなに理解してもらえるか、演奏を聴いてもらえるかを真剣に模索していて、そうした気持ちを率直に話してくれた。
 2月4日には新譜「AVE MARIA」(キングレコード)がリリースされるため、その話を聞くつもりだったが、彼女の生き方に非常に興味をもったため、自然にそちらの方向に話題が広がり、本音を聞くことができた。
 このアルバムは、クラシックからミュージカル、映画音楽、自作まで含めたジャンルを超えた作品を演奏したもの。流麗で温かな音色が特徴である。インタビューは、次号の「intoxicate」に書くことになっている。
 パッと会うと、いまどきのおしゃれで美形でキュートな若手アーティストだと思うのだが、話しているとまったくイメージが変わる。自身が「ちょっと変わっている」というように、人と群れることが苦手で、自分自身をしっかりもっている人と話すのが好きだそうだ。これからどういう生き方をしていきたいか、という話に花が咲き、こんなに若いのにそうしたことをじっくり考えていることに驚かされた。
 私も本来、人と群れるのは好きではないため、よく心情が理解できた。でも、日本では、とかく人と群れる方が生き方として楽なのだと思う。私もこれまでそういう面では自分の性格とつきあうのに苦労したため、彼女の性格や悩みがひとごととは思えなかった。
 でも、インタビュー記事では、音楽にフォーカスしたことを書くつもりである。そこに人間性を示す意味で、ちょっとキャラクターを加えたいと思う。音楽は、その人の生き方がそのまま演奏に反映されるからである。
 今日の写真は、インタビュー後の1枚。やっぱり写真では、かわいらしさがクローズアップされるわねえ。超個性派なんだけど(笑)。


 
| 情報・特急便 | 22:36 | - | -
松庵文庫
 西荻窪には、古民家を改造してカフェやレストランにしているところがいくつかある。
 2013年7月にオープンした松庵文庫もそのひとつ。音楽家が住んでいた築80年の木造家屋を残したいと、近隣の住人が買い取り、カフェとしてオープンした。
 1階は大きな庭に面したカフェスペース、こだわりの籠や蜂蜜や小物を扱うショップ、ガーデンルームがあり、2階はシェアルームとなっている。それぞれイヴェントなどで使用することが可能だ。





 駅から徒歩7分ほどの閑静な住宅街にあり、庭の大きなモチの木が目印。カフェには年季の入ったテーブルや椅子が置かれ、読書しながらゆったりとした時間を過ごすのに最適だ。



 駅から離れた場所なのに、いつもたくさんの人が訪れ、貸し切りの日もある。みんな、こういう時代の流れを感じさせる古民家の風情が好きなのだろう。
 お茶やお菓子も、とてもていねいに作られていておいしい。次はぜひ、ランチを食べにいこうと思っている。
 土曜日には農薬にたよらない野菜を売る場所が玄関先に作られ、元気な野菜が並べられる。
 モダンでスタイリッシュなカフェもいいが、気分がちょっとよくなく、どうも元気が出ないというときには、このカフェでボーっとする時間が必要だ。庭の木を見ているだけで、香り高いカモミールティを飲むだけで、ニュートラルな気分になれる。
 今日の写真は上から松庵文庫の外観と内部のショップ、モチの木、そして抹茶と黒豆と栗のアイスクリームケーキ&アップルクランブル。

| 西荻はおいしい | 22:15 | - | -
阪田知樹
 若き才能に触れる取材は、本当に楽しい。
 今日は、ハノーファーに留学している21歳のピアニスト、阪田知樹にインタビューするため、銀座のヤマハを訪れた。
 初めて会ったにもかかわらずとても話やすくて、昨秋から始まったドイツでの生活、演奏会のための日本との往復、各地でのコンサートの様子、いま師事している先生たちとのこと、ヴァン・クライバーン・コンクールのこと、古い録音のことなど内容は多岐にわたり、話が弾んだ。
 このインタビューは3月公開のヤマハのWEB「ピアニスト・ラウンジ」に書くことになっている。彼は現在、このサイトにエッセイを綴っており、それがとても自然体で楽しい文章。ぜひ、クリックしてみてくださいな。
 とりわけ私が驚いたのは、昔の録音をたくさん聴いていること。多分にマニアックな話になったが、それがまた話が弾む要因で、ヤマハのサイト関係者の人たちもふたりの話に大笑いしていた。
「阪田さんと伊熊さんの話のテンポ、すごいですよねえ。昔からの知り合いみたい。終わってほしくないくらい楽しい!」
 こういわれるほど、リズムがよかったようだ。
 彼は長身でスリム。舞台映えするタイプですゾ。
 ぜひ、今後とも長く応援していきたいピアニストである。次はぜひ、ナマの演奏をじっくり聴いてみたい。
 いろんな話を聞いたので、それを読みやすいようにまとめるつもりだ。
 今日の写真はピアノの前での2枚。「笑顔はあまり得意じゃなくて…」なんて、カメラマンにいっていたけど、そりゃ冗談でしょう。私との話のときは、ず〜っと笑いっぱなしだったじゃない(笑)。
 インタビューではスクリャービンの話に花が咲いたので、ぜひともそれを聴きたいな。




 
 
| 情報・特急便 | 22:24 | - | -
アレクサンダー・ロマノフスキー
 今日は、ウクライナ出身のアレクサンダー・ロマノフスキーのリサイタルを聴きに紀尾井ホールに出かけた。
 ロマノフスキーは1984年生まれ。17歳のときにイタリアのブゾーニ・コンクールで優勝し、その名が広く知られるようになった。
 現在は欧米各地で活発な演奏活動を展開し、2013年にはモスクワの「若い音楽家のためのクライネフ国際ピアノ・コンクール」の芸術監督に就任した。
 今日のプログラムは、前半がベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番「月光」と、第30番。後半がオール・ショパンで、バラード第2番、第4番とピアノ・ソナタ第2番「葬送」。
 ロマノフスキーの演奏は、いずれも端正な音色で確固たる構成を備え、真摯でまっすぐな音楽である。
 ピアノはその人のありのままを映し出すが、おそらく真面目で一途な人柄なのだろう。それがそのまま演奏に現れていた。この公演評は、次号の「モーストリー・クラシック」に書く予定だ。
 今年はショパン国際ピアノ・コンクールの開催年であり、多くのピアニストがショパンをプログラムに入れている。それゆえ、ありとあらゆるショパンを聴くことができる。
 ロマノフスキーのショパンは、音のダイナミズムが広く、繊細かつエネルギッシュ。ルバートもやりすぎず、足りなすぎず、節度ある演奏に徹していた。
 彼はラフマニノフを得意としている。新譜もラフマニノフのピアノ・ソナタ第1番と第2番を演奏したものであり(ユニバーサル)、ジャナンドレア・ノセダ指揮によるNHK交響楽団との共演では、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」を演奏した。
 今日の写真はリサイタルのチラシ。この人、横顔が彫刻を思わせる。こういう容貌の持ち主は、けっして羽目を外すことはないんだろうな。舞台に登場したときから貴公子のようで、演奏も実直。
 今日の演奏では、アンコールに演奏されたスクリャービンの「12のエチュード」より第8番がもっとも印象に残った。若くみずみずしい感性が横溢するスクリャービンのピアニスティックで複雑なリズムを多用した作品が、ロマノフスキーの奏法にピタリとマッチしていたからだ。この作品では、ひとつの殻を破り、素顔がのぞいていた。
 こういう演奏が聴きたかったんだよねえ、もっとスクリャービン、弾いてほしかったな。最後に、人間ロマノフスキーが顔を出し、ほっと安堵した思い(笑)。


 
 
| クラシックを愛す | 22:49 | - | -
ワインが当たる
 今日も新年会があった。サントリーホールの新年会で、ブルーローズ(小ホール)に出かけた。
 さまざまなホール関係の人たち、音楽事務所の人、いろんな企業の人が多く、マスコミ関係の人たちも大勢集まった。
 また今日も、ふだん会えない人にたくさん会うことができ、いろいろなニュース交換をすることができた。
 会の途中には若手歌手の演奏もあり、その後、「サントリーホール総力を挙げて」という抽選会に入った。
 私はくじ運が弱いため、関係ないなと思って知り合いと談笑していたら、突然名前を呼ばれ、びっくり。なんと、ワインが当たったのである。
「えーっ、嘘みたい」
 驚いていると、まわりが「ほらほら、早くステージに上がって」というので、景品を受け取りに。
 いやあ、新年からびっくりでございます。いつもこういうときは何も当たらないのに…。
 今日の写真はいただいたワイン。立派な箱に入った2013年のブルゴーニュの赤と白で、かなり重かった(笑)。
 これを飲んで、疲れを吹き飛ばし、英気を養いますか。

| 日々つづれ織り | 23:14 | - | -
音楽事務所の新年会
 今日は音楽事務所、ジャパン・アーツの新年会がANAインターコンチネンタルホテルで行われ、出席した。
 毎年、この新年会ではさまざまなアーティストに会って話すことができ、また、ふだん同じクラシック界で仕事をしている仲間とも会うことができる。
 今日は所属アーティストが多く参加していたため、いろんな人に会って近況を聞いたり、今年の予定を伺うことがてきた。
 デビュー当初からずっと応援し続けているアーティストも多く、そういう人が活躍している姿を見るのは本当にうれしい。
 途中、指揮者のジャナンドレア・ノセダとピアニストのアレクサンダー・ロマノフスキーが、今夜行われるNHK交響楽団とのリハーサルを終えて、急きょ飛び入り。新年のメッセージを語るひとこまも。
 こういう会に参加すると、ふだんはゆっくり話せない人ともおしゃべりをすることができ、新たなニュースを聞くことができる。
 今日の写真は、ずらりと並んだアーティストたち。ひとりひとりの今年の活動内容が発表された。もう1枚は、ノセダ(右)とロマノフスキー。ふたりとも、リハーサル後のラフな服装だったが、「カッコいい!」という声が多く聞かれた。





| 親しき友との語らい | 22:48 | - | -
アレクサンダー・ガヴリリュク
 ロシアからは次々にすばらしい才能が世に送り出されるが、1984年生まれのアレクサンダー・ガヴリリュクも、そのひとり。
 今日は東京オペラシティコンサートホールにガヴリリュクのリサイタルを聴きにいった。
 彼は1999年第3回ホロヴィッツ記念国際ピアノコンクール、2000年浜松国際ピアノコンクール、2005年ルービンシュタイン国際ピアノコンクールで第1位を獲得している。
 今日のプログラムはまず、モーツァルトの「ロンド ニ長調」から始まり、ブラームスの「パガニーニの主題による変奏曲」へとつなげた。クリアで芯のある音色がホールを満たし、ブラームスでは長大な作品を持ち前のテクニックと、絵巻物を繰り広げるような鮮やかな表現力で存在感を放った。
 後半がとてもユニークな選曲。リストの「メフィスト・ワルツ」第1番、「コンソレーション」第3番、ワーグナー/リストの「イゾルデの愛の死」、リスト/ホロヴィッツ「ラコッツィ行進曲」、サン=サーン/リスト/ホロヴィッツ「死の舞踏」、そして最後にリストの「タランテラ」が演奏された。
 いずれも超絶技巧がちりばめられた難曲ばかりだが、目の覚めるような技巧を発揮し、しかもけっして鍵盤をたたかず、深々とした打鍵を存分に披露した。
 ガヴリリュクのピアノは、明朗で温かく、躍動感にあふれている。リストをバリバリ弾くと、そのテクニックだけに目が奪われがちだが、彼の演奏はストーリー性があり、創造性に富む。
 目いっぱい楽しませてくれたのに、アンコールが止まらなくなり、5曲も登場。なかでも、ショパンの「ノクターン」第8番が美しく静謐な響きで、強い印象をもたらした。
 この公演評は、次号の「モーストリー・モーツァルト」に書く予定になっている。
 いまどき、ピアニストがリサイタルをするとき、燕尾服を着る人は少ないが、ガヴリリュクはきちんと燕尾服を着て、上半身がまったく揺らがない美しい姿勢でピアノに向かう。演奏もそうだが、まさに王道をいく。
 聴くたびに大きな飛躍を遂げ、成長した演奏を聴かせてくれるガヴリリュク。浜松コンクールのときに、審査員から「20世紀後半最高の16歳」といわれた彼は、いま30歳を過ぎ、安定感が増した。また次回の来日が楽しみである。
 今日の写真は、演奏会のチラシ。前回の来日時より、だいぶ貫禄がついた。


 
| クラシックを愛す | 23:44 | - | -
親友の死
 私を親友のひとり、と呼んでくれるKさんが、最近長年の親友を病気で亡くした。今日は、そのKさんと西荻でランチをしながら、彼女の話を聞いた。
 その友人とは中学時代からの友人で、急逝したため、まだ死を受け入れられないといっていた。
 実は、私も20年以上前に大学時代の一番の親友を失っている。彼女とはまったく性格も好みも違っていたが、なぜか入学したときからウマが合い、一緒にいろんなことをした。
 しかし、卒業後に病気になり、教職に就いていたが辞めざるをえなくなって、長年病気と闘っていた。
 そして、まだまだやりたいことがたくさんあったのに、天に召されてしまった。
 最後の最後まで病院にお見舞いにいったが、正直にいうと、弱っていく姿を見るのはつらかった。
「よし子さん、私の分まで生きてね。そしていい仕事をしてね。私、ずっと応援しているから」
 こういってくれたことばが、いまでも忘れられない。
 親しい友人を失うのは、本当につらいことである。Kさんも、その友人とは70年以上のつきあいだそうだ。さぞ、たくさんの思い出があるに違いない。
 今日は、Kさんと西荻の古民家を改造して和食を提供しているお店でゆっくりランチをした。写真は、窓の外に干し柿があったので、なんだか心が和んでパチリ。
 Kさん、元気を出してね。そのお友だちも、きっとすばらしい友人を得たことを感謝していると思いますよ。そういう大切な友人は、心のなかにずっと生き続けているから大丈夫。
 実は、私の友人は埼玉県の広い畑に囲まれた家に住んでいた。お母さんがとても料理上手で、いつも春になると、ヨモギを摘んで草もちを作っていた。その草もちのおいしいことといったら…。あんこが入っているものではなく、きなこをまぶして食べるスタイルだった。
 毎年、おすそわけをいただき、楽しみにしていた。私の姉がこの草もちにハマり、「ねえ、今年もYちゃんのお母さんの草もちもらえる?」と聞いたものだ。
 いまではなつかしい思い出である。


 
 
 
| 親しき友との語らい | 22:41 | - | -
洋服10着
 先日、新聞にこんな記事が載っていた。
「パリジェンヌは着回し上手で、クローゼットには洋服10着ほどがかけられ、それらで十分におしゃれが完結する」
 そして、多くの人は何年間も着ない洋服を捨てずにためこみ、クローゼットは常に満杯。しかも、その日に着ていく洋服がなくて悩む。だが、賢いパリジェンヌはシンプルで美しいデザインの洋服を少しだけもち、ストレスのない生活をしている、と書いてあった。
 本当にこの記事は正しいと思う。パリジェンヌでなくても、自分に合う洋服を少しだけもち、アクセサリーや小物でうまく味付けをし、着回し上手になれば、洋服の数は減らせる。
 私は仕事にいくときは、黒、グレー、ベージュなどの洋服が基本で、パンツスーツかロングのワンピースかアンサンブルセーターが多い。
 以前、編集に携わっているころは、毎月数枚の洋服を買わないといられないほどで、バッグも靴もアクセサリーもやたらに買っていた。
 買い物でストレス発散をしている自分に気づきながら、やめられなかった。
 しかし、いまはごく限られた枚数しか買わない。行きつけのお店が見つかったからである。このお店の商品は、デザイン、色、サイズ、材質など、すべてが気に入っていて、シーズンごとに少し買うだけで満足できる。
 今日は、そのお店からSALEの案内が届いたため、出かけた。そしてカーディガンかセーターを1枚買うつもりが、ダウンのコートを買ってしまった。なんと、ピッタリのサイズと色の物が50パーセントOFFだったからである。
「これからまだまだ着られますよ。これ、半額なので、本当にお得ですよ。ほら、ピッタリじゃないですか」
 お店の人にいわれ、なるほどお得だと思い、買うことに。まあ、本来の値段だったら、買わないわねえ。
 というわけで、コートが増えてしまった。でも、ソウルも寒そうだし、出張にも着ていけるからいいや、と自分にいいきかせている(笑)。
 やっぱり、パリジェンヌのようにはいかないわねえ…。 
| 日々つづれ織り | 22:31 | - | -
ソウル出張
 先日以来、スケジュールが早まり、1月末になったことで頭を悩ませているソウル出張の日程が決まった。
 1月28日のお昼に羽田を発ち、翌29日の夜遅く戻ってくるという日程。4月に来日公演が予定されている、ヴァイオリニストのチョン・キョンファの先行インタビューである。
 すでに多くの媒体が決まっており、私の連載記事でも紹介するため、複数の雑誌、新聞の書き分けとなる。
 チョン・キョンファはしばらく指の故障で演奏会から遠ざかっていたが、2011年12月に復帰。2013年6月には15年ぶりの日本公演を行った。
 今回は、1990年のショパン国際ピアノ・コンクール最高位のピアニスト、ケヴィン・ケナーとともに来日する。
 ただし、月末の出張というのは、かなりきびしいものがある。各誌の締め切りが重なっているからである。
 当初は、2月10日以降といわれていたため、まだ先のことだと思っていたが、急きょアーティストの都合で取材日が変更になった。
 まあ、こういうことには慣れっこだが、出張前にある程度の締め切りをこなしていかなくてはならない。帰国してからドタバタになるのは避けたいからだ。
 この時期は来日アーティストも多く、コンサートが目白押し。さて、やるべきことを書き出して、いつものようにひとつずつ消していく方法をとりますか。
 それにしても、いまのソウルは寒いだろうなあ。ヨーロッパと同じくらいだと考えればいいのかな。
 チョン・キョンファ、どんなことを聞こうか。それもじっくり考えなければ…。それが頭にあったわけではないが、今日は風が強くて寒かったため、キムチ鍋にしてしまった。う〜ん、これは芯から温まります、次は本場で食べたいな、レシピの研究もしたいし(笑)。
 
| 日々つづれ織り | 22:21 | - | -
樫本大進&エリック・ル・サージュ
 樫本大進とエリック・ル・サージュのオール・フランス・プロのリサイタルは、昨年ル・サージュにインタビューしたときから、非常に楽しみにしていた。
 昨日はサントリーホールでふたりのリサイタルが行われたが、松田華音のリサイタルと重なったため、大進&エリックの演奏は今日の東京芸術劇場に聴きにいくことにした。
 こちらの演奏会は、プログラムの原稿も書いている。エリック・ル・サージュがリサイタルをフルコースにたとえて話してくれたため、それを綴った。
 プログラムはフォーレのヴァイオリン・ソナタ第1番からスタート。ふたりは日本では初共演となるが、海外では何度も共演しているため、息はピッタリ。古典的な様式で書かれた軽妙さと優美さに彩られたソナタを、かろやか且つ粋なデュオで聴かせた。
 次いでプーランクのヴァイオリン・ソナタが登場。この夜の白眉で、ヴァイオリンもピアノも自由闊達で雄弁な音の対話を聴かせ、とりわけ第2楽章のガルシア・ロルカの詩の1節「ギターが夢を涙に誘う」が掲げられた間奏曲が印象深かった。
 後半は、フォーレの美質が存分に生かされた「ロマンス」からスタート。最後はフランクのヴァイオリン・ソナタで締めくくられた。
 大進の音楽は聴くごとに高い階段を駆け上がっていくような勢いを見せ、いまや自信あふれる演奏となっているが、デビュー当初から変わらないのは明朗で光輝で生き生きとした音色。その特質がもっとも現れていたのがフランクのソナタの終楽章だった。
 これは明るいロンド・フィナーレ。ヴァイオリンとピアノが丁々発止の対話を繰り広げ、クライマックスを築いていく。大進の迷いのない前進するエネルギーに満ちた奏法によく合う作品である。
 彼は常に作品に合うピアニストと共演している。ベートーヴェンではコンスタンチン・リフシッツと。そして今日のフランス・プロではル・サージュと。
 エリック・ル・サージュのピアノは、柔軟性に富み、ヴァイオリンを引きたてながらも、自身の優雅な音色をしっかり聴かせる術に長けている。いわゆる“大人”の音楽を奏でる人である。
 今日の写真は、終演後のふたり。いい演奏をしたあとは、いい表情をしているよねえ。
 大進は「こんな恰好でいいの?」といい、エリックは日本語で、「さあ、写真で〜す」といっていた。


 
| クラシックを愛す | 23:32 | - | -
松田華音
 新たな才能に触れると、本当にエネルギーが湧く。
 今日は、紀尾井ホールに松田華音のリサイタルを聴きに行った。このリサイタルに関しては、プログラムや新聞の記事などさまざまな原稿を書いたため、演奏がとても待ち遠しかった。
 曲目はデビューCDとほぼ連動していたが、プロコフィエフのピアノ・ソナタ第2番が新たに組み込まれていて、これがロシアで勉強している彼女ならではの特質を表現していた。
 松田華音のピアノはタッチが非常に力強く、楽器を大きく鳴らす。現在はモスクワ音楽院で勉強しているからか、以前聴いたときよりもなおいっそう演奏の推進力が増した。
 ただし、まだまだ勉強するところは多いと思う。弱音の美しさや表現力の深さが加われば、より説得力が増すに違いない。
 こういう若い才能は、いかようにも変化しうる未知数の部分が魅力で、毎回聴くごとに大きな変貌を見せる。彼女の場合も、次なる演奏が楽しみである。
 今日の写真は、終演後のワンショット。頬が紅潮し、まだ演奏の余韻がただよっている。もっともっと大きくはばたいてね!!



| クラシックを愛す | 23:22 | - | -
取材の重なり
 取材やインタビューなど、重なるときは本当に重なってしまい、1日だけでもずれてくれればいいのに、と思うことがある。
 いま問題なのは、1月末の海外出張と国内でのインタビューが重なりそうなことだ。
 こういうスケジュールの調整はアーティスト次第ゆえ、マネージャーやレコード会社の担当者がさまざまな形で動く。
 私はただ待っているだけなのだが、それでもあちこち連絡をしなければならない。
 本来、月末というのは、各雑誌や新聞の入稿が重なるため、出かけたくないのだが、こればかりは致し方ない。
 どうしてこう重なるのだろうか。
 今日は、もうひとつ、重なる出来事があった。
 昨年インタビューをした東儀秀樹の八ヶ岳高原音楽堂でのコンサート(2月21日)に招待されたのだが、この日は九州の日田で講演をすることになっている。 
 雪のなかで聴く笙や篳篥の音楽はさぞ印象深いものだろうが、今回はかなわぬことになってしまった。
 これも1日か2日、ずれてくれればいいのに…。
 そんなこんなでいろんな人と連絡をとったり、原稿を書いたりしているうちに時間がなくなり、浜離宮朝日ホールで行われるドイツのチェリスト、ダニエル・ミュラー=ショットの無伴奏チェロ・リサイタルに行かれなくなってしまった。ぜひ聴きたかったのに、残念だ。
 まだ年が明けてまもないのに、相変わらずのバタバタ状態。嫌になりますねえ(笑)。
 
 
 
 
 
| クラシックを愛す | 21:02 | - | -
デュオ・ガッザーナ
 昨年10月にインタビューしたイタリアの姉妹、デュオ・ガッザーナから新年のあいさつのメールが届いた。
 フィレンツェでずっと暮らしている妹のヴァイオリニスト、ナターシャが書いているようで、ベルリンに住んでいる姉のピアニスト、ラファエラが実家に戻ってきて、年末年始の休暇を家族で過ごしているとのこと。
 私も早速返事を書き、その際にインタビューとコンベンションで撮った写真を2枚送った。
 すると、またまたお礼のメールが届いた。
 こういうのって、またこちらも返事を書くべきなのだろうか。メールというのは、ずっと送っているときりがなくなってしまう。
 彼女たちは今年も来日があるそうなので、そのときにまた会えるのを楽しみにしていると書いてあった。もちろん、私も再会するのが楽しみだ。
 いまはメールのおかげで、世界がぐっと狭くなった感じがする。
 でも、英語のメールってすごく時間がかかるし、気を遣うのよねえ。ヨーロッパの人は何か国語も話せて、本当にうらやましい。
 以前、ピアニストのケマル・ゲキチからメールがきたときは、ものすごく長文だったため、返事も四苦八苦してしまった。でも、これも仕事のうちか、大変だけどやるっきゃない、と思って懸命に書いた。
 ひとつ困るのは、前に取材にいったオランダのアーネム・フィルからひんぱんに情報が送られてくること。これはオランダ語のみ。まったく理解できないし、写真しかわからない。ここの広報担当者は、世界中の人がオランダ語がわかると思っているのかなあ。
 世界が狭くなったのはいいことだけど、やっぱりついていかれないこともある。オランダ語……ムムム。
 
| 日々つづれ織り | 21:57 | - | -
フェデラー1000勝
 ロジャー・フェデラーが、キャリア通算1000勝を成し遂げた。
 テニスのツアー開幕戦としてオーストラリアで開催されていたブリスベン国際が、今日決勝戦を迎え、フェデラーはカナダのミロシュ・ラオニッチと対戦、3セットを戦って優勝を果たした。
 これはフェデラーの大記録がかかった試合で、優勝したことにより、ジミー・コナーズ、イヴァン・レンドルに次いでオープン化以降3人目の1000勝獲得選手となった。
 もう新年からハラハラドキドキの思いだったが、フェデラーは無事にラオニッチの弾丸サーブを乗り切り、記録達成にこぎつけた。
 だが、彼にとっては、これはひとつの通過点に過ぎない。すぐに全豪オープンが開幕するが、今年はコーチのステファン・エドバーグとともに「グランドスラムを取る」ことを目標に掲げているため、すぐに全豪オープンに気持ちを切り替えるに違いない。
 今年はきっと、どん底から這い上がった昨年よりも、なおいっそういい成績を残してくれるはずだ。非常に楽しみである。
 
 
 
| ロジャー・フェデラー | 21:41 | - | -
辻井伸行
 辻井伸行と話すのは、本当に楽しい。
 今日は、サントリーホールでコンサート終了後、インタビューを行った。
 プログラムはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。下野竜也指揮東京都交響楽団との共演で、長大な第1楽章からエネルギー全開、オーケストラとの雄弁な対話を聴かせた。
 第2楽章はチャイコフスキーならではの抒情的で美しい歌心あふれる旋律が特徴。辻井はゆったりとしたテンポで朗々とフランス民謡から取られた主題をうたわせた。
 第3楽章はスラヴ風の主題が登場するロシア的な楽章で、ここでは素朴で土の香りのするような音色を響かせ、フィナーレに近づくにつれ、荒々しさみなぎる音楽と化していった。
 終演後、楽屋でUCカードの会報誌「てんとう虫」の取材を行った。
 コンサート後にあいさつをすることは多かったが、インタビューは久しぶりだったため、それを伝えると、「伊熊さん、元日のテレビありがとうございました。いろんなことをたくさん話してくれて…」といわれてしまった。
 いえいえ、こちらこそ、といいながらすぐにインタビューに入った。
 彼は最近アシュケナージ、ゲルギエフ、ペトレンコをはじめとする多くの著名な指揮者と共演を重ねている。その指揮者の話から始まり、ショパン・コンクールやヴァン・クライバーン・コンクールの思い出、ショパンゆかりの地を訪ねたときの話、ロシア作品に関すること、ベートーヴェンのピアノ・ソナタについて、そしてこれからの夢など、多岐に渡ることを話してくれた。
 辻井伸行は、私の質問に対して、いつも嬉々とした表情をもって一生懸命話してくれる。その純粋で一途で飾らない語り口に、私はつい涙がこぼれそうになり、それをこらえるのに必死だ。
 でも、彼は楽しそうにユーモアを交えながらひたむきに話し、私は徐々に早口になり、それにつられて彼もどんどんしゃべる。
 写真撮影もあったため、できる限り密度濃い内容を聞き、短時間でインタビューを終わらせるようにした。
 今年のスケジュールを見せてもらったが、長期的な日本ツアーもあり、海外公演も多く組まれ、辻井伸行にとって超多忙な年となりそうだ。
 今年は、1月1日に放映された辻井伸行のテレビ番組にちょこっと出演したり、今年初めてのインタビューが彼だったことを考えると、私にとっても辻井イヤーになりそうだ。
 今日の写真は、インタビュー後のワンショット。撮影用にセッティングされていたところで、私もさっと撮らせてもらった。こういうセットって、照明がすばらしく、すごくプロっぽく撮れるんだよね。
 でも、インタビューのときは表情豊かに楽しそうに話していたが、写真撮影になったら、ちょっと緊張気味だった。


 
 
| 親しき友との語らい | 22:22 | - | -
ルノー・カプソン&ゴーティエ・カプソン
 インタビューはその場の空気が大切である。ほとんどの場合は、シリアスな内容から始め、次第に雰囲気をやわらげていくのが私のやり方。
 でも、最初から爆笑続きのインタビューもあった。
 フランスのヴァイオリニスト、ルノー・カプソンと弟のチェリスト、ゴーティエ・カプソンのふたりにインタビューしたときのことである。現在はカピュソンと表記する場合もある。
 私はルノーの官能的なヴァイオリンが大好きで、来月の来日も非常に楽しみにしている。
 彼は今回、東芝グランドコンサート2015年のソリストとして、トゥガン・ソヒエフ指揮トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団と共演する。コンサートは2月20日から3月2日までで、全国8公演が予定されている。もうひとりのソリスト、ユリアンナ・アヴデーエワと交替でソロを務め、得意とするサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番を演奏する予定だ。
 これを記念し、「インタビュー・アーカイヴ」の第60回は、ルノー・カプソンの登場。ゴーティエとの絶妙のやりとりをできる限り忠実に書いたつもり。かなり長いけど、最後まで読んでくださいね。
 
[弦楽ファン 2007年 WINTER]

恋愛と同じようなもの スムーズにいくとつまらない
追求してどんどん味が出てくるほうが面白い


アルゲリッチはヴァイオリニストを大空へはばたかせてくれる



 ゴーティエはいう。
「ぼくたちがマルタ・アルゲリッチに初めて会ったのは2000年のこと。スイスのルガーノ音楽祭に呼ばれたのが最初なんだ。こんなにすばらしい偉大なピアニストと共演できるなんて、まるで夢のようだった。彼女の演奏は情熱的でスリリング。ものすごく仕事熱心な人なので、ぼくも集中力をもって取り組まないといけないと、全神経を集中させたよ」
 これに続けてルノーが語る。
「ぼくはスティーヴン・コヴァセヴィチ、フランク・ブラレイをはじめとする多くのピアニストと組んで演奏しているけど、アルゲリッチのピアノはまさにヴァイオリニストを大空へとはばたかせてくれると感じた。ぼくは共演者を限定せずに、レパートリーによっていろんなピアニストと組みたいほうだから録音でもさまざまな人と共演しているんだけど、アルゲリッチは本当に偉大だと思った。いろんなピアニストと組むと、いろんな色彩が生まれる。それを楽しみ、ぼくの音楽がそのつど変化していくのを楽しんでいる」
 ルノーとゴーティエは、5歳違い。ルノーの5歳上に姉のオードがいて、彼女は長年ピアノを勉強していたが、現在は音楽家ではなく他の仕事に就いている。ただし、新譜の「インヴェンションズ〜ヴァイオリンとチェロのデュオ・アルバム」では最後の1曲、クライスラーの「ウィーン風小行進曲」でピアノを担当している。ゴーティエがいう。
「両親は音楽家ではないけど大の音楽好きで、家にはいつも音楽が流れていて、僕は4歳半でチェロを始めた。ルノーが弾いていたからヴァイオリンは大嫌いだったし(笑)、ピアノはお姉ちゃんにとられた。それで小さなチェロに出合ったんだけど、これに一目ぼれ。まさしく自分の楽器だと思ったわけ。9歳から10歳くらいのころかな、漠然とだけどチェリストになりたいと感じていたよ」
 彼とは異なり、ルノーは7歳のときに自分はヴァイオリニストになると自覚した。
「5歳のころにヴァイオリンのCDを買ってもらって、それがオーギュスタン・デュメイの録音だった。その数日後に、両親がデュメイのリサイタルを聴きに連れて行ってくれたんだ。ナマのヴァイオリンの音色を聴いて、その美しさにショックを受けたね。ぼくもあんなふうにヴァイオリンを弾きたい、と夢見るようになった。デュメイの音に恋をしたんだ。それから実際に彼からいろいろアドヴァイスをもらうようになったんだけど、ぼくはすごくちっちゃくて、デュメイは190センチくらいあるから、いつも上を向いて話を聞いていて首が痛かったなあ」

グァルネリ・デル・ジェス1737とマッテオ・ゴフリラー1701

ヴァイオリンという楽器は不思議なもので、向こうから語りかけてくる




 ルノーは1年前までデュメイが以前使っていた1721年製ストラディヴァリウスを弾いていたが、現在はスイス銀行から貸与された1737年製グァルネリ・デル・ジェスを使っている。これは50年間、アイザック・スターンが弾いていた楽器だ。
「楽器はその前に弾いていた人の音がするといわれるため、スターンの音がしますかとよく聞かれるけど、それはなんともいえない。確かに長年スターンとの強い絆があった楽器だからその音を覚えているかもしれないけど、ぼくが弾いているとぼくの音になってくるから…。でも、スターンの魂が宿っていると感じることはあるよ。なんだかミステリアスな感覚だよね」
 実は、この楽器を貸与されるときに、ユーディ・メニューインが弾いていた楽器もあった。だが、それは選ばなかった。
「ヴァイオリンというのは不思議なもので、向こうから語りかけてくる。メニューインの楽器を弾いたときに、この楽器はぼくに語りかけてはくれなかった。恋愛と同じようなもので、相性なんだろうね。スターンの楽器は語りかけてくれ、すぐに呼応できた。楽器との出合いはタイミングもあると思う。このグァルネリは男性的で野性的で、奥深い音色が持ち味。5年前に出合っていたら、選ばなかったかもしれない。自分の成長がちょうどこの楽器に合っていたのだと思う」
 レナード・バーンスタインはスターンのために「セレナード」を作曲して献呈し、スターンはこの楽器で初演を行った。ルノーはこの楽器を手にした瞬間から、「セレナード」をいつか弾きたいと願うようになった。
 一方、ゴーティエの楽器はマッテオ・ゴフリラー1701年製。2000年に貸与され、6年間弾き込んでいる。
「ぼくはゴフリラーとモンタニャーナのチェロの響きが好きなんだ。ストラディヴァリのチェロは華やかで輝かしい音色がすばらしいけど、ぼくは渋くて野性味あふれ、しかも繊細さと情熱を併せ持つ音色の楽器が好みなんだよね。ここでいう野性味というのは、出てくる音を表現するだけではなく、楽器そのものが本来もっている性格を意味している。それをぼくがどのように引き出し、響かせるか。そこが問題なんだ。ゴフリラーは結構気難しい楽器で、なかなか思うような音が出ない。仲良くなるために四苦八苦するし、いまでもまだお互いに深く知り合うための発展途上の段階。でも、恋愛でもそうでしょ。あまりスムーズにいくとつまらない。追求していくとどんどん味が出てくるほうが面白いよね」

探求心旺盛な兄と直球型の弟




 このふたり、顔も似ていなければ、性格もまったく異なる。もちろん音楽性も違う。質問をするとすぐにゴーティエが話し出すため、ルノーは常に受けに回る。それゆえフラストレーションがたまるらしく、突然叫び出す。
「お前、少し黙れよ。ひとりでしゃべりまくってさ。いまはぼくが質問されているんだから」
 するとゴーティエは神妙な顔を見せる。
「うんうん、わかったよ。それじゃ兄貴、いっぱい話すといいよ」
 そこで、ルノーが趣味の話を始める。
「ぼくは旅から旅の生活なので、時間があるときは自然のなかをウォーキングするようにしているんだ。詩を読んだりするのも好きだよ」
「なに、気取ってんだよ。ぼくは古いジャズが好きなんだ、スキーもね。ルノーはすごく子どもっぽいんだよ。気分がすぐれないとすぐに機嫌が悪くなるし、いつも夢見るようなフワフワした顔しているしさ」
「そんないい加減な人間みたいにいうなよ。なんだよ、自分こそ短気なくせに」
 またまたことばのバトルが始まる。演奏と同様、その対話はあるリズムに支えられ、躍動感に満ち、真剣さとコミカルな味わいが混在している。ただし、ルノーは弟を反応が早く直感型の人間で、非常に多くのものを自分にもたらしてくれるといい、ゴーティエも兄の探求心旺盛でいつも新しい分野に興味をもつ姿勢を高く評価している。
 彼らは現代の作曲家とのコラボレーションにも積極的に取り組み、エリック・タンギー、ティエリー・エスカイヒ、カロル・ベッファのヴァイオリンとチェロのための新作を大いなる喜びをもって演奏している。次世代に残したいと。
 欧米の音楽祭から引っ張りだこの人気者のカプソン兄弟。ふだんはそれぞれ別の活動を行い、ときどきデュオを行う。流麗で輝かしい音色のルノー、パワフルで熱いパッションを感じさせるゴーティエの響き。フランスから世界の舞台に飛び出した実力派のふたりに、いま世界が注目している。

 今日の写真はその雑誌の一部。記事を読むとあまり「爆笑」という感じがしないかもしれないけど、実際はずっとおなかを抱えて笑っていたほど。ふたりのバトルがすごくユニークで、いま思い出してもおかしさがこみあげてくる。
 その後、ゴーティエにインタビューで会ったとき、「今回はひとりのインタビューだわ」といったら、「やったね」とVサインを出していた。つい先ごろ、ルノーに電話インタビューをしたときも同じことをいったら、「ああ、よかった」と笑っていた。ホント、このふたり、おかしい!


| インタビュー・アーカイヴ | 18:49 | - | -
連載原稿が続く
 すっかり日常業務となり、ついこの間までお正月だったというのに、締め切りが重なってもう夜中まで仕事漬けの日々となっている。
 ところが、真夜中にようやく入稿した原稿に対し、すぐに編集担当者から「原稿ありがとうございました」と、返事がきたのにはびっくり。
 ああ、私だけではなく、彼もすでにいつものパターンになっているのね、となんだか安心してしまった。
 今日もそれが続き、ようやくひと段落。すでにこんな時間だ。
 今日も多くの人から電話やメールが入り、みんな最初は「明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします」と、あいさつするものの、すぐに仕事の話に移る。すでにクラシック界は仕事モードである。シーズン真っただ中ゆえ、当然といえば当然だ。
 お正月は、あまり動かずにいろんな物をおいしくいただいていたため、ややからだが重い。これはマズイことだ。
 これからしっかり仕事をしてあちこち駆け回り、フィットネスにも通ってからだのケアをしなくては…。
 といいながら、原稿が全部終わったら、おなかがすいてきちゃった。こういうの、困るんだよねえ。どんどん夜型になっちゃって。
 ここは、心を鬼にして、間食は避けなくては。あっ、もう夜食か(笑)。 
| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 23:30 | - | -
仕事始め
 2015年の仕事始めの日がやってきた。
 メールが一斉に入ってきて、インタビューの依頼も2本ある。それらに返事をしているうちに、雑誌の締め切りの催促が届く。
 もう一気にお正月気分がどこかに飛んでいき、戦闘モードになった(笑)。
 原稿の調べものをしなくてはならず、これが意外に時間を要す。その間にもメールのやりとりがあり、電話もかかってくる。
 そうか、こうやって束の間の休日気分が吹き飛んでいくのね。
 年末年始はまとまって時間がとれるため、資料とCDの整理をしようと思っていたが、ほとんどできなかった。
 一番やらなくてはならないのが、ホームページのリニューアルである。これはもう半年間もできずにいる。いったい、いつになったら手をつけることができるのだろうか。デザイン事務所の人たちは、さぞあきれているに違いない。
 2015年も、こうやって目先のことに追われ、本当に時間をかけてじっくりしなければならないことがどんどん先送りになっていくのだろうか。
 何年間もこの時間の使い方との闘いは続いていて、ちっとも改まらない。
 なんとかせにゃいかん。
 でも、いまは雑誌の締め切りが迫っているから、それをやらなくちゃ。
 ああ、新しい年の幕開けだというのに、まったく去年と同じことをいっているわね。困ったもんだ。この原稿が済んだら、考えようっと…。
| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 22:23 | - | -
「第三の男」ミュージアム
 昔から映画が大好きである。
 学生時代には映研に所属したり、映画好きの友人とよく新作を見に映画館にかけつけたものだ。
 最近はなかなか映画館に足を運ぶ時間がなく、試写会のお誘いも受けるが、やはりコンサートの方が優先されてしまう。
 私のナンバーワンにランクされる映画は、「第三の男」である。もう何度見ただろうか。監督も脚本も俳優も音楽も、すべて大好きである。
 実は、昨秋のウィーン出張で貴重な出会いがあった。
 現地コーディネーターのひとり、Kさんと映画の話をしていたときに、彼女のご主人がウィーンで「第三の男」ミュージアムを主宰していることがわかったのだ。Kさんは、いつものコーディネーターのEさんがこられなくなった時間のピンチヒッターだったのだが、そのおかげでこの事実を知ったのである。
「えーっ、そういうところがあるの。私、ウィーンに何度もきているのに、まったく知らなかったワ。どこどこ、どこにあるの」
 というわけで、Kさんと「第三の男」の話で盛り上がってしまった。
 これは個人コレクションで、映画で用いられた映写機や小道具、アントン・カラスのチター、世界各国の映画ポスターなど、オリジナルグッズが所狭しと展示されているそうだ。
 このときは、もちろんプライヴェートな旅ではなく出張だったため、ミュージアムを訪れることはできなかったが、次回ウィーンを訪れるときは絶対に寄るとKさんに約束した。
 ああ、この話をしているだけで、「ハリー・ライムのテーマ」が聴こえてくるようだ。
 私は以前、映画が撮影された場所を巡り歩いたことがある。それを話したら、Kさんが「そこまで行っているのなら、ぜひミュージアムを入れてくれなくっちゃ」と笑っていた。
 その通りだよね。次は絶対に行きますからね。
 このミュージアムはナッシュマルクトの近くで、住所はPressgasse 25,A-1040 Wien。午後2時から6時まで開館しているようだが、不定期の休館があるそうなので、電話で確認した方がよさそう。Tel +43-1-5864872
 今日の写真は、Kさんがプレゼントしてくれたカタログなどの資料。ウィーンを訪れる機会があったら、ぜひ足を運んでみてくださいね。




 
| 麗しき旅の記憶 | 22:37 | - | -
シナノゴールド
 冬はりんごのおいしい季節だ。
 先月、松本の友人のTちゃんが長野県のオリジナル品種のひとつ、シナノゴールドをたくさん送ってくれた。
 シナノゴールドはゴールデンデリシャスと千秋の交配種で、輝かしい黄色をしている。
 大きくどっしりとしていて、果汁が多く、甘味と酸味のバランスがとてもいい。歯ごたえがあり、ひと口食べるとジュワーッとフレッシュな果汁が口いっぱいに広がる。
 Tちゃんの話によると、これはイタリア北部のアルプスの麓でも栽培されているそうで、日本ではりんごは赤いものと思われているが、ヨーロッパでは黄金色をしたシナノゴールドが好まれているという。
 もちろんナマで食べるのが一番だが、この大きさと弾力と果汁の多さから、焼きりんごにしたらさぞおいしいだろうと考え、作ってみた。
 まず、りんごはよく洗って芯抜きで芯を取り、そこに蜂蜜とバターを詰める。
 オーブンは200度に熱し、アルミホイルに乗せたりんごを入れて、約30分間焼く。焼きあがったら、シナモンパウダーをバラリ。
 さあ、できましたゾ。アツアツの美味なる焼きりんごが。
 今日の写真は、みずみずしいシナノゴールドと、変身後の焼きりんご。これは、大きめにスライスして豚肉料理の付け合わせにしてもグッド。
 Tちゃん、ごちそうさま、あつあつをハフハフいいながら食べましたよ。
 みなさん、シナノゴールドを見つけたら、ぜひ味わってみてくださいな。




| 美味なるダイアリー | 17:34 | - | -
フェルディナント・ホドラー展
 今日は、上野の国立西洋美術館で開催されているフェルディナント・ホドラー展に出かけた。
 実は、先月話を聞いた小菅優と、インタビュー前にちょっと雑談をしていた際、ホドラー展の話が出たのである。
 私がウィーンでクリムトの「ベートーヴェン・フリーズ」を見たときの話をし、絵と絵の間に空間があり、それが休符を意味していると話したところ、小菅優がホドラー展に行き、その絵からリズムを感じ、しかも同じように休符を思わせる箇所を見出したという話をしたのである。
 そうか、ホドラー展が行われているんだ。いつまでだろうと思って調べたら、2015年1月12日までだとわかった。すぐに行きたかったが、なにしろ年末入稿が重なっていたため無理で、ようやく年明け一番に行くことができた。
 フェルディナント・ホドラー(1853〜1918)は、スイスが世界に誇る異才画家として知られ、クリムトと並んで世紀末芸術の巨匠といわれる。
 1904年にウィーンで開催された分離派展では、メインルームに作品が展示されたという。
 作品は「死」や「夜」をテーマにしたものが多いが、女性が踊る姿やアルプスの風景を描いたものも多く、象徴主義の画家、パラレリズム(平行主義)の画家とも呼ばれる。国民画家として、多数の絵を描き、それらは非常に強い個性に彩られている。
 今回は40年ぶりの大回顧展で、ベルン美術館をはじめ、スイスの主要美術館、個人所蔵の絵まで100点を超える作品が一堂に会している。
 彼の絵はスイスの紙幣にも採用され、「木を伐る人」は50フラン、「草を刈る人」は100フランに使用された。
 展示は、「光のほうへ―初期の風景画」「暗鬱な世紀末?―象徴主義者の自覚」「リズムの絵画へ―踊る身体、動く感情」「変幻するアルプス―風景の抽象化」「リズムの空間化―壁画装飾プロジェクト」「無限へのまなざし―終わらないリズムの夢」「終わりのとき―晩年の作品群」と題されたパートに分かれ、ホドラーの人生の軌跡をたどっていくことができるよう配置されている。
 ホドラーは、スイスの各地に大規模な壁画も残している。それはスライドで見ることができたが、実物を見たいと切望するほどすばらしい絵だった。
 今日の写真は、ホドラー展を示す大きなポスター。「感情掘廚搬蠅気譴1905年の作で、ベルン州美術コレクション所蔵の絵である。4人の女性の動き、表情、位置などから特有のリズムが感じられる。


| 日々つづれ織り | 22:57 | - | -
奇跡のピアニスト 辻井伸行 ビートルズの街で弾く至高の旋律
 新年、明けましておめでとうございます。
 2015年になりましたね。今年も楽しいブログを書いていこうと思っています。
 今日は、BS朝日で21時から2時間、「奇跡のピアニスト 辻井伸行 ビートルズの街で弾く至高の旋律」が放映された。
 昨年のブログにも綴ったように、この番組に彼が弾く曲目のことで出演した。
 いつもテレビの場合は、たくさん収録があっても、実際に放映されるのはほんの少しの時間ゆえ、今回も30秒か1分ほどかなと思っていたら、いろんなところにちょっとずつコメントが挟み込まれていた。
 でも、こんなに顔のアップが続き、大きな画面で見ると、なんとも恥ずかしい。顔のアラがすごく目立ち、これでもかと欠点を突き付けられているような感じだ。私のことをよく知っている人は、「こんなもんでしょ」と思うだろうが、私自身は「ああ、こんな顔しているのね、がっかり」というのが正直なところ。
 でも、まあこれが現実か、年はとりたくないものだ(笑)。
 とはいえ、私のことなんかどうでもいいわけで、番組は辻井伸行のすばらしさを伝えるのに十分な内容だった。
 彼はショパンのバラード第4番、ラヴェルの「夜のガスパール」、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番という、いずれも難曲で知られる作品を演奏した。
 すべての音を耳で覚え、完全に記憶し、指の感覚でとらえていく。そこまで仕上げる過程の忍耐力、努力、時間との闘いは壮絶なものがある。
 だが、辻井伸行は本番ではそうした努力の痕跡は微塵も感じさせない。集中力を高め、体力を維持しながら、全身全霊を傾けてピアノと対峙する。
 リヴァプールの聴衆も大きな感動を得ていた。
 実は、1月10日に辻井伸行のチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番のコンサートがサントリーホールで開かれ、その日にインタビューすることになっている。
 これが2015年の最初のインタビューになるはずだ。彼にインタビューで会うのは本当に久しぶり。さて、どんな話が聞けるだろうか。
 今年も、いろんな話題をどんどん紹介していきます。どうぞ1年間、よろしく!!
 
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