Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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浜松国際ピアノコンクール
 11月22日に第1次予選がスタートした第9回浜松国際ピアノコンクール。今夜は第2次予選通過者が決定し、12月1日から行われる第3次予選に進む12人の名前が発表された。

 アレクサンデル・ガジェヴ イタリア 1994年生まれ
 ダニエル・シュー アメリカ 1997年生まれ
 ロマーン・ロバティンスキー ウクライナ 1993年生まれ
 ドミトリー・マイボロダ ロシア 1993年生まれ
 アレクセイ・メリニコフ ロシア 1990年生まれ
 フロリアン・ミトレア ルーマニア 1989年生まれ
 三浦謙司 日本 1993年生まれ
 アレクシーア・ムーサ ギリシャ/ベネズエラ 1989年生まれ
 ノ・イェジン 韓国 1986年生まれ
 シェン・ルウ 中国 1985年生まれ
 イリヤ・シムクレル ロシア 1994年生まれ
 マーク・タラトゥシキアン ロシア 1990年生まれ

 私は、今回コンクールの公式講評の5人のひとりに任命されているため、12月5日、6日の本選と、8日の入賞者披露演奏会(ガラコンサート)東京公演に行くつもりである。
 さて、本選出場者6人が決まるのは、12月2日の夜である。
 日本人が残るだろうか。ショパン・コンクールのときも、審査発表をネットでチェックするときはハラハラドキドキしたが、今回も同様の思いを抱く。
 でも、浜松に出かける前に、まだまだやらなくてはならないことが山積みだ。すっきりした気分で出かけられるよう、スピードアップしなくちゃね。
 
 

 

| 情報・特急便 | 22:41 | - | -
西荻に鞍馬あり
 原稿が重なると、ゆっくりお料理をしている時間がない。そこで、西荻のおいしいお店を探して、栄養補給を試みることになる。
 今日は、世の中の蕎麦好きに「西荻に鞍馬あり」といわれるお蕎麦屋さんにいってみた。いつも混んでいて、なかなか入れないお店だが、少し並んでようやく入ることができた。
 ここは、蕎麦好きの人たちのバイブルとも称される名著「ソバ屋で憩う」(杉浦日向子とソ連編著)の巻頭を飾る「特選五店」のひとつとして紹介されているお店で、こぢんまりとしているため、いつもお客でいっぱいだ。
 ちなみにその五店というのは、 浅草「並木藪蕎麦」、日本橋「室町砂場」、西荻窪「鞍馬」、高田馬場「傘亭」、山形県の旅籠町「萬盛庵」。
 お蕎麦は自家製粉手打ち蕎麦(十割蕎麦)で、有機栽培による材料を用いている。
 これまで食べたどのお蕎麦とも異なる上品で香り豊か、ほどよいこしがある。そばつゆもてんぷらも美味で、自然な味わい。
 何度でも足を運びたくなるお店だ。
 ランチ時を中心に営業しているためか、店内では昼からお酒をちびちび飲みながら、おつまみを頼み、ゆっくり食べている人が多い。
 場所は西荻の南口から1分ほどのところ。平日は11時30分から16時まで、土日祝日は11時30分から17時までで、水曜休みである。
 こういうお店が近くにあると、とても心強いが、なにしろ夜は開いていないため、なかなか行く機会がない。今日は土曜日なのに、すぐに入れてラッキーだった。
 写真は、温かいお蕎麦と海老のてんぷら。もうひとつは、冷たいお蕎麦と穴子一尾天。このてんぷらが、衣が薄くカラッとしていて、実においしかった。
 西荻に昼間の時間寄ることがあったら、ぜひ「鞍馬」へどうぞ。蕎麦好きは、やみつきになると思いますよ。




 
 
 
| 西荻はおいしい | 20:16 | - | -
モスグリーンだらけ
 小学生のころから、モスグリーンが大好きである。
 みんなが紺色のブレザーを着ていたときも、ひとりモスグリーンのブレザーを身に着けていた。これは母と上の姉が仕立て屋さんに子どもだった私を連れていって、あつらえたものだ。
 なんともったいないことかと、いまになって思う。すぐに小さくなって着られなくなってしまうのに、子どもに洋服をあつらえるなど、ぜいたくにもほどがある。
 私は4人姉兄の末っ子で、すぐ上の姉とも年が離れていたため、みんなが着せ替え人形のようにしていろんな洋服を着せてくれた。姉ふたりが、布を買ってきて、自分で縫ってワンピースやサンドレスを作ってくれたこともある。
 それがおしゃれ心を養うことにつながったようだが、どうもいま考えると、ぜいたくすぎると思う。
 カメラ好きだった父が、そのつど写真を撮ってくれたため、私の古いアルバムには、いろんな洋服を着た姿が写っている。
 このころから、一番好きな色はモスグリーン。原色の明るく派手なグリーンはあまり得意ではなく、渋めの枯葉色やお茶色のようなグリーンが好みである。
 先日、モディリアーニ弦楽四重奏団のロイック・リョーのインタビューにいったとき、ノートやベンや時計やメガネなどを机に並べて話を聞いていたら、彼が「ねえねえ、きみ、グリーンが好きなの?」と聞いてきた。
「だって、ここ見ると、グリーンだらけだもの」
 そうなんです。その日は、スカーフもピアスも全部グリーン。そりゃ、気づくわよね。あまりにもしつこいもの(笑)。
 昔から友人の間では、いろんな色があって何かを選ぶときには、必ず「これは、よっちゃんね」とグリーンの物をとっておいてくれた。
 いまでも好みは変わらず、私の仕事部屋やクローゼットのなかはモスグリーンだらけ。
 今日の写真はその一部。我ながら、ちょっとしつこいなあと思っているんだけどね、やめられないわねえ。

| 日々つづれ織り | 21:02 | - | -
弱点はのど
 私は疲れがたまると、途端にのどの調子が悪くなり、咳が止まらなくなる。これで、何度いいコンサートを逃したことか。
 コンサートの会場で、咳をがまんするほど辛いことはない。特に小さな会場で静かな音楽のときは、死にそうになる。
 今日も朝からのどの状態がよくなく、すぐに薬を飲んで夜のモディリアーニ弦楽四重奏団のコンサートに備えたのだが、結局行かれなくなってしまった。ああ、本当に残念。今日はすばらしいプログラムだったのに…。
 人は、疲れてくると、その人の弱いところにダメージが出るのだろうか。私の弱点はのどである。のどがイガイガしてきて、途端に咳込むようになる。
 きっと、からだが休息を要求しているのだろう。その合図に違いないのだが、原稿がたまっていると、休むわけにはいかない。だから薬も効かない、という図式になる。
 この9月には、約1カ月も咳が止まらなくて、とんでもない目に遭った。その二の舞はしたくないため、なんとか最低限の締め切りだけはこなし、休みたいと思う。
 私の周囲には、胃腸が弱い人、腰痛で苦しでいる人、アトピーで困っている人、原因不明のだるさに悩んでいる人など、いろんな人がいる。みんな仕事が忙しく、ストレスも多く、人間関係の悩みは尽きない。
 現代社会はフィジカルとメンタルの両方が強くないと、生き残っていくのは難しい。ふだん健康でスイスイ仕事がはかどるときは、そんなことは考えないのだが、どこか変調をきたすと、途端にいろいろ考えてしまう。
 さて、少しでも休養をとり、週末に備えるとしよう。まだまだ目の前にはたくさんの締め切りが待ち構えているし、それをこなす体力をつけなくちゃ。
| 日々つづれ織り | 19:38 | - | -
ロイック・リョー
 モディリアーニ弦楽四重奏団が来日中で、先週の21日(土曜日)には神奈川県立音楽堂に演奏を聴きに行ったことは書いたが、今日は王子ホールで第2ヴァイオリンのロイック・リョーにインタビューを行った。
 今回は、チェロのフランソワ・キェフェルが事故で左肩を痛めたため来日できず、元イザイ弦楽四重奏団のマルク・コッペイが加わっている。
 ロイックによれば、12年間いつも4人で一緒に演奏してきたため、チェリストが変わったことにより、何かが変わるだろうと思っていたが、新たな発見がいくつもあったそうだ。
「ここはこう弾く、こう表現するという形ができていたところに、マルクの新たな表現が加わり、ああ、こういうこともできるんだと思った。3人がそれぞれいろんな発見をし、作品を見直す力も備わったよ。フランソワはゆっくり治療して、どんどんよくなっているから心配はいらないと思う。きっと、ひとり静かに休養することができて、喜んでいるんじゃないかな。ぼくたち、いつもみんなでワーワーしゃべりまくっているから、すごくうるさいんだよ」
 こう笑いながら話していた。
 このインタビューは、王子ホールの「The Magazine」に書くことになっている。モディリアーニ弦楽四重奏団は来年も来日公演を予定しており、その詳細はいずれ紹介したいと思う。
 彼らは学生時代の延長で非常に仲がよく、いつも一緒にいて飽きることはないという。
「でも、言い争いや喧嘩はしょっちゅうだよ。でも、最後はなんとなく意見がまとまって、元通りになる。お互いに知り尽くしているからね」
 今日の話のなかで、もっとも印象深かったのは、ふたりずつで練習することが多いということ。
「ぼくたちはそれぞれが練習して、集まったときに4人一緒に合わせることはもちろんだけど、ふたりずつの練習も多い。ヴァイオリンとヴィオラ、ヴァイオリンとチェロ、ヴィオラとチェロというふうに組んで練習する。これがとてもいい状況を作り出し、自分の音楽を練り直すことができるんだ」
 ロイックは、話のなかにユニークなたとえや、ジョークを織り交ぜていくのが好き。ハンサムな顔をくしゃくしゃに崩して大笑いしたり、目を見開いて相手の反応を見たり、身を乗り出して一気に話したりと、表情や表現が自由自在。
 今日の写真は、そのなかでも特にシリアスな表情。
 さて、明日は王子ホールでコンサートが行われる。「終わったら、絶対楽屋に来てよ」といわれたから、顔を出してインタビューのお礼をいわなくっちゃ。

| 情報・特急便 | 21:33 | - | -
ワルシャワのチョコレート
 夏の終わりから秋にかけて、仕事で会う人ごとに「ショパン・コンクールにいつから行くんですか」と聞かれ、今年は行かれないと何度も答えることになった。
 いまは、コンサートなどで知り合いや仕事の関係者に会うと、「今年はショパン・コンクールに行かなかったんですね。どうしてですか」と聞かれる。
 そのつど、「いまはこういう仕事を抱えていて」などと説明するのだが、どうやら私はショパン・コンクールに必ず行くと思われているようだ。
 今年はワルシャワに行かれなかったが、知人や友人がたくさんショパン・コンクールを聴きに行き、これまで紹介したようにいろんなお土産をいただいた。
 コンクールに参加した小林愛実は、「伊熊さん、このチョコレート知っていますか。すごくおいしいんですよ。お店はいつもすごく混んでいました」といって、おいしそうなチョコレートをお土産に買ってきてくれた。
 KARMELLOというメーカーで、真っ黒のおしゃれな薄いボックスに入っている。
 帰宅してから箱を開けて、ビックリ。さまざまな色彩をもった小さなチョコがぎっしり詰まっている。まるでお花畑か宝石箱のようだ。
 やっぱり、若い人はこういうカラフルで輝かしいチョコを選ぶのねえ、と妙に感心してしまった(笑)。
 ワルシャワは変貌著しく、5年ごとに訪れている友人のkさんも、「街がどんどん変わっている。お店も増え、日本料理やさぬきうどんのお店ができた」と驚いていた。
 さて、仕事の疲れをとるために、またひとつ、キュートなチョコをいただきましょうか。
 今日の写真は、小林愛実セレクトの色彩感豊かなチョコレート。愛実さん、ごちそうさま!!




| 美味なるダイアリー | 15:13 | - | -
イリヤ・ラシュコフスキー&チョ・ソンジン
 今日もまた、コンサートをふたつ聴きに行くことになってしまった。本当は、長時間になると集中力が落ちるため、できることなら避けたいのだが、重なってしまう場合は仕方がない。
 まず、武蔵野市民文化会館で15時開演のイリヤ・ラシュコフスキーのリサイタルを聴いた。これは昨日インタビューをしたラシュコフスキーのスクリャービンのピアノ・ソナタ全10曲演奏会で、3時間におよぶもの。ライヴ収録しているため、彼の集中力と緊迫感がすさまじく、最初から汗びっしょりの熱演。
 途中2回の休憩をはさみ、スクリャービンを圧巻のピアニズムで聴かせた。
 休憩のときに録音を担当しているビクターのFさんに会ったら、「ラシュコフスキーはまるで修行僧のようですよ」といっていた。それだけ集中しているのだろう。
 それからオペラシティに移動し、ショパン国際ピアノ・コンクール優勝のチョ・ソンジンの「優勝者リサイタル」を聴いた。
 さすがに話題のピアニストとあって、会場は熱気が感じられ、優勝者の演奏に期待する人々の期待に満ちた空気がただよっていた。
 コンクール後のコンサートというのは、実は怖いものである。よくアーティストにインタビューをすると、「優勝後の演奏では、みんなの期待に応えなくてはならない。歴代の優勝者の後に続く身として、もてる最高の演奏を披露しないといけない。コンクール後の方が大変で、常にプレッシャーがかかる」という人がほとんどだ。
 チョ・ソンジンも、それを十分に意識しているに違いない。彼の場合は、まだ未知数の部分が多く、これからいかようにも変化し得るものをもっている。今後は来日が相次ぐが、そのつど変容するに違いない。
 今日の演奏は、コンクール後に数多くの演奏をこなしたからか、少し疲れているという感じを受けた。おそらく相当のプレッシャーを感じているのだろう。今後に期待したい。
 それにしても、コンサートのはしごは本当に身も心も疲弊する。
 でも、オペラシティでは小林愛実や、友人のKさん、仕事関係者にたくさん会うことができ、疲れが吹き飛ぶ感じがした。
 今日の写真は、ラシュコフスキーのプログラムの表紙。それにしても、あのすさまじいまでの音符の多さを誇るスクリャービンのピアノ・ソナタを全10曲通して暗譜で演奏するって、本当にすごい。CDが出来上がるのが楽しみだ。


 
| クラシックを愛す | 23:25 | - | -
イリヤ・ラシュコフスキー
 11月21日から12月8日まで、第9回浜松国際ピアノコンクールが開催される。
 今日は、前回の優勝者、イリヤ・ラシュコフスキーに話を聞いた。彼は昨日のコンクールのオープニングコンサートで演奏し、今日の午前中に東京に移動、練習前のひととき、インタビューに応じてくれた。
 明日は、武蔵野市民文化会館でスクリャービンのピアノ・ソナタ全10曲を弾くリサイタルが行われ、その翌日にはこのライヴと同じ演奏が収録される(日本アコースティックレコーズ)。
 ラシュコフスキーには以前も会ったことがあるため、スムーズにインタビューが進んだ。コンクール優勝後から現在まで、各地で演奏し、いまはとても忙しいといっていた。
 スクリャービンのソナタについて、全10曲のそれぞれの作品への思いを聞いたのだが、とてもていねいに各曲の特徴、どう表現するか、演奏の難しさなどを語った。
 ラシュコフスキーは、繊細で優雅で温かなピアノを奏でる人である。素顔もとても優しい笑顔の持ち主で、話し方も好感がもてる。
 このインタビューは、HPのリニューアル後のインタビュー・コンテンツで紹介するつもりである。
 私のインタビュー後、練習スタジオで3時間通して練習するそうだ。リサイタルとライヴ収録に備えるのだろう。
 スクリャービンのピアノ・ソナタ全曲録音はなかなか行われないため、仕上がりが非常に楽しみである。
 これは3月21日リリース予定となっている。
 今日の写真は、インタビュー中のラシュコフスキー。記事にも書くが、彼はウラディーミル・クライネフに師事している。そのクライネフを「第2の父」というほど敬愛し、多くを学んだそうだ。クライネフの死は、本当にショックだったようで、この話になると、優し気な表情が一気に暗くなった。

 
| 情報・特急便 | 22:20 | - | -
モディリアーニ弦楽四重奏団とエリソ・ヴィルサラーゼ
 同じ日にどうしても行きたい昼公演と夜公演があると、大変だ。
 今日は、神奈川県立音楽堂の15時開演のモディリアーニ弦楽四重奏団のコンサートに行き、すみだトリフォニーの19時開演のエリソ・ヴィルサラーゼのリサイタルの両方に出かけることになった。
 モディリアーニ弦楽四重奏団は、公演チラシの原稿とプログラムの原稿を書き、新聞などでも紹介したため、外せないコンサートとなった。
 彼らの演奏は何度も東京やナントで聴いているが、今日も非常にみずみずしく緊迫感あふれる演奏で、心が洗われるような思いを抱いた。
 プログラムは前半がモーツァルトの弦楽四重奏曲第15番とショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第1番。後半がベートーヴェンの弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」。
 いずれも4つの楽器が対等に丁々発止の音楽を奏でる緊密なアンサンブルで、とりわけ「セリオーソ」のドラマティックで熱情的な演奏が胸の奥に深く響いた。
 桜木町から錦糸町に移動し、大好きなヴィルサラーゼの演奏に駆け付けた。
 今夜のプログラムは、モーツァルトのピアノ・ソナタ第13番からスタート。いつもながらのまったく力まない自然体の響きが奏でられ、ヴィルサラーゼを聴く幸せに包まれた。
 続くベートーヴェンのピアノ・ソナタ第23番「熱情」は、圧巻の演奏。すべての音、リズム、フレーズ、強弱、テンポがあるべきところにあるという必然性に満ちたベートーヴェンで、1音たりとも聴き逃せない演奏。ベートーヴェンが人生のドラマを描き出した作品に寄り添い、深く内奥に迫り、洞察力に富み、そのすべてを聴き手へと真摯な形で伝える。
 後半はモーツァルトのピアノ・ソナタ第11番「トルコ行進曲付」が登場。ヴィルサラーゼは、ステージに現れ、ピアノの前のすわると、さっと弾き出す。ステージに登場したときから、すでに音楽は始まっているようで、自然に音楽が流れ出す。
 そこには気負いも気取りも、構えもない。即座に音楽に集中する。特に印象的なのが、微動だにしない上半身と、手首のしなやかさと、自然なからだの使い方。それらが混然一体となって、ロシア・ピアニズムの伝統を担う、こよなく美しいピアニズムが生まれる。
 ふたつのコンサートを聴き、長い移動もあり、とても疲れたはずなのに、いまだにすばらしい音楽が頭のなかで鳴っている。なんと幸せな時間だろうか。
 実は、今日は結構寝不足気味だった。
 というのは、昨夜、原稿を書いていたら、親しいフリーの編集者のIさんから電話が入り、「いま、お宅の前の沖縄料理店で食事しているんですよ」というではないか。レコード会社に勤めている奥さまのWさんと一緒に、もうデザートタイムだという。
 そこであわててパソコンから離れ、彼らに合流。お茶だけつきあったが、もちろんこれで終わるわけもなく、もう一軒行こうということになり、深夜まで開いているお店を探した。
 最近、Iさんとは仕事で組んでいるためよく話をするが、Wさんとは本当に久しぶりだったため、いろんな話をし、夜更けになってしまった。
 深夜に原稿の続きを書き、今日はコンサートをはしご。こりゃ、疲れないわけないか(笑)。
 でも、親しい友人とのおしゃべりも、すばらしい音楽も、心身を活性化させてくれる。しかも今日は、コンサートで親友のKさんに会い、彼女の友人を紹介してもらったのだが、その男性に「いつもブログ拝見しています。私、伊熊さんのファンなんです」といわれ、びっくりするやら、うれしいやら、恥ずかしいやら。
 いろんなことがあった一日でした。
 
 
 
 
| クラシックを愛す | 23:15 | - | -
マリア・ホセ・シーリ
 昨日は、一日中秒読みのようなスケジュールをこなさなくてはならなかった。
 まず、午前中にヤマハのWEB「音楽ジャーナリスト&ライターの眼」の連載記事を書いた。今週のテーマは、アレクサンドル・タロー。バッハの「ゴルトベルク変奏曲」をリリースしたばかりで、このライナーノーツを書いたため、新譜に触れながら以前のインタビューを交えて記事を作った。
 午後は、新国立劇場に出向き、前日聴いた「トスカ」のヒロイン、マリア・ホセ・シーリにインタビューを行った。
 とてもフランクで温かい人柄。さすがにオペラ歌手だけあって、はなやかさと美しさと存在感があり、どんな質問に対しても、ことばを尽くして話してくれる。
 インタビューが進むうちに、プライヴェートな話題も飛び出し、若くして子どもが生まれたためキャリアを作っていくのが大変だったといった。
 ウルグアイの牧場を所有し、レストランとスーパーを経営している両親のもとに生まれ、ひとりっ子ゆえ、いろんな楽器を習わせてもらったようだ。しかし、ひょんなことから声のよさを認められ、声楽家を目指すことになる。
 その後はオペラ歌手まっしぐら。現在は世界各地のオペラハウスからひっぱりだこの人気ソプラノとなった。
「最初はピアニストになりかたかったの。いまでもピアノを弾きながら歌の練習をしているのよ」
 さまざまな話題がどんどん出て、有意義な時間を過ごすことができた。
 このインタビューは、「日経新聞」、私のHPのリニューアル後のインタビューコンテンツなどに書き分けをしたいと思っている。
 インタビューの最後に、彼女は「ひとつお願いがあるんだけど」といって、しんみりした表情で話し出した。
 ウルグアイの親しい友人のマリオ・ヴィラルバという人が、彼女が東京で「トスカ」をうたうのなら、ぜひ聴きにいきたいといっていたのだが、つい先ごろ急逝してしまったのだという。
「すぐに国に戻るわけにもいかず、とても大きなショックを受けているの。その彼の名前がたまたまマリオでしょう。トスカがマリオ、マリオと呼びかけるところは、胸が張り裂けそうになる。いま、私はこのトスカの舞台をすべて友人のマリオに捧げたいと思って、気持ちを込めてうたっているのよ。どこかで、このことを書いてもらえないかしら」
 私は「すぐにブログに書きます」と約束した。すると、マリアはとてもうれしそうな表情をし、「ありがとう。本当にうれしいわ。マリオに捧げる舞台のことをみんなに知ってほしかったから」
 マリア・ホセ・シーリの歌声は、先日のオペラ初日のときにも書いたが、すばらしく鍛え抜かれた歌唱で、演技も自然、トスカその人になりきっている。
 インタビューのときには「次にうたう役をいま必死で勉強しているの」と、ヴェルディの「アッティラ」のスコアを大事そうに抱えていた。
 楽譜を見せてもらうと、自分のうたうところは歌詞にマーカーで記しが施してあり、他の役柄のところにやオーケストレーションのところにも注意書きがあった。
 このインタビュー後、すぐに彼女はレッスン室にこもって練習するようだった。
 さて、インタビューが終わるとすぐに自宅の近くの仕事部屋にいき、工務店の人たち、マンションの理事長さんとリフォームの打ち合わせを行った。
 この夜は、フランクフルト放送交響楽団のコンサートがあるため、サントリーホールに出かけなくてはならない。
 一度、自宅に戻り、メールをチェックしたり電話を受けたりし、急いでホールに駆け付けた。コロンビア出身の指揮者、アンドレス・オロスコ=エストラーダは非常に躍動感に満ちた音楽作りをする人で、伝統のあるオーケストラに新風を吹き込む演奏を披露した。
 前半はグリンカの歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲から開始。次いでアリス=紗良・オットをソリストに向かえてチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番が登場。彼女のインタビューをプログラムに書いたが、アリスはこのコンチェルトをすでに70回も演奏しているという。
 まさに手の内に入った演奏だったが、初めて共演する指揮者とは、何か新しい方向を目指したいという前向きな気持ちが全編にあふれていた。
 後半はベルリオーズの「幻想交響曲」。私はこの第2楽章の「舞踏会」のワルツが大好きなのだが、オロスコ=エストラーダはウィーンで学んでいるためか、舞踊のリズムが非常に自然で、柔軟性に富んでいた。
 コンサートが終わったのは、もう21時半に近いかったが、ここから親しい音楽事務所のОさん、レコード会社のОさんと一緒に飲み会へと繰り出した。
 女3人で2時間ほどおしゃべりをし、自宅に戻ったら、もう翌日になっていた。
 ああ、ずいぶん長い一日だった。
 今日の写真は、ふだん着のマリア・ホセ・シーリ。彼女は来年4月、新国立劇場の「アンドレア・シェニエ」の舞台に立つ予定になっている。それまで超多忙の身で、各地を飛び回るようだ。オペラ歌手は、タフじゃないと務まらないわね。


 
 
 
| クラシックを愛す | 22:13 | - | -
新国立劇場の「トスカ」
 プッチーニの人気オペラ「トスカ」は、これまで内外でさまざまなプロダクションによる演奏を聴いてきたが、今日は新国立劇場に聴きにいった。
 トスカはウルグアイ出身の、いま勢いに乗るソプラノ、マリア・ホセ・シーリ。イタリア・オペラを中心に活躍している。
 カヴァラドッシはスペイン出身のテノールで、カラフ、ラダメス、カヴァラドッシ、ドン・ホセなどの役を各地でうたっているホルヘ・デ・レオン。
 スカルピアは「リゴレット」「ジャンニ・スキッキ」「ファルスタッフ」「シモン・ボッカネグラ」などのタイトルロールを得意としているバリトン、ロベルト・フロンターリ。
「トスカ」はこの3人が歌唱、演技ともに秀逸でないと、最後まで聴き手の心をとらえることが難しいが、今日の3人はそれぞれ才能を思う存分発揮した。
 とりわけトスカ役のマリア・ホセ・シーリの輝かしい歌声と迫真の演技が際立ち、存在感のある「歌姫」を披露した。
 彼女ののびやかで情熱的でクリアな歌声は、トスカという人物を立体的かつ現実的な人間として描き出し、魅力ある女性像を作り上げた。
 マリア・ホセ・シーリは体躯堂々としたタイプで、演技もスケールが大きい。高音もどんなに強音になっても揺らぐことがなく、ドラマティックでしかも自然体だ。
 明日は、このマリア・ホセ・シーリにインタビューをすることになっている。きっと、素顔も魅力的な人に違いない。
 明日の記事をお楽しみに〜。
 今日の写真は、「トスカ」のプログラムの表紙。第1幕の最後の、人々が感謝の祈りを捧げるシーンのこの舞台美術と衣裳が、とても華やかで美しかった。とりわけ第1幕フィナーレの「テ・デウム」は華麗で荘厳で圧巻。
 今日は「トスカ」の初日で、20日、23日、26日、29日と4公演が予定されている。 

| クラシックを愛す | 23:29 | - | -
レオン・フライシャー
 レオン・フライシャーは、私が大好きなピアニストである。
 これまで何度かインタビューをしたことがあるが、いつも質問にていねいに答えてくれ、なごやかな雰囲気に包まれる。
 今日は練習の合間を縫って、「intoxicate」のインタビューが行われた。
 フライシャーは、11月11日に「フォー・ハンズ」(2014年5月録音)と「トゥー・ハンズ」(2004年のリイシュー)の2枚がリリースされた(ソニー)。
 両手ピアニストとして復帰後にリリースされた「トゥー・ハンズ」に関しては、当時インタビューで話をじっくり聞いたため、今回は夫人のキャサリン・ジェイコブソンとの連弾による「フォー・ハンズ」について、いろいろ話を聞いた。
 これはブラームスのワルツ集「愛の歌」、シューベルトの「幻想曲」、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」に加え、1938年アメリカ生まれの作曲家、ウィリアム・ボルコムの「グレイスフル・ゴースト・ラグ(優雅な幽霊のラグ)」というプログラム構成だ。
 フライシャーによると、「すべての作品に舞曲の要素が含まれ、それがこのアルバムのコンセプト」とのこと。
 今日は、アルバムに関してはもちろんのこと、現在の体調、指揮活動のこと、4手の演奏についてなど、さまざまなことを聞いた。
 とりわけ印象的だったのが、ブラームスの「愛の歌」をルドルフ・ゼルキンとの連弾と歌手4人という構成で収録した1960年のレコーディング時の話。彼は昔をなつかしむように、録音のいきさつから収録時の様子までことこまかに語った。
 フライシャーは、私の「アーティスト・レシピ」の本に登場しているアーティストのひとり。今日はインタビュー後、本にサインをしてもらった。
 フライシャーのレシピは、「きのこのリゾット」。本とレシピの説明をすると、「ほおーっ」といって写真を眺め、「うれしいねえ。このリゾット、作り方が難しいんじゃないかい」といっていた。
 今日の写真は、コワモテ風の迫力のある表情のフライシャー。私が「ちょっとシリアスすぎるから、もう1枚撮りますか?」と聞くと、「いやいや、これでいいよ、よく撮れている」と、OKが出てしまった。
 でも、話しているときの表情は、もっとやわらかいんですよ。


 
| アーティスト・クローズアップ | 21:50 | - | -
小林愛実
 昨日は、小林愛実と食事会&おしゃべり会をし、久しぶりにいろんな話をした。
 私の友人も誘い、女3人で吉祥寺のカフェロシアで6時間もおしゃべりをしてしまった。
 愛実さんはショパン・コンクールのことについて淡々と話していたが、このコンクールに何度も取材に出かけている私は、彼女がいかに大変だったかが手に取るようにわかる。
 もう結果については吹っ切れたようで、次なる演奏会に向けて気持ちを切り替えているようだった。これが若さというものなのだろう。
 ても、ショパン・コンクールは、やはり若手ピアニストに大きな影響を与え、今後のことを考えさせ、そして大きな収穫となったようだ。
「本当に参加してよかった。ショパンとこんなに長い時間ずっと向き合ったことはなかったので、すごく勉強になりました」
 今後は、よりレパートリーを広げ、古典派を深く勉強していきたいという。そして、とりわけシューベルトに目が向いているそうだ。
 彼女と話していると、話が止まらない。いろいろ情報交換もできる。
 14歳のころから知っているため、一気に大人になった感じがするが、やはり単身アメリカに渡り、いろんな意味で鍛えられたことがその成長の理由だろう。
 本当に強く、たくましくなった。あまり小さなことにこだわらず、あっけらかんとしているのも魅力だ。今後はより大きく、広い世界にはばたいてほしいと願う。
 今日の写真は、大人っぼい表情を見せる小林愛実。
 もう1枚は、私が大好きなカフェロシアのピロシキ。小ぶりで、油で揚げていないため、いくつも食べられる感じ。




 
 
 
 
 
 
| 親しき友との語らい | 21:32 | - | -
メナヘム・プレスラー来日中止
 今月、待望の来日公演が行われる予定だったピアニストのメナヘム・プレスラーが、健康上の理由から来日中止となった。
 当初は一部だけキャンセルということで療養に務め、東京公演は予定通りとのことだったが、医師の判断により、全面的に中止となった。
 昨年の来日時にインタビューした際、「来年もまたインタビューにおいで」といわれていたため、演奏とともに話を聞くのを楽しみにしていた。
 91歳という年齢だが、昨年はとても健康そうだったし、いまはソロでピアノを弾くことがたまらなく楽しいと語っていた。
 一日も早く回復し、また元気な姿で来日してくれるよう祈るばかりだ。
 今回は、来日公演のプログラムの原稿も書く予定で、そこでは、プレスラーのユーモアたっぷりの心温まるエピソードを紹介するつもりだった。
 実は、プレスラーの10月新譜のライナーノーツを書いた。「プレスラー90歳 バースデイ・コンサート・イン・パリ」、ボザール・トリオのメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番、ドヴォルザークのピアノ三重奏曲第4番「ドゥムキー」、同じくボザール・トリオのショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲第1番&第2番、ブロークの詩による7つの歌の3本である(ワーナー)。
 ライナーを書くときに、いずれの作品もじっくり聴いたため、彼のピアノはもう脳裏に焼き付いている。あとは来日公演を楽しみにしているところだった。
 プレスラーの音楽は、心にゆったりと染み込んでくる。その真摯で温かな人間性がピアノに全面的に反映し、聴き手の心身を癒し、元気づけ、深い感動をもたらす。
 さて、またCDを聴いて、活力をもらいましょうか。でも、パリ公演のアンコールでも弾いているプレスラーの大好きなショパンのノクターン嬰ハ短調(遺作)は、元気がもらえるというよりも、涙がこぼれそうになる抒情的な美しさ。こういう曲は、ナマで聴くとまずいよねえ、目がウルウルになってしまうから…。
 今日の写真は3枚の新譜のジャケット。90歳の記念コンサートは、先日来日したばかりのエベーヌ弦楽四重奏団との共演だ。


 
 
| 情報・特急便 | 22:00 | - | -
ルームフレグランス
 ルームフレグランスは、自然のものがいい。
 いま使っているのは、フィレンツェのDr.Vranjes(ドツトール・ヴラニエス)の香りで、最高品質の天然原料エッセンシャルオイルを使用し、ハンドメイドで作られている。
 説明書には、地中海の神秘的な雰囲気と、トスカーナの庭の静けさからインスピレーションを受けて作られ、リラックス、リフレッシュ効果をもたらすと同時に、洗練されたインテリアを完成させる、と書いてある。
 でも、私の部屋はありったけ散らかっているしなあ、洗練からはほど遠いかも。
 このブランドのフレグランスにはさまざまな香りがあり、私が選んだのは、PETALI DI ROSE(ペタリディローズ)。中心となるのは貴重なターキッシュローズのエッセンス。抱えきれないほどのバラの花束を思い起させる、華やかでタイムレスな香り。
 上品なボックス入りで、100ミリ入りだが、25ミリの入れ替え用も含まれている。これで2〜3カ月はもつといわれたが、結構早くなくなり、2カ月くらいで終わってしまうかもしれない。
 天然素材で作られたフレグランスは、本当に心身をリラックスさせてくれ、嫌みがない。
 でも、こういう香りに慣れてしまうと、ないと物足りなくなってしまうから困るんだよね。
 私にとっては、結構高価な買い物だと思うし、もう少し安価な物にしようかなと他の物も試してみたが、やはりフィレンツェには負けた。
 今日の写真は、ボックスとそのフレグランスの瓶2本。これ、あくまでも自然で、癒される香りなんですよ。
 ああ、なんだか眠くなってきたワ(笑)。

| 日々つづれ織り | 20:30 | - | -
まちがい連発、恥かきっぱなし
 原稿締め切りが重なると、とんでもないまちがいをすることがある。
 今日は、音楽雑誌の校正が次々に送られてきたのだが、いつもは絶対にしないようなまちがいがいくつか見つかった。
 これは、いったいどうしたことだろうか。
 きっと原稿を書いている最中に、調べ物をするなかで、ふとしたミスが生じたのだと思う。
 校正段階で気づいたからいいものの、本当にひやひやものだ。
 これに続いて、もうひとつ。アーティストの来日プログラムのエッセイで、文字数をまちがえ、依頼された半分の量しか書かずに入稿してしまった。
 ホント、忙しいと、こういうミスを連発してしまうんだよね。困ったもんだワ。
 というわけで、急きょこの原稿は書き直しをして、本来の文字数にして入稿し直した。
 それにもうひとつ、恥をかくことがあった。
 コンサートに行かれないので、招待状の出席を欠席に変えてもらうため、あるホールに連絡したら、それが違ったホールの主催によるコンサートだった。ああ、恥ずかしい…。
 集中力の欠如か、疲労によるためか。ミスをして初めて、自分の体調に気づく。
 こんなことをしていてはいかん。なんとか栄養をつけて、少し休養をして、頭をすっきりさせなくては…。
 なんといっても、今週がひと山、ふた山あるしなあ。
 まちがいをした場合、いいわけをするのは嫌なのでなんとかすぐに立て直すのだが、それでもこう続くと信用にかかわるよね。反省、反省。
 ちょっとパソコンから離れて、休みますか。
| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 22:15 | - | -
仕事部屋のリフォーム
 仕事部屋にしているマンションの一室が、不具合により、リフォームが必要になった。
 天井、壁の一部の壁紙を変え、フローリングの床をはがして新しくする。部屋の間仕切りとなっているドアも交換する予定だ。大変な作業だが、なんとか今年のクリスマス前には終了する見通しがついた。
 夏にこの不具合が発覚し、共有部分が含まれていたため、それからマンションの管理組合や理事長との話し合い、保険に関することなど、さまざまなことを行わなければならなかった。
 ようやく保険の問題がクリアし、今日は工事にきてくれる人たちとの打ち合わせがあった。
 担当者も大工さんも、みんなとてもいい人たちで、ホッと胸をなでおろした。すでに計測や下見は済んでいるため、これから資材の発注をして、届き次第、工事に入るという。
 私の部屋を訪れた人は、一様に棚に並んだり、箱に詰められたCDや資料の多さに驚きの表情を見せる。実際に工事をする人が、ちょっと困惑した表情でいった。
「このCDはきちんと梱包して他の部屋に動かしますが、あとで全部元の場所に戻しますから。でも、順番はまったく暗記できないので、順不同でいいですか」
 こういわれて、私は笑ってしまった。
「まったくかまいませんよ。棚に入っていれば、順番は関係ないですから、気にしないでください」
 このひとことで、みんなが安堵の表情を見せた。
 さて、11月の下旬くらいに資材が整うと、すぐに工事が始まる。おおよそ20日間くらいかかるそうだ。
 その間、鍵を渡して、私は自宅ですべての仕事をすることになる。
 本当に、家の手入れは大変だ。でも、やらないとどんどん劣化してしまうし…。
 今日の話を聞いた限りでは、とてもきれいに、しっかりしたリフォームができそうだ。クリスマスは、きれいになった仕事部屋で、キャンドルでも灯そうかな(笑)。
 
| 日々つづれ織り | 21:41 | - | -
冬支度
 毎日、原稿書きに追われていると、季節の変化にうとくなる。ここ数日、急に冷え込み、ふと気がつけば冬の気温になっている。
 そうだ、この間、冬のコートを頼んであったっけ。受け取りに行かなくてはならないのに、まったく時間がない、どうしよう。週が明けると、またまた行かれなくなってしまうし…。
 というわけで、原稿を書くのを中断し、東京ミッドタウンの知り合いの洋服屋さんに出かけ、とっておいてもらった裏地なしの軽めのコートをゲットした。
 黒のしっかりしたウールで、裏地がない一枚布の帽子付きのコートだが、いまもっているワンピースやジャンパースカートやロングスカートにもピッタリ合いそうだ。
「こちらのセーターとワンピースもいかがですか。絶対に似合うと思うけど」
 知り合いのUさんに強く薦められ、両方欲しかったが、そこまで余裕がないため、白の薄手のセーターだけ追加した。
 もうこれで、今冬は大丈夫だ。いままでの物をいろいろ着回しすれば、なんとかなりそうだワ(笑)。
 でも、来週はコンサートや出かける用事をすべてキャンセルし、単行本の原稿に集中しなければならない。出版社から、見本の記事を少し出してくれといわれているからである。
 どこまでできるか。やってみないとわからないけど、まあ、やるっきゃないしね。なんとかなるでしょう、と楽観的なワ・タ・シ。
 
 
| 日々つづれ織り | 21:52 | - | -
ショパン・コンクールの資料
 先日、親友のKさんがショパン国際ピアノ・コンクールから帰国し、お土産話を聞いた。
 彼女は、今回第1次予選から本選、ガラコンサートまですべてを聴き、お土産にプログラムと連日リリースされるコンクールのNEWSをもってきてくれた。
 このプログラムと資料を見ていると、各国から参加した若手ピアニストたちの様子がいろいろわかり、とても参考になる。
 こうした資料は、いまの世界のピアニストの動向が理解できるとともに、彼らが選曲する作品の傾向もわかり、師事している先生の名前も知ることができ、さらに各地に住んでいるアジア系のピアニストが多く参加していることもわかる。
 実際、今回の優勝者&入賞者は、圧倒的にアジア系のピアニストで占められ、ピアノ界の現状がリアルに伝わってくる。
 5年前にコンクールを聴きにいったときも、さまざまな本や楽譜や資料を手に入れたが、こういう資料は本当に仕事上大切な物である。
 Kさん、ありがとう。ずっと大切にします。
 今日の写真は、そのプログラムとデイリーニュース。これらを見ていると、現地の空気が伝わってくるんだよね。
 あの独特の緊迫感に満ちた雰囲気、ひとりひとりの演奏に一喜一憂する刺激的な時間、自分の支持するピアニストの演奏にハラハラドキドキする日々。まさにコンクールとは、そうした日常から離脱した、特別な感情を抱くことができるところ。審査発表の瞬間も、みんなが息を殺し、固唾をのんでピアニストの名前が呼ばれるのを待つ。
 そして、優勝者や入賞者の歓喜の声がとどろくのを聞く一方、入賞を逃した人たちが悔し涙を流している姿を間近に見ると、いつも複雑な思いを抱く。
 今日は、「日経新聞」の連載の締め切りがあり、ショパン国際ピアノ・コンクールと優勝者のチョ・ソンジンについて書いた。
 書きながら、会場のワルシャワのフィルハーモニーホールが脳裏に浮かんできた。あの場所は、本当に特別な場所である。

| 親しき友との語らい | 20:53 | - | -
ひじきの炒め煮
 和食は、どんなに疲れているときでも胃腸の負担にならず、スーッとからだのなかに入ってくる。
 いまは、原稿締め切りが重なってエネルギーが切れてくるため、なんとかそれを防ぐために素朴な和食を食べるようにしている。
 今日は、ひじきの炒め煮を作った。
 ふつうのひじきの煮物なのだが、私は豚の赤身ひき肉、油揚げ、にんじん、ごぼう、ちくわ、大豆の水煮を加えている。大豆は、夏に作る場合は枝豆に変えている。
 ひじきの炒め煮は、ふつうは副菜のひとつとして主菜の横に並ぶものだが、私の中身が盛りだくさんのレシピは、立派な主菜としての地位を獲得している。
 これは、いずれもう少し作り方を工夫して、「アーティスト・レシピ」のひとつに加えようと思っている。
 こういうおかずがあると、ごはんが進むし、栄養面でもかなりカバーできる。
 今日の写真は、出来上がったばかりのひじきの炒め煮。お肉と野菜をごま油で炒め、だしとしょうゆとみりんだけでコトコト煮て、最後にごまをトッピングする。
 疲れたからだをやんわりと癒してくれますよ。

| 美味なるダイアリー | 17:43 | - | -
ショパン、ショパン、ショパン
 毎度ながら、この時期は原稿締め切りに追われ、へとへとの状態だ。
 いまは、ショパン・コンクールのムック本の原稿が終わり、女性誌の新年号のショパン特集に取り組んでいる。
 それも、今夜が締め切り。真夜中になるかな、と心配したが、なんとか終わりを迎えた。やれやれ…。
 もう、他のことは何も考えられないほど、頭もからだも疲弊している。こりゃ、あかんなと、いろいろ栄養補給を試みた。
 こんな夜遅く、あれこれ食べるわけにもいかず、飲み物でがまん、がまん。
 さて、次なる締め切りは何だっけ。
 ノートを見ると、ゾッとするんだよね。ああ、まだこんなに詰まっている、どないしよう。
 まあ、ひとつずつこなしていくしかないわけで、音楽専門誌の連載のCD評や特集記事に取り組まなければならない。ああ、そうだ。WEBの連載、今日締め切りだったっけ。まずい、まずい、明日一番で入稿しなくちゃ。
 その次に、音楽誌のインタビュー原稿もあったっけ。金曜日になると、新聞の週末の締め切りがあるしなあ。
 というわけで、あまり深く考えるとめげるので、ちょっとひと息入れてテレビの前にすわり、お茶でも飲みながらテニスのパリ大会でものぞいちゃおうかな(笑)。
 明日は明日の風が吹くし…。
 
 
| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 23:32 | - | -
ダニール・トリフォノフ
「コンクールはスタート台。以後の活動いかんで、そのアーティストの人生が決まる」と、よくいわれる。
 1980年代半ばから国際コンクールの優勝者、入賞者を数多く取材してきたが、まさにコンクール後の数年間で道は大きく分かれる。
 ダニール・トリフォノフは、2011年のチャイコフスキー国際コンクールでグランプリを獲得した後、大きな飛躍を遂げたピアニストである。
 来日のたびに演奏も成熟し、いまや若手のなかでも飛びぬけた存在として、国際舞台で大活躍している。
 今日は、その彼に久しぶりにインタビューを行った。
 コンクール後の活動の様子、新録音について、2016年の新たなコンサート・シリーズに関して、恩師から受けた影響、こよなく愛すラフマニノフについて、偉大なる共演者たちのこと、作曲と編曲についてなど、雄弁に語ってくれ、「日本の食べ物は健康的でおいしい」と、最後に付け加えた。
 いまは年間120回のコンサートを入れているが、もうこれは限界とのことで、今後は減らしていくそうだ。健康法は、水泳やジョギングやウォーキング。
「最近は、ツアーで各地を回るときに食べ物に気をつけるようにしているんだよね。食事に気を配らないといけないと、感じるようになったので」
 そのことばに続けて、和食の話が出たわけである。
 このインタビューはHPのリニューアル後のインタビュー・コンテンツと、ヤマハのWEB「音楽ジャーナリスト&ライターの眼」に書くつもりである。
 彼は国際的な指揮者、器楽奏者との共演があとを絶たないが、彼らから「ことばでは表現できないほど多くの物を得ている」と語る。加えて、現在アメリカで師事しているセルゲイ・ババヤンから学ぶと同時に、ロシアに戻ると、子どものころから師事していたタチヤーナ・ゼリクマンのところに必ず顔を出し、演奏を聴いてもらうという。
 こうした姿勢が、いまの成功につながっているのだろう。
 まだ現段階では詳細を発表できないそうだが、来シーズンからも各地で大きなシリーズや企画が目白押し。「ちゃんと時間をとって、しっかり練習しなくちゃ」と、気を引き締めていた。
 今日の写真は、インタビュー後のワンショット。インタビュー時はかなり改まった服装をしていたが、終わるとジーンズと革ジャンに着替え、黒縁のメガネをかけて、別人のように変身していた。


 
 
| アーティスト・クローズアップ | 22:50 | - | -
あと2カ月
 もう11月になり、今年もあと2カ月となった。
 いまは各誌(紙)の月末入稿と、月の初旬の締め切りが重なり、毎日あっというまに時間が過ぎていく。
 これに加え、女性誌の新年号の特集とショパン・コンクールのムック、アーティストの単行本の原稿が押し寄せ、まったく動きがとれない。
 首も肩も背中も腰もバリバリの状態だが、今日はインフルエンザの予防接種にいったときに、お医者さんから「今日の体調はいかがですか」と聞かれ、つい「はい、大丈夫です」などと嘘っぽいことを答えてしまった(笑)。
 今日は急に気温が低くなり、やはり11月なんだと実感。仕事は目の前に山のようにあるわけだがら、風邪を引くわけにもいかないし、休んでいるわけにもいかない。
 でも、心のなかはほんのりあったかい。
 というのは、ずっと応援していたニュージーランドがラグビーW杯の決勝でとてつもない試合をオーストラリアと繰り広げ、見事に圧勝を遂げたからである。これはライヴでテレビ観戦したのだが、いやあ、ものすごい試合でした。こういう試合を見てしまうと、ふつうの試合が見られなくなってしまうから困る。
 なんでも、超一流のものは心に強い印象をもたらす。
 この日は、ほぼ同時刻にテニスのバーゼルでの試合があり、ロジャー・フェデラーが地元で7度目の優勝を果たした。なんといっても、相手はライヴァルのラファエル・ナダルである。これも優勝カップを掲げるまで見届けた。
 仕事でへとへとになっているのに、こんな真夜中にスポーツ観戦をしていいのだろうか。編集者に知れたら、「そんなことしていないで、早く原稿くださ〜い」と叫ばれるんだろうな。
 そうこうしているうちに、今日も仕事が終わるのは真夜中になりそう。からだをほぐすために、ちょっとワインでも飲んじゃおうかな…。
 
 
| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 22:35 | - | -
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